デート・ア・ライブ イレギュラーブルー(凍結) 作:蒼京 龍騎
今回は、蒼と少女(精霊)のデート回です!
ちょっと伏線も貼ってあるので、ぜひどのようになるのか、考えてみてください!
最後まで読んでいただければ幸いです!
それでは、どうぞ!
デート・ア・ライブ イレギュラーブルー 3
少女の騎士(ガール オブ ナイト)
「うーん、どれにしようかな?」
彼女は、悩んでいた。
初デートを、どのような服装で臨むかを。
だが、彼女の場合、服を買う必要が無い。
彼女が纏っているドレス、、、霊装は、姿形を自由自在に変えることができた。
ワンピース、カーディガンなど、様々な形に姿を変える。
「よし、、、ちょっと緊張するけどこれでいいかな?」
その中で、彼女が選んだものは、空色の肩出しカーディガン、それに白のジーパンという少しやんちゃそうで清楚に見える服であった。
「こういうの着るの初めてだけど、どういう反応してくれるかな?」
彼女の胸は、嬉しさで満ち溢れていた。
初めて、ああいってくれた。
「デートしよう」と。
今まで、特別な力を持っているという理由で、人に恐れられ、近づいてくる者は誰一人として、いなかった。
殺されかけたこともあった。
だが、彼はそんな彼女に近づいた。
一度、彼女に殺されそうになったというのに。
彼女は、そういう彼に、特別な感情を持っていた。
彼のことを考えると、体が熱くなる。
「これが、恋、なのかな、、、、」
そう呟きながら、髪型の選定を行う。
彼女が選んだのは、ポニーテール。
今の服装に、一番合っているのがこれだと感じたのだ。
紺色の髪を後ろに纏め、霊装の一部を変形、分離させ、シュシュを造り、縛る。
「よし、、、こんなところかな」
そう言い、隣にあった鏡を見る。
そこには、普段は見ない自分の姿があった。
可愛らしい少女の姿があった。
「、、、、、やっぱり、ちょっと恥ずかしいかも、、、、」
そう頬を紅く染めながら言う。
「彼の名前、聞いてなかったな、、、、、」
「、、、、、はっ!」
目が覚める。
「しまった!昨日ベットに突っ伏してそのまま寝ちまった!今何時だ!?」
焦りに焦る。
テーブルの上にあった時計を見ると、まだ午前七時だった。
「セーフ、、、、今から早めに飯食って着替えれば学校に間に合う、、、、、」
心の底から安堵し、落ち着く。
「、、、、、、あれ?」
周囲を探してみたが、朝食らしい朝食がなかった。
それどころか、菓子以外の食べ物がなかった。
「、、、、、しょうがねぇ。コーヒーでも飲むか」
そう言い、冷蔵庫から牛乳を取り出し、棚にしまっていた砂糖と粉末状のコーヒー豆を取り出す。
それらを容器の中に入れて混ぜ、飲み干す。
「どうしてもって時の最終手段だったんだが、まぁいいか」
俺はずぼらな面があり、たまに食事が取れない時がある。
そんな時は、毎度これに頼っていた。
そして、クローゼットを開く。
そこには、綺麗にされていた俺の制服があった。ある張り紙と共に。
「今日行われるデート、悪いけど監視させてもらうわ。これはそのお詫びよ。K.I より」
、、、、、、律儀だなぁ。だけどプライバシーというものを考えろや、、、、
と、顔をしかめながら心の中で呟く。
貼り紙を剥がし、綺麗にされた制服の袖に腕を通し、着替える。
時刻は七時五十分、今から行けば少し余裕ができるという時間帯だった。
「そんじゃ、行ってきます!」
今日もまた、誰もいない家に向かってそう告げる。
そして、駆け足で学校まで向かう。
「あ!おい蒼!お前一昨日どこに行ってたんだよ!ってかお前昨日何の連絡もなしに学校休んだじゃないか!大丈夫か!?」
殿町が、学校の校門前にいた。
「あ、、、、すまん殿町、一昨日は忘れ物取ってたんだが戻ってみるともうシェルターしまってるし、仕方ないから家に帰ってたんだが、何とか無事で、、、、昨日は、、、なんか疲れて眠たかったから寝てた。言い忘れてたな。ごめん」
誤魔化しながら、そう謝る。
「あと昨日は士道も休んでたぞ、、、、今日見た感じは大丈夫だったが、ホントに大丈夫だろうか、、、、」
「わからない、、、、」
といい、誤魔化す。
今日は士道にも少し用事があった。
校門を通り、教室まで歩く。
「おい、士道。少し話がある、来てくれるか?」
教室に着き、士道の姿を確認すると、そう聞いた。
「な、、、なんだよ蒼、、なんか言いたいことでもあるのか?」
「ごまんとあるぞ」
そう言い、士道の手を引っ張りながら、教室の外にある階段の下のスペースまで連れ込む。
「お、、、おい蒼?どうしてこんなに所に?」
「お前、ラタトスクって奴らと、どんな関係だ?」
そう聞く。顔が一瞬引きつっていたが、
「ラタトスク?なんだそれ?」
と返してくる。
「五河琴里。ラタトスク司令官。村雨令音。ラタトスク解析官。神無月恭平。ラタトスク副司令。」
矢継ぎ早にその人物の名前を出す。
「ど、、どうして知っているんだ?」
そう聞いてくる。
俺は。
「俺が、『精霊』って言われてる存在らしいからだ。そう言えばわかるか?」
そう答えた。
士道の顔から、一瞬にして血の気が引いているのがわかった。
「、、、、本当、なのか」
疑うように、そう聞いてくる。
「冗談な訳が無いだろ。俺だって信じたくないが、嘘言ってるように見えるか?」
「、、、、、、、」
士道は、黙り込んだ。
そして、学校のチャイムが鳴る。
「おっと、そろそろホームルームか、続きは明日だな。今日は約束があるからな。」
「、、、、、蒼」
「なんだ?」
「お前は、隠していたのか?」
そう聞いてくる。
「、、、、隠していた訳では無い。といえば?」
「、、、、ごめん、余計引き止めてしまったな。あと一つだけ言わせてくれ。」
「?」
俺が首を傾げる。
「お前がどうなろうと、友達であることは変わらない。だから、お前を嫌ったりしない。」
「、、、、、そうか。さんきゅ」
正直言うと、この言葉には助けられた。
俺が精霊と知って、士道は多分俺の事を嫌うだろう。
そう覚悟していた。
だが、あいつはそんな俺を『友達』と呼んでくれた。
「ほんっと、士道は優しいよな」
そう呟き、教室の自分の席に戻る。
七時間後、放課後。
「なぁなぁ、士道と蒼、お前らホントに大丈夫か?なんか気分悪そうに見えるぞ」
「気のせいじゃないか?」
「気のせいじゃねぇか?」
お互いともそう言う。
「いやホントに大丈夫に見えないんだが、、、」
殿町がそう言った。おそらくそれほど大変な見た目をしているのだろう。
と。
「士道、来て」
「あ、ちょっと、、」
そう言って鳶一折紙がどこかに士道を連れていく。
何か用事でもあるのだろうか、、、と、考えていると。
「おい!皆校門を見てみろ!なんかすんげぇ超絶美人来てるぞ!?」
とある男子生徒が叫んだ。
「なぬ!?超絶美人だと!?どんな人だ!?」
そう言って殿町が窓に向かって駆ける。
そして外の校門をじっくり見ていたかと思えば、いきなり倒れた。
「おい!?殿町どうした!?」
「あ、、、、あれはなんだ、、、、、、天使か、、、、、、」
「おーい!?戻ってこーい!!」
そう言い、俺も気になったので覗いてみる。
すると。
昨日の少女がいた。
「あ!やっべ!今何時だ!?」
そう言い、時間を見る。
まだ三時五十分だった。
「悪い殿町!俺もう学校から出るわ!」
「な、、、、もしやお前、、、、」
死にかけの声で、そう聞いてきたが、悪いと思ったが無視し、校門まで駆ける。
そして、そこで見た光景に絶句する。
彼女の周りに大量の人が集まっていた。
そして、彼女の目線と俺の目線がぶつかったかと思えば。
彼女がその集団をかき分けるようにしてこちらに歩んでくる。
「おーい!ごめんね!ちょっと早めに来ちゃって!」
俺の所まで来ると、そう言った。
「あれ?俺昨日四時って言ったよな?」
「早めに来た方がいいと思って!来ちゃった!」
なんだろう、彼女が昨日より明るくなっているように見えた。
そして、周囲では。
「え!?もしかして蒼くんの彼女!?」
「うっわとんだ美人だな、、、羨ましい、、、」
「あいつ、、、殺す、、、」
などの言葉が飛び交っていた。
「ほら、いいから行こ?」
そう言って、手を差し出してくる。
「お、おう、、」
手を握る。
すると、周囲で。
「キャァァァァァァァ!!!!」
みたいな嬌声が聞こえてきた。
「メディック!メディィィィック!!衛生兵ェェェ!!!」
「こいつ、、、死んでいる!?」
「止まるんじゃねぇぞ、、、、、」
そんな言葉も聞こえたが。
そうして、学校を後にした。
「今日はどんなところに行くの?」
そう彼女が聞いてきた。
「うーん、、しまった何も考えてない、、、、、、」
馬鹿正直にそう言ってしまった。
あ、まずい絶対機嫌悪くなるぞ、、、、
そう覚悟したのだが。
「じゃあまず私の行きたい所行かせてもらっていい?実は一つだけあるんだよね!」
、、、予想外に、こういうことに関して彼女は寛容だった。
「ふーん?どんなところだ?」
「水族館!」
はい出ましたー!
デートの定番のひとつ!水族館!
まぁ彼女の場合は純粋に好奇心からだろうが、、、、
「へぇ、水族館に行ってみたいのか」
「うんうん!私あんまり魚見たことないし!」
大きく首を振り、そう言う。
「この辺で近場の水族館は、、、、あったあった、ここから直進すればあるらしいぞ」
鞄から携帯電話を取り出し、調べた。
「おー!楽しみだなぁ、、、、」
彼女が満面の笑みを浮かべていた。
俺も釣られて笑顔になる。
目は、光がだんだんと戻ってきているようだった。
それも嬉しかった。
「あ!そうだ!君の名前って?ごめん聞き忘れてて!」
あ、そうだ。
俺は、自分の名前を名乗っていなかった事に気がついた。
「飛来 蒼だ」
「へぇー、かっこいいじゃん!あ!そうだ!ついでに私の名前もつけてもらえない?私は君のこと名前で呼ぶけど、君が私を呼ぶ時、名前が無いと不便じゃん?」
「確かにな、、、、」
「蒼がつけてよ!私の名前!蒼に付けられるのは私としても嬉しい!」
そう言ってくる。
、、、、名前、ね、、、、、、
俺はこういうことに関しては、センスがないとよく言われる。
だが、彼女が望んでるんだ。
足りない頭をフル活用して、つけてあげよう。
「わかった」
そう答え、彼女の名前を考える。
「まず苗字だが、、、なんだっけ?ナハトって確か、、、夜か。じゃあ苗字は 夜叉真(やしゃま)、でいいか?」
「おおー!かっこいい!満足!」
「お気に召してくれて何よりだ。じゃあ次、名前だが、、、こっちにも夜をつけるか、、、夜美(やみ)?なんか違う。真夜(まや)?なんか違う。うーん、、、」
行き詰まった。
と。
目の前に野良猫と思わしき猫がいた。
閃いた。
「ノ夜(のや)、、、なんてどうだ?」
猫のような可愛らしさと無邪気さ、それに夜のような凛々しさ。
それを掛け合わせた名前。
「ノ夜、、、、夜叉真 ノ夜!かっこいい!うん!異論なし!」
名前をつけられて、よほど嬉しいのか、腕を上下に振っている。
「ありがとう!それじゃあ蒼!行こ!水族館へ!」
「ああ、わかった、、、、ノ夜」
俺がつけた名前だが、いざ言うとなると、すごく恥ずかしい。
「これって傍から見れば、本当の、、、か、、かか、、、」
本当のカップルみたいだ。そう考えると、恥ずかしさで、体が爆発しそうなほど熱くなる。
「ねぇ蒼?大丈夫?顔が真っ赤になってるけど?」
「ああいや全然!!大丈夫!!」
思わず早口で大声が出てしまう。
一旦落ち着かねば、、、そう考えていたが。
「ねぇ、今思ったんだけど、、傍から見たら私たち、本物の、か、カップル、、、みたいだね、、、、」
ノ夜が赤面し、手で顔を抑えながらそう言ってくる。
どきっとした。
「ちょっ!?俺が言えなかったことを言っちゃったよ!?」
素直に凄いと思った。
俺が言えないことを言える勇気は尊敬ものだ。
「ま、、まぁこれデートだし、、、デートって、カップル同士でするものでしょ?」
「あ、、、うん、なんかすまん」
「なんで謝るの?」
「いや、あの時、いきなりあんな事言っちゃってごめん。って意味で」
「いや、全然気にしてないよ!むしろ嬉しかった。今まで私、人に殺されそうになったり、友達も化け物を見るような目で見てくるようになって、辛かった。そんな時に、蒼にあったの。蒼がデートに誘ってくれなきゃ、今頃どうなってたか私にもわからない。だから、私こそ感謝したい。ありがとうね、蒼」
「、、、、、、」
一瞬、ノ夜が過去にどんなことにあっていたのか、聞こえた。
だが、それをほじくり返す訳にも行かない。
だから、聞かない。
「さぁ!こんな話はやめにして、デートの続き!めいいっぱい楽しもう!蒼!」
「おう!」
そして、水族館の至る所を歩いた。
「おおー!鮭だ!美味しそう、、、なんてね」
「おい、それは冗談にも程があるぞ」
なんて会話や、
「お!このクッキー可愛いじゃん!蒼!買ってもいい?」
「あーいや、ノ夜は払わなくていい。俺が代わりに払う」
「ホントに!?ありがとう!蒼!」
そう言って抱きついてきたり。
時間を忘れて、楽しんだ。
「いやー買った買った!ありがとうね!蒼!あ!でも財布大丈夫!?私なんかに結構使っちゃったよね!?ごめんいくら!?」
そう言ってノ夜が財布を取り出す。
「いやだから払わなくていいから、、、このデートに誘ったのも俺だし。俺が払って当然だろ」
「でも、、、、」
「ああ、そうだそれよりも、この後行きたい所が一つ出来たんだが、行ってもいいか?」
そう聞く。
「全然いいよ!どんな所?」
「とにかく絶景な所だ」
そう言い、ノ夜の手を握る。
「ついてきてくれ」
ノ夜の手を引き、目的地まで歩く。
「、、、、着いたぞ。ここだ」
「、、、、、、綺麗」
着いた場所は、街の公園だ。
「ここなら夕方頃に来れば夕焼けが海に映って綺麗だし、街も夕焼け色に染まって幻想的だぞ」
「、、、、、、、」
ノ夜が無言でその景色を見つめる。
「ちなみに、この場所を見せたのはノ夜を含めて三人しかいないぞ?」
「、、、、、素敵、、、、、」
やはり魅入っている。
あまり綺麗なものに興味が無い俺が、唯一美しいと思えた景色だ。
「ありがとうね。蒼、こんな場所まで紹介してくれて」
「例には及ばねぇよ」
「ねぇ、一つ言いたい事があるんだけど、いい?」
「ん?どうした改まって?」
「私、やっぱり蒼のこと、、、」
瞬間。
『警告。北東1キロメートル先に少々強力な魔力反応発生。こちらに向かって直進中。おそらく弾丸と思われます。あと五秒後に、この地点に着弾。推奨、退避。』
「は?」
考えるより、体が先に動いた。
ノ夜を押し飛ばす。
「え?蒼?」
すると、強い衝撃が、俺の体を襲う。
十メートル程吹き飛ばされる。
体が動かない。
口の中が、血の味しかしない。
俺の手が、血に染まっていた。
胸から下の感覚が、なかった。
「あれ、、、おれ、、、もしか、、して、、、し、、、、、」
いしきが、とぎれた。
少し前。とある山の上。
時刻は午後6時。
ある集団が、少年少女の二人組を見張っていた。
少年の方はどうでもよかった。だが問題は少女の方だった。
「、、、、、ふぅ」
日下部 燎子(くさかべ りょうこ)は、目を細め、唇を舐めた。
「存在一致率九十八・五パーセント。さすがに偶然とかで説明できるレベルじゃないな。」
彼女が見ているのは、少女であった。
だが、その少女は、精霊。
この世に厄災を撒き散らす、生きている災害。
「折紙、クライ・クライ・クライの準備は」
「万全。狙撃許可は」
今彼女たちが纏っているスーツは、着用型接続装置(ワイヤリングスーツ)。
対精霊用装備、、、CRーユニットを装着するためのスーツ。
戦術顕現装置搭載(コンバット・リアライザ)ユニット。通称CRーユニット。
人類が三十年前に起きた大空災の折、手にした奇跡の技術、顕現装置(リアライザ)を戦術的に運用するための装備の総称である。
コンピューター上の演算結果を、物理法則を歪めて現実世界に再現する装置。
簡単に言えば、制限付きではあるが、想像を現実にできる技術。
科学的な手段をもって、いわゆる『魔法』を再現するシステムと言うこともできた。
「、、、、まだ出てないわ。待機してろってさ。まだお偉方が会議中なんでしょ」
「そう」
今監視している少女の一キロ以内には、燎子たちAST、、、Anti Spirit Teamが固まって監視していた。二人一組(ツーマンセル)の五班、十人で待機していた。
そのうちの二人が、燎子と折紙である。
「これは好機。逃せば次はない」
折紙は、自分たちの随意領域(テリトリー)のように、精霊が普段纏っている絶対にして最強の城、霊装を纏っていないことを見逃さなかった。
故に、外さず、確実に殺せるように、通常兵装に含まれない対精霊ライフルを構えていた。
使用者が悲鳴を上げ、弾道が軋み、目標が断末魔の声を上げる。
ゆえに<C C C>(クライ・クライ・クライ)。
リアライザで反動を無くさなければ、反動で腕の骨が折れるというトチ狂った兵器。
「、、、頭ん中日和ってるお偉方が、この状況で攻撃許可出すかしら」
と言った途端、遼子たちの耳にノイズ混じりの音声が聞こえてくる。
「こちらポイントA(アルファ)。結局どうだっーーえ?」
遼子は、耳に入ってきた情報に驚愕した。
「ーーー了解」
そう返すと。
「驚いた。狙撃許可が降りたわ」
そう告げる。
「折紙、あんたが撃ちなさい。今いる面子の中では、あなたが一番適任よ。失敗は許されないわ。絶対に一撃で仕留めること」
その言葉に。
「了解」
折紙は、無表情でそう答えた。
そして今。
「あーーーーー」
折紙が放った弾丸が、士道の親友、蒼の胸に直撃した。
狙いは完璧だった。
だが、その弾丸を察知した蒼により、精霊が突き飛ばされ、代わりに蒼に当たった。
弾丸に胸が抉られ、血が吹き出し、後方へと吹き飛ばされるのを、リアライザで強化した視力で見た。
ーーー自分が、人を撃ち殺した。
精霊ではなく、人を。
士道の親友を。
それを自覚し、指が震える。
「ーーー折紙ッ!」
「ーーーーっ」
燎子の声で我に返る。
「悔いるのは後にしなさい!後で死ぬほど責めるから!今はーー」
燎子が、戦慄した表情で公園を睨む。
「生き延びることだけ、考えなさい、、、、、ッ!」
「蒼?」
名を呼ぶが、返事がない。
さっき何故か蒼に突き飛ばされたかと思えば、いきなり砂埃が舞い、衝撃が走り、周囲の視界が悪かった。
「蒼?どこ?」
立って探すが、何も見えない。
そして、砂埃が落ち着き、周囲の視界が良くなる。
そして、蒼の姿が見えた。
「あ!良かった!蒼いたん、、、だ、、、?」
よく見てみると、蒼の胸に抉られたような穴が空いている。
「ーーーーーえ?」
状況を理解できなかった。否、したくなかった。
「蒼、冗談だよね?どうせこれケチャップでしたーとか言って起き上がってくれるんだよね?」
そう呼びかけるが、返事はない。
近くまで寄ってみる。
ーーーー息をしていない。
死んでいる。そう理解してしまう。
「ーーーーーあ、、、、ああ、、、」
殺された。
何かに。
恐らく、私を殺そうとしていた人達だ。
そう考えた。
私を殺そうとしていたが、蒼が庇って、死んでしまった。
ーーーー生きていて、いいんだな。
そう考えていた。
蒼といる時間は、輝いていた。
どんな時より楽しくて、眩しかった。
だが、それを世界が否定した。
お前はいてはいけない。
楽しんではいけない、と。
「<神威霊装・十一番>(ナハト・ケーニッヒ)、、、、ッ!!」
ノ夜は、その名を呼ぶ。
精霊の、絶対にして最強の城、霊装。
それを纏う。
更に。
「<神夜守護>(レリエル)、、、、ッ!!」
精霊の絶対にして最強の武装、天使。
それも顕現させた。
「もう、、、人は殺さないって思ってたけど、どうでもいいや。今は、殺そう。蒼を殺した奴らを。私の幸せを奪う者を」
そう言い、殺意を世界に向ける。
時刻は21時。もう日が沈み、夜と言える暗さだった。
ノ夜の天使は、夜に真価を発揮する。
「<神夜守護>、【夜門】(ナハトーア)」
ノ夜は、自身の天使を空に掲げる。
瞬間、巨大な門が、ノ夜の真後ろに出現した。
ビルの高さはあるその門は、ギィィと鈍い音を立て、開いてゆく。
「引きずり込め」
そう自身の天使に命令する。
すると、門の中の『闇』から、無数の黒色の手が伸びる。
それは、尋常ではないスピードで伸び、次々とAST隊員を捕らえる。
そして、次々と門に引きずり込んでいく。
「もういっその事、世界を引きずり込んであげようかな」
ノ夜は、そう言い放ち、次々とビルを黒色の手に掴ませ、引きずり込んでいく。
「壊れてしまえ。こんな世界なんて」
少女の目からは、また光が消えていた。
上空、フラクシナスでは。
「医療班!回収準備!医療用顕現装置(メディカル・リアライザ)!用意急いで!」
蒼を救おうと善処している人らがいた。
「彼に死んでもらっては困るの、、、死なないでよ、、、、」
「た、大変です!」
クルーの一人が、声を荒らげる。
「どうしたの」
「活動を停止していた飛来 蒼から、霊波反応が!こ、、、この反応は、、、」
瞬間、蒼の体から、蒼い炎が発生した。
「なに!何が起こってるの!」
その炎は、蒼の傷を舐めるようにして這っていく。
そして、その這った跡に対して、司令を含めるクルー全員が、驚愕した。
『治っていた』。
傷跡ひとつ残さず。
胸に空いていた穴が空いている綺麗に塞がっていた。
それに一番驚愕していたのは、琴里と、令音だった。
「あ、、あれって、、、」
「ああ、まるで、<灼爛殲鬼>(カマエル)の加護だ。」
「なんであいつが、、、、<灼爛殲鬼>の加護を受けているの!」
いくら冷静な琴里でも、声を荒げざるを得なかった。
だって、本来ならば、あの力は『今は』士道に備わっている物だ。
それを、何故か蒼が持っている。
そして、蒼が何事も無かったかのように起き上がる。
「一体、、、あいつは何者なの、、、、、、」
「う、、、ここは?」
見知らぬ白い空間で、俺は目覚めた。
起き上がると、いきなり目の前にウィンドウが表示される。それに文字が表示される。
一、フラクシナスの応援をダラダラ待つ。
二、このまま死ぬ。
三、<灼爛殲鬼>に掛けている楔、回復能力を一時的に解き放ち、少し人を辞める代わりに即時復活。
どれかを選べ。制限時間は百八十秒。
その表記に、少し困惑した。
だが、すぐに状況を飲み込む。
俺は、死んだ。
だがまだ意識はある。
なら。
リスクがどうのこうのは後回しだ。
「なら、答えは一つだァ!!」
俺は、三番を押す。
すると、ウィンドウが消え、白い空間に亀裂が入る。その亀裂がだんだん大きくなり、そこから、大きな斧が出現した。
まるで、握れと言わんばかりに、俺の目の前に鎮座する。
俺は、それを握る。
体に力がみなぎる。
『本人の生存の意思表示を確認。<灼爛殲鬼>の権限を一部解放。システム、<亜人>(アリエノ)、起動。』
すると、その斧が砕け散り、破片が溶けて消えた。
瞬間、意識が引き戻される。
「、、、、おお、治ってる」
俺は、目覚めた後すぐに体を調べる。
血の跡はそのままだったが、傷は綺麗に治っている。
「いやーもうほんとに人間から離れていってるな、、、、、、」
そして、空を見た。
ノ夜が、天使を出していた。
そして、目から光が消えてしまっていた。
「ノ夜、、、、、、ッ!!!」
ノ夜の後ろに、巨大な門が出現しており、街を貪るように破壊し、門の中へ引きずり込んでいる。
「<要塞>(フェストゥング)!!」
だが、やることは変わらない。
「さっさとあんな事辞めさせて、デートの続きをしようじゃないか!」
そう決意し、空へと翔ぶ。
「ノ夜ァァァァァァ!!!」
「、、、、、、、」
聞こえていない。俺がどれだけ叫んでも。
「今そっちへ行ってやる!待ってろ!」
そう言い、ノ夜の元まで翔ける。
だが。
恐らくノ夜が召喚したであろう門から黒色の手が伸び、俺を捕まえようとした。
「なっ!?おい!どうしたんだノ夜!!」
叫ぶが、またもや聞こえていないようであった。
「、、、、、、<神夜守護>【吐瀉】(ヴォミト)」
ノ夜がそう言うと、門からドス黒い塊が出てきた。
、、、、、あれはやばい。
そう直感する。
早く止めなきゃまずい。
「、、、、、回避しながらノ夜に近づく。できるか?」
そう聞く。
『現状での成功率、三十四パーセント。至急、<要塞>を<突撃>に変更し、【超過時間歯車】の使用を提案。』
「は?ちょっと待て?それってなんだよ?」
そう思ったが、まぁいいか。
それを聞くよりも、救う事が先決だ。
その名を呼んでみる。
「<突撃>(アサルト)!!」
すると、右手に持っていた<要塞>が消え、代わりにアサルトライフルが出現した。
見た目は、ゲームで見た事がある。
M4A1だ。
俺は、それを強く握り。
「【超過時間歯車】(オーバークロックギア)!!!」
そう叫ぶ。
瞬間、纏っていた霊装が、変形する。
そして、変形した箇所から炎が吹き出す。
視界には、謎の円形の表示の中に数字が刻まれたものが映っていた。
その円形の表示の右に、制限時間と思わしきゲージが表示されていた。
体が軽い。
全てが止まって見える。
俺は再び、ノ夜の元へ翔ける。
軽々と黒色の手を避け、避けきれないものは<突撃>で撃ち、進行方向をずらす。
それを繰り返す。
繰り返す度、視界にある数字がカウントされ、上がる毎に更に体が軽くなる。
そして、ノ夜の前まで難なく近づけた。
俺は、無言でノ夜を、抱きしめた。
「いきなり死んで、ごめん」
そう伝える。
「、、、、、、、蒼、、、、」
返事が聞こえる。
「ホントに、蒼なの?」
「あぁ、本物の俺だ。死んでなかったよ。安心しろ」
安心させるように、優しい声でそう告げる。
「蒼、、、!」
俺の名前を呼んだかと思えば、ノ夜が泣き出した。
「ごめんなさい、、、、本当にごめんなさい、、、、」
そう謝罪してくる。
「いいんだ。大丈夫。」
「あっ!!」
「ん!?どうした!?」
いきなりノ夜が大声を出す。
「これ、、、どうしよう、、、、、」
指でそれを指し示す。
それは、ノ夜の天使が召喚したであろう門の前にある、ドス黒い塊だった。
今にも発射されようとしている。
「止められないか?」
「無理、、、射出状態に入っちゃったら止められない、、、、」
、、、、くっそ。
どうする。
「止める方法は!?」
小声だが、強くそう言った。
『回答、不明。あれだけのエネルギーの塊を消失させる事は、現状の本体には不可能。』
、、、、万事休すか、、、、
だが。
『ですが、ブラックボックスのリミッターを外し、本来の性能を一時的に引き出せれば、確実に消失させることが可能です。』
、、、、ブラックボックス?それってよくゲームで聞くあれか?
ブラックボックスとは、中身がどうなっているのかわからなくとも、外から見て分かることで動かし、操作しても問題は無く、使える物のことを指す。それ故に危険視されるという話も多々あるのだが、今はそんな事はどうでもいい。
「外せ」
そう命じる。
『了解。ブラックボックス、一部解放。<要塞>、反転。<青薔薇>(ブルーローズ)へと交換。』
瞬間、体が重くなる。
全身に鋭い痛みが走る。
「ガ、、、ア、、」
苦悶の声を上げる。
目の前に、銃が出現する。
<要塞>と同じリボルバーだが、形状が違った。
そのリボルバーは、ブルーローズだった。
俺お気に入りのゲーム、Devil May Cry(デビル メイ クライ)の4と5に出てくるキャラ、ネロが使っていたリボルバーそのものだった。
俺は、それを握る。
脳に、膨大な量の情報が押し寄せる。
その中で、あの塊を無くせそうな物を見つける。
すると、そのデータが、俺に入ってきた。
背中に、鋭い痛みとは別の激しい痛みが走る。
「それ」は、霊装を押しのけ、俺の背中を突き破り、生えていた。
巨大な爪と腕にも見えるそれは、ギギギと鈍い音を出しながら、俺の右腕に装着される。
爪に見えていたそれは、チェーンソーの刃だった。
それが六つ横に連なり、丸まり、巨大なドリルのようになる。
「<魔牙突>(グラインドブレード)」
その名が、口から出る。
右目が、見えなくなった。
右目の付近が熱い。
だが、気にする暇はない。
それを、後ろに構える。
「捻れろ。そして消え去れ。【絶対回転】(ロール・アウト)」
チェーンソーの刃が、不愉快な音と共に接続部と思わしき所で回転する。
それを勢いよく塊に向かって突き出し、急加速する。
そして、その塊に向かって突撃する。
それは、命の危機を感じさせる塊を、いとも容易く貫通する。
その直後。
塊が捻れ、見えない細さまで捻れた後、消失した。
それを確認したら、俺の意識が遠のく。
気絶しそうになる。
抗おうとした。
無理だった。
そのまま、俺は気絶した。
、、、、、、
「ふむ。少しはマシに動くようになったかな?」
誰かの声が聞こえる。
「はい、調整は一通り済ませました。ですが」
「まだ<灼爛殲鬼>の霊結晶(セフィラ)が、馴染んでいない」
「、、、、はい、そうです。肉体改造と脳にリアライザを移植する手術は成功し、<灼爛殲鬼>の霊結晶も使わせて万全なのですが、起動し、少し動いたと思えば何故か停止してしまいます」
「、、、、できるだけ、今後予想される決戦にまでは仕上げてくれ。これがないと、我々、、DEMは負けてしまうかもしれない」
「分かっています。我々も全力でこれを完成させます。期待していてください」
「ああ。存分に期待しているよ、、エレン」
「もちろんです。アイク」
はい、いかがでしたか?
今更ながら、ちょっと詰め込みすぎかなーと考えてしまいましたw
デート回プラスてんこ盛りクロスオーバーw
クロスオーバーした作品が三つあるというw
ゼノブレイドクロスから、オーバークロックギア。
デビル メイ クライから、ブルーローズ。
アーマードコアから、グラインドブレード。
以上の三つをクロスオーバーさせた訳ですが、かっこよく書けていたでしょうか?
ぜひ聞かせてください!
それでは、また次の話まで、、、、、