「罪って、この束さんにそんなのないよ!!」
スカルの言葉に頭にきたスパイダーはスカルに向かって走り出した。
「…これがこのメモリの最後の装備か。」
スカルはシュラウドから受け取った装備「スカルブレード」、「スカルハルバート」以外にもスカルマグナムという銃を持っていた。
「銃は使ったことはないがやるしかない!」
千冬は過去との決別なのか接近武器を使わずにスパイダーを倒すつもりでいたのだった。
「束。友としてお前を倒す!!」
千冬がそう決意した瞬間、千冬の意識はどこかに飛ばされた。
「ここは…」
気がついたら千冬は真っ白な世界に立っていた。
「また会えたわね。」
「あなたは!?」
後ろから声をかけられ、千冬は後ろに振り向くと後ろにはシュラウドがおり、さらにシュラウドの隣には白いスーツを着て白いソフト帽を被った男性が立っていた。
「友を倒す覚悟を決めたようだな。」
「…はい。」
「でもそれはあなたが最も愛する人に二度触れることが出来ないことも意味してるのよ。その覚悟もあるの?」
千冬が束を倒す。それは二度愛する人に触れることが出来ないとシュラウドは千冬に伝えた。
「……。」
千冬は一夏の顔を思い浮かべながら寂しさが混じった笑顔を零した。
「私はもう愛する人に触れることは出来ません。でも、近くに居る。それだけで幸せです。」
千冬はシュラウドと男性に自身の想いを伝えると男性も笑みを溢した。
「そうか。お前の覚悟確かに受け取った。」
そう言うと男性は腕を伸ばして掌を千冬に見せた。
「?」
「お前の手を置け。」
「はい。」
男性に言われ、千冬は男性の手に触れた途端、千冬の中に何かが流れてきた。
「今のは…?」
「俺からの餞別だ。お前の覚悟、これから生き様を見せてもらう。」
「ありがとうございます。」
「そろそろ行け。いつまでもここに居るわけにはいかないだろ。」
「なら、最後にあなたたちの名前を教えてください。」
「鳴海荘吉。」
「私はシュラウドよ。」
千冬に名前を教えてくれと言われ、二人は名を名乗った。
「シュラウドさん。鳴海さん。本当にありがとうございます。」
千冬は改めて二人にお礼を言った瞬間、千冬の意識はそこで途絶えた。
「!?」
気づくとすぐ目の前にスパイダーが迫っており、スパイダーは拳をスカルに振りかざした。
「!!」
だが、スカルはその拳を受け止めてスパイダーの腹部にスカルマグナムを撃った。
「!?」
スパイダーはスカルマグナムの攻撃に怯んで後退りしてしまう。
「束。これが私の答えだ!!」
スカルはマグナムから光弾を撃ち、光弾は全弾全てスパイダーに命中した。
「何で!?ちーちゃんは銃は使えないはずじゃ!?」
「私を信じて力を託してくれた人たちが居た。この力にはその人たちの想いもある。お前に攻撃したのは私だけじゃない。その人たちの想いと一緒に攻撃したんだ!!」
「何言ってるか分からないよ!!」
スカルの言葉を理解出来ないスパイダーは再び攻撃しようとした。
「!?」
だが、スパイダーの拳はスカルの手に受け止められ、スパイダーは拳を掴まれたまま動けなかった。
「!!」
次の瞬間、スカルの肋骨部分が展開され、そこから紫色の髑髏の形をしたオーラが放たれ、スパイダーはそれに驚いてしまう。
「!!」
スカルはその隙を逃さずにスカルメモリを抜いて高く跳んだ。
「スカル・マキシマムドライブ!」
スカルはスカルメモリをマキシマムスロットに装填させて髑髏を蹴った。
「いやあぁぁぁぁッーーー!!」
髑髏はスパイダーに命中して爆発し、スカルは着地したが着地と同時に爆炎の中でスパイダーメモリが地面に落ちていくが、地面に付く前にスパイダーメモリはブレイクした。
「姉さん…」
「ちー…ちゃん…」
箒は壁に寄りかかってる束の側に居たが、束はスカルを見ていた。
「…どうして…」
「さらばだ。友よ。」
束はスカルに向かって虫の息状態で問いかけたが、スカルからはその答えしか返ってこなかった。
「?」
すると、スカルメモリから電撃が走り、スカルはそれに気づいてスカルメモリに触れた。
「何!?」
触れた途端、スカルメモリから強い閃光が放たれ、閃光はスカル、その場に居た全員を飲み込んだ。
「ここは?」
気がつくとスカルは変身が解けて千冬の姿に戻っており、さらに千冬たちはどこかの街に居た。
「あのお方は?」
「あの人、様子がおかしいよ。」
「鳴海さん…。」
千冬たちの目の前には荘吉。そして座り込んで壁に寄りかかっている男性が居たが。
「荘…吉…」
「眠れ。相棒。」
荘吉は男性にそう言うと男性は笑顔になるも目を閉じてしまった。
「…どうして…止めてくれるって約束したのに!!」
そして、荘吉と男性の側に居た女性が大声を上げた。
「荘吉なら…マツを元のマツに戻してくれるって信じてたのに!!」
「マツは人間を捨てた。」
「あなたもでしょ!!自分までバケモノになって!!」
「……。」
荘吉は女性の言葉に対して何も言わずにその場を去ろうとする。
「え!こっちに来る!!」
専用機持ちたちは荘吉が歩いてこっちに来てるのに対して慌ててしまう。
「…すり抜けただと…?」
だが、荘吉は千冬の体をすり抜けて、足を止めた。
「俺はもう二度娘に会えない。」
荘吉は自身の腕を見ながら女性にそう言った。
「だからメリッサ。娘が結婚する時は歌を歌ってくれないか。」
荘吉は女性、メリッサに自身の娘が結婚する時は側に居てくれという想いでメリッサにその言葉を伝えた。
「鳴海さん。あなたは私の覚悟を受け取ってくれました。なら、私もあなたの覚悟を受け取ります。けど、こんな小娘風情にその覚悟がどこまで背負えるか分かりませんが。」
千冬は振り向かずに荘吉に覚悟を受け取ったと伝えた。そして、それと同時に鳴海荘吉という男がどれほどの覚悟を持って戦っていたのか身をもって知った。そして、再び辺りは光に包まれ千冬たちは元の場所に居た。
「…このメモリには鳴海さんの記憶も内包されていたんだな。」
スカルはスカルメモリに触れてメモリには荘吉の記憶も内包されていたことを知った。
「…教官、今のは…?」
ラウラは何が起きたのかをスカルに恐る恐る聞いた。
「常人では背負いきれない覚悟と罪を背負った男の生き様だ。」
「どういう意味でしょうか…?」
スカルの言葉に専用機持ちたちは理解出来ていなかった。
「篠ノ之博士が!?」
すると、束の体が塵になり始めた。
「姉さん…嫌だ…嫌だ!!」
箒は束の消滅に戸惑いを見せるももう既にどうしようもなく、束は完全に塵となって消滅した。
「…私もいずれそっちに行く。それまで待っていてくれ。」
スカルは消滅した束が寄りかかっていた場所に向かってそう呟いていた。