グラブル短編   作:偽馬鹿

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ガウェインとレナさんのお話です。


花と仮面

「……」

「……あらあら」

 

本日は晴天なり。

しかし気分は曇天なり。

そんな風に思いながら、ガウェインは隣に座る女性――レナをチラリを見た。

 

 

 

本日は依頼でとある島での魔物退治だった。

その依頼自体は簡単に終わった。

しかし、グランサイファーが到着する時刻まで時間があるのだ。

その時間が来るまで、ガウェインはレナと一緒に待つしかないのである。

 

「……」

「どうしたのかしらー?」

「ええいなんでもない!」

 

ガウェインはレナが苦手であった。

正確には、少し前に苦手になったというべきか。

呪いに関する価値観の違いというか、なんというか。

その辺りの話が噛み合わなかったのである。

 

「……あらー」

「……どうした?」

「綺麗なお花ねぇー」

「……」

 

苦手だ。

のんびりとした雰囲気といい、ふんわりとした口調といい。

そして纏う呪いの感覚といい。

 

 

 

「……いや、今は違うんだったな」

「なにかしらー?」

「なんでもない」

 

そう、今はその呪いが解けたのだった。

団長から説明されたのだが、彼女の呪いは解けたのである。

その話を聞いて改めて雰囲気を探ったところ、実際に呪いの気配はなくなっていた。

 

そう、呪いは解けているのだ。

しかし、服装はいつも通りのまま。

気配以外に彼女の呪いが解けたということがわからないのであった。

 

「……おい」

「なにかしらー?」

「呪いが解けたっていうのは本当なのか?」

 

面倒臭くなったガウェインは、当人に直接聞くことにした。

何せレナのメンタルは頑強だ。

ちょっとやそっとでは揺るがないだろう。

そういう思いもあって、ガウェインはレナ本人に呪いについて尋ねたのである。

 

「そうよー」

「そうか」

「その代わり、魔物になってしまったのだけれど」

「そうか。……?」

 

よくわからない単語が出てきた。

魔物。

魔物と言ったか。

それになったというのはどういうことか。

 

確かに、呪いが解けたというのは聞いた。

しかしその経緯に関しては聞いていなかった。

まさか、その理由が魔物になったからだとは分からないだろう。

実際ガウェインにはよくわからなかった。

 

「おい、どういうことだ」

「あ、綺麗なお洋服ー」

「聞けっ!」

 

聞いてみれば、とぼけた発言をするレナに苛立つガウェイン。

悪気はないのだろう。

しかし、どうにも苦手だ。

 

 

 

ふらふらと服屋へと寄っていくレナに苛立ちながらも、ガウェインはあとを追っていく。

少し疲れてきたのは気のせいだろうか。

それもこれもこいつのせいだ。

ガウェインは頭を抱えながら歩いていく。

 

「この洋服、わたしに似合うかしらー?」

「知らん」

「じゃあこれはどうかしらー?」

「わからん」

「あらあらー」

 

ふんわりと笑いながら、街頭に飾ってあった服を指すレナ。

それにそっけなく返事をするガウェイン。

 

実際、似合うかどうかなどガウェインにはわからなかった。

姉はいるが、そういう話をする関係ではなかったし、何より呪いを解いてもらって以降出会ってすらいない。

 

「そういうこと言ってるとモテないわよー」

「必要ない!」

「あらー」

 

ひらひらしたワンピースを身体に当てながらレナは笑うが、ガウェインは一蹴する。

実際、ガウェインには必要のない話であった。

国に帰れば相手はいる。

それも国が選ぶ相手である。

恋愛感情など必要などない。

 

「でも、本当にいいのかしらー?」

「なんだと?」

「やっぱり、誰かに好かれることって必要でしょう?」

「……」

 

そうだろうか、とガウェインは自問自答する。

確かに呪いによって他人を気遣うようにはなった。

なったがそれは副次効果であり、本来の彼の感覚ではやはり必要のない項目であった。

 

しかし何故か。

今の呪いが解けたガウェインの心には何故か重く感じた。

 

「ふん……まあ、考えてやってもいい」

「あらあらー」

 

レナはぽん、と両手を合わせて喜んだ様子。

ガウェインはその様子にふん、と鼻を鳴らす。

まったく、この女と話すと疲れる。

ガウェインはそう内心でため息を吐いた。

 

 

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