ボクはただ創るだけ   作:ころころ

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テストの後はまたテスト......

投稿が...投稿が....!
また遅れてしまう.....!


甥と姪とボク

 ボクが復帰してしばらく経ち、色々な事が起きた。

 イザナギことナギとイザナミことナミの婚約発覚、など、上げたらキリが無い.....という程でも無いが、まあ色々あったのだ、色々と。

 しかし、そんな平和な日常を過ごしても代償にした神力は戻りはしない。なので、ボクは縁側で昼寝に勤しんでいた。

 少し暑いぐらいの気温に体は汗ばみ、それに合わせ風鈴の音が鳴る。その音を子守唄にして、夜に寝れなくならないように浅めに眠る。

 そんな自堕落な生活を送っている度、すっかり大人の女性......いや、お母さんになってしまった琥珀がボクを起こしにやって来る。

 

「兄様、そろそろ起きてください」

 

「あと500年と5分.....」

 

「ダメです! ほら、起きてください」

 

「....ん、分かったよ、()()

 

「あれ? バレちゃった?」

 

 しかし、たまにナミが神力を使って琥珀の姿になっていたりする。今日もそうだった。恐らくボクにイタズラをするつもりだったのだろう。

 遠目からでは分からなかったが、近くに来たらすぐに分かった。なぜなら.....

 

「2人のお兄ちゃんだからね」

 

「すごーい!......じゃなくて! いつまで寝てるの叔父さん?」

 

「そうだね....もうしばらく、かな? 日向ぼっこはいいよ。気持ちよくなる」

 

「あ〜ほんとだ〜...ってなるか!!」

 

 流石黒兎と琥珀の娘。もう、ノリツッコミを習得しているとは......。これは将来が楽しみだ。

 

「それより、ボクに何か話があるんじゃなかったのかい?」

 

「そうだった! えーっと、お母さんが気になることがあって、その事について相談したいから私と一緒に居間に来てだって!」

 

「なるほど。.....そういう事か」

 

 一言で言うと、琥珀の言いたいことはだいたい察しはついた。しかし、ボクもこの件についてはまだ自信は無い。

 だから、彼女に頼ることにした。

 

「よろしくね────ルシエル」

 

 

──了解しました、マスター

 

──....検査完了。マスターの予想通りでした。彼女は────

 

 やっぱりか.....。まあ、その時はボクが何とかするさ。神力が元通りになるまであと少しだしね。

 

 

──.......個人的にはあまりマスターに負担をかけたくありません。無茶だけはしないでくださいよ?

 

「分かってるよ」

 

「ん? どうしたの?」

 

「ううん、なんでもないよ。さあ行くよ」

 

「うん!」

 

 ちなみにルシエルの声はボク以外に聞こえない。それはこれまでの生活で確認済みだ。

けど....

 

『珍しいね。君がボクの心配をするなんて』

 

 

──うるさいです。......まあ、私も名前を付けてくれたり、色々気にかけてくれているのは感謝してますし....

 

『ふふ、元々は君がお願いした事なのに』

 

 そして、ボクは初めてルシエルと会話した時を思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──.....マスターの覚悟は伝わりました。いいでしょう。私、不肖ながらマスターのために頑張ろうと思います。その代わり、一つお願いがあります

 

 ボクが叶えられるものなら一つと言わず幾らでもいいよ!

 

 

──.....この件が終わりましたら、私に......名前を付けてくれませんか?

 

 いいよ、それぐらいならボクでも出来そうだ。けど、本当に名前だけでいいのかい? 他に言ってもいいんだよ?

 

 

──いえ、結構です。私は名付けだけで十分ですので。だって──

 

 

────貴方に名前を付けて貰えるだけでも私は幸せです

 

 彼女──ルシエルは花が歌いだしそうな可憐な声でボクにそう告げた。

 

 しかし、何故だろう。ボクはルシエルの声に、ルシエルの言葉に無性に胸が締め付けられ、心の底から頑張ろうと、そう思えてくる。

 

 

 

 

 

 

 もしかしたら....ルシエルの声を、ボクは以前に()()()()()()()()のかもしれない。

 

 (なわけないか。ボクが初めて人と接したのは黒兎と琥珀だ。それ以前に人と.....会ったことなんて......)

 

 

 無い....とは言えない。

 

 ボクは記憶を忘れている(消されている).....??

 

 

 

 

「......ん!....さん! 叔父さん!」

 

「...なんだい、ナミ?」

 

「なんだい? じゃなくて、さっきから叔父さん、すっごく怖い顔してたよ?」

 

 

 自分の姪にまで心配をかけるとは....これでは叔父さん失格だね。

 

「ごめんね。さっき見てた夢が思いの外怖くてね。思い出して固まってたんだ」

 

「どんな夢だったの?」

 

「夜に眠れなくなっても良いのなら喜んで教える「結構です!」....それは残念だ。最近暑くなってきたから、こういうので涼をとろうと思ったんだけど....」

 

「今後! 一切! そういうのは無し! いいね!」

 

「分かった分かった」

 

 流石に、あんな剣幕で言い寄られたら了承するしかないね。それにしても、ナミがあんなに怖いものが苦手だとは...........まあ、ボクも苦手なんだけどね。

 そういう所はボクに似たのかな? 黒兎と琥珀はこういうのは平気だったし。

 

『引き続きよろしくね、ルシエル』

 

 

──了解しました、マスター

 

 とりあえず、居間に急ごうか。琥珀が待っているしね。そして、ボク達は居間に向かって歩き出した。

 ちなみに、この縁側から居間まではそれなりに遠い。なので、忘れ物をすると面倒臭いのだが....

 

 

 

 

 

 

 

「あ、アイス縁側に置きっぱだった」

 

「え!? じゃあ、早く取りに行かないと! 溶けちゃうじゃん! ちょっと待って............ねえ叔父さん。もしかして、カップのバニラ味?」

 

「確かそうだったね」

 

「それ私のアイスウゥ! うぉぉおおおおおお!!!」

 

「あはは、ごめんね」

 

「ごめんで済んだら神様は要らねぇ!! うぉぉおおおおお!!」

 

 ナミは全力で縁側に戻って行った。すると、ナミが向かって行った方向と逆の方向から少年が歩いて来た。

 

「あ、蒼輝さん」

 

「ん? ああ、ナギか。どうしたんだい?」

 

「いや、イザナミの奴が叫んでたから何事かと。蒼輝さん関わりでしょ? 面白い?」

 

「いや、ボクがナミのアイスを縁側に忘れただけだよ」

 

「イザナミ.....お前のことは忘れないぞ」

 

 ナギは遠い目をしながらナミの居るであろう縁側を向き、敬礼した。

 

「それはそうと、蒼輝さんはこの後何か予定は?」

 

「うーん、この後琥珀とお話があるから、その後なら大丈夫だよ」

 

「じゃあ、終わったら言ってください。自分の部屋にいると思うので」

 

「分かったよ」

 

 ナギにはボクが直々に色々と教えてあげている。ナギはボクの授業が楽しいらしく、時間があったらこのように頼んできている。

 そこでボクは、一つナギに教えてあげることにした。

 

「そうだ、ナギ。君に一つだけ特別なことをおしえてあげよう」

 

「? なんですか?」

 

「実はね、ナミは.....────」

 

「────ッ! それは、本当ですか?」

 

「本当だy「おーーい! 叔父さーん! アイスなんか無かったよ?」

 

「あれ? ボクの勘違いだったのかな? まあいいか。ナミ、行くよ。ナギもまた後でね」

 

「は、はい.....」

 

「え〜、私急いだから疲れたんだけど〜」

 

 ボクは駄々をこねるナミを置いて先に歩き始める。その様子を見たナミはしばらく動かなかったが、黙々と進むボクに察したのか急いでボクの隣まで走ってきた。

 

 

 

 

□□□

ナギ視点

 

 

 先に歩いていく蒼輝さんとそれを追うイザナミ。その後ろ姿をボクはただ呆然と見ているしかなかった。

 

「ま、待って〜〜」

 

「走ると危ないよ?」

 

「走らせてるあんたが言うか!」

 

「ハハハ、ナミは面白いなぁ。黒兎より面白いんじゃないかい?」

 

「ほんとっ!!.....って、話を逸らそうとしてもそうはいかないぞ!」

 

「今日は空が綺麗だね」

 

「雑っ!」

 

 いつもなら笑っているような会話。しかし、今はそんな事ができる状態ではない。

 それも、蒼輝さんの言った言葉に起因する。

 

 

────あと1年以内に死ぬことになる

 

 

 いつも通り過ごしていた日常に、突如として放り込まれた事実。そのことを聞いた瞬間、天地がひっくり返るかと思った。

 蒼輝さんは父様と母様を生んだ神。軽い冗談や人のためになる嘘はついても、人の死の嘘は決してつかない。そんな()だ。たった1ヶ月程の付き合いだが、それは分かる。だけど.....

 嘘だと言って欲しい自分がいる。嘘は言わない人だと分かっているのに、冗談だと、嘘だったと、ドッキリでしたと、笑いながらネタばらしをして欲しい。

 けど、けど.....あの顔は本気だった。

 

 

 

 イザナミが死ぬ? あの花のような笑顔がもう、見られない?

 

「そんな運命クソ喰らえ」

 

 蒼輝さんでもこの結末を覆せないのなら、俺が.....

 

「絶対に守ってみせる......!」

 

 どんな手を使っても.....!




ちなみに『』表記はルシエルと会話している時の心の声です

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