「女将~、芋焼酎と八目鰻の蒲焼き~」
「あいよー!」
女将が元気に答える。
しかし、この客の多さでは何時来るかわからない。
適当に暇を潰して待っておこうかな。
私、射命丸文は今日、ミスティア·ローレライの屋台に来ている。
この店は主に八目鰻を扱っていて、他にも様々なツマミを用意している。
料理の質もいいので、かなり人気で常連客も多い。
客と言っても人が来ることは滅多になく、主に妖怪だ。
私以外の天狗達もよく来るらしい。
因みにここに来る他の天狗や妖怪達の目的は、八目鰻だが私は違う。
いや、八目鰻も一応目的だが。
今日の私の一番の目的はお酒だ。
聞いた話によると、ここの酒は美味いらしい。
特に八目鰻と芋焼酎のコンビは最高だとか。
芋焼酎は非常に好き嫌いが別れるが、(好きな人でも種類によると変わるらしい)
私は好きなので、大丈夫だろうと考えている。
それで私は楽しみで楽しみでずっと行きたかったので、今日来た。
ここ最近新聞関係が忙しくて来れなかったから期待はより一層高まっている。
あとよく勘違いされるので先に言っておくが、私はお酒に詳しいわけではない。
ただただお酒が好きなだけだ。天狗なので割りと飲めるし。
好きと言う点にしても飲める量にしても鬼ほどではないが。
「へいっ!お待ちっ!」
「あっはい」
ビックリしながらもしっかりと受けとる。
思いの外早かった。
もしかすると人が多すぎて順番を覚えておらず、
他の客が先に注文していたのを放っておいて、私のをやってくれたのかも。
そうだったら他の客に少し申し訳ない。
でもまぁ、そうじゃないかもしれないし、そうだとしてももう遅いわけで。
気にせず美味しく頂こうと思う。
二本の串を両手の人指し指の第二間接辺りの腹と親指の先で摘まむ。
温かくて少し油がついている。
そのまま口元に運び、はむっとかぶり付く。
直ぐにあの甘い味が口の中に広がりえも知れぬ幸福感が満ちる。
私は串を置き、グラスを手に取りぐびっと芋焼酎を思い切り飲む。
普段飲んでる物よりやはり味は濃いし、臭みもある。
だが好きだ。
普段飲まない分余計新鮮に感じる。
芋焼酎は度が強いが、天狗なのであまり酔わない。
こういうときは普段より天狗であることに感謝する。
よかった。
こんな飲み方を普通にできる天狗でよかった。
って。
まぁ、それは置いておいて、
私にとって衝撃的だったのは八目鰻と芋焼酎の相性の良さだ。
すごい噛み合っている。
ええい、八目鰻と芋焼酎の相性の良さは化け物か。
なんていうどこかで聞いたような台詞が飛び出しそうな程だ。
あまりの美味しさにすぐなくなってしまった。
どうしようか。
頼むか。頼まないか。どうするべきだろう。
五分間位か。多分そのくらい悩んだ結果。
私はまた頼んでしまう。
「女将~、八目鰻と芋焼酎~」
あの味をもう一度味わいたくて。
酒飲んだことないです。
蒲焼き食ったことないです。ごめんなさい。
わかこ酒に影響されて書きました。
あややを選んだ理由は組織社会の中にいるから。