デート・ア・ライブ イレギュラーブルー(凍結)   作:蒼京 龍騎

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どうも、蒼京龍騎です。
初投稿の二次創作です。
めっちゃ原作コピってますが、それでも読んでいただければ幸いです。


十香デッドエンド編
始まりの蒼


デート・ア・ライブ イレギュラーブルー 1

1章 始まりの蒼

ーーーーー蒼LORDーーーーー

 

ーーーー息を飲む。

それはあまりにも非現実的な光景だった。

消し取られたかのように破壊された街並み。

隕石でも落ちてきたとしか思えない、巨大なクレーター。

空を舞う、幾つもの人影。

全てが夢か幻としか思えない、馬鹿げた景色。

だけれど俺は、そんな異常な世界を、朧気にしか見ていなかった。

ーーーそんなものより遥かに異常なものが、俺の前にあったからだ。

 

それは、少女だった。

奇妙な光のドレスを纏った少女が一人、立っていた。

「ぁーーーーーーーーーーー」

嘆息に、僅かな声が混じって消える。

他のどんな要素も不純物に成り下がってしまうくらいに、その少女の存在は圧倒的だった。

金属のような、布のような、不思議な素材で構築されたドレスも確かに目を引いた。

そこから広がった光のスカートも、気を失うほどに綺麗だった。

しかし彼女自身の姿容は、それすらも脇役に霞ませる。

肩に腰に絡みつくように長い紺色の髪。

凛と漆黒の空を見上げるは、何とも形容しがたい不思議な色を映す双眸。

神でさえ惚れさせるであろう顔を物憂げに歪め、静かに唇を結んでいるその様は。

視線を、

注意を、

心をも、

ーーー一瞬にして、奪い去った。

それくらい、

あまりにも、

尋常でなく、

暴力的なまでに、美しい。

 

「君、は、、、、、、」

呆然と。

俺は、声を発していた。

瀆神として喉と目を潰されることすら、思考のうちに入れて。

少女が、ゆっくりと視線を下ろしてくる。

「名前、、、、、ね、、、、、、」

心地のいい調べの如き声音が、空気を震わせた。

しかし。

「ーーーーごめんね、私には無いの。」

どこか悲しげに、少女は言った。

「ーーーーーっ」

そのとき。

二人の目が交わりーー飛来 蒼(ひらい あお)の物語は始まった。

 

「、、、、、、、、、眠い、、、、、」

俺、飛来 蒼 (ひらい あお)の目覚めはいつもこんな感じである。

毎度毎度眠いと感じながら起床する。

「今は、、、5時か、まぁ学校の初登校までには時間あるし、飯食って着替えてもっかい寝よ、、、、」

そんな感じの独り言を呟きながら、着々と準備を進める。

今日は、始業式の日である。

俺は今日から高校二年生である。

受験したのは都立雷禅高校という高校だった。家が近いからという単純な理由で受験したのだが、それで後々後悔する羽目になった。

受験を決めてから知ったのだが、都立とは思えないほどの充実した施設、損傷が全くと言っていいほどない校舎、最新の地下シェルターを備えているため、入試倍率が低くなく、死ぬほど苦労することになった。

「飯は適当に冷凍チャーハンでいいか、、、、」

そう考え、レンジに冷凍チャーハンを入れ、時間を設定し、温める。

「ーーー続いて次のニュースです。昨日未明、天宮市近郊のーーー」

「ん?あれ天宮市って結構ここに近いんじゃ、、、、何があった?」

ニュースを見て、俺は、ああこれか。と納得する。

画面には、滅茶苦茶に破壊された街の様子が映し出されていた。

建造物や道路が崩落し、瓦礫の山と化している。

まるで隕石の衝突か空襲でもあったのかと疑いたくなるような惨状だった。

俺はため息混じりの声を出した。

「空間震か、、、、、、」

空間の地震と称される、広域振動現象。

発生原因不明、発生時期不定期、被害規模不確定の爆発、振動、消失、その他諸々の現象の総称だ。

例えるなら、大怪獣が気まぐれに現れ、街を破壊していくかのような理不尽な事この上ない現象。

この現象が初めて確認されたのは、およそ30年前のことだ。

ユーラシア大陸のど真ん中ーーー当時のソ連、中国、モンゴルを含む一帯が、一夜にしてくり抜かれたかのようにして消滅した。

俺らの世代になれば教科書の写真で嫌というほど目にする。

まるで地上にあるものを一切合切削り取ってしまったかのように、本当に、何もなくなっていたのだ。

死傷者、およそ一億五千万人。人類史上類を見ない最大最悪の災害である。

そして、その後約半年間、規模は小さいものの、世界各地で似たような現象が発生した。

俺が知っている限りではーーーおよそ五十例。

地球上の全大陸、北極、海上、さらには小さな島々でも発生が確認された。

無論、日本も例外ではない。

ユーラシア大空災の六ヶ月後、東京南部から神奈川県北部にかけての一帯が、まるで消しゴムでもかけたかのように、円状に焦土と化したのである。

そうーーーちょうど今、俺たちが住んでいる地域だ。

「だけどいっときは全然起こらなくなったはず、、、、、なんでまた増えだしたんだろうか、、、、、」

俺が一人で小さくそう呟くと、レンジからよく聞くチーンという音が聞こえた。

レンジの扉を開け、中に入っていた袋を取り出し、思い切り力任せに切り口から引き裂く。

中から香ばしい匂いがしてきて、余計腹が減った。

「やばい美味そう、、、、いただきまーす!」

、、、、、、、旨い。

これほんとに冷凍食品か?って思えるほど旨い。

最近まで冷凍食品舐めてましたすいませんでした、、、、、と心の中で懺悔すると、チラリとテレビの時間が目に入った。

無慈悲にも、8時0分を表していた。

「アレェェェェ!?いつの間にこんな時間に!?やばいダッシュで食わねば!」

急いでご飯を口の中に突っ込み、制服に着替える。

「そんじゃ、行ってきます!」

誰もいない家に向けてそう言い、家を後にする。

 

ーーーーー共通LORDーーーーー

 

「えーと、俺のクラスは、、、、」

学校に何とか無事に到着し、廊下に貼り出されていたクラス表を見る。

「二年の、、、、四組か!って殿町いるじゃん!よっしゃあ!!!」

殿町とは、殿町 宏人(とのまち ひろと)。俺の親友だ。この学校で俺と趣味が合うやつが少なすぎて、落胆していたところに来てくれた親友。

お互いびっくりするほど趣味が合い、気軽に家に行くような仲である。

「おお!蒼か!おはよう!いやー良かったなクラス一緒で!」

噂をすればなんとやら、、、、、

「いやほんとに助かったよ、、、、、一年の時はお前のおかげで友達めっちゃ増えたし、、、まじで感謝しかねぇ、、、、」

「いやいやそれほどでも、、、、っておい、あっち見てみろよ。鳶一折紙だ。うちが誇る超天才だ、、、、、俺らと同じクラスらしいぞ、、、、ヤバいな、、、、、」

そう言って殿町が視線を左の方に向けているので、俺もそちらに顔を向ける。

そこには、人形のようと言っても誰も疑わないであろう少女がいた。

髪は肩につくかつかないかのギリギリまで伸びており、顔も人形のように無表情であった。

「ってまずいぞ!そろそろホームルーム始まる!急ぐぞ蒼!」

そう言っていたので腕に付けていた時計を確認すると、ホームルーム開始5分前であった。

「マジだ!やっべ急ごう!」

そう言ってお互い、ダッシュで教室に向かい、到着する。

するとさっき殿町が言っていた鳶一折紙が俺のもう一人の親友、、、五河 士道(いつか しどう)に向かって話しかけていた。

「おいあいつ、、、、いつの間に話しかけて貰えるような仲になったんだよ、、、、、、」

「うん?もしや基本誰とも喋らない系の美女か?」

「ああ、そうだ、、、、、だがあいつ、、、、話しかけてもらってたぞ、、、、、、、羨ましい、、、、、」

殿町が怨念を込めたような声を発する。

「ちょっとあいつの背中叩いてくるわ、、、、」

「お、、、おう、、、」

そう言って殿町が士道のところに行ったのを確認して、自分の席へと向かう。

だが何と更に幸いなことに、士道の前の席だった。

「あーこりゃ天もまだ俺を見放しちゃあいないってことか、、、、ありがてぇ、、、、」

親友と同じクラスでなおかつ親友の席が近いという事実は、俺をかなりほっとさせた。

そして後ろで、

「とうっ!」

「げふっ」

といかにも叩かれて出たような苦悶の声が聞こえた後、

「ってぇ、何しやがる殿町!」

「おう、元気そうだなセクシャルビースト五河」

と、いう会話が聞こえてくる。まぁそう言われても文句は言えんな、、、、、、、そして俺も

「よう!おはよう!」

と士道に挨拶する。

「ああ、蒼か、、、あいたた、、、、おはよう、、、、」

おいおい大丈夫か?と声をかけたくなるぐらいにさっきの背中叩きの痛さが伝わってくる。

「いやー席がお前の近くで助かったよ、、、、、またぼっち席学校ライフを満喫させられる羽目になったらどうしようって考えてたからなー」

「ってかもうそろそろホームルーム始まるぞ、、、、大丈夫か?」

「あっやべなんも準備してねぇ!」

「準備するもんって何かあったか?」

そんな会話をしていると、教室のドアがガラガラと音を立てながら開く。

そしてそこから縁の細い眼鏡をかけた小柄な女性が現れ、教卓についた。

「タマちゃんだ、、、、」

「ああ、タマちゃんだ」

「マジで、やったー」

ーーおおむね、好意的なもののようだった。

「はい、皆さんおはよぉございます。これから一年、皆さんの担任を務めさせていただきます、岡峰 珠恵(おかみね たまえ)です」

間延びしたような声でそう言って、社会科担当の岡峰珠恵教諭、通称タマちゃんが頭を下げた。サイズが合ってないのか、微妙に眼鏡がずり落ち、慌てて両手で押さえる。

贔屓目に見ても生徒と同年代くらいにしか見えない童顔と小柄な体躯、それにそののんびりとした性格で、生徒から絶大な人気を誇る先生である。

と。

「、、、、、、、?」

色めきたつ生徒たちの中、俺はどこかから視線が送られてきているのを感じた。

教室を見回してみたが、俺をじっと見つめていたような人は居なかった。

後ろに士道がいるので、後ろに振り返り、少し聞いてみることにした。

「おーい士道、なんかさっきか、、、ら?」

士道が、顔を強ばらせていた。

どこかを見ているようだったので視線を追うと、鳶一折紙が士道に向けてじーっ、と視線を送っている。

そして士道の視線と鳶一折紙の目が一瞬合ったのか、士道が視線を慌てて逸らした。

なぜ、士道を見ているのかが気になったが、まあなんか用事でもあるんじゃね(遠い目)って感じで無理矢理疑問を解決させた。

「なんだったんだ一体、、、、、、」

と士道がぼやいていたが、気にしないでおこう、、、、、、、

 

 

それから、およそ三時間後。

「五河ー、どうせ暇なんだろ、飯行かねー?」

始業式を終え、帰り支度を整えた生徒たちが教室を出て行く中、鞄を肩がけにした殿町が士道に話しかけていた。

「おーいいねぇ、俺もいいか?」

やった!昼はうまい飯が食えるぞ!そう期待していたのだが、

「悪い。今日は先約があるんだ。」

「「なぬ?女か」」

殿町も同じように考えたらしく、ハモった。

「あー、まぁ、、、、、一応」

「「なんと!!」」

またハモった。

殿町が両手をV字に掲げて片足を上げた、グリコみたいなアクションをとってくる。

「一体春休みに何があったっていうんだ!あの鳶一と仲良くお話しするだけじゃ飽きたらず、

女と昼飯の約束だと!?一緒に魔法使いを目指すって誓い合ったじゃねぇか!」

「いや、誓った覚えはないが、、、、、ていうか、女っていっても琴里だぞ?」

士道が言うと、殿町は安堵したかのようにほうと息を吐いた。

「んだよ、脅かすんじゃねぇよ」

琴里とは、五河 琴里(いつか ことり)。士道の妹である。

「全くだ、危うくお前がマジで彼女作ってんのかとビビったわ」

「おまえらが勝手に勘違いしたんだろうが」

「でもま、琴里ちゃんなら問題ねぇだろ。俺も一緒に行ってもいいか?」

「俺もいいか?」

「ん?ああ、別に大丈夫だと思うけど、、、、」

と、士道が言った途端、殿町が士道の机に肘をのせ、声をひそめるように士道に

「なあなあ、琴里ちゃんって中二だよな。もう彼氏とかいんの?」

と言っていた。

「は?」

「いや、別に他意はねえんだが、琴里ちゃん、三つくらい年上の男ってどうなのかなと」

「、、、、やっぱ却下だ。お前来んな」

士道は半眼を作り、いやに顔を近づけていた殿町の頬をぐいと押し返した。

「おい殿町、さすがに今のはどうかと思うぞ、、、、お前ってもしやロリコン?」

そう俺が言ったが殿町は気にする様子もなく、

「そんな!お義兄様!」

「お義兄様とか呼ぶな気持ち悪い」

士道が眉をひそめると、殿町はよいしょと身を起こして肩をすくめた。

「はは。ま、俺も兄妹団欒をつっつくほど野暮じゃねえよ。都条例に引っかかんねぇ程度に仲良くしてきな」

「お前はいっつも一言余計だな」

頬をぴくつかせながら言うと、殿町が意外そうな顔を作る。

「だっておめ、琴里ちゃん超可愛いじゃねえか。あんな子と一つ屋根の下とか最高だろ」

確かに、一度士道に琴里ちゃんの画像を見せてもらったことがあるのだが、殿町が羨ましいと思うのも無理はない。

「実際に妹がいれば、その意見は間違いなく変わると思うがな」

「あー、、、それはよく聞くな。妹持ちに妹萌えはいないとか。やっぱ本当なのか?」

「ああ、あれは女じゃない。妹という名の生物だ」

士道がきっぱり断言したので、俺と殿町が苦笑する。

「そういうもんかねえ」

「そういうもんだ。女未満と書いて妹だろうが」

「じゃあ姉は?」

「、、、、、女市?」

「すげえ!女性専用都市かよ!」

「ブフッ、、、」

この会話が面白すぎたので、思わず吹き出してしまった。

するとつられて士道と殿町も笑う。

ーーーと、その瞬間。

 

 

ウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「、、、ッ!?」

教室の窓ガラスをビリビリと揺らしながら、町中に不快なサイレンが鳴り響いた。

「な、、、、なんだ?」

殿町が窓を開けて外を見やる。サイレンに驚いたのか、カラスが何羽も空に飛んでいた。

教室に残っていた生徒たちも、皆会話を止めて目を丸くしている。

と、サイレンに次いで、聞き取りやすいようにするためか、言葉を一拍ずつ区切るようにして、機械越しの音声が聞こえてきた。

『ーーこれは訓練では、ありません。これは訓練では、ありません。前震が、観測されました。空間震の、発生が、予想されます。近隣住民の皆さんは、速やかに、最寄りのシェルターに、避難してください。繰り返しますーーー』

瞬間、静まり返っていた生徒たちが、一斉に息を呑む音が聞こえた。

ーー空間震警報。

皆の予想が、確信に変わる。

「おいおい、、、、マジかよ」

殿町が額に汗を滲ませながら、乾いた声を発する。

だがーー士道や殿町、俺を含め、教室の生徒たちは、顔に緊張と不安こそ滲ませているものの、比較的落ち着いてはいた。

少なくとも、恐慌状態に陥ったりする生徒は見受けられない。

この街は三十年前の空間震によって深刻な被害を受けているため、俺たちはしつこいほどに避難訓練を繰り返しさせられていたのである。

加え、ここは高校。全校生徒を収容できる規模の地下シェルターが設えられている。

「シェルターはすぐそこだ。落ち着いて避難すれば問題ない」

「お、おう、そうだな」

士道の言葉に、殿町と俺がうなずいた。

走らない程度に急ぎ、教室から出る。

廊下には、もう既に生徒たちが溢れ、シェルターに向かって列を作っていた。

「おい士道と殿町、ちゃんと付いてき、、?」

俺は、眉をひそめた。

この長蛇の列の中に一人だけいない人物がいた。そしてその人物は、列と逆方向ーー昇降口の方向に走っていた。

「あれは、、、、鳶一折紙か?」

スカートをはためかせながら、廊下を駆けていた。

「おい!そっちにはシェルターなんてーーー」

士道も列にいない鳶一折紙の事に気がついたらしく、そう声をかけていた。

だが、

「大丈夫」

鳶一折紙は一瞬足を止め、士道にそう返してから、再び駆け出していった。

「大丈夫って、、、、何が」

「大丈夫って言ってたが、、、何が大丈夫なんだ一体?」

士道と俺は怪訝そうに首をひねりながらも、殿町とともに生徒の列に並んだ。

鳶一折紙のことが気になったがーーーもしや忘れ物でもしたか?それも他人にバレるとすごくまずい感じの、、、

だが、実際、警報が発令されたからといって、すぐさま空間震が起こるというわけでもない。すぐ戻ってくれば間に合うだろう。

「お、落ち着いてくださぁーい!だ、大丈夫ですから、ゆっくりぃー!おかしですよ、おーかーしー!おさない・かけない・しゃれこうべーっ!」

と、そこに、生徒を誘導している珠恵教諭の声が響いてきた。

同時に、生徒たちのくすくすという笑い声が漏れ聞こえてくる。

「、、、、自分より焦ってる人見るとなぜか落ち着くよな」

「あー、なんとなくわかる気がする」

「俺も」

士道が苦笑すると、それにつられるように、俺と殿町が似たような表情を作る。

実際、なんとも頼りないタマちゃん教諭の様子に、生徒たちは不安を感じるというより、緊張をほぐされているように見える。

と、士道が何かを思い出したかのように、ポケットに手を突っ込み、携帯電話を取り出した。

「どうした士道?」

「いや、ちょっとな」

そう士道が言葉を濁し、なにを思ったのかが聞けなかった。

そうしてしばらく士道が携帯電話をしばらく操作しているところを見ていると、

「あんの、馬鹿、、、、ッ」

急に口を開いたかと思えば、毒づいた言葉をはなっていた。

そして生徒たちの列から士道が抜け出す。それに気づいた殿町が、

「お、おいッ、どこいくんだ五河!」

「悪い!忘れ物だ!先行っててくれ!」

と、列から駆け出して離れていく。

「あー悪い殿町、俺も忘れ物とってくるわ!」

俺もそう言い、列から駆け出す。

「あ!おい蒼!」

 

ーーーーー蒼LORDーーーーー

 

、、、、、、実をいえば、忘れ物というのは嘘だ。

本当は、士道がいきなり列から駆け出していったから、琴里ちゃんに何かあったんじゃないか、、、、そう考えていると、玄関に到着し、靴を履き替える。

そして、外に駆け出していった。

校門を抜け、学校の坂道を滑るように駆け下りる。

「あいつ、、、、なんかあったんなら俺らに言えよ、、、、、手伝ってやれるかもしれんのに、、、、」

俺は、足を全力で動かし、いつもの通学路を駆け抜け、士道の家に向かう。

だが、士道の家に行く途中で、

「あ、、、そういやあいつファミレスがなんたら、、、、、」

その会話を思い出し、ファミレス方面に向かい直し、駆け出す。

だが、走っている最中、視界の端に奇妙なものが目に入る。

空を飛ぶ人のような姿のもの。

それが何人か見えた。

何かを確認するため、走るスピードを落とすと、目の前にあった街並みが、眩い光に包まれた。

「うわっ!?」

あまりにも眩しかったので目を閉じていたのだが、更に体に衝撃波のようなものが加わり、中に浮く感覚があった。そして、地上に落下する感覚がした直後、俺の体は地面に激突した。

鈍い痛みが、全身にくまなく走る。

「がっ、、、あ、、、、、」

そう苦悶の声を上げながら、目を見開く。

そうして見えた光景に、絶句する。さっき眩い光が通った場所が、跡形もなく、『消えていた』。

普通爆発などで壊された場合は瓦礫が残るのだが、瓦礫の一個も残さず、焦土となっていた。

「な、、、、なんだ、、、よ、、、これは、、、、、、」

痛みが走っている体を何とか起こし、周りを確認する。

すると、焦土と化した大地に、クレーターのようなものが一つ、あるのが見えた。

そしてそのクレーターの中央に、奇妙なドレスを纏った少女が一人、立っていた。

「あの子、、、なんであんなところに、、、」

朧気にしか見えないが、長い紺色の髪と、不思議な輝きを放つドレスを何とか見ることが出来た。女の子であることは間違いないだろう。

と、少女が何かに気づいたかのように手をポンと叩き、その場から消えた、、、、、、

と思っていたら、目の前にさっきの少女が立っていた。

「、、、、、ッ!?」

いきなりのことで頭の理解が追いつかない。さっきまでクレーターの中央にいた少女が、いきなり自分の目の前に来るのだから、理解できない。

「あ、、、、、、」

意図せず、言葉が漏れた。

年齢はおそらく俺と同じか、少し上かぐらいだろうか。

腰まである長い紺色の髪に、愛らしさと凛々しさを兼ね備えた貌。

その中心には、まるで固まった血に光が当たるような、暗く鈍い輝きを放つ双眸が鎮座している。

装いは、これも奇妙なものだった。いかにもどこかの国の女王様が着ていそうな真っ白な服が、金属なのか布なのかどうかも分からない素材で形作られていた。さらに、その服装の至る所から光の帯が伸びている。

そしてその手には、小さなナイフほどの刀身しかない剣が握られていた。

状況の異常さ。

風貌の奇異さ。

存在の特異さ。

どれも俺の目を引くには十分過ぎた。

だけれども。

嗚呼、だけれども。

俺が目を奪われた理由に、そんな不純物は含まれていなかった。

「ーー、ーー」

一瞬の間。

呼吸をすることすら忘れて、少女に釘づけられる。

それくらい。

少女は暴力的なまでに、ーー美しかったのである。

「ーー君、は、、、、、」

呆然と。

俺は声を発していた。

瀆神として喉と目を潰されることすら、思考のうちに入れて。

少女が、ゆっくりと視線を下ろしてくる。

「名前、、、、、ね、、、、、、」

心地の良い雀のさえずりのような声音が、空気を震わせた。

しかし。

「ーーーーごめんね、私には無いの。」

どこか悲しげに、少女は言った。

「ーーーーッ」

そのとき。少女の目と俺の目が、初めて交わった。

それと同時に、名無しの少女が、酷く悲しそうな顔をし、今にも泣き出してしまいそうな表情を作りながら、こちらに歩み寄ってくる。

「君、なんでこんな所にいるの、警報聞いてなかったの?」

「いや、俺は友達を、、、って君もなんでこんなところにいるんだ?」

「君の友達?もしやさっき別の精霊の方向に突っ切って行ってた青髪の少年の事かな?じゃあ悪い事は言わない、君はとっととシェルターに戻るんだ、巻き込まれても知らないよ?」

「巻き込まれるって何に、、、」

瞬間。

後ろでまた眩い光が発生した。

強い風が俺を襲い、体が前に倒れる。

「うわっ!?」

「え?」

次の瞬間には、もう既に少女の胸に顔を突っ込みながら、倒れていた。

「、、、?」

「、、、、、、、、、、」

瞬時にどのような状況に置かれているのか、理解する。

「わっ!すまん急に後ろから強い風が吹いてきて、、、」

とっさに起き上がり、その少女から少し離れてから、弁明する。

そして、少女も起き上がったかと思うと、

「、、、、、、、、、す」

「へ?」

「殺す!」

「ちょっ?」

「<神夜守護>(レリエル)!固定(ロック)!」

‪少女がそう言うと、俺の体が何かに縛られたかのように動かなくなった。

「私によくも恥を、、、罪を自覚しながら死ね!」

「あ、、、」

ああ、これは終わったな。

あのナイフで心臓を一突きされて、死ぬんだな。

そう考えていた。

だが、現実は違った。

 

『本体に対する敵意を探知。<要塞>(フェストゥング)、リフトオフ。』

 

そういう声が聞こえた。

あれ、もしやこれが死神の声か?と考えたが、妙に機械のような音声であったと感じた。

直後、目の前の地面が隆起し、白い箱のような物が出現、少女のナイフを止めた。

「え、、、、、」

少女が絶対に防がれないと思っていたら攻撃を防がれたせいか、唖然としてそこに突っ立っていた。

 

『<要塞>、リフトオフを確認。第二フェーズへ移行。』

 

さらに機械音声の声が聞こえた。すると出現した白い箱が真ん中から展開し、中から何かが出てくる。

 

それは、銃であった。

 

一度エアガンだが見せてもらったことがある、エンフィールドというリボルバーの一種。

それが自分に向けて差し出されるかのように鎮座していた。

手を伸ばそうとする。なぜか体の自由が戻っており、容易くその銃に手を延ばせられた。

そして、その銃を強く握る。

すると、生暖かい物が体に流れてくるような感覚がした後、体が淡く光る。

その光が段々と何かを形成するかのように集まってゆく。

次の瞬間には、その光が個形状のものに変わり、機械の鎧のようなものを纏っているような状態になる。そして、体のあちこちから、あの少女の服と同じような光の帯が伸びている。

「まさか、、、、、君も?」

少女が驚愕の声を発していた。

だが俺は気にせず、自分の体を見回してみる。

すると、見た目がまるで俺のお気に入りのゲーム、「アーマード コア」に出てくる機体の一機、ヴェンジェンスに酷似していた。

「なんじゃこりゃあァァァァァァ!!??」

歓喜混じりの絶叫を上げる。

自分が何故この様な姿になったのか困惑する一方で、お気に入りのゲームの機体のような鎧を纏えた事に興奮していた。

「よし、なんか知らんがこれであいつ探せんじゃね?」

体に力が漲り、なんでも出来る気がした。

だから、思い切り上に跳躍した。

、、、街が一望できる。

そんな高さまで来ていた挙句、落下する気配がない。

ゲーム通りに空に滞空出来ていた。

なのでゆっくりと辺りを見渡す。

集中すればするほど、視界が鮮明になる。

そうして、士道の姿が見えた。だが、士道の方も厄介事に巻き込まれているようだった。

あの少女と似たような雰囲気の少女が、見慣れないボディスーツを着た複数人と戦闘していた。

そして、戦闘の最中に起きた暴風により士道が近くの壁に激突した。

「おい!士道大丈夫かよ!」

士道がぐったりとしてそこを動かなくなった。

さらに戦闘が過激化し、士道の近くを斬撃が走る。

あのままだと不味い。

そう感じ、士道に向かって手を前に出しながら空を駆ける。

「間に合えぇぇぇ!!!」

自分でも信じられないようなスピードが出たので、一瞬で士道の目前まで来れた。

あと少し。

そう考えていると、体が浮くかのような浮遊感がした後、目の前に壁が出現した。

「は?」

と声を出す暇もなく、壁に勢いよく激突した。

だが壁の方が耐えきれなかったらしく、壁を突き破った。だがそれでバランスを崩し、勢いよく転がる。さっきの超スピードも相まって、信じられない速さで地面で転がる。

それに体が耐えきれず、プツンと意識が切れた。

 




はい、こんな感じです。
次が投稿出来れば、士道サイドを大きく書きたいですね、、、、、、
次回をお楽しみにしていただければ嬉しいです。
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