「ここは?」
光の入口を抜けた克己はいつの間にかどこかの街に立っていた。
「服装はNEVERの革ジャン。それ以外は。」
克己は持ち物を調べると死神から貰ったエターナルメモリ、ロストドライバー。さらに財布とナイフを所持していた。
「かなりの額があるな。」
財布には札がぎっしり詰まっており、克己は唖然としていた。
「…とりあえず、ここはISの世界で間違いないんだよな?ここはどこなんだ?」
克己は街を見渡していると、ビルに取り付けられている大型テレビに目が行った。
「さあ!第二回モンド・グロッソ!決勝に進出したのは織斑千冬!このままV2を取れるのか!」
「織斑?確か助けて欲しいって言われた少年も織斑だったな。…まあいい。とりあえずは探すか。」
克己はテレビの内容は気にせず織斑一夏を探そうとしたが。
「…どこにいるんだ?それにこの街。書いてある文からしてドイツっぽいな。観光で来てるのか?」
克己は織斑一夏をどう捜せばいいのか悩んでいると、エターナルメモリが突然輝き出した。
「何だ?」
克己はエターナルメモリが突然輝き出した事に驚くも、エターナルメモリの向いている場所を変えるとメモリの輝きはさらに増した。
「成る程。メモリは引き合う物。織斑一夏と引き合っているのか。」
克己はエターナルメモリが織斑一夏に引き寄せられていると気づき、輝きが強い方向に向かって歩き出した。
「クソ!ここはどこなんだよ!」
ある廃倉庫に一人の少年が監禁されていた。彼の名前は織斑一夏。克己が捜している少年だった。
「あんたには悪いけど。織斑千冬にこれ以上いい思いはさせない。だからお前を誘拐したのよ。」
一夏の前にISを纏った二人の女が来て、一夏を誘拐した理由を話した。
「俺を誘拐しても千冬姉は来ないよ。」
「何言ってるのお前?」
「俺は出来損ないだからな。」
一夏は女たちに千冬は自分を助けに来ないと言った。それと同時に昔の事を思い出していた。自分は常に千冬と比べられていた事、どんなに頑張っても千冬の弟だから出来て当たり前と言われ、誰も自分を認めてくれなかった事を。
「…いや、弾たちは俺を友達として見てくれてたな。」
だが、それでも自分を認めてくれた人は居た。親友の弾、幼なじみの箒に鈴と。
「何だろう?懐かしいからか涙が出てきたよ…。」
一夏は懐かしさからか目から涙が出ていた。
「これだから男は気持ち悪いのよ。さっさと全員くたばればいいのに!」
女たちは一夏の今の姿を見てイラつきを覚え、今にも一夏を殺しそうな雰囲気だった。
「ちょっと!織斑千冬が決勝戦に出てるわよ!?」
もう一人の女はISに搭載されている通信システムの映像をテレビに変えて見ていたが、千冬が決勝戦に出てるのを知り、驚愕していた。
「何でよ!?弟を誘拐したのに!」
「だから言っただろ?俺は出来損ないなんだから。」
一夏は諦めた表情で女たちに伝えた。
「…ならお前はもう用済み。ここで死んでもらうわよ。」
女はISのライフルの銃口を一夏に向けた。
「ごめん…弾、箒、鈴…。」
一夏は死を覚悟して、弾たちに謝った。だがその時、倉庫の固い扉が物凄い音を立てて破壊された。
「何!?」
女たちはその爆音に驚き後ろを向くと、破壊され倒れてる扉の周りは土煙が上がっており、その煙の中から誰かが歩いて出てきた。
「誰だ!?」
女たちはライフルをその誰かに向けた。
「それがISか。間近で見るとザ・機械の鎧だな。」
出てきたのは克己だった。克己はISを見た後、すぐに一夏を見た。
「お前が織斑一夏か?」
一夏は突然現れた男に質問されたが、男が扉を破壊した事に驚愕していたため言葉が出ず、首を縦に振って質問に答えた。
「やっと見つけたぜ。誘拐されてちゃ街中をいくら捜しても見つかる訳ねえか。」
「あんた!さっきから何一人でブツブツ喋ってるのよ!あいつらはどうしたのよ!?」
「あいつら?ああ、あれの事か?」
克己は親指を後ろに指しながら女に外の様子を見せた。
「なあ…」
外には一夏の誘拐を実行した男たちがボコボコにされた状態で倒れていた。
「素人に銃を持たせても使えねえよ。もう少しマシな奴らを雇うんだな。」
克己はナイフを取り出した。
「俺は織斑一夏にしか用はない。さっさとそこをどけ。」
「あんた、今の状況を分かって言ってるの!生身でISに挑むなんてどんなバカでもやらないわよ!」
「なら、俺がISを生身で破壊した人間、第一号になってやろうか?」
「やれるものならやってみなさいよ!」
女たちは克己の挑発に乗り、ブレードを構えた。
「こんなのに時間をかけるつもりはねえ。さっさと終わらせてもらう!」
克己もナイフを構えて戦闘態勢に入った。