学園のISが機能停止したその日の夜、スカイツリー前では緊張感が走っていた。
「第1、第2部隊突入!」
スカイツリーに向かってIS部隊が飛んでいたが。
「え…?」
突如、IS部隊の上空に雷雲が現れ、落雷が放たれた。
「なあ!?」
雷が命中した操縦者はISもろとも黒こげになり落下した。
「いやあぁぁぁぁッーーー!!」
さらに別の場所では青い竜に噛まれており、竜は操縦者もろともISを噛み砕き、竜の口から血と機械の残骸が垂れていた。
「どうして竜巻が!?」
さらに竜巻も発生し、それにより突入部隊は壊滅状態に陥った。
「しかしまあ、世界最強と言われたISがこうも簡単に破壊されるのを見てると私が受けた屈辱はなんだったのかと思ってしまうよ。」
スカイツリーの展望台には加頭と真影がおり、IS部隊の壊滅を見た真影は自分が受けた屈辱がなんだったのかと思っていた。
「栄える存在はいつか滅びる。そうやっていくつもの文明が滅んできたのではありませんか。」
真影にどんな文明もいつかは滅びると話した加頭は展望台から下を見ていたが、そこにはウェザー・ドーパントがいた。
「早くIS学園に要請を…」
「無駄ですよ。IS学園は我々の襲撃でかなり脆くなってますから。とてもこちらに来れる状況ではないのですよ。」
ISが解除された隊員の首を掴んだウェザーは掴んだ手から高熱を放った。
「いやあぁぁぁぁぁッーーー!!」
隊員は瞬く間に水分が蒸発してミイラ化してしまう。
「ク…やはり反応しないのか…」
「織斑先生。知ってたのですか?夏己さんのISにこんな力があると。」
次の日、今だに一時的な停止だと思っていたラウラたちだが、専用機は一切反応せず、セシリアは千冬にエターナルの力のことを知っていたのかを聞いた。
「知っていた。いや、最初は私も信じられなかった。だが、ドーパントの力を目の当たりにしたのなら信じざるおえない。」
「織斑先生!国からスカイツリーを占拠したテロリストを制圧しろと要請が来てます!」
そこに真耶が来て国からスカイツリーを占拠した存在を制圧しろとの要請が来たと報告した。
「学園の状況は話したのですか?」
「説明しました!でも信じてくれないんです!」
「普通はそうだな。」
千冬はモニターを出して、スカイツリーの状況を知ろうとしたら。
「こいつは?」
「皆さん。初めまして。私は仮面ライダーオメガ。この世界の男性たちの最後の希望です。」
加頭はオメガに変身しており、後ろにはテラーたちもおり、さらに世界中に中継を流していた。
「この世界は腐っています。ISのせいで男性たちは酷い扱いを受けています。ですが、ご安心ください。私があなた方を理想郷へと連れて行きます。私の元に来てくれた暁にはこれを差し上げます。」
そう言うとテラーが持っていたアタッシュケースを開けてガイアメモリを見せた。
「これはガイアメモリ。これを使えばISをガラクタに出来ます。後ろに居る彼らは皆、ガイアメモリに選ばれた人間です。」
そして、テラーたちはドーパント化を解いて人間の姿に戻った。
「孝太郎…」
中継を見ていた学生の姉妹は人の姿を見て、その名を呟いていた。
「私の元に来なければあなた方はいずれ悪魔に殺されます。こんな風に。」
そして、オメガは映像を変えた。
「なあ!?」
「何よ…これ…」
「そんな…」
映像を見て、鈴たちは顔を真っ青にしてしまう。映像には鈴、セシリア、ラウラが逃げ惑う男性たちを皆殺しにしてる姿が映っていたから。
「彼女たちはIS学園の専用機持ち。専用機を持ってるだけでこのような非道を平気で行うのです。こうなる前に早く私の元に来てください。私は男性なら誰も拒みません。老人も産まれたばかりの赤子さえ。」
オメガは変身を解き、加頭の姿に戻った。
「ISでいい思いをしてた女性たちへ。地獄を見なさい。」
いつもは表情が変わらない加頭は笑いながらそう言って中継を切った。
「…あの野郎、俺と同じことをしてやがる。時間がない行くぞ。」
同じく中継を見ていた克己たちは時間がないと悟り、スカイツリーに向かった。
「ク!あの男は私たちを徹底的に追い詰める気か…!」
ラウラたちは加頭が徹底的に追い詰める気だと知り、怒りと悔しさで拳を握りしめた。
「織斑先生…どうしましょう…」
「今の中継で男たちは暴徒と化すな。ガイアメモリの魅力に惹かれて。恐らくは学園にもデモみたいに来るだろう。お前たち、今から地下に避難しろ。」
中継を見ていた男性たちが暴徒化すると考えた千冬は生徒たちを地下に避難させることにした。
「教官は?」
「私は地上に残る。今、この学園でまともに戦えるのは私だけだからな。」
「いくら教官でも一人では無茶です!自分も一緒に!」
「貴様のISは使えないだろうが。使えたとしてもドーパントの前じゃ無力だ。それに生身の人間が来て、貴様が下手なことをすればさらにまずいことになるぞ。」
「……。」
「分かったなら早く地下に行け。」
千冬は他の生徒たちにも呼びかけて避難させ始めた。
「…私は何も出来ないのか?嫁や兄上の力にもなれず…教官の力にさえ…」
ラウラはISが機能停止して千冬に言われたことで自分が本当に無力になってると実感していたが。
「いや、私にも何か出来ることがあるはずだ…!絶対に!」
だが、それでもラウラは諦めてはいなかった。何か出来ると信じて。
「それがあなたの答えね。」
「え…?」
すると、突如、時間の流れが変わったかのように周りはゆっくりになり、さらにラウラの目の前にはシュラウドが居た。だが、周りの人にはシュラウドの姿は見えていなかった。
「あなたは…?」
シュラウドはラウラの問いには答えずに近くの机に小さな箱を置いた。そしてシュラウドは教室から出た。
「今のは一体…」
ラウラは何が起きたのか分からなかったが、シュラウドが置いた箱を取ろうとした。
「!?」
だが、その手は横から出てきた手に掴まれて止められてしまった。
「よう、殺人鬼のお嬢さん。」
その手を掴んだのはガラの悪い男だった。
「貴様、どこから入った!?」
それに千冬も気付き、男に向かって叫んだ。
「正面から普通に入ったぜ!」
男が指パッチンすると教室にかなりの数マスカレイド・ドーパントが押し寄せてきた。
「!?」
千冬はマスカレイドに生身で応戦した。
「じゃあこっちも楽しもうぜ!!」
男はメモリを出して頬に挿した。
『ヒート!』
男はヒート・ドーパントに変身し炎を纏った蹴りをラウラに放つ。
「ク!」
ラウラは蹴りを避けるがヒートの蹴りで辺りの物が破壊され小箱はその隙間に入ってしまった。
「ホントに凄えメモリだな!人とメモリは惹かれ合う!あいつの言った通り、俺はこのメモリと相性がいいな!」
「メモリと惹かれ合うだと…」
「そうだ!ISにはねえから分からねえよな!!」
ヒートはラウラを壁際に追い詰めて足でラウラの体を抑えた。
「死にやがれ!!」
ヒートは体に炎を纏わせた。
「うぐ…」
「ラウラさん!?」
「私は…ここで死ぬのか…?」
ラウラは自分はここで死ぬと悟った。そして、ふと、ヒートによって出来た瓦礫を見た。
「あれは!?」
その時、何かが落ちているのがラウラの目に入った。ヒートはトドメを刺そうと再び足を上げたが、ラウラはそれを避けて瓦礫の元に行き、落ちていた物を手に取った。
「これは…嫁が使ってるメモリか…。」
それは夏己が使ってるのと同じタイプのメモリだった。近くに小箱もあり、小箱の中身はメモリだったのだ。
「そのメモリを使いなさい。大丈夫。メモリとISを信じなさい。」
その時、シュラウドの声が聞こえ、メモリを使えと言ってきた。
「誰だか知らないが感謝する。」
「何ごちゃごちゃ言ってんだ!!」
「どうやら、切り札はまだ私を見捨てていなかったようだな!!」
『ジョーカー!』
ラウラが手に入れたメモリはジョーカーメモリだった。ジョーカーメモリを起動させたことでラウラの周りに風が巻き起こった。
「!?」
「なあ!?」
風が止むと、ラウラは機能停止したはずのシュヴァルツェア・レーゲンを展開していたがラウラの腹部にはベルトが巻かれ、腰にはマキシマムスロットが付けられていた。
「行くぞ!ドーパント!」
「!!」
ラウラとヒートは表に出て戦い始めた。
「ガラクタが俺に勝てると思ってんのかッ!」
ヒートは格闘でラウラを攻撃しようとした。
「!!」
だが、その前にラウラはブレードでヒートを攻撃した。
「何でだ!?ISの攻撃は効かねえはずじゃ!?」
ブレードの一撃はヒートに効いており、ヒートは動揺していた。
「人の姿に近い分、機動力は向こうの方が上。…いや、だから何だ!!勝たなければ嫁や兄上の元に行けるはずがない!」
「小娘がッ!!」
ヒートは再びラウラに襲いかかるが、ラウラはAICを発動させてヒートの動きを止めた。
「終わりだッ!」
ラウラは腰のマキシマムスロットにジョーカーメモリを挿入させた。
『ジョーカー・マキシマムドライブ!』
マキシマムドライブを発動させたことでレールカノンに紫色のエネルギーがチャージされた。
「吹き飛べ!!」
レールカノンから紫色の光弾が発射され、光弾はヒートに命中した。
「うぎゃああぁぁーーー!!」
ヒートは爆発して男が転がってきたが、ヒートメモリはブレイクし、男も塵となって消滅した。
「ラウラさん!!」
そこに箒たちにマスカレイドを倒した千冬が来た。
「教官、ドーパントは倒しました。」
「どういうことだ?それに何故ISが?」
「それが自分にもよく分からないんです。このメモリを起動させたらISを展開出来たのです。」
ラウラは千冬たちにジョーカーメモリを見せた。
「お前!いつメモリを手に入れた!?」
「ドーパントが来る前に妙な女性がくれたのです。顔は包帯とサングラスで隠してたので分からなかったのですが。」
「シュラウドさんか!」
「教官、知ってるのですか?」
「私にメモリとドライバーをくれた人だ。まさかお前にメモリを渡すとはな。…それでこれからどうするつもりだ?」
「私はこれからスカイツリーに向かいます。」
「なら、あたしたちも行くわよ!」
「それなら私たちもね。」
そこに楯無と簪も来た。
「…あれこれ言った所で聞く耳は持たないようだな。分かった。行ってこい。ただ、これは訓練でもなんでもない。れっきとした命のやりとりだ。死んでも文句は言えないからな。」
「「了解!」」
千冬の言葉に箒たちは了承し、スカイツリーに向かった。
「さてと、次の段階ね。」
物陰から千冬たちのやりとりをシュラウドが見ていたが、シュラウドの周りには5つの光の球体が浮かんでいた。
「行きなさい。あなたたちと運命を共にする者の元に。」
球体にそう伝えると球体は空に飛んでいった。