騎士王の影武者   作:sabu

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 その誓いを誰も知らない。
 誰もが見ながら、誰もが分からない。
 故に、センテイに誓いはなく、
 彼女は誰にも理解されない。
 
 


第83話 故に剪定に誓いはなく 後編

 

 

 

 その言葉を聞いた時、彼女は■さなきゃと思った。

 

 アーサー王の仇敵モルガンの子。

 それだけならまだ良い。良かったのだ。まだ業を煮やした魔女(母上)が再び忌事に手を伸ばしただけだから。

 が、そこにあるのは一体何だ。

 己はモルガンの娘だと、いつもと変わらぬ口調で。でも揺るぎなく高らかに言祝ぐように告げた彼女。バイザーを外して自らの素顔を現したのと同じように、自らの偽物の名前を捨て去って、本当の名前を言った。これだけは譲らないと。モルガンの血を受け継いだ者は誰もが自らをただ名前だけで表す中、彼女は自らの名にモルガンの名を継げ足した。

 

 

 ルーナ。モルガンの娘。モルガンの生き写し。たった一人の、モルガンの騎士。

 

 

 真っ正面から彼女の顔を見る。

 ——似ている。

 顔立ち。表情。何もかも全て。

 ——本当に似ている。

 

 誰も疑わないだろう。逆に誰が疑う。

 あの少女は、同じくモルガンの血を引くホムンクルスの自分よりもモルガンに似ていた。

 秘めた力は騎士王そっくりで、しかし力の属性は魔女モルガンそのもの。

 黒い光。おぞましい竜の脈動。さぞ力があるのだろう。それこそ国を瓦解させるくらいにはだ。当然そんな事は知っている。何故なら今まで何回も見て来た。

 厄災の十三席。裏切りと破滅の象徴。あぁ相応しいだろう。相応しすぎて、逆に笑えて来る。

 

 

 

 "私の愛しい息子よ。貴方は騎士になり、王を倒しなさい"

 "私の息子である貴方には、王位を継承する資格がある"

 

 

 

 いつの間にか、モードレッドの体が動いていた。

 

 

 

 "けれど、今そう悟られれば王は必ず貴方を■すでしょう。だから、今は雌伏の時。ただ、待つのです"

 

 

 

 剣を引き抜く。

 膨大な魔力を一点に加速し、弾丸のように飛び込む。

 

 

 

 "いずれ王を倒し、その身が王となるのです"

 

 

 

 一足で距離を詰める。

 剣を振り被る。

 標的は、ただ一つ。

 

 

 

 "あれが、貴方が目指す相手。倒さなければならぬ敵。■さなければならない王"

 

 

 

 仕えようと思った。

 王の剣の切先となり、汚れを祓う者であろうと決めた。だって王は美しいくらいに完璧だったから。

 我欲なき王。私欲なき王。研ぎ澄まされた刃のような王。

 ただ故国ブリテン統一の為、ただ故国ブリテン救済の為にひた走る人だった。

 だから憧れ、焦がれ、自身の出生をこの上なく恥じながら、それでも騎士道を全うしようと志した。

 騎士の王はただ一人。モードレッドが忠誠を誓う王はあの人だけ。

 

 

 だから。

 

 

 だから——彼女は()さなければならないと思った。

 ルーナ・ル・フェイと名乗ったあの人間は、生かしてはならないと思った。

 

 振り下ろされる剣。

 相打ちになっても構わないとばかりのモードレッドの一撃は、しかし彼女に無言で防がれる。

 瞬間に浮かび上がり、腕から引き抜かれるように弾け飛んだ赤い光。その光が急速に形になり、ルーナの手には一振りの剣が握られていた。

 赤い刀身。波打つ刃。原初の火(アエストゥス・エストゥス)が、モードレッドの一撃を防ぎ切っている。

 

 

 

「モードレッド卿……貴方は正しい。貴方には、私に剣を向ける理由がある。だから、一撃は受けます。ですが、それ以上は私も対処しなくてはなりません」

 

 

 

 衝撃が広間を劈く中、ルーナの言葉は酷く明瞭に響いた。

 返す言葉などない。無言のまま、モードレッドは即座に蹴りによる追撃を放つ。

 迸る稲妻。加速的な威力を秘めて、並大抵の鎧を蹴り砕く程の一撃がルーナを吹き飛ばした。

 が、浅い。僅かな歩法。防御姿勢。片手で蹴りの一撃が受け止められて、足を地面につけたまま数メートル後退した程度にルーナは留まる。

 

 

 蹴り脚を元に戻したモードレッド。

 

 

 蹴りとは逆足で地面を蹴り、魔力放出によって加速する。本気になったモードレッドは人の形をした砲弾にも等しい。剣の切先を彼女の心臓目掛けてモードレッドは飛び込む。

 瞬間、悲しそうな表情をしていたルーナが、感情が抜け落ちて次第に無表情になっていく姿をモードレッドは見た。

 

 それは初めて見た、自らを少年と偽ってきたルーナという少女の表情。

 

 今までもずっと、仮面の裏ではそう言う風な顔をしていたのか。

 そんな余分な思案を黙らせるかのように、ルーナは真っ正面から突っ込んで来るモードレッドに対して、同じく前方へと踏み込んだ。

 光となって霧散し、左腕に一本の糸として消え、線という回路となって回収される原初の火。同時に右手で腰から引き抜く黒い短剣。死闘の剣。セクエンス。

 

 それを逆手に持ち、ルーナは身を屈め、右腕で鉄拳を放つように拳を振り被った。どう考えても間合いから外れている。その一撃がモードレッドに当たる事はない。

 しかし、振り被った拳はモードレッドの眼前を空振りだけに終わらず——モードレッドの剣の軌道を完全に逸らした。

 ルーナは逆手に持ったセクエンスの剣の腹で、自らを貫く剣に沿うように当てていた。触れ合ったモードレッドの剣が、まるで球体や曲面を突いて滑るようにズレ、剣の切先がルーナを完全に外れる。

 

 

 瞬間、モードレッドの直感が警報を鳴らした。

 

 

 一撃を防がれた事ではなく、ルーナの次の行動が自らを致命的に堕とす事を悟って。

 殴るように振り抜かれた右手とは逆の、空いた左手。

 いつの間にか、モードレッドの喉笛の高さに合わせられていた左腕の拳が、モードレッドの首元目掛けて、槍の刺突のように飛んで来る。

 だが、一直線に飛び込む拳の一撃は、騎士の槍どころか城砦を砕く破砕縋が如き。

 

 躱す。並外れた直感にて、あまりにも早く選択するルーナの行動が分からなくとも、分からないままにモードレッドは避けた。

 首を捻って、首横を掠める拳。

 そして、ルーナのあまりにも白い手首がモードレッドの首元を過ぎ去ろうと言う瞬間——

 

 

 ——モードレッドは全身の感覚を失った。

 

 

 

「ッ、ガ—————ぁ」

 

 

 

 脳を揺さぶられた。気絶する一歩手前。体から力が抜ける。視界が落ちる。

 モードレッドが唯一分かったのは、ガチャ、という鎧の音。

 

 なんて事はない。

 手とは本来、殴る物ではなく掴む物。

 ルーナは拳が空振った瞬間 ただモードレッドの首元に指を突き刺し、食い込ませ、同時に手首を捻っただけ。針に糸を通すような精密さと機械さで、ルーナの手首は鎧と兜の間を抜けていた。

 

 彼女にとって、それは当然。

 初手が当たればそのまま必殺として昏倒させていた。回避されたら、初手をフェイントとして次を本命とすれば良い。

 理解出来なくとも対処してくる、人智を超えた直感の持ち主をどう潰せば良いのか、自分の体と経験が嫌になる程知っているのだから。

 

 

 

「ッ—————が、は…………!!」

 

 

 

 鎧を掻い潜り、首元に突き刺さっているかのように食い込んでいる指。

 兜ごと頭を捻り、首を捻って捻じ折るとでも言わんばかりに回る手首に、モードレッドは苦悶の声を溢し——その一瞬の硬直に全てが終わった。

 

 

 モードレッドは、いつの間にか宙を舞っていた。

 

 

 空に浮かんで急に軽くなった体。

 何故か足の痺れを感じている中、モードレッドは背中から地面に叩きつけらる。受け身など取れない。一本背負い、背負い投げにも似た、変速的な投げ技。

 叩きつけられて、全身の骨と関節が分解してしまったんじゃないかと錯覚する衝撃の中、ただモードレッドは理解した。理解させられた。

 

 僅かに止まった刹那、彼女の軸足の回転に自らの足首が巻き込まれ、刈り取られていた。

 そして、大地から足が離れて転倒しようとするよりも何倍も早く、首元を抉っている左手を起点に、ルーナに投げられたのだ。

 

 

 

「続けますか、モードレッド卿」

 

 

 

 痙攣する肉体。倒れ伏す体。

 なんとか剣を杖代わりにして立ち上がる。

 彼女を見据えれば、無表情に此方を見下ろしていた。

 金色の瞳。黒の隙間から覗くのは、人ならざる白磁の如き肌。此方を脅威に思っていないのは、その無表情が表している。

 

 

 

「私と貴方。どちらか死ぬまでこうしていても何も進まない。それでも尚、私と殺し合いますか」

 

 

 

 ルーナは右手の短剣を逆手で鞘に収めていた。

 無手。戦う意思がない——なんて事はあり得ないとモードレッドは知っている。円卓の騎士なら誰もが理解している。

 型無しの武芸。形無きの極意。

 それは至高にまで磨かれた"技"ではなく、究極にまで鍛え上げた"業"を使い捨てるように複数使用して来る化け物に与えられた称号。故に見切れない。仮に見切っても、また別の何かが飛び出て来る。

 その場、その状況の最適解となる武器武装技量経験を、いきなり引き出して来る怪物。彼女は常に完全武装。無手だろうが関係ない。彼女自身に型も形もないからだ。ただその場で適切な型に自らを嵌め込めばそれで済む。

 

 

 狂っている。

 

 

 何だこれは。一切の手足が出ない。

 嵐と呼ばれている癖に、彼女が最も得意とするのはゼロ距離の近接戦だ。殺傷力があり得ない。が、距離を取っても無駄だ。格闘、剣、弓、剣光の乱射。あらゆる距離に対する適性。その全てに全くの隙がない。一体何なら彼女を追い詰められる。

 

 つい最近、一,二年前までは自分とそう変わらなかった筈じゃないか。

 自らの身体能力に全てを振り切った機械のように、彼女は破滅的な戦闘方法を的確に撃ち出すだけだったじゃないか。

 彼女自身の技量はそう向上はしていないというのに、発展の仕方だけが理解出来ない。彼女が選べる手段に、際限が無さすぎる——

 

 

 

「そう言う風に睨まれても、困ります」

 

「ハ…………猫被りやがって。そうやって裏切って来たのか、お前は。その天性の才能にその語り口は、モルガンの娘としての賜物か——なぁ?」

 

 

 

 返す言葉に、ルーナは初めて反応を見せた。

 

 

 

「………………」

 

「どうやらお前、大層モルガンに気に入られているんじゃないか。お前が肩によく乗せている鴉、どうせモルガンの使い魔か分身とか何かだろう?」

 

「………………………」

 

「どうなんだよ、おい。

 その澄まし顔をやめて、何とか言ったらどうなんだ、なぁ。

 何か言ったらどうなんだって聞いてるんだよッ………——ルーナァァ!!」

 

 

 

 剣を構える。

 勝てるとか勝てないとか、そう言う話ではない。モードレッドは、ルーナに向けて剣を構えなくてはならなかった。ただ彼女への心情だけが、今のモードレッドを動かしていた。目の前にいるのはアーサー王の騎士ではなく、モルガンの騎士であると。

 

 ルーナとモードレッド。

 交差する視点。

 互いに次を測り倦ねている中、アーサー王がゆっくりと片腕を此方に翳しているのを、モードレッドは見た。

 

 

 

「——聖槍、抜錨」

 

 

 

 予想だにしない人物のその行動に、ルーナはバッと振り返る。

 瞬間、広間にて膨らみ顕現する竜の咆哮。その一端。指先に集まる光の燐光は即座に臨界点に達し、モードレッドとルーナの間の地面に向けて放たれた。

 

 

 

「鎮まれ」

 

「……………」

 

「……………」

 

 

 

 指先から走った、星の聖槍の光。

 威力を最低限にまで絞った為か、着脱した地点が数十cm抉れただけに留まったが、場の空気は完全に冷やされていた。

 アーサー王が、聖槍ロンゴミアドを抜いたという意味は大きい。

 

 

 

「まずは話を戻すが…………ルーナ。貴方は剣を抜かないのか?」

 

「———…………は」

 

「———何を言ってる、アーサー王」

 

 

 

 ルーナとモードレッドが、アーサー王の言葉に硬直する。

 そして、硬直しているのは二人だけだった。確かに周りの騎士達も、動揺や反応はしている。だが、二人のそれと比べれば小さい。

 何かを諦めたように顔を俯かせた者。静かに事態を見据える者。ただ、ルーナとモードレッドに慌てふためいている者。

 その全てが、特にモードレッドからすれば想像だに出来なかった。

 

 

 

「なんだよ………何が起こってるんだよ…………何が、何で」

 

 

 

 呟く言葉は不明瞭で、モードレッドから言葉が溢れ落ち続ける。

 

 

 

「——そこに居るのは………そこに居るのはアーサー王の仇敵モルガンの子供ッ! それも、それもッ…………それを憚る事をしなかった忌子だろうが!

 このままルーナを新たな王に据えれば、後はどうなるかなんて見えきっているだろうがッ!!」

 

 

 

 モードレッドは叫ぶ。

 それが許せないというのもあるが、何よりその事実を危惧しているのが自分だけだという事に恐怖して。

 

 

 

「ガウェインッ! お前は何かないのかよ!? モルガンの一番下の子供が、新たな年代の人間が王の首を取るんだぞ!?」

 

「……………」

 

「おい! ガウェインッ!」

 

「いいえ。私から何もありません。それが王の御意向ならば。

 そも彼は……いえ彼女は、王の首を取る者とは思えません」 

 

 

 

 ガウェインは難しい表情をしながら、しかし端的に語る。

 彼はどちらかと言えば、この事態を当人とアーサー王に任せている事をモードレッドは悟った。

 

 

 

「アグラヴェイン………アグラヴェイン——ッ!!

 何故、何故お前は何も言わない!? 何故お前がモルガンが差し向けて来た最悪の使者の事を断罪しない!?」

 

「———————————」

 

 

 

 アグラヴェインは静かに、そして穏やかに目を伏せたままだった。

 意味が分からない。あの——あのアグラヴェインが何故そんな表情をしている。

 

 

 

「モードレッド。私の事よりもまずは一旦彼女の………ルーナの言葉と言い分を聞くべきではないか」

 

「——は?」

 

「事を進めるのは、それからでも遅くはない」

 

「——何、言ってんだよアグラヴェイン」

 

 

 

 あり得ない。

 あのアグラヴェインが、そんな甘っちょろい事など言う訳がない。たとえ僅かに温情を見せたとしても、モルガンの事に関して今のような温い発言をする訳がない。どう考えてもその筈だった。

 

 

 

「なんだよこれ、なんなんだよこれッ……!?」

 

 

 

 辺りを見回す。

 ガウェインもアグラヴェインも、何故この脅威が分からない。首元に刃を据えられているに等しいこの状況が何故理解出来ない。

 それだけではなかった。

 辺りの円卓の騎士達だって、ランスロットやベディヴィエールだって、ルーナを真っ向から敵視してない。

 

 たった一人だけ。自分だけが周りから疎外された感覚と、自分だけがこの状況を理解出来ているという認識の齟齬にモードレッドはただ恐怖していた。

 そしてこの状況の中で、同じく当の本人のルーナも自分と同じくらい混乱しているという事実が、更にモードレッドを混乱させる。

 

 

 

「おかしいだろ、これ。

 ここまで——ここまでやられているんだぞ………それでもまだルーナを信じるって言うのか!?

 こうして内側からグズグズと溶かされるように、少しずつ壊されていくようには見えないのか!?

 こうやって信頼と実績で雁字搦めにして、動けなくして来て、そして今コイツは王座に手をかけたんだぞッ!?

 あの魔女のようにッ! 常に虎視眈々と死に至る刃を隠し持ち続けていた——モルガンのようにッ!!」

 

「…………………」

 

 

 

 無言でルーナは俯く。

 事実だ。実際に今から——本当に本気でそうしようと思えば、恐らく出来るのだから。

 

 

 

「どうしてだよ………どうしてそれに思い至らないんだ。

 ——なぁ違うだろ、アーサー王。貴方だけは違うだろ、アーサー王よ」

 

「無論、知っている。理解している」

 

「……………何を」

 

「それを踏まえて言おう。彼女は私を裏切らない」

 

 

 

 モードレッドの言葉に、アーサー王は冷ややかに見据えながら答える。

 思わずモードレッドはたじろぐ。王の言っている事が理解出来なかった。

 

 

 

「ルーナ。貴方には先に言う。私は貴方がモルガンの子だと言う事を知っていた」

 

「———は………」

 

 

 

 モードレッドが反応するより早く、ルーナが反応していた。

 

 

 

「最初からだ。ずっと最初から。

 貴方が最年少の騎士となったその日から、ずっと。そうだと知りながら、私は貴方を騎士に迎え入れた。

 ランスロットも、ベディヴィエールも知っている。トリスタンも、知っていた。

 そして貴方がモルガンの子だと知っていたからこそ、私は貴方にケイを付けさせた。

 貴方が自らの素性と真名を語ったところで、今更な事でしかない。私は貴方の事を最初から信頼している」

 

 

 

 前提が壊れる。

 当たり前で、至極当然の前提。

 それがモードレッドの中で壊れる。

 

 

 

「血迷ったか………血迷ったのか——アーサー王ッ!? 貴方は今、最初からモルガンに王位を譲る気だと言っているんだッ!」

 

「違う。彼女に王位を譲る事と、モルガンに王位を譲る事は関係はない」

 

「何が違う!? 何故、何故モルガンの子であるルーナが選ばれる!?」

 

「彼女に王の器があると私が判断したからだ。だからこそ、彼女に対ローマを一任した。そして彼女は充分な成果を持って来た。少なくとも、この事実は覆らない」

 

 

 

 あまりにも小さな声で、どこが…………と溢しているルーナの言葉には誰も反応出来なかった。

 糾弾するモードレッド。返すアーサー王。

 平行線を辿ったまま、アーサー王は更に続ける。

 

 

 

「そして、もう一つ決定的な事実がある。彼女は今まで——裏切らなかった。それで足りる」

 

 

 

 どこまでも静謐で、憐憫もなく。

 その言葉が、モードレッドにトドメを刺した。

 

 

 

「今まで、たったの一度も彼女は裏切らなかった。これで十分だ」

 

「——ふざけるなッ!! そんなモノに一体何の価値が——」

 

 

 

 激情のままに叫んで、それが止められた。

 ランスロットが、モードレッドを遮るように立ち塞がっていた。

 

 

 

「モードレッド。まずは抑えろ。落ち着け」

 

「は………ぁ? な、テメェに何が分かるッ!? テメェらは何も理解してないだろうが!?」

 

「………後で酒と一緒に聞こう。だから、今は下がれ」

 

 

 

 腕を掴み、ランスロットはモードレッドを引き連れて円卓の間を去っていく。

 暴れ、激情のまま叫ぶモードレッド。ただ本気で剣を抜かないのは、モードレッドが何かに絶望しているからなのか。

 モードレッドが円卓の間から半ば追放される形で消えて、途端に円卓の間は静かになった。

 

 

 

「…………こうまで決定的に不和が広がりながら、私を推す必要はありましたか? 」

 

 

 

 モードレッドが消え去って、次第に勝手にしまっていく円卓の間の大扉を眺めながら、ルーナはその静寂を破った。

 

 

 

「えぇ、勿論。だって貴方は、今まで裏切らなかったでしょう? それに今も、裏切るつもりなんて欠けらもない」

 

「……………裏切るに足りる事があったら、私はきっと裏切っていましたよ」

 

「ならば、貴方は此方を理解してくれた」

 

 

 

 本当にそうだろうか。

 彼女は分からなかった。

 

 

 

「……………」

 

「だから、だからモードレッドもいつか必ず理解してくれる。

 モードレッドは態度が少し粗暴なだけで、義と信頼に溢れた騎士だ。ただ彼は、モルガンの事によって平静さを失っているだけ。今は、貴方も気にしすぎてはいけない」

 

「そうですか……………」

 

 

 

 一瞬、ルーナは悲しそうに眉を顰めた。

 確かにそうだとは思う。でもそれは彼の、いや、彼女の大前提を知らないからだ。その致命的な差異。間違えてはならない前提を、アルトリアは知り得ない。否、そもそもそれを知るのはここには自分以外には居ない。

 彼女の秘密を知っているのは、モルガンと自分だけなのだ。

 

 

 

「…………当然のように私を次代の王に据えるように語っていますが、王の器なんて言われても私には分かりません」

 

「私も知らなかった。最初は」

 

「……………………」

 

「それに貴方は、選定の剣を抜けるかどうか試せば良い」

 

 

 

 そうか………そうだな。確かにそうだろうな、とルーナは諦めるように俯いた。

 彼女はそれを言うだけで良い。それが話の最初だからだ。

 

 再び、剣に近付く。

 きっと、今度は新たに注目を集めているだろう。

 疲れ果てた表情。嫌そうにしている表情。眉を顰めて、見えない何かを睨み付けているような表情。形容し難い顔をしているのが、今は誰もが分かる。

 

 

 

「私に何を期待しているのですか。私のどこに、何が期待出来るのですか」

 

 

 

 剣の柄に手をかけられる距離にまで近付いて、最後に問う。

 細かい事を聞いても、どうせ平行線を辿る事は見えている。ローマとの会戦前に開いた円卓会議のように。

 私の最後の悪あがき。彼女は迷いなく答えた。

 

 

 

「私にはブリテンを救えない。でも、貴方なら救える」

 

「…………………」

 

 

 

 それを——それを彼女が、私に言うのかと絶句した。

 眼前にあるのは、彼女が引き抜いた星の聖剣。彼女の原点。

 一振りの剣に自らの運命を置き去りにしたままの、騎士王の剣。

 

 

 

「ルーナ。貴方の願い。貴方の想い。それを成すには、この玉座が一番相応しい。私はそう思う」

 

 

 

 あぁそうだ。その通りだ。ブリテンの王なんて立場なら、本当に島中の全てを巻き込んで動かせるだろう。本来の私なら、私心を殺して受け入れる。

 だが、違う。私は違うのだ。私は彼女とは違って、誰かを救いたいから戦っている訳ではないのだ。

 もしも誰かに救ってくれ、なんて頼まれたら、私はきっと——何で私なんかがそんな事しなきゃならないんだと拒否する。

 だから。

 

 

 だから——何で、私は剣に手を伸ばしているんだろう。

 

 

 別に王になりたくはない。王になってしたい事もない。

 地獄よりかは平和が良いとは思う。その程度。善き王。正しい治世。正しき力。誉れある正義。偉大な権威…………その全てに悉く興味がない。

 最初から自覚している。

 私は、何も求めてなんかいない。もしも求めているなら、絶対にイメージ出来る筈なのだから。剣を抜いた先、見えない地平線の先にいる自分を。それを理解出来ないまま、私は剣を抜くのか。

 

 

 後は手を引くだけで、剣は抜けると確信しているのに——

 

 

 

 

 

 

 

「———それを手に取る前に、きちんと考えた方が良い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 実際のところ、彼女は亡き父の無念とか願いとか、そう言ったものに感情移入は出来なかった。特別な使命感を持つ事も、感動する事もなかった。

 彼女を励まし支えたのは、血の繋がらない家族と人々の賑わいとか、そう言うモノ。

 憧れでもない。愛でもない。ただそう言うモノが、善きモノに映っただけ。

 

 町の一員になりたいとか、その中に交ざりたいという望みはなかった。そう言う光景を思い描いた事はあっても冷静にフタをした。

 聡明ではなくとも、彼女はひたすらに懸命だったから。

 

 

 

「もう。口の悪さは玉に(きず)ですね。

 ……ありがとう、■■兄さん」

 

 

 

 納得するように、彼女は小さく微笑む。

 誰も抜けないからと放って置かれた剣。人々の移り気を彼女は責めなかった。なんなら、義兄の言い分にも反感は持たなかった。

 人が人として生まれるように。竜には、竜に望まれた役割があるから。

 だから、義兄の言葉は良い教訓になった。

 

 

 

「でも、ごめんなさい。私には■■■■の言う、理想の王の姿は分からなかった」

 

 

 

 でも、何たる誤算だったのだろう。

 彼女は最初から、そして——最後まで自分がそうなのだと実感出来なかった。自分がそうなれているという、イメージが出来なかった。

 彼女にはそれがどのような人物なのか、育て親代わりの■■■■から教わって、実践出来るだけの教育も受けて、素質も与えられていたのに。

 

 

 彼女が剣を取った理由を知る者はいない。

 

 

 孤独のまま、彼女は剣に手をかける。

 遠くから勇ましい騎兵の音。騎士達の喧騒は遠く、岩の周囲には誰もいない。それは、外から祭りを見る感覚に似ていた。今に始まった事ではない。

 ずっと彼女は——アルトリアは祭りの外にいた。

 

 驚く程に馴染む選定の剣。

 後は手を引くだけで剣は抜けると確信して、アルトリアは息を吸う。

 その時。

 

 

 

「———それを手に取る前に、きちんと考えた方が良い」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 気が付けば、後ろには"見知った"魔術師が立っていた。

 今まで何度も出会って来た。唯一、夢の中で向き合う事だけはなかった花の魔術師。

 彼は今までそうして来たように、彼女に語りかける。

 

 

 

「悪い事は言わないからやめた方が良い。

 それを手にしたが最後、君は人間ではなくなるよ。それだけじゃない。手にすればあらゆる人間に恨まれ、惨たらしい死を迎えるだろう」

 

 

 

 マーリンは言葉ではなくイメージとして、実際にそうなるという未来図を彼女の意識内で再生する。

 それは忠告ではなく予言として。剣を手にすれば孤独になり、誰にも理解されない道を進み、無惨な末路を辿り、寂しい最期を迎えるだろうという現実を。

 

 ……どうしてこんな事をしているのだろう。

 

 彼女とアルトリアを選んで、アルトリアを選んだこの計画に今の預言は含まれていない。選定の儀式の最後は、彼女の背中を押すように行う予定だった。

 昔、アルトリアに告げた事と同じ事をしている。

 しかし、彼女はアルトリアではない。当然、同じ結果になどなり得ないだろう。彼女が滅びを何処までも拒否している事は分かる。

 

 だから彼女は自らの未来、最期を恐れるだろう。

 元より、彼女に王になりたい意思など見当たらない。背中を押してやっとかと言う思惑の下、王になる道を選ぶとは思えない。

 マーリンが告げた言葉は、当然他の人にも聞こえている。

 だから、アルトリアが思わずマーリンの行動に口を開きそうになって——

 

 

 

「————はぁぁー………………」

 

 

 

 それよりも早く、ルーナが溜息を吐いた。

 深い深い溜息。呆れきったような声。円卓の間に響くその異質な音色で、アルトリアは止まる。

 

 

 

「そうか。やっぱり、お前が後ろで手引きしていたか」

 

 

 

 ルーナはそう言った。

 責めるよう口調ではない。

 ただ、何を言ってるんだという呆れがあった。

 だから、ルーナは呆れたまま告げる。

 

 

 

「何を今更。私はとっくに人じゃない。

 惨たらしい死を迎えるなんて、そんな事——最初から知っている」

 

 

 

 それは、マーリンの言葉への返答。

 マーリンに見せられた光景を見て——彼女は何も思わなかった。思えなかった。あるのは、ただの納得。ただの理解。ただ……最後の決意を促しただけ。

 

 

 何せ当然のように、その光景を知っていた。

 

 

 それは、もしかしたらマーリンが見せた光景よりも酷いモノだったかもしれない。

 国中に戦禍を広げ、かろうじて生きながらえていた国に取り返しのつかない傷を与えた戦い。

 多くの輝きが途絶えた屍の(いしぶみ)。血に塗れた滅びの大地。積み上がった死体の山。突き刺さった剣は墓標代わりにすらならない嘆きの残滓。

 

 後の世で、それはこう言われた。

 騎士王最期の戦い。騎士道が花と散り枯れ果てた黄昏の戦場。血に染まった落日の情景。剣と死の丘。カムランと。

 

 

 

「別にその結末は見えている。人はどうせいつか死ぬ」

 

 

 

 もしも、マーリンとルーナに齟齬があるとしたらそれは、きっと、彼女は滅びを受け入れている事を理解出来なかった事だった。

 ある一点が、もう明確に壊れている。

 死にたくない、と言われたら違う。

 いつだって周りには死がありふれていて、生は実感出来なかった。だから、死は受け入れていて、でも周りで当たり前になっている、あんな死が嫌だった。

 

 何かを否定するところから始まった人生。

 何かを求めている訳ではない。

 幸せを手にしたいとも、生を謳歌したいとも、夢見る未来を現実にしたいとも思えなかったのは、生を実感出来ないからなのだろう。

 そう言うモノを善きモノであると理解していても、その光景の中に混ざりたいとかは思わなかった。

 

 

 人としての感情に今まで溢れておきながら、人として破綻している。

 

 

 未来に漠然とした不安を抱いているが故に、夢を見ていないではなく、そもそも自分は未来を見ていない。

 決定した事象。変わらない運命。確定している結末。それにどうしようもない無力を感じて、絶望しているとも言う。

 滅びは受け入れている。受け入れるしかなかったから。

 だから死にたくないと半ば願いながら、いつでも死ねる準備を万全にする為に突き進んでいる。

 

 ならば——もし彼女のこの十五年間、彼女を支えて突き動かして来たモノがあるとするなら、それは、家族だった母親と兄の最期の言葉と、とっくに死んだ人々の嘆きの声だった。

 ただ——ただ本当に、そういったものが彼女には受け入れられなかっただけ。

 

 否定。拒否反応。不愉快な嫌悪感。

 何かが善きモノに映ったからとか、キレイに見えたからとかそう言う理由ではない。彼女は何かを否定するとこから始まった。彼女は、そう言うモノへの怒りから始まった。

 

 目を瞑れば自ずと分かる。

 王と言われても、良く分からない。理想の王の姿なんて分からない。

 その理解を以って、再び自分に問いかける。

 

 

 ——私は、王をやりたくないのか?

 

 

 自分が王になるのが嫌だから拒否しているのではない。

 自分よりも王に相応しい者がいると確信していて、王のやり方が分からないから、自分は王を拒否しているのだ。

 

 いや、それがどのような人物なのかは分かる。

 だって——本当にそうなった人が目の前にいて、今までその姿をずっと見て来たから。ただ、自分がそうなれるなんて言うイメージが出来ないだけで、王になった一人の姿はちゃんと脳裏に浮かぶ。

 

 しかし、理想の王になる気はない。

 人の救い方など分からないし、そも救う気はない。救われただけで歩みを止めた人間など、その贖いに相応しい末路を辿って死ねとすら思っている。

 

 自分一人に出来る事は限られている。

 己に出来るのは精々、終わらせる事だけだ。減らして、否定して、消す。ただそれだけ。

 故に何も得ない。故に本質は何も変わらない。過程が変わっても、最後は一切が変化しない。

 それは平和の為ではなく、現状を維持するだけの機構。誰も救わず、犠牲を減らす。誰の味方にもならず、何かの敵になる。

 

 今更だ。ずっとそうだった。

 この儀式は自分を殺す儀式なのだろう。この儀式は人をやめる為の儀式だったのだろう。ならば、もうとっくに死んでいて人をやめた存在には、剣を抜こうが抜かまいが結果は変わらない。

 だから——

 

 

 ——だから、私に勝手に押し付けてくれば良い。

 

 

 身勝手に、無神経に、呪いの様に。

 ある少女に夢も希望も願いも、理想も押し付けて、だからその王は理想の王と呼ばれたように——私にも押し付けて来い。

 全て呑み込んでやろう。等しく等価値に消費してやろう。私は人を救わないし、騎士王の救いを経て尚導きを誰かに求める民など嫌いだ。死ねとすら思う。

 

 

 故に、せめて——私だけが人を報う。

 

 

 押し付けられた願いも理想も知らない。叶うか叶わないかなど、私は責任を取らない。時に、私の為に死ねとすら嘯く。

 しかし私が必ず先導する。常に前に。常に立つ。絶対に最後まで、私は倒れない。私だけは倒れない。だから私に捧げろ。私は民に何も捧げない。民が、国が、人が、その身命を、その願いを、全て私に捧げろ。私だけが使う。私だけが正しく消費する。

 

 正しき統制。正しき治世。王による救済。

 それが何だ。そんなモノ私は知らないし、それを私がやる責任はない。救済する気もないし、救済出来る気もしない。

 

 だからついて来たい奴だけ、私について来れば良い。

 でも、後悔だけはさせないと私は誓う。たとえ道半ばで果てようと、その想いを私は忘れない。私だけは必ず見届ける。その生涯に意味はあったのだと。その最期は決して、報われないモノではなかったと。

 だから私が背負う。故に私は立つ。

 私は、たとえ私について来た全てが生き様の果てに滅ぶという、そんな結末が確定していても、私は、私だけは必ず、最後まで立ち続ける。

 

 

 

「私はこの剣に何も捧げない。故に私がこの剣に未来を求める事はない」

 

 

 

 王をやれと言われたら、きっと出来る。出来てしまうのだろう。目の前には王をやった人がいるから。だからそれを真似れば良い。

 だが、理想の王なんてやらないし、目指さない。

 

 でも………もしも、私が王として何かを求めるとしたら、それはきっと——溢れ落ちたモノを拾う事。

 出来る。私には出来る。

 この剣を抜いた人が取り零したもの。置き去りにしたもの。それを拾い集める事なら、私だって出来る筈だ。

 

 

 

「だから、私が剣を抜くとしたら——」

 

 

 

 竜として生まれた者が、人として正しく在れたように。

 人として生まれた者が、竜となって生きれない道理はない。

 

 

 

「——この剣に捧げられた想いを、私は間違いにしたくないだけだ」

 

 

 

 甲高い音が鳴った。

 無造作に、片手で。

 岩と剣が擦れあって、火花を散らして。

 まるで元から彼女の剣だったかと言うように——選定の剣は引き抜かれた。

 

 光を失っていた筈の、選定の剣。

 その剣は遂に相応しい担い手を見つけたように、急速に光を取り戻し始めていった。輝きを無くした刀身は黄金を照らし出し、掠れた妖精文字が、刹那に復元する。

 光る刃。辺りを照らす輝き。

 空に掲げた黄金の剣に走る星の光がルーナを包み、剣の加護を彼女に与える。

 

 

 しかし——その光に、優しさなんてモノは欠けらもなかった。

 

 

 淡く暖かい光などはあらず。

 そこにあるのは、ただ眩いだけの星の光。その光を見た人間を眩ませる程の光。周囲の光を塗り潰し、己の色に染め上げるだけの極光。極まった光とは味方を照らす標とはならず、ただ敵を焼き尽くす閃光の如きの輝きにしかならないのか。

 

 そうとしか思えない。

 そう思えるだけの輝きが、ルーナが手にしているカリバーンには宿っていた。

 最初の星の光を塗り潰す程の——月には程遠い、星の光が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日から、ブリテンの王は代わった。

 彼女がこの剣を手にした時、人々とブリテン島が望むのは人々と国を守る王ではなかった。

 ただブリテン島を救えるだけの力を持った者、ブリテン島の外敵の全てを殲滅する事の出来る者。

 だからか、本当にブリテン島の外敵の悉くを殲滅してみせた彼女が剣に選ばれた。王の器など関係ない。ただそう願われたから。彼女が選ばれた理由など、たったそれだけの身勝手な理由である。

 

 しかし何の因果か、剣を引き抜いた者はブリテン島本来の王の力を所有していた。担い手に相応しき権能すら保有していた。

 故に、ブリテンの王が代わったように——選定の剣も変わり果てた。

 もはや、彼女の手にある黄金の剣は選定の剣に非ず。故にその剣は、勝利すべき黄金の剣ではなく。

 

 

 剣は黒く染まった訳ではない。

 

 

 ただ眩く光るだけの黄金の刀身。迷える人々を優しく照らすような、淡い光はここには在らず。暖かな黄金の輝きは消え失せた。

 ただ周りの光を眩ませ押し潰すかの如き星の極光。月のような光からは程遠い星の光。

 

 もはやこの剣は『選定の剣』ではない。

 ここにあるのは、原典なき星の聖剣。まだ完成されていない、勝利を約束する星の聖剣。担い手はここに独り。その、ただ一人以外の悉くを滅ぼす為の、堕ちたる聖剣。

 

 その災厄の剣は、雪花の盾と対となって世界に登録された。

 一切の悪意、あらゆる敵意を跳ね除ける聖なる守護とは正反対。でありながら、全く同一の種別を以って昇華された、幻想の具現。物質化した奇跡。伝説の象徴——宝具。

 

 その剣の真名は——

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

【    】  
真名融解

 

 

 ■■すべき■■の剣(カリバーン)  
 殲滅すべき神記の剣(カリバーン)

       

 ランク B (条件付きで■■) 
 ランク B (条件付きでEX)

 

 種別  蟇セ謔ェ宝具 
 種別  対悪宝具

 

 

 

 

 詳細

 

 

 

 

 アルトリアが引き抜いた次代の王を選定する為の剣、【勝利すべき黄金の剣(カリバーン)】だった物。

 所有者のカリスマのランクを上昇させ、また所有者に不老の加護を授ける。

 王位の象徴としての性質が強かった為、剣としての格は現在【約束された勝利の剣(エクスカリバー)】に劣る。

 エクスカリバーと同等の威力を発揮しようとした場合、剣が耐え斬れず崩壊する。

 

 

 元々は、王を選定する剣として所有者が王に相応しい存在だった時、聖剣として完成される対人宝具だったが、剣の定義が大きく変質し、本来なら善属性しか存在しない選定の剣に、悪としての属性が付与された。

 その為、善悪両方の属性を持つ【約束された勝利の剣(エクスカリバー)】とは違い、真名は変化し銘は【勝利すべき黄金の剣(カリバーン)】ではなくなっている。

 

 

 彼女の支配下に置かれたこの宝具は、ただ邪悪を断ち切る事に特化した剣となり、所有者が悪を倒す事に意識を集約させている時に聖剣としての力が完成される剣となった。

 また攻撃した対象が悪として定義されている存在である場合、さらに追加の特効が入り、対象を内側から貫く光で焼き尽くす。

 ただし、悪についての定義は民衆や一般的な常識に一切左右されず、所有者の意向にしか左右されない。

 またその特効範囲は、聖人や産まれて間もない赤ん坊以外には入る程広く、種別上は対悪宝具であるが、ほぼ対人類宝具と言っても何ら差し支えない。

 

 

 

 風王結界(インビシブル・エア)

     

 ランク C

 

 種別  対人宝具

 

 

 詳細

 

 憑依経験投影により、アルトリアと同じ技量を永続的に獲得。

 他の投影は、その武装を握っていない限り同一の技量を使用出来ないが、元々の戦い方のイメージが彼女であり、また基盤が同一の為、アルトリアの剣舞のみ唯一の例外として完全に獲得。

 風の威力はそのまま、剣を完全に不可視に出来る。風が荒れる音すらもしない、完璧なる風の結界。

 

 

 

【ステータス向上】

 

 耐久          

 ↓

 耐久          

 

 憑依経験投影により、カリバーンからアルトリアと同等の技量を永続的に獲得 

 アルトリアの投影のみ例外として、カリバーンやエクスカリバーを握っていなくとも、彼女はアルトリアの剣舞、才能、技量を完全に保有。

 剣舞の隙がより徹底して消失。

 

 

 

『プロフィール更新』

 

 

 

【真名】ルーク / (ルーナ・ル・フェイ)

 

【性別】女性

 

【出典】アーサー王伝説等

 (召喚時のCLASSによって、出典が変化)

 

【地域】イギリス (ブリテン)

 

【身長・体重】154cm 42kg

 カリバーンを抜いた事により、肉体年齢が十五で固定されている。

 

【属性】秩序・悪

 

 

 




 
 余談ですが、殲滅すべき神記の剣で検索するととても良い事が起こると思います。
 
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