臨海学校当日、夏己たちは泊まる旅館に来ていた。
「ここが泊まる旅館か。」
「デケエな。」
夏己と弾は泊まる旅館の大きさに圧倒されていた。
「夕方までは自由行動だ。それとこの旅館に1組だけだが一般客も泊まっている。迷惑をかけないようにな。」
「はーい!」
生徒たちは自分たちの部屋に荷物を置きに行った。
「部屋も広いな。」
夏己と弾も部屋に入り、荷物を置いた。
「夏己!海に行こうぜ!」
「だな!」
「海に行く前に俺から大事な話があるけどいいか?」
「え?」
「克己さん!?」
二人は克己が居る事に驚き唖然としていた。
「もしかして泊まってる1組の一般客って?」
「俺の事だ。まあ仕事もしなきゃいけねえから羽原と泉も来てるがな。」
「え…京水さん。女風呂に入らなきゃいいんだけど…。」
夏己と弾は羽原と京水も来てると聞き、京水が間違って女風呂に入らないか不安だった。
「それなら大丈夫だ。あいつは女には興味ない。迷いなく男湯に入るからな。」
「いやそれって俺たちが危険じゃないですか!」
結局のところ、京水が男湯に入ろうが女湯に入ろうが危ない事には変わりなかった。
「って、あいつの話はもういいだろ。それより大事な話があるからまずは座れ。」
「分かった。」
夏己と弾は畳に座り、克己も座り三人は対面で向かいあった。
「早速だが夏己。T2ガイアメモリを出してくれ。」
「うん。」
夏己は克己に言われ、T2ガイアメモリが入ったアタッシュケースを出して、ケースを開けた。
「おい、嫁が持ってるあれは何だ?」
「夏己さんが使ってるメモリです。夏己さんのI Sはあのメモリを使ってたたかうのですわ。」
夏己たちの部屋を箒たちが盗み見しており、ラウラは周りにガイアメモリの事を聞いてきた。
「それにあの男は?」
「あの人は大道克己。夏己のお兄さんだよ。ラウラ。」
「あのお方が夏己さんのお兄様。」
セシリアとラウラは克己の事をジッと見ていた。
「…趣味の悪い事するな。」
克己は立ち上がると入口の襖まで行き、襖を開けた。
「きゃああぁー!」
箒たちは雪崩れの如く倒れてしまった。
「みんな!」
「何やってんだ?」
「俺たちの事を見てたんだ。これの事が知りたいのか?」
克己はアタッシュケースの元まで行き、T2ジョーカーメモリを取り、箒たちに見せた。
「見せてくれるなら全て見させてください。兄上。」
「はあ?お前何言ってるんだ?」
「私の嫁の兄なら、私にとっても兄上です。日本ではそういう言い方をすると聞いております。」
「…誰だよ。お前に間違った日本の知識を植え付けた奴は。」
克己はラウラの間違った日本の知識に唖然としていると、その隙に箒たちはアタッシュケースのT2ガイアメモリを見ていた。
「無人機の襲撃の時も見ましたが、こうして見ると色々違うのですね。」
「こんなにあるなら一個くらい分けてよ!」
「無理な話だ。そのメモリは専用のスロットがないと使えない代物だ。ほらほらせっかく海に来たんだから先に行って遊んでこい。」
「え!ちょっと!」
克己はさっさと箒たちを部屋から追い出したが、シャルだけは残した。
「あれ兄さん。何でシャルは?」
「…お前ら、奴らが。ドーパントがいずれお前たちの前に現れる。」
克己は真剣な表情をして、夏己たちにドーパントの事を話し始めた。
「ドーパント?何すかそれ?」
「そのメモリ、ガイアメモリの怪人だ。」
「怪人!?」
「そのメモリはな、お前たちはロストドライバーやアクセルドライバー、シャルロットの場合はI Sがドライバー代わりになってる。そのおかげで仮面ライダーの姿やI Sに近い姿だが、そのメモリを体に直接挿せばドーパントって怪人になるんだ。」
「このメモリが…。」
夏己たちは自分たちが使ってるメモリが怪人の姿にもなれると克己から聞かされ、メモリを見てしまう。
「もしドーパントが現れてみろ。マジでI Sとの大規模な戦争が起きちまう。だから、ドーパントが現れたらお前たちに倒していってもらいたい。メモリを破壊出来るのはメモリの力かもしくはそれと同等の力だけだ。」
「つまり、仮面ライダーの力だけが頼りって事?」
「ああ。これからはさらにキツイ特訓が待ってる。覚悟はいいか?」
克己はドーパントに対抗するために夏己たちをさらに強くさせるため特訓はよりハードになる。その覚悟はあるかどうか聞いてきた。
「あるに決まってるよ!兄さん!」
「俺もっすよ!」
「僕も!」
三人は迷わず答えた。覚悟はあると。
「よし、なら今日は思いっきり遊べ。ここからは俺もプライベートだ。」
克己はネクタイを取り、楽な格好になった。
夏己たちは海に来て楽しんでいた。
「大道君!五反田君!ビーチバレーしようよ!」
クラスメイトの何人かが夏己たちをビーチバレーに誘った。
「そうだな、人数は。」
「なら俺たちと勝負するか?夏己。」
ビーチにはアロハシャツを着て短パンを履いた克己が来ており、克己は夏己たちに勝負を挑んできた。
「あれ、京水さんは?」
克己たちと一緒に羽原、堂本、芦原はいたが、京水だけはいなかった。
「ただいま縛り中です。」
「そうっすか…。」
弾は羽原の言葉を聞いて、京水が今何をされてるか想像出来た。
「んーー!んーー!」
京水は縛られた状態で旅館に置いていかれていた。
「それじゃあ始めるか。」
チームは克己、弾、芦原の、夏己、羽原、堂本のチームで試合になった。
「行くよ。兄さん!」
夏己はサーブを打ち、試合は始まった。
「凄いね…。」
試合を見ていたクラスメイトたちは唖然としていた。夏己たちの試合は下手なプロより凄い試合になってたから。
「中々勝負がつかないね。」
「一旦ここまでにする。休憩だ。」
勝負は一旦お預けになり、夏己たちは休憩に入った。
「はいよ!焼きそばにカキ氷だ!」
「うわ〜美味しそう〜!」
「堂本さん。海の家の店主が似合うね。」
「ノリが体育会系だからな。」
ラムネを飲んでいた夏己たちは堂本の違和感のない姿に納得していた。
「…こんなに楽しい気持ちはいつ以来だ?」
克己は誰かと遊ぶという事に忘れていた気持ちを思い出していたが、最後に楽しかったのはいつ以来だったのかも考えていた。
「ドーパントが来るまでは楽しむとするか。」
克己はラムネを飲んで、瓶を置いた。
「夏己。ビーチバレー以外の勝負もするぞ。」
「うん!」
夏己は克己とビーチバレー以外の勝負をすることになった。
気がつけば時間は夕方になっており、生徒たちは皆、旅館に戻っていた。
「……。」
克己は夕日が見える崖におり、そこで夕日を見ていた。
「大道さん。」
そこに千冬が来て、克己に声をかけた。
「織斑先生ですか。何か御用ですか?」
「生徒たちの面倒を見てくれてありがとうございます。私や山田先生より先生らしかったです。」
「年頃の子ですから、目を離すと何をしでかすか。…織斑さん。一つ聞いてもいいですか?」
「何でしょうか?」
「もし、この世界にI Sが全く通用しない。いや、I Sをガラクタ同然に出来る存在が現れたらどうしますか?」
克己はドーパントの事は言わずにI Sでは倒せない存在が現れたらどうするのか、千冬に聞いた。
「…突拍子もない事を聞きますね。そんな存在が居るなら会ってみたいですね。」
「流石はブリュンヒルデ。言う事が違いますね。」
克己は旅館に戻るのか、千冬の方に向かって歩き出した。
「奴らはいずれ俺たちの前に姿を現す。あんたも死を覚悟した方がいいかもな。」
「!?」
千冬は克己が耳元で囁いた″死″という言葉に顔色を変えてしまいその場から動けなかった。
「ドーパントの事を洗いざらい調べてみるか。ロイミュードに関しては詳しいライダーが来たら、そいつに聞くか。」
克己は旅館に戻ったらドーパントの事を調べ、ロイミュードに関しては死神が送ってくれるライダーから聞くと決めた。
夜、夏己たちは旅館で出された料理を食べていた。
「美味い!」
「流石は一流旅館。こんな美味いモンが食えるなんてな!」
夏己と弾は料理を堪能していた。
「?」
夏己はふと見ると、箒が自分の方をジッと見ていた。
「何だ?」
だが、箒はすぐに目を逸らしてしまい、夏己は気にせず食事を食べた。
「ミュージアムのガイアメモリ。」
部屋に居る克己は地球の本棚でガイアメモリの事を調べていた。
「こんなにあるのか。絞り込んでみるか。」
ガイアメモリに関する情報はあまりに多く、克己は絞り込んで検索を始めた。
「仮面ライダーダブルを苦しめたガイアメモリ。」
克己がそう検索すると、本棚が動き出し克己の前に4冊の本だけが残った。
「エターナルがあるのか。まあ当然か。メモリの機能を停止させたんだからな。後は…財団Xの野郎が使ってたメモリもか。まあいきなりこれが来るとは考えにくいな。」
克己は本を閉じて、違うのを検索し始めた。
「I Sのコアのカラクリ。」
克己はI Sの事を検索し始め、コアについて調べたが。
「ロックがかかってやがる。篠ノ之束でさえ分からない事も本棚なら分かると思ったが無理だったのか。」
コアに関する本はロックがかかっており、閲覧する事は出来なかった。
「まあいい。いずれは滅びる物だからな。」
克己は本を投げ捨て、現実世界に戻った。