エターナルメモリを受け継ぐ者 改   作:tatuo

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この二人を出しました。残り一人を出そうか今考え中です。


新たなライダー

「たくよ、全然会えねえじゃねえか。どこにいるんだよ大道克己は?」

 

「焦るな剛。俺たちは仮面ライダーとしての使命を果たすためにこの世界に来たんだ。仮面ライダーとして戦っていればいずれ会える。」

 

「けど、人間として生まれ変わったお前と一緒に戦えるなんて、神様に感謝だな。チェイス。」

 

「俺も感謝してる。ロイミュードだった俺が人間になれたんだから。」

 

川の上の橋の上に二人の青年が居た。二人の名は詩島剛、チェイス。二人も別の世界の人間だが、ある理由があってこの世界に来ていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間前、剛は愛用のバイク、ライドマッハーを止めて空を眺めていた。

 

「チェイス。必ずお前を復活させるからな。お前は俺の大事なダチなんだからな。」

 

剛は形見でもあるチェイスの免許証を見ながら決意していた。必ずチェイスを復活させると。

 

「剛…詩島剛。」

 

「?」

 

剛は突然聞こえてきた声を聞き、辺りを見渡した。

 

「!?」

 

その瞬間、剛は強い光に飲み込まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…どこだここ?」

 

剛は気がつくと真っ白な世界に居て、辺りを見渡した。

 

「…チェイス!?」

 

剛が前を見ると、そこにはチェイスが居た。

 

「剛。何故ここに?」

 

チェイスは剛の声を聞いて振り向いた。

 

「それはこっちの台詞だ。それよりここはどこなんだよ!」

 

「それはこいつに聞け。」

 

チェイスは前を見ると、そこには克己をI Sの世界に送った死神が居た。

 

「誰だよあんた?」

 

「私はチェイスに肉体と人の命を与えた存在です。チェイスはこれから人間として生きる事が出来るのです。」

 

「はあ?それって…」

 

「剛。俺は生まれ変わった。人間として生きていけるんだ。」

 

「マジかよ…じゃあ…」

 

剛は死神とチェイスの言葉を聞いて嬉しさのあまり膝を崩してしまう。

 

「だが、俺にはやらなければいけない事が出来た。」

 

「やらなければいけない事?何だよそれ?」

 

「ある世界にあなたたちの因縁の敵であるロイミュードが行ってしまったんです。その世界に行ったロイミュードは001。001は再び復活したのです。」

 

「!?」

 

剛は死神から001が再び復活したと聞き、顔色を変えた。

 

「それだけじゃない。その世界にはドーパントと呼ばれる怪人どもも居るらしい。俺はこれからその世界に行き、その世界で戦ってる仮面ライダーに協力する。」

 

「仮面ライダーは既に居るのか。後、俺を呼んだ理由は何だ?」

 

剛は死神に自分をここに呼んだ理由を一応聞いた。

 

「あなたはチェイスを復活させるために頑張っていました。だからこそ、あなたにはチェイスと共に戦ってもらいたいのです。ですが…」

 

「何だ?」

 

「私は死んだ存在を送る事が出来るだけ。生きた人間を別の世界に送れば、あなたは二度と元の世界には帰れなくなってしまうのです。」

 

「……。」

 

剛は自分が別の世界に行けば、二度と元の世界に帰れなくなってしまうと死神から聞かされ、一瞬考えてしまうが。

 

「構わねえよ。ダチと一緒なら右も左も分からねえ世界なんか怖くねえ。それにあんたはチェイスを復活させただけじゃなく人間にまでしてくれた。ある意味俺の頼みを聞いてくれた。ギブアンドテイクだろ。俺はチェイスと共に戦う。覚悟はあるぜ。」

 

剛はすぐに答えた。自分はチェイスと共に戦うと、元の世界に二度と戻れなくてもその覚悟はあると。

 

「流石ですね。あなたの親友は。」

 

「これが詩島剛だ。剛、行くぞ。」

 

剛とチェイスの前に光が現れた。

 

「それじゃあ行きますか。別の世界に。」

 

二人は光の中に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで来たはいいが、3日は探してるぞ。」

 

「けど、それ以外の情報収集は出来たんだろ?」

 

「ああ。この世界はインフィニット・ストラトス。通称I Sって呼ばれる兵器がある。でもこの兵器は女にしか使えない欠点がある。そのせいでこの世界は女尊男卑に染まっちまった。そのせいで女はすぐにデカい態度に出る。」

 

「なら、ガイアメモリに手を出す確率が上がるのか。」

 

「無理もねえ話だ。女に復讐するって言って手を出す輩がとんでもない数だからな。」

 

「クリムが居たら何て言うか。」

 

剛とチェイスはI Sの世界を調べた事でクリム、ベルトさんが居たら何を言うか考えてしまう。

 

「剛。俺たちはあの子たちの事は守れるのか?」

 

チェイスは橋の下の川で遊んでいる三人の男子児童を見た。

 

「それくらい出来なきゃ仮面ライダー失格だ。」

 

剛は笑顔で答えて、チェイスは不器用な笑顔で返した。

 

「せっかく人間になったんだ。人間の感情をもっと勉強しろ。笑顔はこうだ!」

 

「こうか?」

 

剛は笑顔の見本を見せて、チェイスはそれを真似した。

 

 

 

 

 

 

 

 

川の水面、何かが男児たちを見ていた。

 

 

「すげえな!」

 

川で遊んでいた男児たちは川の生き物を取るのに夢中になっていた。そして、水面から何か出てきた。

 

 

 

 

 

 

 

「うわあぁぁぁーーー!!」

 

「!?」

 

男児の悲鳴を聞いた剛とチェイスはすぐに下を見た。

 

「何だあれ!?」

 

男児がタコの脚のようなものに足を引っ張られて川に引きずり込まれそうになっていた。

 

「!!」

 

チェイスはすぐに橋から飛び男児の元に駆けつけた。

 

「チェイス!」

 

剛もすぐに後を追った。

 

「すぐに助けてやる!」

 

チェイスは男児の手を握り必死に引っ張った。

 

「お前たちは早く逃げろ!」

 

剛は二人の男児に言い、男児たちは逃げた。

 

「助けて!助けて!」

 

男児は必死にチェイスの手を握った。

 

「必ず、必ず助ける!」

 

チェイスは絶対に助けるという想いで引っ張るが。

 

「!?」

 

川から別の脚が現れてチェイスを叩き、チェイスはその一撃で手を離してしまった。

 

「なあ!」

 

男児はそのまま川の中に引きずり込まれてしまった。

 

「ロイミュードなのか!」

 

剛はマッハドライバーを出して着けた。

 

「シグナルバイク!」

 

剛はマッハドライバーにシグナルバイクを入れて装填させた。

 

「レッツ…変身!」

 

「ライダー・マッハ!」

 

剛は仮面ライダーマッハに変身し、ゼンリンシューターを構えた。

 

「やめろ!剛!」

 

「!?」

 

チェイスに言われ、マッハは撃つのをやめた。

 

「まだこの中に子供がいる。捜すぞ!」

 

「その必要はない。」

 

「?」

 

「…ロイミュードではない。ドーパントか?」

 

マッハとチェイスの前にユニコーンの姿を模し、槍を持った怪人、3つの犬の顔を持ちケルベロスを模した怪人が現れた。だが二体にはロイミュードの特徴である数字が書かれたプレートは胸になかった。

 

「俺たちはガイアメモリに選ばれた存在。今のガキもガイアメモリにいずれ選ばれる。」

 

「あんなちびっ子にまで使うとかかなり腐った連中だな!」

 

「俺も同感だ。」

 

チェイスもマッハドライバー炎を着けた。

 

「シグナルバイク!」

 

「変身!」

 

「ライダー・チェイサー!」

 

チェイスも仮面ライダーチェイサーに変身し、シンゴウアックスを構えた。

 

「ガイアメモリの力、思い知れッ!」

 

ユニコーン・ドーパントは槍を構え、ケルベロス・ドーパントは爪を向けた。

 

「行くぞ。」

 

チェイサーはシンゴウアックスを振り、ユニコーンは槍を巧みに使い、互角の戦いを繰り広げた。

 

「マッハで片付けてやるぜ!」

 

マッハはシグナルカクサーンのシグナルバイクを装填させた。

 

「シグナルコウカン・カクサーン!」

 

ゼンリンシューターから撃たれた光弾が拡散してユニコーンとケルベロスに当たりかけるが。

 

「無駄だ!」

 

ユニコーンは巧みな槍捌き、ケルベロスは三つの頭から炎、雷、風を放ち、光弾を全てガードした。

 

「げえ、こいつら何気に強いな。」

 

「ロイミュードとは全く違う強さか。」

 

「貴様らが仮面ライダー。いや、聞いてた姿と違うな。」

 

「この世界に既にいる仮面ライダーか。で、お前たちの本当の目的は何だ?あんな子供にガイアメモリを本気で使用するのか?」

 

マッハはゼンリンシューターを向けながらユニコーンたちに本当の目的を聞いた。

 

「俺たちは加頭さんが作る理想郷に協力しているだけだ。」

 

「理想郷だと?」

 

「この世界は地獄だ。加頭さんは全ての男どもの救世主。加頭さんのためなら何人でも攫い、殺す!」

 

ケルベロスは火炎弾を撃ち、マッハとチェイサーの目の前に当たって爆発した。

 

「逃げたか…。」

 

チェイサーは前を見ると、ユニコーンとケルベロスは既にいなかった。

 

「まさか俺たちの目の前で誘拐するとは。」

 

マッハは変身を解き、川を見た。

 

「どうする、剛?」

 

チェイサーも変身を解き、剛に聞いた。

 

「今は大道克己の会社を張っておくしかない。大道克己に出会わねえと話が進まないからな。」

 

「それしかないのか。」

 

チェイスも川を見た。

 

「誘拐ならまだ生きてる可能性はある。必ず、必ず助ける。」

 

チェイスは攫われた子供を必ず助けると決意し、二人はライドマッハー、ライドチェイサーに乗り、克己の会社に向かって走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうですか。仮面ライダーが現れましたか。」

 

「ですが、奴らは聞いてた奴らとは違いました。奴らは一体?」

 

廃倉庫には加頭、ユニコーン、ケルベロスがおり、加頭はユニコーンたちの報告を聞いていた。

 

「彼らはいずれ大道克己の前に現れます。彼らの方は我々に任せて、あなたたちは今まで通りにお願いします。」

 

加頭はガイアメモリをユニコーンたちに差し出した。

 

「これは?」

 

「このガイアメモリをある人物に渡してもらいたいのです。これがその人物の情報です。」

 

さらに加頭は渡す人物の情報が書かれた書類をユニコーンたちに渡した。

 

「いじめられっ子か?」

 

「そうです。彼はI Sによって学校でもしまいには家族から酷い扱いを受けてます。彼にこのガイアメモリを必ず渡してください。それと邪魔な奴が居たらそいつらは殺して構いません。」

 

「気前がいいですね。では。」

 

ユニコーンとケルベロスはガイアメモリを持って廃倉庫から出た。

 

「…ガラクタを作るあなたでも価値はあります。我々に協力してもらいますよ。篠ノ之博士。」

 

加頭は屋根を見ながら呟いたが、そこには血まみれで鎖に縛られた束が居た。

 


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