エターナルメモリを受け継ぐ者 改   作:tatuo

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お待たせしました。少し放置気味にしてすいません。これからもしかしたらこんなペースで書くかもしれません。


人間性

「楽しませられるなら、楽しませてみろ。」

 

アイズは左右に目を出現させて、目はエターナルに光線を撃った。

 

「ウオォォォォォーーー!!」

 

エターナルは光線を喰らうもそのダメージを無視してひたすら走り、アイズにエッジを振った。

 

「グッ!」

 

アイズはエッジのダメージをまともに喰らい倒れた。

 

「おい、一つ聞かせろ…!」

 

「何だ?」

 

「何でこの島の人たちを殺したんだッ!」

 

エターナルは島の住人を殺した理由を聞いた。

 

「そんなのは簡単だ。住人たちはテストのための実験台になってもらっただけだ。クオークスたちのな!」

 

「テメェ…!」

 

エターナルはアイズの言葉にブチ切れ、アイズを無理矢理立たせてひたすら殴った。

 

「…やはりガイアメモリは素晴らしい。使用者の感情で適合値が上がる。今のこいつは私を殺す。その感情だけで戦っている。ISなど最早過去の遺産。加頭順、貴様はやはり救世主だ。」

 

アイズはエターナルの攻撃を見て、感情で適合値が上がるガイアメモリに感激し、加頭を救世主として崇めていた。

 

「一つ言っておく。私を殺しても加頭の計画は止まらない。」

 

「加頭も殺せば早い話だろうがッ!」

 

エターナルはアイズに一撃を放ち、アイズは再び地面に転がった。

 

「加頭の計画にはなお前がよく知っている人間が関わっているんだ。」

 

「なら、そいつも殺すッ!」

 

「いいのか?関わっているのは篠ノ之束だ。」

 

「何だと!?」

 

エターナルはアイズから加頭の計画に束も関わっていると聞かされ驚愕する。

 

「あのガキも関わっていたのか…。」

 

「まああの小娘は無理矢理だがな。」

 

「…知るかそんな事ッ!加頭に関わってるならあの女も敵だッ!」

 

だがエターナルは相手が誰だろうが、加頭に関わっているなら全て敵だった。

 

「恐ろしい男だ。お前は。」

 

「黙れッ!」

 

エターナルはアイズを蹴り飛ばし、ジョーカーメモリを起動させた。

 

「ジョーカー!」

 

「消えろッ!」

 

「ジョーカー・マキシマムドライブ!」

 

エターナルは走り出してアイズにライダーキックを放った。

 

「うぎゃああぁぁぁーーーー!!」

 

アイズはキックをまともに喰らって爆発した。

 

「はあ…はあ…」

 

「忘れたのか…?私を殺しても加頭の計画は止まらない…。」

 

アイズが倒れた場所にドーパント化が解けたドクターがおり、自分を殺しても加頭の計画は止まらないと再びエターナルに言い放った。

 

「加頭の計画は着々と進んでいる。世界各国のISの強奪、全ての男をNEVERにする計画を…。そしてロイミュードの力でISを使う女は悪魔だという記憶に…」

 

「加頭は何故ISを奪っている!答えろッ!」

 

克己はドクターに加頭がISを奪っている訳を聞くが。

 

「深い理由は私にも分からない。だが最強のガイアメモリを作るのにISが必要だと加頭は言っていた…。」

 

「最強のガイアメモリ?」

 

「これから先…この世界は地獄になる…私は先にあの世から見て…いるさ…!?」

 

その瞬間、ドクターの額に目の模様が現れて光だし、ドクターは倒れた。

 

「地獄だと…!ふざけるなッ!」

 

エターナルはドクターに向かって叫ぶも、ドクターは既に死んでいるため声は届かなかった。

 

「…ガキども大丈夫か?」

 

「……」

 

克己は鈴たちに声をかけるも、鈴は子供の死体を抱き、セシリアとラウラは死体を見ながら、三人とも放心状態だった。

 

「…これが普通なんだよな。これが人間なんだ。」

 

克己は鈴たちを見て、これが当たり前なんだと感じた。かつての自分はこの光景がトドメとなり人間性を完全に失ってしまったから。

 

「…弾たちに迎えに来てもらうか。」

 

克己は弾たちに迎えに来てもらうために連絡を入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…何だよこれ…」

 

「これがドーパントの計画…。」

 

連絡を貰って島に来た弾たちだが、剛とチェイスは死体を見て顔を真っ青にしていた。

 

 

 

 

「超能力兵士にゾンビ兵士…。加頭は全ての男をそうするつもりなのか。」

 

「そんなのは許されない!人を怪物にさせるつもりなのか!」

 

ドクターの研究所の一室で克己に千冬、ハートとクリムが居たが、ハートとクリムは克己から加頭の計画を聞かされ驚愕していた。

 

「束はこれにも関わっていたのか…。…あいつは完全に人の道を外してしまったようだな…。」

 

千冬は死体に束も関わっていたと知り、信じたくない顔をしていたが。

 

「加頭は篠ノ之束を抑えこんでる。いや加頭はバカ兎の性格を知った上で利用してるんだ。」

 

「束の性格…。」

 

「篠ノ之束はISを作った天才。だがそのISはガイアメモリの前では無力な存在。あのガキからすれば気に食わない事、だからあいつは加頭を潰すために協力しているんだろうな。」

 

「そんな理由のためにあいつは…。」

 

「受け入れられねえかもしれねえが現実だ。…それよりお前たちの方もかなりヤバかったらしいな。」

 

「ああ。001が記憶操作で男たちを暴徒化させた。チェイスたちが戦ったドーパントは証拠隠滅のために消される仕組みになっていたらしい。そして、学園には…チェイスの目の前でドーパントに誘拐された子供が死体になって戻って来た…。」

 

「…そこまでするとかよっぽど俺たちが邪魔なんだな。」

 

「大道克己!早く加頭と001をどうにかしなければ世界は取り返しのつかない事が起きる!一刻も早く!」

 

クリムは取り返しのつかない事が起きる前に加頭たちを何とかしなければと克己に言った。

 

「…いやその前にやる事がある。」

 

「やる事?」

 

「この島の住人たちにドーパントに殺された男たちを葬ってやらないとな。」

 

「分かった。彼らをしっかり葬ってやらないとな。」

 

ハートは克己の言葉に賛成して死んだ男性たちを葬る事にした。

 

「大道さん、私も手伝います。」

 

「お願いします。」

 

克己たちは早速準備に取り掛かり、夏己たちも手伝った。

 

 

 

 

 

 

夜、夏己たちは死体を燃やしてる大きな炎をジッと見ていた。

 

「……。」

 

「剛、どうした?」

 

炎を見て何か考え事をしていた剛にチェイスは話しかけた。

 

「…ここに進兄さんが居たら、進兄さんはどうするか考えちまってよ。」

 

剛は泊進ノ介だったらどう動くのか考えていたのだった。

 

「俺も同じ事を考えていた。進ノ介のギアはどう入るのかを。」

 

チェイスも剛と同じで進ノ介の事を考えていた。

 

「それは俺も同じだ。」

 

「ハート。」

 

「私もだ。進ノ介がこんな悲惨な光景を見てしまったら、彼ならどうするのか。」

 

進ノ介の事を考えていたのは剛、チェイスだけではなくハートとクリムもだった。

 

「だが、泊進ノ介はここにはいない。どうするかは俺たちで考えるしかない。泊進ノ介は止まる事はなかった。だからこそ俺たちも止まる訳には行かないんだ。」

 

ハートは剛たちに言った。泊進ノ介は止まらなかった。だからこそ自分たちも止まる訳には行かないと。

 

「…まさか、かつては敵だったロイミュードにそんな事を言われるなんてな。」

 

「ある意味、敵に塩を送るというやつだね。」

 

「…俺たちに止まる事が無くても、……。」

 

チェイスは違う場所から炎を見ている夏己たちを見たが、その中で鈴は泣き崩れていた。

 

「何で…何でなのよ…」

 

「鈴…。」

 

シャルは泣いている鈴の側に寄り添った。

 

「ただ…ただ助けてあげたかっただけなのに…どうして…」

 

「鈴は何も悪くないよ。」

 

「でも…でも…」

 

「誰が何と言おうと私たちが殺した事に変わりはないんだ…。」

 

「ラウラ!」

 

「あの時、ドーパントの話をちゃんと聞いてれば誰も死なずに済んだのですわ…。」

 

「セシリアまで…」

 

「軍人としていつかは人の命を奪う覚悟はしていた…。だが助けたつもりが殺した…。私は…」

 

ラウラたちは形はどうあれ人を殺してしまった事でその罪に押し潰されそうになっていた。

 

「いつまでも落ち込んでるんじゃねえッ!早く加頭たちを!」

 

「夏己、今の状況を見ろ。鈴たちはこの様。それに俺たちは加頭の居場所を知らない。だから今は加頭たちの情報を集めるしかないんだよ。」

 

弾は夏己を落ち着かせるために鈴たちの事を話すも。

 

「弾、お前は加頭に殺された子供を見たはずだ。何を弱気な事言ってんだッ!情報を集めるだと!その間に何人殺されるか分かってんのかよッ!」

 

だが、今の夏己には下手な言葉は逆効果で返って怒りに火をつけてしまった。夏己は怒り任せに弾の服の胸ぐらを掴んだ。

 

「言われなくても分かってるッ!けど探している間にも殺される事には変わりないんだよッ!」

 

弾も夏己にキレ始めた。

 

「二人とも!落ち着いてッ!」

 

シャルはすぐに二人の間に入った。

 

「辛いのは夏己や弾だけじゃないんだよ…ラウラたちも…僕たちもそうなんだよ!ましてや箒はお姉さんが敵になった…。辛いのはみんな一緒なんだよ!」

 

「…チッ!」

 

夏己はぶつけようのない怒りを抱えながら手を離した。

 

 

「一夏…。」

 

夏己たちのやり取りを見ていた千冬は夏己の元に向かおうとしたが。

 

「大道さん。」

 

「あんたじゃ無理だ。今のあいつは悪魔になりかけてるからな。ここは俺に任せてくれ。」

 

克己は千冬が行くのを止めて、今の夏己は自分に任せてくれと言って、夏己の元に向かった。

 

「…今の私に必要なのは束と戦う覚悟。もう逃げる事はゆるされないんだ…!」

 

だが千冬はすぐに切り替えて、今の自分に必要なのは束と戦う覚悟だと。

 

 

「夏己。少し俺に付き合え。」

 

「…分かった。」

 

夏己の元に向かった克己は夏己に声をかけて、夏己も一応だが従った。

 

「…あの時の俺はこんな目をしてたのか。」

 

克己は今の夏己の目を見て、かつての自分もこんな目をしていたのかと考えてしまう。そして、克己は夏己を連れて海岸に向かった。

 

 

 

 

 

海岸に着いた二人だが、克己は海を眺め始めた。

 

「夏己。今のお前はあの時の俺になりかけている。」

 

「あの時の俺?」

 

「俺も昔、助け出した奴らを死なせてしまってな。それが原因で俺は人間性を失った。」

 

「人間性を失った…。」

 

「そして、今のお前はまさに人間性を失いかけている。このままじゃお前は仮面ライダーでもなんでもないただのバケモンになる。」

 

克己は夏己の方に顔を向けて、このまま行けば夏己は化け物になってしまうと語った。

 

「俺はその覚悟はある…!加頭を殺すためにもッ!」

 

「やっぱり今のお前は聞く耳を持たないか。なら。」

 

克己はT1エターナルメモリ、ロストドライバーを出した。

 

「今のお前は口じゃなくて拳で止める方が早い。お前が勝ったら人間性を捨てて悪魔にでもバケモンにでもなって加頭を倒せ。けど、俺が勝ったら人間性を捨てずにあいつらと共に戦え。いいな?」

 

「分かった。」

 

二人はロストドライバーを着けて、エターナルメモリを起動させた。

 

「「エターナル!」」

 

「「変身ッ!」」

 

二人はエターナルに変身したが、克己のエターナルはレッドフレアだった。それは克己が永遠を求めていなかったから。

 

「!!」

 

先に動いたのは夏己が変身したエターナルだった。エターナルBFは連続攻撃を仕掛けるが克己が変身したエターナルは全て巧みに避けていた。

 

「夏己。どれだけ強い力を持っていても使用者のスペックで引き出せるか決まる。T1はT2より性能は劣るが、使用者のスペックで充分埋まるんだッ!」

 

エターナルRFは一撃を放ち、BFを後退りさせた。

 

「…まだだッ!」

 

BFはすぐに走り出し、RFに攻撃した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「篠ノ之。私は束と戦う。」

 

「え…?」

 

千冬は箒に束と戦うと言い始めた。

 

「私はもうこれ以上辛い現実から目を背けるわけには行かないんだ。例え、束を殺す事になってしまっても…!」

 

「千冬さん…。」

 

「篠ノ之。お前も早く覚悟を決めろ。時間はないんだからな。」

 

千冬は箒にも覚悟を決めろと言い放った。

 

「私は怪物と呼ばれる覚悟はある。いや悪魔だろうが死神と呼ばれる覚悟もな…!」

 

さらに千冬は何と呼ばれる覚悟も持っていた。それは千冬が全てを敵に回す覚悟が出来たという証でもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「流石は兄さんだね。」

 

「お前もな…!」

 

海岸で戦ってる二人だが、互いに譲らない激しい戦いをしていた。

 

「これ以上は埒があかない。そろそろ決着と行くぞ。」

 

「ああ!」

 

二体のエターナルはジョーカーメモリを起動させた。

 

「「ジョーカー!」」

 

「来いッ!夏己、お前の全てをぶつけてこいッ!」

 

「言われなくてもッ!」

 

「「ジョーカー・マキシマムドライブ!」」

 

ジョーカーのマキシマムを発動させ、BFはライダーキック、RFはライダーパンチを放ち、二体の必殺技はぶつかり激しい爆発が起きた。

 

「うわあぁぁーー!!」

 

爆発の衝撃でBFは吹き飛び、砂浜を転がりながら変身が解けた。

 

「…俺の勝ちだな。」

 

夏己は前を見ると、そこにはRFが立っていた。

 

「ハハ…やっぱり兄さんには勝てないか…。」

 

夏己は自分は負け、改めて克己には勝てない事を実感していた。

 

「…いや、ギリギリだ。」

 

「え…?」

 

夏己は克己の言葉を聞き返すと、RFの変身も解けて、克己は膝を着いた。

 

「俺の想像以上だ…。夏己、本当に強くなったな。」

 

克己は何とか立ち上がり、夏己の元に行き夏己に手を差し伸べた。

 

「それでも兄さんには負けた。約束通りみんなと一緒に戦うよ!」

 

夏己は克己の手を掴み立ち上がった。

 

「それでいい。お前にはあの時の俺みたいにはなってほしくないからな。」

 

二人は笑みを見せた。そして、夏己の表情は先程とは違いどこかスッキリした表情だった。

 

「何だ!今の音!?」

 

そこに爆発音を聞いて、弾たちが駆けつけた。

 

「夏己に克己さん!ボロボロじゃないですか!何があったんですか!?」

 

「ちょっとした兄弟喧嘩だ。」

 

克己はシャルの質問に笑いながら返した。

 

「大道夏己。君はやるべきことを見つけたみたいだな。」

 

ハートは夏己の表情を見て、やるべきことを見つけた表情だと悟った。

 

「はい!」

 

「じゃあ遺体を弔ってマッハで帰るか!」

 

剛の言葉に夏己たちは頷き、遺体を弔うために戻って行った。

 

「克己さん。お話しがあるのですがよろしいでしょうか?」

 

「?」

 

克己はセシリアに話があると呼び止められて、セシリアの方に顔を向けた。


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