「…ここは?」
「気がついたか。」
「兄さん…?」
夏己は気がつくと学園の医務室に運ばれており、側には克己や弾たちがいた。
「夏己。何があったんだ?お前がボロボロにされるとか。」
「加頭の奴、仮面ライダーに変身したんだ…。」
「あの男が!?」
夏己から加頭がライダーに変身したと聞かされ、剛は驚愕していた。
「ライダーの名はオメガ。しかも奪ったISの能力まで内包してるらしい。」
「成程な。」
「奴は自分をこの世界の男性たちの最後の希望とか言ってた…。兄さん、加頭はスカイツリーで俺たちを待ってるみたいだ。…早く行かないとこの世界は…」
加頭の計画を阻止するためにも夏己はベッドから出て立ち上がろうとするが。
「その傷じゃ無理だ。お前に挑戦状を叩きつけたなら万全の状態じゃなきゃ話にならねえ。今は完治が優先だ。」
「……。」
克己に傷の完治が優先と言われ、夏己は言い返せなかったが。
「なら、せめて他のみんなには黙っててほしい。加頭は織斑千冬が使ってた零落白夜を何度も使えるから。」
「零落白夜?」
「織斑千冬が使ってた専用機、暮桜の単一仕様能力だ。こいつは相手のシールドエネルギーを一気にゼロに出来る。まあ自分のISのシールドエネルギーを使うからここぞって所でしか使えねえが。織斑千冬はそれでモンド・グロッソのV2になれたんだ。」
零落白夜が分からなかったチェイスだが、剛がその説明をした。
「ライダーでその力が使えるなら、加頭はISごと操縦者を斬り殺せるな。俺たちでもまともに喰らえば強制的に変身解除は免れないな。」
ハートはライダーでその力が使えるならISごと人を殺せると知り、自分たちでも変身解除は免れないと悟った。
「でも、加頭の元に行くには途中に居るドーパントたちを倒さないといけないんだ…。」
「あいつらとの決着もそろそろか。」
夏己の話を聞き、剛たちはケルベロスたちが立ち塞がると考えていると。
「あんたたちだけに行かせないわよ!あたしたちも行くからね!!」
医務室のドアが開くと鈴たちが入ってきた。
「やはり聞かれてたか。」
鈴たちの行動を理解していたかのように克己は頭を抱えた。
「私も行くわ。目の前で子供を攫われて黙ってることなんて出来ないからね。あの子たちを助けるためにも。」
子供を助けられなかったことに深い後悔と罪悪感を持ってる楯無も行くつもりでいた。
「大人しく待ってろ。って言っても聞かねえな。大道克己、どうするんだ?」
今の鈴たちは口で言っても絶対に聞かないと剛は分かっていたが、敢えて克己に聞いた。
「なら、俺と戦え。俺に勝てたら鈴たちも連れて行く。」
「……。」
すると夏己がどうしても行きたいなら自分と戦えと言い、克己は黙っていた。
「いいわよ。その話に乗ったわ!でもあたしたちだってあの島での出来事以来必死に訓練してきたんだからね!」
「そしたら、俺は夏己につく。こいつとは最後まで一緒に戦うって約束したからな。」
「僕も夏己や克己さんには恩があるから。その恩を仇で返すわけにはいかないよ。」
弾とシャルロットは約束や恩のため夏己につく事になった。
「なら、俺は中立の立場にいさせてもらう。お前たちはどうするんだ?」
「俺も中立で行くぜ。こういうのは大人が口出しすることじゃねえし。」
「俺も剛と同じ立場にいさせてもらう。ハート、お前は?」
「俺もそうする。時には本気でぶつかり合う事も大事な事だ。」
克己は中立の立場に立つと言い、それに続くように剛、チェイス、ハートも中立の立場になった。
「決まりか。この試合は私が受け持つ。大道の怪我が治りしだい試合を行う。それと同時に私もどちらかに着く気はないからな。」
こうして夏己たちと鈴たちの試合が行われることになったが。
「…あの女の思惑通りになったな。」
克己は今の展開がシュラウドの思惑通りになってると悟り、少しばかり頭を抱えた。
二日後、夏己の傷は完治し、今はアリーナに居た。
「あいつはどうするつもりだ?専用機を破壊する気か?」
観客席から試合を見ていた剛、チェイス、ハートだが、剛は夏己が箒たちのISを破壊するという考えも持っていた。
「試合形式は大道VS更織楯無、篠ノ之。五反田VSオルコット、ボーデヴィッヒ。デュノアVS凰、更織簪。一対三形式の試合を行う。異論はないな?」
「ありません。俺たちの誰か一人にでも勝ったら連れて行ってやる。…行くぞ、弾!シャル!」
「おう!」
「うん!」
『エターナル!』
『アクセル!』
『ナスカ!』
三人は変身、展開し、それぞれ武器を構えた。
「あたしたちも行くよ!」
箒たちも専用機を展開し、武器を構えた。
数時間、夏己は克己にある事を伝えた。
「兄さん、悪いけどエターナルのマキシマムを使う。俺はみんなを死なせたくないんだ。」
「…そうか。けど、それでも素直に引き下がる連中ではないと思うがな。」
「織斑先生。夏己はエターナルのマキシマムを使うつもりだ。その時は学園のISもダメになる。覚悟はしておけ。」
「…構いません。このメモリでISなんか既に過去の遺物と化してますから。」
克己はこの戦いで夏己がエターナルのマキシマムを使うと聞かされていたためそれを千冬に伝えたが千冬はスカルメモリを見ながらISは過去の遺物だと逆に返した。
「IS同士の試合ならまだ見応えがあるけど。」
「相手がガイアメモリでは一方的すぎる。」
「だが、彼女たちは引き下がらないだろ。俺たちは黙って見てるしかない。」
観客席から試合を見ていた剛たちはエターナルたちが圧倒的に有利だと分かってはいたが、中立の立場に居ると言った以上は見てることしか出来なかった。
「学園最強って言われてる私を追い詰めるなんてやるわね。お姉さんもびっくりよ。」
「学園内の話ですよね?ドーパントの前じゃ楯無さんも弱いって事ですよ!」
エターナルはエッジでミステリアス・レイディを斬ろうとしたが。
「私を居るのを忘れるな!!」
箒が立ち塞がり、箒は刀を構えるも。
『ユニコーン!』
「!?」
『ユニコーン・マキシマムドライブ!』
エターナルは強力なパンチを放ち、紅椿は吹き飛ばされて壁に激突した。
『エンジン!』
「!?」
『スチーム!』
「ク!目眩しか!」
アクセルはエンジンブレードから高温の煙を放ち、セシリアとラウラを怯ませた。
「ジェット!」
さらに煙の中から光弾が飛んできて命中してしまう。
「速すぎるわよ!!」
「これじゃどこにいるのか分からない!」
シャルロットと戦ってる鈴と簪だが、ナスカの超高速に翻弄されていた。
「…結果は火を見るより明らかだな。夏己、もういい。終わらせろ。」
これ以上は見ていられないと悟った克己は通信機でエターナルにそう伝えた。
「分かった。」
エターナルは返事をすると、エターナルメモリを抜いた。
「終わりだ。」
エターナルはメモリをエッジに挿入させてマキシマムドライブを発動させた。
『エターナル・マキシマムドライブ!』
「!?」
「何だ!?」
エターナルのマキシマムドライブが発動したことにより箒たちのISから電流が流れ始めた。
「何ですの!?」
「うぐ…!」
「何…これ…」
「体が…」
鈴たちは突然のことに何が起きたのか分からなかった。
「何だ!?」
「何が起きてるんだ?」
だが、それは剛たちも同じだった。
「永遠に眠りな。過去の遺物。」
エターナルは振り向きながらサムズダウンしてそう言葉を言い放った。そして、箒たちのISは解除された。
「大道君…あなた…何をしたの…?」
「キャアァァーー!!」
そして、セシリアたちが投げ飛ばされるように箒たちの元に来た。
「どうしてだ…?何故解除されたんだ!?」
ラウラはISを展開しようとするが待機状態のISは反応しなかった。
「このエターナルは全てのISの機能を停止させる力を持ってる。世代関係なくエターナルの意味通り永遠に。」
「大道克己の言葉は本当だったのね…」
ISの機能が停止したことで楯無はようやく克己の言葉に信憑性を持てたが既に手遅れだった。
「おいおい、マジかよ。」
「エターナルにそんな力があるとは。」
観客席から聞いていた剛たちはエターナルの力に驚きを隠せてなかった。
「彼の言ってることは本当のようだ。学園のシステムにアクセスしたら学園のISまで機能停止している。」
「彼女たちだけではなく学園のまで。」
クリムは学園のシステムにアクセスし、エターナルのマキシマムドライブ、エターナルレクイエムが学園のISまで機能停止させたことを知り、三人はその範囲の広さに驚いていた。
「ISの機能が停止するなら…何故シャルロットのは停止されてないのだ!?」
「シャルロットのISにはメモリが組み込まれてる。そのおかげで影響はないんだ。…これでもうみんなは戦うことは出来ない。行くぞ。」
エターナルはアクセルたちにそう言い、アリーナを後にしようとする。
「待ちなさいよッ!」
それでも鈴は諦めようとはせずエターナルを追うも。
「…!!」
エターナルはすぐに振り向き、鈴の腹部に一撃を入れて気絶させた。
「鈴さん!?」
「俺はみんなを死なせたくないんだ。だから待っててくれ。」
エターナルは箒たちにそう伝えてアリーナから出た。
「ガキどもを見張っておけ。」
「分かりました。」
克己も千冬に伝えてアリーナから出た。
「俺たちも行くか。」
剛たちも観客席から出た。そして、その日から学園のISは全て使えなくなってしまった。