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名前を偽った、小さな子供。
本当の名前は誰も知らない。
史上最年少の騎士にして、名誉や栄光の一切を求めず、蛮族狩りと叛逆者狩りにのみ、狂信的な熱意を出す化け物——
その少女がキャメロットに訪れてから一年経った。
これが早いのか遅いのかは分からない。彼女が早いと判断すれば、それは早計だったとなり、彼女が遅いと判断すれば、それは浅はかだったとなる。
彼女には、そうするだけの権利があるからだ。
全てを奪われた者として、当然の如く、それを糾弾する資格がある。
奪い返す、資格も———
「——こんにちは。今日はとても良い天気で心地が良いですね。
そうは思いませんか?」
そう告げるだけの事が、アルトリアにとっては酷く心苦しく、また後ろめたい事をしているかのようだった。
言葉を投げかけるという、たったそれだけの行為。言葉が震えてしまわない様にするので精一杯だった。
ただ少女と同じ庭園にいるだけで、アルトリアの胸には刃が突き刺さっていた。そしてその刃とは、彼女のあまりにも小さな後ろ姿であり、何かを堪える様に俯いた少女の姿だった。
きっと、彼女の遊び場だったであろう、大木と花の広場。
あそこには亡くなっていった全ての人に、大量の花を手向けた心優しい少女が……きっと……確かにいた筈なのだ。
——でも、もしかしたら、もう居ないのかもしれない。
僅かに俯いた視線の少女が今、一体どんな事を思い浮かべているかはアルトリアには分からなかった。
庭園にて佇む彼女は、神聖的にすら感じられるこの空間には、酷く相応しくない。僅かに見える首筋や手首は不気味に感じられる程白く、あの日には輝いていた筈の黄金の髪は、とっくに輝きを失っている。
肩に止まっている鴉といい、小さな少女は、不気味なナニかに成り果ててしまっていた。
「………………」
少女は俯いたままだった。
その様子に、アルトリアは僅かに目を閉じて、覚悟を決める。
——アルトリアは、今日この日に死ぬ覚悟を決めていた。
でも、本当に死ぬ訳ではない。まだ彼女は死ねない。まだ、王としての責務は終わっていない。
だから——王としての責務が終わったら、彼女にこの命を譲ろう。
アルトリアは、本気でそう考えていた。
命日はこの日に決める。自分が滅した人々全ての代表と言ってもいい彼女は、この命を奪い取る権利がある。
でも、それでも、まだ道半ばで倒れる訳にはいかない。
だから、アルトリアは彼女の事を信用しながら、少女の事を信用出来ていなかった。
その証拠に、彼女は【
唯一【
故に、少女はどうやっても、アルトリアを殺害する事が出来ない。
だから——アルトリアは全ての攻撃を受け止める気でいた。どれ程の怒りであっても、嘆きであっても、全て。
少女の力は、既に人外の領域に達している。
彼女に与えた宝剣なら、竜の炉心を持っている肉体であっても、身動きをしないアルトリアを傷付けるのは容易い。そしてどんなに傷付けられようとも、アルトリアは瞬時に回復する。
治っては傷付けられ、また治っては傷付けられ。
きっと、尋常ではない激痛が身体を襲い続けるだろう。死ねた方がマシな程の痛みが来るだろう。
それでも、アルトリアは良かった。
それで、彼女の気が僅かにでも晴れるなら。咎める気もなく、どんな仕打ちを受けようと不問にすると誓っていた。
そして、彼女が疲れ果てるか、彼女が攻撃を止めた時——
——王としての責務が終わったら、貴方に命を譲ります。
そう告げるつもりだった。
彼女が短慮な性格ではない事も知っている。
彼女はそんな事をしないかもしれない。なら、彼女の本心を受け止めるつもりだった。
どう罵られようと、どう罵倒されようとも、甘んじて聞き入れるつもりだった。
「いつも今日の様な天気なら良いのですが、この国は天気が不安定ですからね。
晴れているかと思えば、すぐに曇って雨が降ってしまう。天候だけはどうにも出来ませんから」
何げない会話を投げかけて、こんな言葉しか出てこない自分に嫌気が差す。きっと、義兄ならまだまともな事を話すのだろうと思考が飛んだ。
自分に、相手の思惑を読み取って言葉を引き出す様な技術はない。
だから、アルトリアは義兄に言われた通り、王としてではなく一人の人間として少女と接する事を決めた。
王として接すれば、少女は当たり前の様に一人の騎士として接するだろうから。
「…………どういうおつもりですか、アーサー王」
「……えっ………?」
しかし、彼女から返って来たのは、何処か此方の行いを注意して咎める様な声だった。
彼女は振り返らず、言葉を繋げる。
「その、話し方。
……貴方は王だ。親しい人に話し方を崩す事はあっても、私を相手にしてそれは決して褒められた行為ではない。
だから、どういう事ですか」
「………………」
彼女から返って来た言葉は、いつもの口調とは違って、困惑が滲み出ていたモノだった。
アルトリアは言葉を押し込め、彼女の心情を測る。
当たり前だ。彼女は此方の本当の顔を知らない。王である筈の自分が、いきなり口調を崩したという意味は、大きい。
それでも、彼女相手に偽るつもりはなかった。偽ったところで、彼女は即座に見破るだろう。だから彼女を相手には、ただ示す事しか出来ない。
「ある人からこう言われたんです。
貴方と会話をする時、決して怖気づくなと。だから、自分を隠す事はやめます。貴方とは、王としてではなく、私個人として貴方と向き合わなければならない。
そうしないと……ずっとこのままの関係で終わってしまいそうですからね」
「———………」
「………すみません。不愉快でしたらやめます」
押し黙った彼女を見て、アルトリアは彼女への一歩をとめる。
彼女とて、凄まじい心情が心を駆け巡っている事は確か。
彼女がまだ、心の整理がついていないというのなら、此方は甘んじて引くしかない。
この関係をなんとかしたい。彼女をどうにかしたい。どちらも、アルトリアにとっての心からの願いでもあったが、アルトリアは許されたいとは決して思っていない。
「…………………」
僅かにでも少女への想いを履き違える事なく、アルトリアは、ただ少女の反応を待った。
押し黙って、自らの心を落ち着かせている様な息遣いが少女から聞こえる。
「いえ、すみません。少し、驚いてしまっただけです。
だからこのままで良い」
「……! ……良かった……貴方に拒絶されてしまったら、私にはもうどうする事も出来ませんでした」
少女の声に、アルトリアは安堵しながら言葉を返す。
最悪、この時点で躓くとすらも思っていた。でも、返って来たのは冷たい拒絶でもなく、燃えたぎる怒りでもなかった。彼女は、此方からの呼び掛けに応じてくれたのだ。
彼女の口調も、一介の部下としてではなく、自然体のそれ。
たったそれだけでも、彼女が応え返してくれたという事が、アルトリアにとっては嬉しかった。
「この場所は、どうしたのですか。
私とランスロット卿が一戦を繰り広げる前は、普通の庭園だった筈だ。私はそう記憶しています」
「あぁ……これですか」
自然の成り行きで、彼女は庭園の事について質問を返す。
当たり前だ。何せ、この場所は今はもう無い彼女の故郷を再現した場所だ。
僅かにでも彼女が安らげる場所を作りたい。
アルトリアにとっては、本当にそれだけだった。
それでも、この場所が彼女にとってどう映っているのかは分からない。一体何様のつもりだと、怒りを心内に秘めているのかもしれない。
静かに、何かを確かめる様に問われた少女の言葉から、アルトリアは何かを読み取る事は出来なかった。
しかし、仮に読み取れていたとしても、やらなければならない事は変わらない。
偽る事なく、ただ真摯に伝えるだけ。
「私は以前……——とある村を訪れました。
その時、とても印象に残ったのがこの大木と花の広場なのです」
「……………」
「二度目に、その村を訪れた時は、広場の花が枯れていました。
それが…………私には……とても、悔しかった。だから、
……未だにその理想は実現出来てはいませんけどね。でもせめて、この場所にだけは作りたかった。ここにある大木と花は、私が花の魔術師マーリンに咲かせて貰いました。
彼は気紛れなので、花を咲かせたら何処かに飛んで行ってしまいましたが」
「………………」
彼女と話す事が出来るようになったが、何処から何処までを明確にしていいのか分からなかった。
確かに彼女は応えた。
でも、踏み込みすぎているんじゃないか。
そんな思いがアルトリアを襲っていた。
「この場所も、貴方が不愉快だと言うなら、すぐに戻させます。
気にする必要はありません。これはただ、私の善意の押し付けでしかありませんから」
自らの行いを、都合の良いモノとして押し付ける気はさらさらない。
でも——不安だった。
明確にしていい一線は分からず、彼女が今どんな思いなのかも分からず、この行為が彼女にとって仕打ちになっているのか償いになっているのかも分からない。
確かに、彼女の激情を受け止める覚悟は出来ている。
でも——怖い。
俯いたままで黙り込んでいる彼女を思うと、間違えた事をしているんじゃないかという恐怖が増していった。
「…………あの…この場所は、どうですか……?」
返事はなかった。
少女は無言のまま花畑に近付いて、何かを確かめ始める。
何の感慨もなく、そのまま花を毟り取ってもおかしくはないのではないかと思える雰囲気と佇まいであるというのに屈んで花を撫でる手付きは、とても優しかった。
「あ、あの……」
「ハッキリ言います、咲かせ方が雑です」
彼女の様子に思わず言葉を返せば、返って来たのは叱責にも似た言葉だった。
「え、え……?」
「恐らく、この花を咲かせた術者は適当な人物なのでしょう。美しい花を見るのは好きだが、花を育てて慈しむ気はない。
咲かせた花は放置して、後はもう知らないと立ち去り、枯れたら何の感慨もなく摘み取る。
それでも何も気にしない。何故ならまた咲かせれば良いから。この広場にはそんな想いが透けています」
「あの……すみません、そんなつもりは……」
「土の状態は良い。良すぎる。神秘に包まれたキャメロット城なだけあって、辺境の村の土とは比べものにならない。
これでは水など大してやらなくても簡単に育つし、そもそも枯れないでしょう。なのに、この土は水分を多く含み過ぎだ。これでは誰かが花の世話をしないと栄養過多で萎びていく」
「あの…………」
此方の想いを見透かす言葉だった。
マーリンは花の咲かせ方しか知らず、アルトリアは花の慈しみ方を知らない。
アルトリアは彼女に謝ろうとするが、少女はアルトリアに返事を許さず言葉をたたみかけていた。
そしてそんな様子の少女だったから——当然の如くアルトリアは、次に少女が告げた言葉に硬直した。
「だから——
———私がこの花の世話をしても良いですか?」
そこに居たのは、ただの幼い子供だった。
憎悪も呪詛にも身を浸していない、ただの子供。
少しだけ歳不相応に落ち付いているけれど、呟かれた言葉は何処か楽しげで、酷く優しい。
僅かにだけ振り向いた後ろ姿から見える口元には、満足そうな笑みが浮かんでいる。
…………そう。本当に、満足そうな笑みだった。
「——えっ……?」
「気に入りました。この場所」
顔を上げ、庭園の中央にて佇む巨大な大木を彼女を見上げる。
浮かんだ笑みは変わらない。本当に——嬉しそうな笑み。
「アーサー王、ありがとうございます。
これだけで、私はだいぶ救われました」
光が差した。
大木の葉が掬いきれなかった、太陽の光。
その光に照らされた彼女は——どうしようもなく、似つかわしくなかった。
神々しさはない。
何せ、彼女はもう、救いようのない程まで堕ちてしまっているから。
きっと、花々が似合う様な子供だったのだろう。きっと、誰からも愛され、その分だけ愛し返す様な人物だったのだろう。少なくとも——枯れ果てたあの村では。
きっと満開の花の様な笑みを浮かべて居た筈だ。
でも——もうそこには居ない。
肌は人間味を失い、輝いていた髪には光がなく、放出している佇まいは禍々しく、精神は芯の部分まで罅割れ、歪んでいる。
簡単に分かる。
彼女は、足元に咲く白い百合が似合う少女ではなくなってしまった。
なのに——彼女は酷く優しかった。
ずっとずっと。
アルトリアにとっては、何よりも鋭利な刃と成る程に、擦れ切った筈の少女の微笑みは優しかった。
何の憂いもなく幸せそうに笑うのが似合う年齢なのに、人間である事を辞めたとその身体が証明しているのに、人としての幸せの全てを奪い取った相手が……目の前にいるというのに、少女の笑みは——ただ、優しかった。
「—————————」
たとえ、ケイやアグラヴェインのようでなくとも簡単に分かる。
振り返って告げられた言葉には、一切の負の感情がなかった。
今の少女にあるのは、ただただ——これで良いのだという、満足だけ。
本当に——恨んでいなかったのだ。
「…………ぅ……ぁ」
当たり前の様にアルトリアは気付く。
目の前の少女は演技でもなんでもなく、心の底からの本心だった。
少女は今——許したのだ。
彼女は、確かに世界全てを呪うに足る呪詛を秘めていて、それを糧に己を燃やし続けているというのに、許した。
此方の、たったそれだけの行為で、もうこれで良いと。
世界への恨みを持たせた元凶に対して、十分納得出来たから、満足出来たから、もう良いと。少女はそう示したのだ。
今日この日まで、少女から糾弾されるかもしれない言葉を、慟哭と共に吐き出される憎悪を、幾度となく考えていた。
彼女が短慮ではないのだとしても、本気で殺されるかもしれないとも思っていた。
そして、それを当然の事だと受け止める覚悟を持っていた。
だが、待っていたのは、満足そうに優しく微笑んだ姿だけ。
確かに、この庭園が僅かにでも彼女の安らぎになる事を望んでいた。でも、同じくらい、彼女がこの庭園を見て激昂するかもしれないとも思っていた。
いや……むしろそうなる事を何処かで望んでいたのかもしれない。彼女の想いを晴らすには、もう殺されるしか方法がないのではないかと、本気で思っていたのだから。
でも——少女は許した。
たった、これだけの事で。
前提が何もかも崩れ去る。
少女へと向けていた先入観が、ガラガラと音を立てて崩壊していく。
まだ、もしかしたら彼女を救えるかもしれないと僅かにでも思っていた余裕が、全て消え去る。
アルトリアは理解した。
とっくの前から、少女は人である事を辞め、人ではない生き方をしているのだと。
義兄の言っていた事が完全に分かった。少女は何処までも人間でありながら、人間を辞めている。
既に少女はもう、取り返しが付かない所まで——救いようのない所まで、堕ちてしまっているのだと。
「…………アーサー王……?」
ダメだ、やめろ……あの子を困らせている。
だから……泣くのはやめろ。決して……決してこのタイミングなどではない……私に、そんな資格は、ない。
「いえ……何でもないんです……本当に何でもないんです……」
アルトリアは頭を振りながら、必死になって心を落ち着かせる。
それでも、上手く落ち着かない。今目の前にある現実を否定したい。もしかしたら、ただの勘違いではないのかと思いたい。
心優しい人でありながら、冷酷な殺人人形にまでなってしまったという可能性を否定したい。
「……………」
アルトリアのその様子に何かを感じたのか、少女はアルトリアへの視線を切って、再び大木を見上げ始めた。
「……また、今度にしましょうか?
私はそれでも良い。私は待てます」
返って来たのは、アルトリアにとっては否定したい程に優しい声だった。
否応にも、先程のは勘違いでもなんでもなかったのだと証明されている。
その優しさが、今のアルトリアにとっては、ただ辛かった。
「……ッ違う……! 違うんです……私は、私……は……」
「………………」
少女の言葉を否定しようとして、それ以降の言葉が続かない。
何を言おうとしたのかも、何を言わなければならないのかも、アルトリアには分からなかった。
「別に、今日この日に何もかもを決めようという訳でもないでしょう。
私はそれなりに満足しました。
……互いに、まだ整理がついていない部分がある筈だ。それを整えてから、また機会が合った時に、こうして話し合えば良い。私はまだ待てますし、待ちます。
流石に十年近く待たされたら、少し怒りますが」
「貴方は……どうして……」
アルトリアのその言葉には、幾つもの想いが秘められていた。
彼女はどうしようなく擦れているのに、彼女は優しいまま。
口調も、佇まいも。
その言葉をどう感じて、どう読み取ったのかはアルトリアには分からなかったが、少女は僅かに振り返って言葉を返した。
「……じゃあ、貴方は私の事を放っておきますか? 何年もずっと。何も変わらないまま」
「そんな……まさか! そんな事をする訳がない!
私は、私……は、貴方を」
言葉に詰まる。
分からないから。
見捨てられる訳がない。
なのに、どうすれば良いか、もう何も分からなくなってしまったから。
「——フ、フフッ……アハハ、ハハッ……」
不意に、弾ける様な笑みが少女から溢れた。
心底楽しそうに。願いが叶って嬉しそうに。
アルトリアはその笑みに硬直する。
遠慮のない笑いだというのに、自然と癪に障る事はなかった。
何故なら——目の前の少女は、もうこんな風には笑わないだろうという笑い方だったから。
「ぁ……ぇ……?」
「フフッ……すみません、だってッ……貴方は本当に、本当に私が知っている通りの人だったから…………ッ」
少女は腹を抱えながら、本当に楽しそうに笑っていた。幸せそうで歳相応の笑みを浮かべて、息を途切らせながら少女は告げる。
「あー……本当に貴方は……あぁうん、本当に」
「———………」
少女はひとしきりに笑い終えた後、アルトリアに後ろ姿を見せたまま、その場に仰向けで寝転んだ。
少女から漏れている言葉は、きっと誰かに向けた言葉ではないのだろう。ただ、己の心内の言葉が表に出ているだけ。
「あ、あの……———」
思わず、アルトリアは少女に呼びかけた。
まるで遊び疲れたかの様に大の字で寝転んでいる少女だったが、アルトリアは気付く。
少女は、満足そうに笑っていた。
まるで聖者が見せるような、柔らかな微笑み。
少女は、大の字に広げていた右手を額にまで持っていき、汗をかいていたかの様に、前髪をかき上げた。
彼女の薄い肌色の手によって、輝きを失いながらもきめ細やかな薄い金色の髪が揺れる。
そして、少女は自然な形で手を顔元まで下げて———黒いバイザーを外した。
「———え……」
「私は知っていますよ。貴方の事を」
バイザーが外され、僅かな幻惑すら完全に消え失せる。
声がした。きっと、初めてちゃんと聴いた少女の声。
年相応の少女の声であるが、澄み切った川の様に落ち着いた優しい声。
何にも動じる事がないだろうと思える冷静な声ではあるが、鈴の様な軽やかさが確かに存在する。
——顔だけじゃなくて、声すら、私と瓜二つなのか——
アルトリアの硬直を他所に、少女は外したバイザーを優しげに眺めていた。
『…………ッ!
…………ッ!』
「あぁ、いいんだ、別に。
もう私の事は気にしなくていい。大丈夫だから。
だから、行ってくれ」
バイザーを外した少女に向かって、肩に止まっていた鴉が何かを訴えかける。
それに対して、少女は鴉に穏やかな視線を向けながら、優しく諭すだけだった。
『………………』
「頼む。行ってくれ」
少女の念押しの言葉に、鴉は前足で少女の頬を傷つけないように優しく撫でた後、アルトリアを一瞬だけ見て飛び去っていた。
鴉がアルトリアに向けた金色の視線は、冷たくはなかったが見定めるような厳しさがあった。
「……………………」
「あぁ、何から話せばいいのでしょう。
私も貴方と出会った時に話したい事が沢山有ったというのに、何回も頭の中で考えていたのに、いざ対面すると心が一杯一杯になってしまう。
そうは思いませんか?」
先程とは違い、少女は柔らかに言葉を投げかける。
此方が王としてではなく接して、少女に一歩踏み込んだ。
そして少女は、バイザーという自らを偽り、覆い隠していた仮面を外したのだ。
その意味は、重い。
「……そうですね。
私の方も、同じです」
「あぁそれは良かった。
いや……本当は良くないと分かっているのですが、私ばかりが苦悩していたら、少しムカムカしてしまう。
フフ……本当にすみません。私は慇懃無礼なので」
「————…………」
少女は本当に楽しげで、柔らかな笑みを浮かべたまま会話をしていた。
冷たい氷の表情なんてモノはない。ただ、幸せそうな子供がそこにいる。
——何故か、幸せそうな子供がいる。
良く見なくても分かるのだ。
仰向けになった彼女の素顔は、そのあまりにも薄い素肌と同じでいっそ病的な程に白く、翡翠だった筈の瞳は、それ以上に深くはならないと確信出来る程の金色。
——幻想種最強の種族、竜と同じ色の瞳。黄鉛色に澱んだ金色。
小さい子供であるというのに、その素顔には一切の油断がなく、人間離れした雰囲気が支配している。
彼女の生涯を表すかのように細められた、刃の様な切れ目の眼差しが、子供だという印象をより薄れさせていた。
そんな少女が、今は穏やかな表情をしている。
アルトリアが待ち望んでいた少女の穏やかな表情であるというのに、その優しげな顔が、今はただ、苦しかった。
「貴方は……どうして、私の事を……恨まないのですか」
アルトリアのその言葉は、むしろ懇願にも近かった。
恨んでくれた方が、よっぽど良かった。
「……………」
アルトリアのその言葉に、少女は押し黙る。
少女も、どこから何処までを明確にして話せば良いのか上手く見当が付いていなかった。
ただ、少女の方としてはどちらでもよかった。明確にしてもしなくても。
何せ、もう十分すぎる程に満足したのだから。
「アーサー王。私は、貴方の事を知っている」
「え……?」
「あぁ……そう。知っている。知っているだけだった。
でも、今日この日にちゃんと理解出来た。もしかしたら、私のただの勘違いかもしれない。でもそれで良い。私が納得出来たから」
未だに、少女は優しいままだった。
まるで小さな子供を優しく諭すかのように、そして、遠くを見ているかのように少女は語る。
「……確かにあの日、私は死んだ様なモノでしょう」
「それはッ……」
「でもあの日、貴方があの選択をしなければ、今の私はここには居ない」
「ッ……そんな! そんな事が——」
「そんな事が一体何だと言うのか。なんて、貴方は言うのでしょうね」
「……………」
「ほら。やっぱり」
思わず黙り込んだアルトリアに対して、小さな子供らしい、してやったりとでも言いたげな笑みを少女は浮かべる。
アルトリアに言葉を許さないまま、少女は告げた。
「……やっぱり、貴方は私の知る通りの人物だった。
誰よりも生真面目で、不甲斐ない自分が何よりも許せない。でも自分の事を顧みない。自己擁護すらもしない。他者へ責任転換をしないし、悪意すら受け流さない。
……私と違って」
「ぇ……ぁ」
「私は知っていますよ。
あの日、貴方があの選択をしなければ、より多くの人々が死んでいた。
それだけじゃない。もしかしたら、ヴォーティガーンとの会戦にも負けていたかもしれない」
「————ぁ」
まるで、全てを許す聖者のような微笑みだった。
理解出来ないなどという事は許されない。勘違いでも見間違いでもない。
少女は、本当に許している。
しょうがない事だったと——許している。
それはおかしい。
どう考えてもおかしい。
何故なら、少女は奪われた側の当事者だ。関係のない他者が、あれは結果的に正しかったとか間違っていたとかを理解した気になって語るのとは訳が違う。
なのに、少女は理解しているのだ。
少女自身がこう告げたのだ。あの選択は何も間違えていなかった。
「——なんで…………なんで……ッ」
肉体が制御を効かず、アルトリアはその言葉を思わず零す。
貴方には、せめて貴方だけは、あの選択は間違えていたと、貴方の王政は不完全だと言って欲しかった——糾弾して欲しかった。
貴方になら殺されても良かった。それくらいの事をしたのだから。
息を吸うという行為そのモノが苦しい程の罪悪感がアルトリアを襲う。
少女はアルトリアの事を信用しながら、アルトリアは少女の事を信用していなかったのだ。肉体に埋め組んだ【
「………………」
己の心を無理やり沈めるように胸を押さえるアルトリアを、少女は静かに見ていた。冷たさの欠けらもない。
アルトリアへと向ける少女の視線には、いっそ憐憫すらも混じっている。
少女は身体を起こして、アルトリアへの視線を切る。
座り込んだ視線のまま、少女は振り返らず告げた。
「……私の方がもう充分に納得出来たから、もう気にしなくていいと良いと言いたいのですが、きっと貴方の事だ。私の言葉に納得がいってないのでしょうね」
似つかわしくない筈なのに、全てを奪われた少女が持っているには有り得ないのに、少女の言葉は何よりも優しい。
ずっとずっと。此方の思いすら見透かす程。
「えぇだから。貴方に願いがあります」
「……え?」
小さく呟かれた少女の言葉は、アルトリアにとっては天啓にも聞こえた。
ひび割れた心に染み渡るように。乾いた砂に水が吸われていくように。
「アーサー王。貴方は——戦い続けて下さい。
ずっと。生きている限りずっと」
その言葉は、願いとすらも呼べない言葉だった。
アルトリアは分からない。少女のその言葉に、どれ程の想いが秘められているのかが。
「貴方は今生きています。
貴方の輝かしい生涯の下。もしくは貴方の路を共に出来なかった人々の犠牲の上で。
多くの人は目を向けなくとも、私は知っている。私が忘れない。
だから、戦い続けて欲しい。貴方が戦い続けてくれれば……そうしたら、きっと報われる」
「…………ぇ」
「生者は生きている限り何度だって想いを変えられるが、死者の魂からの叫びは、一回だけだ。私はその想いが報われないのが許せない。
でも……貴方なら、きっと、如何にか出来る。
貴方が戦い続けて、その生涯が何よりも輝かしいモノだったと世界がそう言うのなら…………私達は、報われた。その犠牲に意味は確かにあったのだから。
そう、思える」
彼女は生者だと言うのに、呟かれた言葉はまるで死者の慟哭のようだった。
アルトリアは理解する。少女のその言葉こそが、本心からの叫びなのだと。
「でも——貴方は私の想いを無視しても良い」
「——————」
そう。
誰でも理解出来る程の叫びだったというのに、少女はそれを当たり前の様に無価値にした。その権利を譲ったのだ。
「貴方だって一人の人間だ。
貴方には貴方なりの人生がある。それを、私のエゴで縛る権利はない。
私は、私の理想を貴方に押し付ける気はない。そうしたら、私も周りの人々と同じになってしまう。だから、これは私の願いです。
貴方は別に何も気にしなくてもいい。私はもう十分に満足した。
……と言っても、貴方は気にしてしまうのでしょうね」
少女は、真の意味で優しかった。
此方の想いを理解し、復讐した方が安らぐだろうと知りながら、それを拒絶した。
そして、その罪悪感による苦しみを和らげる為、別の道を少女は用意したのだ。
少女は、真にアルトリアの事を助けようとしている。
それは、本来ならあり得ぬ事。
絶対にあってはならぬ事。
立場が逆だ。
本当なら、彼女こそが救われなければならない筈なのに。
少女は救いを拒絶し、僅かな報いすら放棄しながら、此方の事を真の意味で救おうとしている。
「あぁ、でも出来るなら、全てを無かった事にはして欲しくない。
そうされてしまうと、私は一体何だったのか分からなくなってしまう。
……でも、これも私の願いでしかない。
もしも貴方がこの意味の真意を理解せずに過去を求めようとしたら、流石に私は止めますが——真意を理解しても尚、それでもやり直すと誓ったなら……まぁそれでも良い。
その行いで救われる人も、確かに居るはずですからね」
静かに、まるで遠くの何かを見る様に語った少女の言葉は、アルトリアはまだ理解出来ない。
でも分かっているのは、少女は此方の事を何もかも見透かして、助けになろうとしているという事。
「——私は……ッ私は………ッ」
その先の言葉が続かない。
一体何を言おうとしたのか。一体何を言わなければならないのか。
貴方こそを助けたかった。貴方に復讐されたかった。貴方に許されたくなかった。貴方にお前は間違えていると糾弾されたかった。
——貴方を、救いたかった——
言葉が出ない。
もう、分からないから。
救われる事もなく、何もかもを奪われ、僅かな報いすらも拒絶しながら、それでも尚優しかった少女をどうすれば、救えるというのか。
もう、何も分からなかった。
「……………」
次の瞬間には感情が溢れてしまいそうになっているアルトリアを、少女は僅かに振り返りながら見る。
未だに敵意や煩わしさすらも浮かばない少女の眼差しが、アルトリアには酷く苦しかった。
少女は立ち上がって、黒いバイザーを装着した。
再び、少女は何を考えているのか分からない表情へと戻る。もう会話は終わりにしようという意思表示だった。
「……私はもう行きます。別に、これで終わりという訳でもないのですから。
また、機会があれば話し合いませんか?
他愛無い話でも良い。私はそれに応じます。
貴方が納得の行くまで、私は待ちます」
「———ぅ、あぁ」
少女はそう言い残して庭園から去っていた。
残されたのは、何の仕打ちもされず、用意して肉体に埋め込んだ【
「……ごめん、なさい」
その言葉を言わなければならない少女はもう去って行ってしまったというのに、ただ詫びずにはいられなかった。
誰に届くこともない声と知りながら、アルトリアは懺悔を繰り返す。
アルトリアは震える身体を抑える様に、自らの腕で自らを押さえつけながら、少女が真の救いすら拒絶しているのだと理解してしまう。
「……ごめん、なさい……ごめん、なさい……ッ」
きっと、より多くの人々を救う為に滅ぼしたあの村は、外界から閉ざされていながら完成していた理想郷だった。
あの村で育った少女は、母親を、兄を、周りの人々を全て不当に奪われていても尚、優しかったのだから。
この世の悪意に触れ、理不尽さをその身で理解させられ、人間である事を辞めさせられたというのに、少女は——無慈悲な程に優しかった。
ただ優しいだけじゃない。
此方の想いを見透かし、罪悪感という苦しみを少しでも和らげる為に、また別の道を提示した。
それを理解出来るからこそ、少女に対して真の意味で助けになれないという事が、何よりも悔しかった。
「ごめんなさい…………ッごめんなさい……ッ」
少女は笑わない。
花の様な笑みを浮かべるのが相応しいのに、彼女はもう、人生を悟ったような穏やかな微笑みしかしない。
何故なら、その地点まで自分が叩き落としたから。
本当なら救われた人々の象徴であらねばならない、心優しい少女を、救われなかった人々の代表にまで叩き落とした。
もう取り返しがつかない。
なのに、分からない。
絶対に自分だけは分からなければならないのに、分からない。
少女への報い方も、救い方も。
「……ぅ………ぁぁぁ」
アルトリアはその場に崩れ、慟哭を繰り返す。
堪えようとして、堪え切れずに嗚咽が溢れていく。
「———どうしたんだいアルトリア」
泣き崩れる王がいる庭園に、一人の魔術師が現れた。
王としての仮面が砕け、深い慟哭を繰り返す"少女"を前にして、マーリンは蓄積している感情を表に出す余裕すらなかった。
「……何でもないんです……何でもないんです……」
顔を涙で濡らし、まるで懺悔するような姿のアルトリアが、マーリンの心を何故か穿つ。
半分しかない筈の人間の部分が、非人間である筈の魔術師の心を軋ませる。
マーリンは分からなかった。
こんな時、どんな声を掛ければ良いのか。マーリンは花を慈しんだ事がない。マーリンは感情を他者から蓄積し消費する事でしか、自らの感情を表現出来ない。
思わずアルトリアに伸ばしかけた手が、酷く相応しくないモノに思えて仕方がなかった。
「……………」
マーリンは、意味も分からず動揺する自分を無視しながら辺りを見渡して———遂に見つけた。
黒いバイザーで素顔を隠した少女を。
「——なんだと」
いつもは優しげな好青年で通しているマーリンには相応しくはない声だった。
呟かれた声は、冷たさを纏いながらも震えている。
過去の世界を観測しながら同時に存在そのものを証明する星の展望台すらも欺く幻惑と、世界全てを見渡す千里眼が、少年のように見えているだけの少女の姿を暴く。
アルトリアと同じ容姿に、同じ源の力。
しかし、その容姿は魔女と瓜二つの白い肌に——金色の瞳。
源の力は、最果ての聖槍を心臓に突き刺す事でようやく勝利する事が出来た、ブリテン島を支配していた卑王の心臓。
ブリテン島の王と同じだけの力を保有し、尚且つ"ブリテン島本来の王が所有する超常の力"の両方を持つ、災厄。
「違うんですッ! あの子は違うんですッ!」
「—————…………」
一瞬だけ、あまりにも冷酷な表情を覗かせたマーリンに対して、アルトリアが叫んだ。
その姿を見て、マーリンは己の心を落ち着かせながら、忌々しき魔女への恨みを重ねる。
——本当に良くもやってくれたね、モルガン。生憎だけど、僕はアルトリアの味方だからね。君の作り出した最高傑作の少女の事、見定めさせてもらうよ。
そう思案したマーリンには、非人間の魔術師にしては相応しくない決心の表情が浮かんでいた。
そして——もう一人、黒いバイザーの下の姿を見た青年がその場所にいる。
「——女の子、だと」
少年の様に見えていただけの幼い少女と、騎士王とのやり取りを見ていた者。
一体どんなやり取りがされていたのかは分からない。
ただ——ギャラハッドに分かるのは、あの子供と騎士王の間には深い因縁があるという事と、あの子が少女だったという事だけ。
本来なら関わる事も交わる事もなかった二つの歯車が、本来の歯車を軋ませながら動きを開始した瞬間だった。
「……………………」
アルトリアは意味もなく、自分の私室と化している執政室の天井を見上げていた。
少女との対談が終わってから、王としての仮面は砕けてしまっている。こんな顔は誰にも見せられないと、それからずっと執政室に引きこもっていた。
マーリンには、少女には絶対に手出ししない様に言いくるめておいた。
他にもやらなければならない事はあるのだと思うが、頭が上手く働いてくれない。
もう、窓の先は夜になっていた。
その時間まで、アルトリアは執政室で泣いていた。
ようやく泣き疲れて、多少は頭が回ってくる様になって、それでも考えるのは少女の事。
これからどうしたら良いのだろう。
罪は許され、罰は存在しなかった。少女が願ったのは、戦い続けてくれとだけ。なら、これからも王として戦えば良いのだろう。つまりは、今までと何も変わらない。
「………………」
彼女から奪い取ったモノの代わりに返す筈のモノ。少女に渡す筈だった命は、ずっとここにある。そして、彼女の手に渡る事はないだろう。
どうすれば、少女に報える。
あの少女をどうすれば救える。
分からない。
もう、何も分からなくなってしまった。
王としての自分が持っているモノは、多いようで非常に少ない。
王である自分だからこそ、彼女に譲れるモノ———
「……………————」
アルトリアの頭の中で、混沌とする考えが形になっていく。
ブリテン島本来の王。
本来の王が持つ力。
本当の王位継承権。
魔女モルガン。
——選定の、剣
「—————————」
アルトリアは、執政室に取り付けられた横に長い棚の引き出しを開ける。
中に入っていたのは、彼女の村を滅ぼして以降、輝きを失った黄金の剣。
自らが、王として相応しくないと証明する——選定の剣。
「…………………」
分からない。
これが本当に相応しいのか。この行為が彼女にとっての救いとなるのか。彼女が一体どう思うのか。でももしかしたら、彼女が……彼女こそが————
竜として生まれ落ちた自分とは違う。
真の意味で、人から竜へと至った者。国を測り、そしてそれ以上に人を測る者。
誰よりも穏やかな優しい心を持ちながら、寸分の狂いなく冷徹に己を消す、純粋でありながら究極の生命体。
彼女は矛盾している。
それは彼女が何処まで行っても人間だから。
だから、その矛盾こそが相応しいと証明出来る立場なら——
分からない。
彼女こそが相応しいのかは、まだ分からない。
でももしも、彼女が本当にそうなら。
暗雲に包まれた乱世を祓う星ではなく、暗闇の中でこそ輝き、道を見失った人々を導く星であるならば——
「………選定の剣よ、力を」
アルトリアは選定の剣を鞘から引き抜き、自らの力を込める。
当たり前の様に輝きは戻らなかった。ただの金色の剣。
そのまま選定の剣を掲げ、窓から差し込む月の光を刀身に浴びせる。
月の淡い光に照らされた黄金の剣は、まるで怪しく光っているかのようだった。
その様子がアルトリアにとっては——宵闇の星の光を浴びて【
『アルトリア・ペンドラゴン保有スキル変質確定』
直感 A
詳細
戦闘時、常に自身にとって最適な展開を感じ取る能力。
また視覚、聴覚に干渉する妨害を半減させる。
人智を超え、幾度の会戦を経て研ぎ澄ませ続けた彼女の第六感は最早未来予知に等しい。
またここまでの高ランクとなると、幸運の判定はいるが、既に確定した筈の事象すら予見し、後出しでありながら割り込む形で妨害、もしくは抵抗する事が出来る。
輝ける路 EX
詳細
その生涯を以って変質した直感の亜種、上位互換スキル。
しかし、彼女の在り方がスキルとして昇華されたモノである為、生前であっても機能している。
暗黒時代だったブリテンを照らし、その輝ける生涯が潰えるまで乱世の闇を祓い続けた星の象徴。
そしてアーサー王伝説という栄光の影に、後世に残る程の凄惨なもう一つの伝承を生み出した者の証。
彼女の生涯は後世に於いて一つの理想と成る程に輝かしい物であり、その輝きを曇らせる事が出来たものは"唯一の例外"を除いて誰一人としていなかった。
それ故に、あらゆる干渉と妨害に対して抵抗と耐性を持ち、彼女の心が折れぬ限り運命を切り開き続ける。
言うなれば、彼女にのみ限定化させた専用の【星の開拓者】。
特に戦闘時や危機的状況時に顕著であり、最適な行動や展開を短期的な未来予知レベルで感じ取り、さらに概念的な干渉を有する攻撃をも阻害する。
また、彼女はその生涯を走り終えるまで人々の理想であり続けた象徴として、人々の「こうであって欲しい」という願い、理想が星の中で結晶化し精製された神造兵器である『
ただし、動乱でもあった彼女の生涯が何一つ闇に呑まれなかったのは、彼女の栄光の影を一身に引き受けた存在が居たからだとされる。
故にこのスキルは、彼女自身が反転でもしない限り保有出来ない"とあるスキル"よりも、一段階上のEX評価でありながら、とあるスキルを保有する"唯一の例外"だけ、このスキルによる抵抗・妨害耐性の全てを貫通し、尚且つ運命補正を完全に無効化する。
『保有スキル解放』
復讐者 EX
詳細
本来ならアヴェンジャーが保有するClassスキル。
恨みや怨念が溜まりやすく、周囲から敵意を向けられやすくなるが、向けられた負の感情は直ちに変換され力となる。
このスキルは機能しておらず、表示もされない。
『菫晄怏繧ケ繧ュ繝ォ隗」謾セ』
蠢伜唆陬懈ュ」(蛛ス) EX
詳細
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縲?縺セ縺溷、悶l繧倶コ九?縺ェ縺??
本来なら存在することすら許さない、異物の象徴にして代償。
このスキルは如何なる状況でも機能し続けるが、表示される事もなければ本人以外には認識する事も出来ない。
「保有スキル変質開始」
宵闇の星 A 【現在まだ起動していない】
詳細【現在一部解放】
その生涯を以って変質した直感の亜種、上位互換スキル。
しかし、彼女の在り方がスキルとして昇華されたモノである為、生前であっても機能している。
■■■■■、■■■■■■■■■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■■■■■続けた星の象徴。
■■■■■■■■■■、■■■■■■■■■■■、■■■■■■■■■■■■■■■者の証。
『■■■■』
ランク ■ (■■■■■■■)
種別 ■■宝具
詳細【現在解放不可能】