デート・ア・ライブ イレギュラーブルー(凍結) 作:蒼京 龍騎
、、、、、気づいたら二ヶ月も経ってたよパトラッシュ、、、、、
、、、、最近塾にも通いだしてさらに暇が消え失せてきた、、、、、
だがシカァシ!!俺は書くのを止めんぞォ!!
全てはイチャコラを書くためにィ!!!!
ってな訳で狂三キラー編、ドゾッ(´・ω・p)
悪夢と椿
デート・ア・ライブ イレギュラーブルー
第八章 悪夢と椿
気がつくと、蒼の目の前に幼い頃の自身と、謎の少女が立っていた。
見た目は十代にも満たない幼い容姿。銅の髪が朝日に照らされ照り輝いていた。
その少女が、自身の数倍はありそうな巨漢に手を引かれ、どこかへ連れ去られそうになっていた。
「そーちゃん!!そーちゃん!!」
その少女が、蒼の方に向かってそう声をかける。
「▫️▫️▫️!!行かないでくれ!!▫️▫️▫️!!俺を一人にしないでくれよッ!!!」
幼い蒼は、その少女の名を呼びながら手を伸ばすが、その少女の名前はノイズがかかったように雑音が混じり、聞こえなかった。
そうして、どんどん少女との距離が離れていく。
「、、、、、頼むから、、、、俺を一人にしないでくれ、、、、、っ」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?!?、、、、、、、なんだ、ただの夢か、、、、、いや、それにしても、、、、、、」
都立来禅高校に通う男子高校生、飛来蒼はベッドから飛び起きた。
ベッドは汗でぐっしょりと濡れており、その夢の怖さを蒼に知らせた。
「、、、、、、、もう悪夢は懲り懲りだな、、、、、」
そのベッドを見ながらボソリと呟く。
この後、ベッドが乾くまで待たなければならないという現実に、ガックリと気だるげに肩を落とした。
蒼は家事全般が苦手、という領域ではなく、皿洗いをさせようものなら皿を全て割り、料理をさせようものならどんな高級食材を使おうが講師を呼ぼうがゲテモノ料理ができる、また、洗濯をしようものなら洗濯物全てにカビを生やすほど、家事が苦手であった。
なので、二ヶ月前までは食事は冷凍食品に頼り、洗濯物はコインランドリーに頼るなどといった生活を送っていた。
だが、今はとある理由でその生活が一変していた。
「蒼!?なんか悲鳴が聞こえたけど大丈夫!?」
玄関の方から、そのような声が聞こえたので蒼は即座にベッドから飛び降り、すぐさま玄関まで向かう。
「、、、、、ああ、ノ夜。悪ぃ、迷惑だったか?」
蒼は玄関を空け、来禅高校の制服を着て慌てふためいているその声の主、、、、蒼の彼女であるノ夜に向かって言う。
「全然迷惑じゃないけど!!それよりも!!一体何があったの!?」
「、、、、、、実はだな、、、、、」
そう言ってノ夜を自身の家に上がらせてからソファーにノ夜を座らせて、悪夢を見たこと、そこで、自身にさえよく分からないが、大切な人が連れ去られるといった内容だったことを伝えた。
すると。
「、、、、、そう、、、、それは怖かったね、、、だったら、こうすれば安心して寝れると思うな」
そう言って、ノ夜は隣に座る蒼の頭に触れて、そのままゆっくりとノ夜自身の膝まで蒼の頭を運び、膝枕をした。
「、、、、、ッ!?!?チョっ!?ノ夜、、、、、?///」
顔を赤面させながら、蒼は声を発する。
「、、、、、、ずっと思ったんだけど、蒼は少し無理しすぎだと思うんだ。だから、少し休んだらいいと思う。安心して、今はまだ五時だからあと一時間は寝れるよ」
そう言いながら、ノ夜は蒼の頭を優しく撫でる。
その時に、蒼は張り詰めていた糸が切れたかのような感覚に陥った。
「、、、、、すまん、、、お言葉に甘えて寝るわ、、、、、」
蒼は、言葉に甘えてゆっくりと瞳を閉じた。
そうして、意識が遠のいてゆく直前で、「、、、、、やっぱり、、、恥ずかしいかも、、、、、」という呟きが聞こえた直後、蒼は意識を手放した。
一時間後。
「、、、、、お、蒼ぉ 、起きてぇ、、、、蒼ぉ、、、、」
「、、、、、ウーン、、、、あ、ノ夜。──ってどうしたァ!?カオマッカだぞお前!?」
蒼は目覚めると、すぐさま目の前にいるノ夜の顔を見て驚愕した。
顔全体が、赤く染まっていた。
風邪でもひいたんじゃないか、と思えるほど真っ赤だった。
「、、、、、原因は蒼なのに、、、、///」
「、、、、、え゙俺ェ!?一体俺が何をしたっていうんだ!?、、、、、まさか、、、、」
「、、、、、寝言、、、、私以外の人が聞いたら絶対引くと思う、、、、、///」
────
いやこれ絶対俺なんか愛の言葉叫んでたんとちゃうか!?ノ夜がこんなカオマッカになるなんざぁそれぐらいしか思いつかねぇ!!!ってかこんな思考をしてる時点である意味アウトじゃねぇかッ!!!
蒼は心の中でそう叫んだ。
────そう思い込むのはまだ早いとか言ってはいけない。
「、、、、でも、私としては嬉しいかったよ、、、、、///」
蒼はノ夜の赤く恥じらっている顔を見ると、自身の胸の奥が高鳴ってゆくのを感じた。
「うっ、、、、、ああ、これが尊死か、、、、、ガクッ」
「、、、、私一回部屋に戻るね、、、、学校遅れないようにね、、、、」
そうして、顔を赤くしたノ夜が部屋から出ていくと、蒼は深くため息をついた。
「、、、、、彼女が可愛すぎるってのも、なかなかに辛ぇな、、、、色んな意味で」
そうして蒼は支度を済ませ、テーブルの上に置いてあった弁当をとって玄関から外に出る。
「、、、、うげっ!?眩しっ!?」
外に出た瞬間、明るすぎる日光が目に当たり咄嗟に手で影を作る。
ここ最近は、梅雨の時期なのに晴れている時間が多かった。
まるで、『誰か』が先月に雨を使い切ったかのように。
「おーい、ノ夜ー?俺もう学校行けるぞー」
「はーい!!」
蒼はノ夜宅の前に立つとそう声をかける。
返事が聞こえた数秒後には、ガチャリと音を立てて目の前のドアが開いてノ夜がそこから出てくる。
「それじゃ、行こ!!」
「おう」
蒼はノ夜と共に、いつも通りマンションの階段を駆け下り、道端に出たところで。
「────ん?あれは、、、、士道と、十香ちゃん、と、、、、四糸乃ちゃん!?」
道の奥で人影が見えたので、目を凝らして見る。
精霊になった時から強化された視覚が、難なくその三人の姿を捉える。
「んー?、、、、、あ、本当だ!!おーい!!十香ちゃーん!!!四糸乃ちゃーん!!!」
そう言ってノ夜が士道たちの方向へ駆け出す。
「あっおい!!待ってくれよノ夜ー!!」
そうして慌ててその場から駆け出し、先行していたノ夜まで追いつく。
「お、蒼とノ夜、おはよう」
「おお!!蒼とノ夜でないか!!二人ともおはようなのだ!!」
「よっす!!士道、十香ちゃん!!」
「おはよう!!五河くんと十香ちゃん!!」
そうして、蒼たちはまず何気ない挨拶を目の前の二人にかける。
蒼だけは格好つけて人差し指と中指を立てて「チョリーッス!!」みたいな行動をとっていたが。
そして、蒼は目線を下に向けて、白のワンピースに麦わら帽子という可愛らしい衣装に身を包んだ、青い髪の少女に目を向けた。
「そして、おはよう!!四糸乃ちゃん!!」
「おはよー!!」
「、、、、ッ!!」
蒼とノ夜が挨拶すると、四糸乃は少し体を揺らした。
『あははー、ひさしぶり&ごめんねー蒼くんとノ夜ちゃん。四糸乃はまだこういうのには慣れていなくてねー』
「、、、、いや、俺らもいきなりで悪かった。すまん、四糸乃ちゃん、よしのん」
蒼は『二人』の人物に頭を少し下げて謝る。
四糸乃の左手には、『よしのん』といううさぎのパペットが装着されているのだが、そのパペットが腹話術のように喋っているのだ。
(だけど、最近令音さんから聞いたんだが、多重人格みたいな感じだったとはなー、、、、俺と同じ感じか、、、、、)
そう、実は四糸乃は腹話術で自身がパペット(よしのん)を使って喋っているのではなく、並列で多重人格の『よしのん』が存在しているらしい。
要は、四糸乃の意志とは無関係に『よしのん』は喋る、ということらしい。
蒼は完全に同じという訳ではないが、自身の内に別の人物が居るという点で四糸乃に少し親しみを持っていた。
、、、、まぁ、蒼の内に居るロンギヌスはこんなに親しみやすい性格はしていないが。
(、、、、、、?なんだ?今一瞬すんげぇ寒気が、、、、、、)
どこからともなく感じる、肌を突くような寒気を感じた直後。
「、、、、、お、、おはよう、ございます、、、、蒼さん、、ノ夜さん、、っ!」
先月よりもハッキリとした声で、四糸乃が言ってくる。
『おおっ!?』
蒼とノ夜は口を少し開けて驚愕した。
先月まではあまり自身で喋らず、よしのんに会話を任せっきり気味だった四糸乃が自発的に声を出していたのだ。
さらに、ここまで大きな声を四糸乃から聞いたことは蒼自身聞いたことがなかった。
と、そこで耳に付けたインカムからフフンという声が聞こてきた。
「────もしかして、琴里ちゃんが会話のアシストとかしてあげたのか?」
その声の主、、、、恐らく<フラクシナス>に居るであろう琴里に向かって、蒼は声をかける。
『どう?さっき士道にも言ったけど、もう私や令音とも話せるようになったのよ?』
「、、、、マジで?すげぇじゃねぇか四糸乃ちゃん!!」
そう褒めると、四糸乃は恥ずかしそうに帽子を下げて自身の顔を隠し、口をもごもごと嬉しそうに動かした。
と、再びインカムからコロコロというチュッパチャプスを口の中で転がす音の後に、琴里が続けてくる。
『まだ先になるとは思うけど、そのうち四糸乃も艦外に住ませようと思ってるの。──よしのんって話し相手がいるからか、十香よりストレス値の蓄積は少ないし、このままでも大丈夫といえば大丈夫なんだけど、、、、やっぱり<ラタトスク>としては、精霊にきちんと社会性を身につけてもらって、ちゃんと幸せな生活を送って欲しいわけなのよ』
「あーなるほど、だから今日はここに来たっつーわけか」
『そういうこと。あなた達は家から出る時間が士道とさほど変わらないから、四糸乃とのコミュニケーションのためにそこで待たせてたってわけ』
「────つーか、ひとつだけ思ったんだが、、、、十香ちゃんとは和解したのか?あれ以降特に十香ちゃんと四糸乃ちゃんを合わせてたりとかもしてないんだろ?それじゃあビビられっぱなしの状態だと思うんだが、、、、俺もあの殺気にはビビった」
『その点に関しても、なんとか大丈夫だったわ。まだ警戒はしているけど、今すぐにでも逃げ出すって程じゃないわ』
「、、、ほっ、そりゃよかった、、、、、」
蒼は安堵のため息をついた。
封印前に一度、四糸乃が士道宅に訪れたことがあるのだが、その際に十香とバッタリ
と、頭で考えていると、四糸乃が頭を下げた。
「きょ、、、、今日は、これで、、、失礼、します。いってらっしゃい、、、士道さん、十香さん、蒼さん、ノ夜さん」
「おう、また来いよ」
「ん──ではな」
「じゃーねー!!また会う日までー!!」
「、、、、ありゃ、もう帰るのか。でも、元気そうで良かったよ、四糸乃ちゃん。あ、あとそのワンピースめっちゃ似合ってるぞ」
四糸乃が戻ることを聞いた蒼は、四糸乃のそばまで近寄って頭をポンポンと優しく叩いた。
(、、、、こういう子には、こうしてあげるのがいいとかなんとか、、、、って、俺なんでこんなの知ってるんだっけ?)
すると。
「、、、、ッ!?///」
いきなりのことでびっくりしたのか、それとも触れられるのが嫌だったのかは分からないが、四糸乃が急に顔を赤らめ、目の前の道を年に見合わないスピードで疾走していった。去り際に「さっ、さようならっ!!」という声が僅かに蒼の耳に入った。
「、、、、ありゃ、行っちゃった」
四糸乃が見えなくなったところで、蒼はそう呟いた。
『、、、、蒼、今の意識してやった?』
「ん?なんの事やら。俺はただ褒めただけだが」
『、、、、、あなた女たらしの才能あるわよ』
「ハイハイ、ご指摘どーも」
そう返して、インカムからの通信が切れる。
「、、、、さて、そろそろ学校へ行かなきゃな」
と、学校へ向かって再び歩こうとすると。
「、、、、十香、、、おまえ、ちゃんと、、その、、、ちゃんと、着けてるか?」
「?何をだ?」
「、、、ぶ、ブラを」
「ブラ? なんだ、それは」
、、、、、、ん?ブラ?、、、、、あっ(察し)
蒼は十香に視線を向けた。
だが、正面から見ても特に違和感らしきものはない。
士道が言っていたブラを着けているかどうかさえ分からない。
『提案。スキャンモードを起動しますか?』
「、、、、なんかヤバそうだからやめる、、、絶対それ服透けて見えるようになるやつだろ、オコトワリだぞそんなもん、、、、ってな訳でキャンセルだ」
『了解』
突如として頭の中で響いた無機質なの機械音声に、蒼は冷静に言葉を返した。
そして、蒼は顔をノ夜の方に向ける。
「、、、、ノ夜、悪ぃが頼んだぞ」
「はいはーい、ってな訳で五河くん、ちょっと十香ちゃん借りてくね」
そう言って、ノ夜は十香の手を掴む。
「、、、、?な、なんなのだ?一体、、?ブラか?ブラというものが関係しているのか、、、?」
何がどうなっている、というような表情を十香は浮かべた。
「はーい、とりあえず十香ちゃんは着いてきてねー。あと蒼、あれだったら先に行ってていいよ、私十香ちゃんのブラ着けたらすぐ行くし」
「おう、じゃあゆっくりと先行ってるわ。頼んだぞノ夜」
「、、、?う、うむ、、、」
そして言われるがまま、といった様子で十香とノ夜は五河宅へと向かっていった。
「────セーフ、これで士道がブラ着けてない十香に欲情してイケナイ行為をしてムショ送り、なんてことにはならねぇな」
「、、、、、おい」
「はっはっは、冗談だよ冗談。ってな訳で先行こーぜ」
顔を険しくした士道と共に、蒼はノ夜と十香より先に学校へと歩を進めた。
十数分後。
二人は、学校に着く直前にノ夜と十香と合流し、全員揃って自分達の教室へと向かっていた。
、、、まぁでも、あんなことがあれば士道の顔は十香の方を向く度に赤くなっていたが。
「、、、、なぁ、十香。おまえ、、、その、、、きっちり着けて貰ったんだよな、、?」
士道が心配そうに十香の顔に目を向ける。
「、、、?ああ、ブラのことか。きっちりとノ夜につけてもらったぞ、そこまで心配するでない」
「、、、、良かった、、、ありがとうノ夜」
安堵のため息混じりに士道が呟く。
「いやー全然大丈夫だよ!!ってかそれにしても、、、、、やっぱり大きいね、、、」
「「「、、、、、??」」」
ノ夜が顔を赤くしながら放った言葉に蒼、士道、十香が首を傾げていると、既に自分達の教室に着いていたことに気がついた。
扉を開けて教室の中に入ると、入り口の近くで黒板に落書きをしていたクラスメートで蒼と士道の親友の殿町宏斗が、蒼たち四人の集団に目を向けてきた。
「あー?なんだよいつもより遅いと思ったら五河は十香ちゃんと、蒼はノ夜ちゃんと一緒かよ。うーわ、うーわ」
と、渋ーい顔で言いながら、黒板に置いてあったチョークで黒板に二つの相合い傘を描く。
、、、、モチのロンで名前は『五河』と『夜刀神』、『飛来』と『夜叉真』だった。
「小学生かよ」
「うーわくだらねぇ、情けなくないのかよ、、、、お前も努力すりゃ性格良いからモテそうなのによ、、、、、そういうことしてるからモテねぇんだぞ殿町ィ、、、、、」
と言って、士道は乾いた笑みを浮かべ、蒼は哀れみの目を殿町へ向けた。
「うっせぇぇぇぇ!!!俺はどうせモテないんだよォ!!!お前らは良いよなぁ女に対しての不自由が無くてよォ!!!二人ともリア充爆発しろォ!!!そして五河と飛来は誠のように終わりを迎えやがれェ!!!」
と、半ば泣きそうになりながら殿町が叫んでいた。(周囲は冷ややかな目で殿町を見ていた。)
だが、そこで十香が何かに困ったかのような様子で何かを口に出そうとした瞬間。
「、、、、流石にさっきのは聞き過ごせんねぇ殿町、、、、、」
「五河くんはどうしようもないとして、飛来くんとノ夜ちゃんの純粋なイチャコラカップルをあの性欲お化けと一緒にされたら、ねぇ、、、?」
「うんうん、ってな訳で吊るす?殿町吊るす?」
後ろから恐ろしい程の殺気を纏いながら三人組が蒼たちの方へ歩んでくる。
その三人組の正体は、このクラスの中では仲良し三人組として知られている、
流石に殿町も三人から同時に発せられる殺気には萎縮しているようで、歯を少しだけカタカタと鳴らしていた。
「、、、、す、、、、すいませんでしたァァァァ!!!!」
もう堪忍して、と言わんばかりに殿町は大慌てで自分の席へと戻って(逃げて)いった。
「、、、、ふぅ、これでもう大丈夫だよー、四人とも」
「、、、、まったく殿町のやつは、、、、飛来くんが言ってた通りそんなんだからモテないのよ、、、」
「、、、、ホントに後で吊るそうかな、、、、」
「ストップその辺でやめてくれ」
何やら物騒な話になりそうだったのを悟ったのか、士道が三人の会話を止めに入った。
「、、、まぁ、とりあえずサンキュー三人とも」
「いえいえ、例には及びません」
「私たちへの褒美はこの学校唯一の純愛カップルである二人のイチャコラを見せるということでお願いします」
「あっ!!抜け駆けずるいぞ麻衣ー!!」
蒼が頭を下げて礼を言うと、再び亜衣、麻衣、美衣の三人で会話が始まり、その場から離れていった。
、、、、褒美がイチャコラを見せろ、という点について、蒼は今までの行動が原因だとすぐに悟った。
そう、蒼とノ夜が二人で学校に通いだしてからしばらくの間は学校だろうがお構い無しでイチャついていたからだ。
、、、、そのせいで男子からは有り余るほどのヘイトを貰っているのだが、女子からは何故か蒼とノ夜のイチャコラが良いものとして扱われているらしい。
、、、、なぜ女子からは良いものとして扱われているのか本当に謎である。
そう考えていると、蒼の耳にキーンコーンカーンコーンというチャイムの音が耳に入った。
「やっべもうホームルームかよ!?とっとと席に座らねば!!!」
そう叫び、その場にいた四人は大慌てで席へと座る。
教室中に散らばっていた生徒も同じようにバタバタと席へと座りだす。
ほどなくして、教室の扉が開き、眼鏡をかけた小柄な女性が教室に入ってくる。
相変わらずどう見ても教師には見えないこの教室の担任、岡峰珠恵。通称タマちゃんであった。
「はい、みなさんおはよぉございます」
といういつものフワッとした挨拶をすると、タマちゃん教諭は出席簿を開こうとしたところで、何故かその手を止めた。
「あ、いけない。今日はみんなにお知らせがあるんでした」
そういうと、教室にざわめきが起こる。
そして、視線を生徒たちに向けながら話を続ける。
「ふふ、なんとねぇ、このクラスに、転校生が来るのです!それも二人!!」
ビシッ、という効果音が聞こえてきそうなポーズをつけながらタマちゃんが叫ぶと、すぐさま教室から『おおおおおおおおおおお!?』と、教室を揺らしそうな声が響いた。
まぁ、こうなるのも自然な流れだろうと蒼は思った。
あらゆる学校において、転校生イベントは結構レアイベントだ。それも二人となるとこうなるだろう、と。
「、、、、あれ、そういや転校生多くねぇかこのクラス、、、、?」
転校生関連で、蒼はとある事を疑問に思った。
このクラスには、先程話に出た二人を除いて、既に二人転校生がいる。
一人は十香。もう一人はノ夜。
この二人は同時に来禅高校へ転入してきたのだが、それもまだ数ヶ月前の話。
いくらなんでも多すぎるし早すぎる。そう考えていた。
「さ、入ってきてー」
考えにふけていた蒼の思考を止めさせたのは、間延びしたタマちゃんの声であった。
ゆっくりと扉が開き、転校生が教室へと入ってくる。
瞬間。教室は呼吸が聞こえるほどまで静かになった。
姿を現したのは、二人の少女だった。
一人はこの暑い中、冬服のブレザーをきっちりと着込み、足に黒いタイツを穿いている。
影のように黒い黒髪。前髪が不自然なことに左側だけ伸びており、赤い右目がちらりと見えた。
もう一人は、先の転校生とは違い季節に合った夏服を着ており、銅色の長髪は『椿』の髪留めで留められていた。
これだけなら、皆普通の女子として彼女を見ていただろう。
だが、そこ以外が周囲の、いや、教室の全員の目を引いた。
その少女は右目に大きめの黒い眼帯を着け、残った左目からは茶色の目が見える。
右腕は普通の女子の潤っているように見える血色のよい肌が見えるのだが、左腕はまるで金属でできているかのように鈍色の光を放っていた。おそらく義手なのだろうと蒼は考えた。
そこで、クラスの全員がこう思っただろう。この少女に何があったんだ?と。
そして、その二人に共通する特徴を蒼は見つけた。
、、、二人とも、人とは思えないほどの美貌を持ったノ夜と十香に匹敵するほど、美しかったのである。
(、、、、、、?なんでだ?あの子につい視線がいっちまう、、、、?)
蒼はその銅の髪の少女に、自身が無自覚の状態で何故か釘付けになっていたことに気付いた。
否、釘付けになっていたのは、その少女自身ではなく。
──その少女が付けている髪留めだった。
蒼は花には詳しくないのだが、あの髪留めの花は椿である、となぜか理解していたのである。
(、、、、俺はあの髪留めを、、、、知っている、、、のか?)
そう疑問に思った蒼は、軽く自身の記憶を振り返る。だが、思い出せるのはどれも知っている記憶ばかりだった。
蒼は自身の曖昧な幼少期に関連するのだろう、と考えた。
ごくり、と自身が唾を飲み込む音が聞こえる。
「さ、じゃあ自己紹介をお願いしますね」
「はい」
「はーい!!」
少女二人はそう返すと、黒髪の方が先に黒板に綺麗な字で『
次に、そのチョークを銅の髪の少女に手渡すと、その少女は黒板に『
「時崎狂三と申しますわ」
まず黒髪の少女──狂三が透き通った声で自身の名を名乗った。
「金剛寺椿でーす!!趣味は動くことです!!よろしくお願いしますです!!」
次に銅の髪の少女──椿が明るく大きい声で自身の名を名乗った。
「、、、、、っ」
その瞬間、蒼は少し頭痛を覚えた。
まるで、何かを脳が無理矢理呼び覚まそうとしているかのように。
ほんの一瞬、脳に漠然としたイメージが浮かび上がる。
姿は影のように黒く染っている人物が見えた。
そして、その人物は、髪に彼女と同じ椿の髪留めをしていた。
だが、そこから一切イメージは変化せず、その人物の全体像を見ることは叶わなかった。
そこで、狂三が放った一言により蒼の意識は強制的に現実へと戻された。
「わたくし、精霊ですのよ」
「、、、、、は?」
その言葉に、蒼は心臓を強く握られるかのような感覚を覚えた。
ざわつく生徒の中で、十香とノ夜、士道と折紙が同じような反応をしていた。
狂三はそれに気づいたのか、一瞬士道の方をみて微笑んだように見えた。
「、、、、精霊、、、?」
蒼は先程狂三が言った『精霊』という単語を復唱する。
「え、、、ええと、、、はい!とっても個性的な自己紹介でしたね!」
タマちゃんが手を大きくパンと叩いて、終了を告げた。
「それじゃあ、時崎さん、金剛寺さん、空いている席に座ってくれますか?」
「ええ。でも、その前に、一つお願いがあるのですけど」
「すいませーん、ボクも一つお願いしてもいいですか?」
「ん?なんですか?」
タマちゃん教諭が言うと、狂三が指を三本立ててあごに当てた。
その直前、教室の端から「え、金剛寺って人ボクっ娘?」という声が細々と発せられたが、気づく者はいなかった。
「わたくし、転校してきたばかりでこの学校のことがよくわかりませんの。放課後にでも構いませんから、誰かに案内していただきたいのですけど」
「ボクも同じくです!!案内してもらいたいです!!」
椿が右手を大きく上に伸ばして言う。
「あ、なるほど。そうですねぇ、、、、じゃあクラス委員の──」
だが狂三と椿は、先生の言葉の途中で前方に歩き出すと、それぞれ士道と蒼の席の真ん前までやってきた。
「ねぇ──お願いできませんこと?士道さん」
「よっす、お久しぶりです!!そーちゃん!!ってな訳で案内お願いです!!」
「え、、、、、?」
「、、、、、ファッ?」
士道と蒼は予想外の出来事に、呆然と声を発した。
「お、俺、、、、?ていうかなんで名前を──」
「、、、、あー悪ぃ、もしお前が俺のガキの頃のダチなら申し訳ねぇんだが、俺ガキの頃の記憶が事故って粗方ロスったからお前のことわからん」
二人がそう言うと、狂三は、さぞ悲しそうな、断られたら泣いてしまいますわ、みたいな顔を作り、椿は、小さく「え、、、、?」という声を漏らして悲しそうな顔を見せる。
その一言を椿が放った瞬間、蒼と椿の周囲だけが時間が止まったかのように静かになった。
それでも、士道と狂三は構わず会話を続ける。
「駄目ですの、、、、?」
「い、いや、そんなことは、、、、」
「じゃあ決まりですわね。よろしくお願いしますわ、士道さん」
狂三はニコリと微笑むと、軽快な足取りで自身の席へと歩いていった。
「、、、、、嘘ですよね?ボクですよ、椿。覚えているですよね?」
一方、蒼と椿は重い雰囲気の中、会話を続けていた。
「、、、、、全く知らねぇ、、、、」
「、、、、ねぇ、本当になにも覚えてないのです、、、、?
椿はまるで嘘を疑うかのようにいくつも人物や場所に関する質問を投げかけていた。
だが、いくら聞こうが思い出そうとしようが、蒼はそれについてまったく思い出せそうになかった。
「、、、、悪ぃ」
「、、、、、、じゃあ、これは、、、、?」
次に椿は、髪に付けていた椿の髪留めを機械の左腕で外して蒼に差し出す。
蒼はそれを覗き込むようにして注意深く全体を見渡す。
そこで。
「、、、、、あ」
その髪飾りの裏面に掘られていた、『AO』と『TUBAKI』の文字を見て。
記憶が一部蘇る。
これは自身が幼少期の頃、椿に送ったものだ。
確か、、、、、椿が外国へと引っ越すから、という理由だったはず。
だが、自身と椿がどういう関係だったかは思い出せない。
「、、、、、クソッ、あと少しで思い出せそうなんだが、、、、、」
悪態をつきながら、もう一度よく髪留めを注視する。
だが。
「あ、あのー金剛寺さん?会話中すいませんがそろそろ着席してください、、、」
タマちゃん先生が椿に向かって申し訳なさそうに言うと、椿は「あっ」と小さく呟き、再び蒼の方を見る。
「、、、、、放課後ちょっと時間ちょうだいです。話したいことがありますです」
そう小さい声で言い残して、椿は指定された席へと歩いていった。
「、、、、ねぇ蒼、さっきの子は誰?」
隣の席にいたノ夜がそう声をかけてくる。
「、、、、分からねぇ、、、、だけど、、、、多分俺は、、、、あの子を、、知っている、、、」
そう小さく呟くと、蒼は机に頭を突っ伏して、記憶を思い出すために脳を再びフル回転させた。
この時の蒼たちは、まだ知らなかった。
この転校生二人が、蒼たちにとっての『敵』となることに。
椿が蒼の重大な『秘密』を知っていることに。
今日は、さらなる波乱の、幕開けの日となった。
はい、どうでしたでしょうか?
暇が無さすぎてクオリティがダダ下がりしている気が、、、、、、
、、、、、、まぁ、次回までにはどうにかできるようにします、、、、、
さて、ついに狂三登場&オリキャラ三人目登場!!
このオリキャラが物語にどう関わってくるのか、楽しみにしていただけると幸いです!!
それでは次回まで、see you next time!!!!