11年前の大殺戮
あの日、俺は意識を飛ばして目が覚めると男は居らず武偵達に囲まれていた
最初は俺が犯人だと思われていたが、日に日に疑惑は晴れていく
今では、武偵高に通えるくらい
最近、風の噂であの犯人が捕まったと聞いた
だが、それは女で違う奴で違うと言っても誰も聞きやしない
神崎 かなえ
そういう名前の女には子供が居るらしく、俺と同い年だとか
ガラス越しに話してわかったが、濡れ衣が随分と掛かっている
964年の刑期があるが、それすべてが濡れ衣だと俺は思う
あの男の罪を他の奴が被るなんて冗談じゃない
次いでに全ての罪を晴らして、あの男の居る組織まるごと潰してやる
CZ 75 - 9x19mm
チェコスロバキアで作製されている銃
装弾数が15発
ちゃんと弾倉に弾を入れて、制服の胸ポケットにしまう
武偵高は常に武装するのが校則
それには従わないといけないし俺はあの男を逮捕したいので常に持っている
鞄の中にはナイフが3個
マガジンの中に弾入りの物が5個と少し多いくらいの武装
あの男はこの程度じゃ死なない自信があるから持ち歩ける
部屋の鍵を閉めた時に隣を見るとドアが開いた
「おはよう、キンジ」
黒髪の憂鬱そうな出立の男を見つけた
丁度、同じタイミングで外に出たようだ
「あぁ、おはよう宵闇」
隣の部屋の住人
1年生ではSランクだった遠山 キンジ
今では武偵を辞めたがっている様子で毎日が憂鬱そうだ
結局、バスには間に合わなかったので自転車で移動するキンジ
対して俺はそんなに急ぎたくないので、自転車で体育倉庫の方へ向かう
始業式って長くて先生の話とか、退屈なんだよな
それにしても、眠いな
今日は11年前の出来事を思い出していたのであまり眠れていない
体育倉庫の扉が開いているのを見て、中に入った
当然ながらそこにはマットなどもあって眠い俺には睡眠をするには充分な環境だ
マットに横なると天井を眺めて手で目を隠す
「さて、寝るか」
そう言った瞬間、突風が吹き荒れた
眠気も一気に覚めてしまい、マットから飛び起きた
ガタガタと音を鳴らす扉
そして、跳び箱の蓋も飛んでそこに飛び込んで行く2つの影
見事に跳び箱に入った人影を見て思う
「朝っぱらからなんだよ」
朝から乱闘でもある日だったけ
それとも、何かの嫌がらせなのだろうか
跳び箱の中身を除くと、武偵の子とキンジだ
ツインテールの少女で、キンジと同様に気を失っているように見える
どうしたものか
起こしたら、絶対に面倒事に巻き込まれる
だが、もし起こさずに居て怒られるのも面倒くさい
どうしたものか
キンジに覆い被さるように眠ってる少女の名前は知らない
知らないが、キンジは遺伝性の厄介な物を患っている
そんな物を患ってるキンジが起きた時にこの女を見た時にどんな反応をするか皆目検討のつかない
大人しく起きるまで寝て待とうか
マットの上に再び寝転がり、仮眠を開始した
ガンッ!
そんな発砲音で目が覚めた
よく見ると銃撃戦が始まっており、跳び箱の中からも発砲音が聞こえる
「あんた起きたのね!?あんた、武偵でしょ?ならアンタも力を貸しなさい!」
火力が足りない
そう続ける少女からは焦りのような物を感じる
ここまで焦るという事はかなり長い間、銃撃戦を行ったのだろう
マットから立ち上がり、跳び箱の前に歩いて向かう
「ちょっとアンタなにしてんのよ!?一瞬で蜂の巣にされるわよ!!」
心配してくれているが、余計なお世話だ
誰がそんな自殺行為をするか
俺は意地でも死ぬ訳にはいかないんだからな
扉の外を見ると機械の銃が7機か
こんなんじゃ火力負けする訳だ
そんな事を思いつつ、右手を前に突き出し二の腕を左手で掴む
一瞬、水色の光が手の平に現れた
「戦いってのは自分の得意を相手に押し付ければ勝ちなんだよ」
その言葉と共に機械の全てを下から、コンクリートの槍が突き刺し貫通
小さな爆発を起こし、破片が足元に飛んできた
「す、すごい」
跳び箱の中から称賛の声が聞こえた
だが、本当にここに居ると変な予感がするのでサッサと逃げよう
そう決めた後の行動は早かった
鞄を持って学校へと自転車を漕ぎながら向かう
学校に着いたら担任だった蘭豹がブチギレていたが、大して気に留めず席についたのだった