エターナルメモリを受け継ぐ者 改   作:tatuo

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過去の懺悔

「…ここは?」

 

ラウラは目を覚ますと、医務室のベッドに居た。

 

「目が覚めたか。」

 

「教官…。」

 

ラウラは横を見ると、千冬がいた。

 

「何が起きたんですか…?」

 

ラウラはVTシステムに乗っ取られていた時の記憶がなく、何が起きたのか聞いた。

 

「これは重要案件及び機密事項だ。VTシステムは知ってるか?」

 

「ヴァルキリー・トレース・システムですか?」

 

「そうだ。…しかし、貴様のI Sに搭載されていたとはな。…私は一夏だけじゃなく、お前まで追い込んでいたとはな。私は本当に愚かな人間だ。」

 

千冬は一夏だけじゃなくラウラまで追い込んでいたと知り、戒めるような言い方で自分を愚かな人間と言った。

 

「そんな事はありません。教官のおかげで私は再び軍に返り咲く事が出来たんですから。」

 

「…その結果が今回の騒動だ。今日はもう休め。」

 

千冬は立ち上がり、医務室から出ようとした。

 

「教官、教えてください。あの男は本当に教官の弟なのですか?」

 

ラウラは千冬を止めて聞いた。夏己は千冬の弟なのかと。

 

「…ああ。だがあいつはどういう訳か、名前を変えて生きている。この間ようやくあいつの兄の大道克己に会えたが、何も聞けなかった。いや、私自身聞くのが怖かったのかもな。」

 

「教官がそこまで言うとは。」

 

「無駄話はここまでだ。」

 

千冬は医務室から出た。

 

「大道夏己…。」

 

ラウラは夕焼けを見ながら、夏己の名前を呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

「愚かな人間か。」

 

「大道社長。」

 

医務室から出ると、医務室の隣の壁に克己が寄りかかっていた。

 

「ドイツで指導していた部下が道を踏み外しかけるとは、あなたも随分と災難なお方だ。」

 

「…私を笑いにでも来たのですか?」

 

「いえいえ、来た理由はちゃんとあります。この間の話、夏己と弾が使ってる物について話しましょう。」

 

克己は夏己と弾が使ってるメモリの事を話すために千冬の元に来たのだった。

 

「そういえば、一つは無償で教えてくれるんでしたよね?」

 

「そうです。まああなたが知りたい真実はこんな事ではないでしょうが。ですが、織斑一夏については私も何も話す気はありません。知りたいのなら全てを失う覚悟を持ってもらわなければ。」

 

「全てを失う覚悟。」

 

「おっと、話が脱線する所でした。話しましょう。まず、二人が使ってるメモリはガイアメモリと言います。」

 

「ガイアメモリ?」

 

「地球の記憶が内包されたメモリ。いわば二人は地球に選ばれた存在なんですよ。」

 

「待ってください。話の内容が全く。」

 

千冬は克己がガイアメモリは地球の記憶が内包されており、夏己と弾は地球に選ばれた存在だと言われるも千冬は全くついていけなかった。

 

「このご時世、女どもの中には自分は神に選ばれた存在と言う輩も居ます。なら地球に選ばれた人間が居たって何の不思議もありません。」

 

「……。」

 

「それに二人はI Sではありません。それはもうお気づきですよね?」

 

「…はい。二人のはI Sでは出来ないような動きをしていたので。」

 

「まあガイアメモリの事についてはこれくらいでしょう。では、私はこれで。」

 

克己は振り向き、歩き始めたがすぐに足を止めた。

 

「あ、そうだ。一つ面白い事を教えてあげましょう。」

 

「面白い事?」

 

「夏己が使ってるエターナルは全てのI Sの機能を停止させる能力を持ってます。エターナルの意味通り、永遠に。」

 

克己は顔を振り向かせながらエターナルのマキシマムドライブの事を千冬に明かした。

 

「!?」

 

千冬は克己からエターナルの能力がI Sの機能を永遠に停止出来ると聞かされ驚愕する。

 

「永遠ってその事だったんですか!」

 

「どうやら永遠の意味を色々探ってたようですね。I Sを永遠に無力化させる。これが答えです。良かったですね。夏己が優しい奴で。あいつがI Sを完全に憎んでたら、この学園は今頃どうなってたか。」

 

克己は笑い様に言って、再び歩き出した。

 

「あの!…!?」

 

千冬は克己を止めようと声をかけたが、その瞬間、後ろから誰かの気配を感じ、後ろを振り向いた。

 

「いない…?」

 

後ろには誰もおらず、千冬はただ立ち尽くして居た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの子はいつになったら、辛い現実を受け入れるのかしら?」

 

違う場所に黒ずくめの女性がおり、女性は千冬に辛い現実を受け入れて欲しかった。

 

「…既にこの世界に居るのよ。ガイアメモリとは違う存在が。いずれあなたたちは巻き込まれる。早くした方が身のためよ。」

 

女性はガイアメモリとは違う存在が既にこの世界に居る事を知っているかのように語った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…尾けられてるな。」

 

廊下を歩いていた克己だが、克己は誰かにつけられていた。

 

「少し遊んでやるか。」

 

克己はそのまま歩き、克己の後を追っていた人物も後を追い、克己は曲がり角に入り人物も曲がり角に入ったが。

 

「いない!?」

 

そこに克己はいなかった。しかもそこは行き止まりの場所だった。

 

「一体どこに!?」

 

「俺をお探しか?」

 

「!?」

 

後ろから克己の声と同時に殺気を感じ、人物はすぐに振りむこうとするが。

 

「させるかッ!」

 

克己は人物の手を抑えて、さらに壁に叩きつけて腕で首を抑えた。

 

「いつから気づいていたの…?」

 

「織斑千冬と話している時からだ。」

 

「そこから気づいていたなんて、あなた只者じゃないわね…。」

 

「それはお前もだろ。」

 

「私はここの生徒よ。か弱い女の子をいつまで拘束するのかしら?」

 

「寝言をほざくな。お前はか弱いじゃない。危険と言うんだ。更織の暗部の現当主、更織楯無さんよッ!」

 

克己を着けていたのは楯無だった。

 

「何の用だ?」

 

「用と言うより、あなたの事を調べてたのよ。」

 

「俺の事を?サインが欲しいなら直接来い。」

 

克己は冗談を言いながらも、拘束する力を強めた。

 

「あなた、デュノア社の消滅に何か関わってるのよね?」

 

「どうしてそう思う?」

 

「あなたの弟、大道夏己が使ってるI Sよ。無人機が襲撃してきた時、あなたの弟が一人で無人機を破壊したけど、その時大道夏己のI Sからは緑色のオーラが出ていた。デュノア社は緑色の球体に包まれて消えた。オーラと球体は何か関係があるんでしょ!」

 

楯無はデュノア社消滅の謎を追うために克己の事を調べていたのだった。

 

「お前の想像に任せる。」

 

「そう。…だけど今はこの話よりさっきの話の方が気になるわ。」

 

「さっきの話?」

 

「大道夏己のI SがI Sじゃないのに、全てのI Sの機能を永遠に無力化出来るなんてどういう意味よッ!」

 

「そのまんまの意味だ。けどよ…これ以上詮索するなら、お前も地獄を見るぞ…」

 

克己は不気味な笑みを楯無に見せた。

 

「!?」

 

楯無はその顔を見て悪寒が走った。今の克己の表情は悪魔の顔と言っても過言ではないから。

 

「死ぬ方がまだマシな地獄を楽しませてやってもいいんだぜ…」

 

「あ…あ…」

 

そして、楯無は直感した。この男が言ってる言葉は嘘じゃない、本当だという事を。それだけじゃない、この男には勝てない。自分の体が恐怖で震えている事でそれに気付かされた。

 

「話は終わりか?なら俺は帰らせてもらう。」

 

「ハア…ハア…」

 

克己は拘束を解き、楯無は緊張が解けたためか酷い汗をかき、息を切らしながらその場に座り込んでしまう。

 

「更織。これだけは覚えておけ。この学園の明日は夏己の手の中にある事を。お前のバカな行動一つでI S学園は地獄に変わる。忘れるなよ。」

 

克己は楯無に警告をし、その場から立ち去った。

 

「大道克己…あなたは、何者なの…?」

 

残された楯無は克己に対して威圧感と恐怖を感じていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、夏己たちのクラスではある意味、騒動が起きていた。

 

「えー、今日も転校生を紹介します。」

 

歯切れの悪い真耶。それもそのはずだった。何故なら転校生は。

 

「シャルロット・デュノアです。皆さん、改めましてよろしくお願いします。」

 

「はあ?」

 

箒の一言と共にクラスは沈黙していた。

 

「まあ普通はこうだよな。」

 

夏己はクラスメイトのリアクションに納得していると。

 

「おい。」

 

「ボーデヴィッヒか。傷は大丈夫なのか?」

 

夏己の目の前にいつの間にかラウラがいた。

 

「傷は大した事はない。それより私の事はラウラと呼べ。」

 

「じゃあ、遠慮なく呼ばせてもら…!?」

 

その瞬間、夏己はラウラに制服を引っ張られた挙句にキスをされてしまう。

 

「お前は私の嫁だ!異論は認めん!」

 

「はあ?」

 

「うわぁ、また騒動が起きるな。」

 

夏己は何が起きたのか分からず、弾は周りを見ていた。

 

「夏己!これはどういう事だッ!」

 

「そうですわ!ちゃんと説明してください!」

 

夏己は箒たちから質問攻めに遭ってしまう。

 

 

「青春だねー!」

 

「…ゲーム・オーバー。」

 

堂本は笑いながら見ていたが、芦原はまた一言だけしか言わなかった。

 

 

 

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