「やっとひと段落か。今年は凄い事が起きすぎね。あれだけの専用機持ちに無人機襲撃、挙句には怪物の襲撃まで起きるなんて。」
街に真耶がおり、真耶は学園で起きた事を振り返りながら歩いていた。
「この先どうなっちゃうのかな?」
真耶はこれからの事に不安を覚えていた。
「?…あの人は?」
真耶はふと前を見ると、距離はあるがハートが藤堂と一緒に公園に入っていくのが見えた。
「確か、織斑先生を助けた、ハートさんだったような。」
真耶は二人の後を追って公園に入った。
数時間前、ハートは藤堂を捜して街を歩いていた。
「ハート、君は何故あの少年にこだわる?」
クリムはハートが何故藤堂にこだわっているのかを聞いた。
「彼を救いたいだけだ。彼はまだ子供、それがガイアメモリで怪人になった。泊進ノ介なら迷わず救うだろ?」
「確かに進ノ介なら救うために必死になるな。」
ハートは進ノ介ならどうするかをクリムに伝え、クリムもそれに納得していた。
「おい。」
「…君の方から来るとはな。」
ハートは誰かに呼ばれて後ろを向くと、そこには藤堂が居た。
「ここでは他の人に迷惑だ。暴れられる場所にまで連れて行ってやる。」
ハートは歩き出し、藤堂も後を着いて行った。
「よし…もう少しで完成ね…!」
整備室に篭っていた薫子は設計図の物が完成に近く、気合いを入れていた。
「薫子、少し休みなさい。もう3日も徹夜してるのよ。」
そこには整備科のメンバーである虚も居たが、虚は薫子をかなり心配していた。それもそのはずだった。薫子は完成させるために3日間徹夜していたから。
「何言ってるの…後少し…後少しなんだから…!」
だが、薫子は聞く耳を持たずに作っていた。
「でも、これ何なんだろ?見た感じは大きな剣に、銃よね?」
「これは大鉾型の槍よ。それに銃は大口径タイプ、しかもこの二丁は合体させる事も出来るのよ…!」
設計図の物は大鉾状の槍に二丁の大口径銃だった。
「けど、完成したら誰に渡すの?」
「手紙にはクリムたちに渡してとしか書いてなかったわ。まあ完成したら捜すけど。」
「なら、私が捜すわ。それに五反田さんなら何か知っているはずだから。」
虚はクリムたちを捜すために弾の元に向かい、整備室から出た。
「!!」
オクトパスと戦っているチェイサーはブレイクガンナーを撃ってオクトパスの脚の攻撃をガードしていた。
「何故子供を誘拐した?」
「ガキなら誰でもいいって言われたんだよ!楽な仕事だぜ!一人誘拐する度に大金が手に入るんだからよ!」
オクトパスは墨を吐き、墨は当たった地面を爆発させていった。
「爆発能力。」
「どうだ!俺には近づけまい!」
「なら、俺も入るぜ!」
オクトパスの背中に光弾が当たり、オクトパスは怯んだ。
「剛。」
オクトパスの後ろにはマッハがおり、マッハはゼンリンシューターを構えていた。
「チェイス。このドーパント、あちこちで誘拐をしてたみたいだ。この1ヶ月で3桁もやりがってる。」
「なら、何故警察は動かない?ドーパントでも誘拐事件として動いているはずだ。」
チェイサーはオクトパスがかなりの人数を誘拐しているのをマッハから聞き、警察が何故動いてないのか疑問に思うが。
「そこに001が関わってるんだ。001は警察の人間の記憶を操作して誘拐事件は起こってないって記憶にした。記憶操作が効かない人間は消せば早い話だ。」
「それなら納得だ。剛!行くぞ!」
「おうよ!」
マッハとチェイサーはゼンリンシューター、ブレイクガンナーをオクトパスに撃ちまくった。
「お前は何故織斑千冬を守った?」
公園に入った藤堂はハートに千冬を守った理由を聞いた。
「仮面ライダーなら当たり前の事だ。なら、俺も聞く。何故ガイアメモリに手を出した?」
「決まってるだろ…I Sを破壊して…織斑千冬を殺すためだッ!」
藤堂はフェニックスメモリを出して首に挿した。
「フェニックス!」
藤堂はフェニックス・ドーパントに変身して、大剣を持った。
「そんな…子供まで怪物に…」
隠れて見ていた真耶だが、真耶は子供まで怪物になってしまった事にショックを隠せなかった。
「ハート、彼は完全にメモリの毒素に蝕まれている。早くメモリを破壊しなければ命に関わる!」
「分かっている。彼は必ず救う!」
ハートはシフトブレスにシフトハートロンを入れた。
「変身!」
ハートも変身して仮面ライダーハートになり二体は構えた。
「!!」
フェニックスは火球を放った。
「五反田さん!」
「?」
廊下を歩いていた弾は虚に呼ばれて足を止めた。
「えっと、誰ですか?」
「私、布仏虚と申します。あの、五反田さん。クリムという人をご存知ですか?」
「クリム、ああベルトさんの事か。」
「ベルトさん?」
「説明より見た方が早いんですよね。ただ今はハートさんと一緒に外に出ていますよ。用があるなら俺が伝えましょうか?」
弾は虚にクリムに用があるなら代わりに自分が伝えると言うが。
「いえ、クリムという人に渡さないといけない物があるのです。一緒に捜してもらえないでしょうか?」
「え!」
虚に見つめられながら頼まれ、弾は顔を赤くしてしまう。
「えっと…」
弾が顔を真っ赤にして困っていると、後ろの壁が突如破壊された。
「!?」
二人はすぐに後ろを向いた。
「お前は?」
破壊された穴からスコールが出てきたが、スコールは既にボロボロの状態だった。
「あの男…この状態で学園に行って来いとかかなり無茶を言うじゃない…まあいいわ…。これを貰えたからね。」
そう言ってスコールはガイアメモリを出した。
「お前!どこでメモリを!?」
「加頭という男から貰ったのよ。これで仮面ライダーを殺してこいとか…本当に気に食わない男ねッ!」
スコールはガイアメモリを太ももに挿した。
「タブー!」
スコールはタブー・ドーパントに変身し、タブーは宙に浮いた。
「これが…怪物…。」
「最初からやる気か。虚さん、下がっていてください!」
弾はタブー・ドーパントを見て固まっている虚に下がるように伝えた。
「…は、はい!」
虚は後ろに下がり、弾はアクセルドライバーを着けた。
「アクセル!」
「変身ッ!」
「アクセル!」
弾はアクセルメモリをドライバーに挿れて、アクセルに変身した。
「さあ、振り切るぜ!」
アクセルはエンジンブレードを構えた。
「出来たッーーーー!」
槍と二丁拳銃がようやく完成し、薫子は喜んでいた。
「後はこれを…?」
すると、薫子の前にシフトカーが現れた。
「何、このミニカー?」
薫子はシフトカーを取ろうとすると、シフトカーは薫子の手を避けて走り出した。
「もしかして、着いて来いとか?…なら、ちょっと待って!」
薫子は慌てて大きなケースを用意した。
「ほら!みんなも手伝って!」
薫子は整備科の仲間たちに手伝うように煽った。
「!!」
ハートはフェニックスに豪快なパンチや蹴りを放ち、フェニックスを後退りさせる。
「効かねえよ、そんなチンケなのはッ!」
ハートのパンチとキックが当たった部分から炎が放たれ、フェニックスの体はさらに強い熱を帯びた。
「やはりメモリを破壊する以外方法はないな。」
ハートはフェニックスの体から放たれる熱を見て、メモリブレイク以外藤堂を救う方法はないと感じ、必殺技を発動させた。
「ヒッサツ!フルスロットル!」
「ハアッ!」
ハートは高く跳び、フェニックスに必殺技のハートドロップを放ち、ハートドロップと熱で出来た圧がぶつかりあった。
「!?」
だが、熱で出来た圧は想像以上に厚く、ハートドロップは跳ね返されてしまい、ハートは地面に転がった。
「まさか、君のパワーを跳ね返すとは…」
「俺の炎はこんなもんじゃないッ!」
フェニックスは背中から不死鳥の翼を現せて空中に飛行し、飛行しながら火球を放った。
「これでは一方的だ。クリム!ドライブの装備は!」
ハートはフェニックスに対抗するためにドライブが使っていた装備をクリムに頼むが。
「すまない。それらの装備がいつの間にかトライドロンから消えていたんだ。」
「何だと!?」
ハンドル剣やドア銃、トレーラー砲などドライブが使っていた主流の装備がいつの間にかトライドロンから消えていた事をクリムはハートに伝え、ハートは驚愕してしまう。
「装備がなければ奴には対抗出来ない!」
「そうは言われても、この世界にはりんなはいない。いやりんなと同等の人間が居ても…」
「クリムさんはどこですかー!」
「?」
「彼女たちは?」
すると、突然、クリムを呼ぶ声が聞こえてハートは辺りを見ると、大きなアタッシュケースを持った薫子、簪、本音が居た。
「何であの子たちが!?」
隠れていた真耶も薫子たちに驚いてしまう。
「その制服…I S学園のッ!」
フェニックスは火球を薫子たちにめがけて放った。
「!?」
だが、薫子たちの上空にトライドロンが現れて火球をガードした。
「何故トライドロンが?」
クリムが考えていると、ハートの周りにシフトカーが集まった。
「何?彼女がハート専用の装備を作っただと!」
シフトカーたちはクリムに薫子がハート専用の装備を作ったと教えた。
「それが本当ならありがたい!」
ハートはすぐに薫子たちの元に向かった。
「えっと、クリムさん?」
「クリムは私だ。それより本当か?ハート専用の装備を作ったというのは?」
「うわ〜このベルト喋ってるよ〜かんちゃん〜!」
「凄い…」
「え、クリムってこのベルトの事だったの!?」
薫子たちはクリムがベルトだと知り唖然とする。
「それより俺専用の装備を作ったってのは本当か!」
「は、はい。」
薫子たちはアタッシュケースを置いて、ケースを開いた。
「これが。」
「ハート専用の装備か。」
ハートは槍と銃を手に取った。
「パワータイプの君にはお似合いだな。」
「早速使ってみるか。」
ハートは銃を構えた。
「後ろのハンマー部分がクラッチになってるので、そのクラッチを切ってからトリガーを引いてください。」
「分かった。」
ハートはクラッチをすぐに切ってトリガーを引いたが。
「エンスト!」
「はあ?」
「え?」
銃からエンストと音声が流れてトリガーも引けなかった。
「何だ?撃てないぞ!?」
ハートはトリガーを引けずにあたふたしてしまう。
「ふざけてるのかッ!」
フェニックスはハートがふざけていると勘違いをして再び火球を放った。
「!?」
ハートは慌ててトライドロンの後ろに隠れた。
「おい!撃てないぞ!」
ハートは銃が撃てないと薫子に文句を言うが。
「いきなり切るとそうなるんです!半クラッチの状態で数発撃たなきゃ!」
「は、半クラッチ?」
「…センスが完全にりんなと同じだ…。」
クリムは薫子がりんなと同じセンスだと感じ唖然としてしまう。
「いいですか!クラッチを半分切ってからトリガーを引いてください!」
「わ、分かった。」
ハートは再び出て、またクラッチボタンを押した。
「半分に切る…!」
ハートは半クラッチにしてトリガーを引いた。
「!?」
銃から赤い光弾が撃たれるも、フェニックスはそれを避けた。
「ギアを上げて下さい!」
「ギア、これか。」
さらに薫子に言われ、ハートは銃の安全装置部分にあるギアを上げた。
「ニソク!」
ギアを上げた事で光弾の発射速度が上がり、ハートはどんどんギアを上げていった。
「ギアを上げれば連射も可能。彼女たちがこれ程の物を。」
クリムは銃を見て、薫子たちの技術に唖然としていた。
「!?」
フェニックスの翼に光弾が当たり、フェニックスは地面に落ちた。
「クソッ!」
フェニックスは大剣を構えた。
「こいつを使うか。」
ハートは槍を構えた。
「これもクラッチが着いているのか?」
クリムは薫子に聞いた。
「刀身の下に。後、下の方にギアが着いてます。この槍はギアを上げれば刀身の斬れ味が増す仕組みになっています。」
「やってみるか。」
ハートは槍のクラッチを半クラッチにすると、刀身から雷撃が放たれた。
「ハート、この装備の名前は?」
クリムはハートに装備の名前を聞いた。
「…クラッチランスにクラッチガンはどうだ?」
「……。ハート、君も進ノ介と同じセンスか…。」
クリムは一瞬でもハートのセンスに期待した自分がバカだと感じた。ハートのセンスも進ノ介と同じセンスだったから。
「友達と同じなら悪くない。行くぞ、フェニックス!」
ハートはランスの柄の先端を持ち走り出した。
「ナメるなッ!」
フェニックスも大剣を構えて走り出し、ランスと大剣はぶつかり合った。
「!!」
ハートはランスのギアを上げ、ランスはさらに炎を纏った。
「ハアッ!」
ランスはフェニックスの胸を斬り、フェニックスは怯んだ。
「俺の炎を上回っているのか…?」
ランスから放たれた炎はフェニックスの炎と互角の炎だった。
「ハート、中央にはシフトカーを装着出来るシフトブレスがある。マックスフレアを使うんだ。」
「炎をさらに強める。あの炎を飲み込むにはより強い炎が必要か。」
ハートはマックスフレアのシフトカーを呼び、マックスフレアのシフトカーをシフトブレスに装填させた。
「マックスフレア!」
マックスフレアを装填させた事でランスの炎と雷撃はさらに威力を増し、ハートはランスを片手で回した。
「フェニックス、お前を必ず救う!」
ハートの周りに炎の渦が発生し、ハートはフェニックスは必ず救うと誓った。