あらすじにもある通り、この作品は別で投稿している『僕とテストと幻想郷』という作品の幻想郷側での話になります。
それでは、本編をどうぞ
始まり、そして出会い
小学校を卒業したばかりの少年がいた
その少年は交通事故に遭い、孤独になった
親戚もおらず、頼れる人もいない
最初は必死に孤独に耐えていたが、次第に孤独に耐えられず、不登校になっていった
ある日、少年は「消えたい」と呟いた
その日、『吉井明久』の存在が消えた
これは、吉井明久が幻想郷に居る時の話…
???side
私は藤原妹紅。健康マニアの焼き鳥屋…なんてよく誤魔化しているが、『蓬莱の薬』を飲んだ不老不死の人間だ
私の住んでいる『迷いの竹林』は、とにかく迷いやすいから、私は日課としている竹林のパトロールと行っていると、誰か人が倒れていることに気づいた
「あれは…人間か?少年、大丈夫か?
ふむ、寝ているだけ…か?とにかく、放置すると妖怪に食べられる危険性もあるし、仕方ない私の家に連れていくか…」
私は放置しておくのはまずいと思い、倒れていた少年を私の家に連れて行った
「それにしてもこの服装…外来人か?」
外来人、幻想郷の外からやってきた人間を指す言葉だ
私は幻想郷ではまず見ないような服装を見て、そう思ったのだった
少女移動中…
「あれ…ここは…」
少年を私の家に運んで数時間、どうやら少年の目が覚めたようだ
「少年、目が覚めたか。とりあえず…君の名前を教えてくれないか?」
「僕の名前…?明久。吉井明久です
あの…お姉さんは?」
ふむ、明久か
「私か?私は藤原妹紅だ」
「妹紅…さん。あの…ここは?」
「ここは幻想郷。人や神、妖怪といった人々に忘れ去られた者が住む場所だよ」
明久が質問をしてきたので、私はそう答える
「幻想郷…」
「そう、幻想郷。普通、人間は幻想入りなんてしないが…一つだけ心当たりがある
…八雲紫、見ているんだろう?神隠しって呼ばれる現象はたいていあんたが絡んでいるって聞いたが…明久もあんたの仕業か?」
私は、虚空に向かってそう叫んだ
人が消える現象、神隠しは妖怪の賢者、『八雲紫』が気まぐれで行っているって噂を聞いたことがある
恐らく、八雲紫の仕業だろう
「あら、よく気が付いたわね」
そうすると、先程まで何もなかったところに大量の瞳のようなものが見える穴が開き、そこから一人の女性が現れる
八雲紫だ
「少し視線を感じてな。幻想郷に連れ込むだけ連れ込んで放置されてる。しかも迷いの竹林なんて危険な場所に…監視してないと思う方がおかしいだろう」
「???えぇっと…お姉さんは誰?」
「私?私は八雲紫。この幻想郷を管理している妖怪よ。そして、貴方をこの幻想郷に招待した張本人も私」
明久が八雲紫に尋ねると、八雲紫はそう返す
「なにが『招待した』だ。迷いの竹林なんて危険なところに放置していたくせに」
「それは勘違いよ。私は人間の里に連れて行こうとしたわ。でも、何かに干渉されて連れていく座標がズレた。そこに貴女が来たから、彼は貴女に任せようと思ったのよ」
八雲紫は胡散臭い表情でそう語った
「とにかく、明久を外の世界に返してやれ。困ってるだろう」
「あら、それは彼に聞くべきじゃないかしら?少なくとも、私は彼の願いをかなえるために幻想郷に連れ込んだのだから」
…どういうことだ?
「吉井明久、貴方に尋ねるわ。このまま元の居場所に帰るか、それともここに少し住んでみるか…」
「僕は…ここに住んでみたい。今の僕に、元の場所での居場所はないから…」
「というわけよ。そこで、藤原妹紅。貴女に提案があるわ」
明久の答えを聞き、八雲紫は私に話を振る
「…提案だと?」
「そう。彼、吉井明久の面倒は貴女が見なさい」
「ちょっと待て、なんで私なんだ?」
八雲紫の提案に、私は驚いた
「貴女が最初の発見者だし、それがいいでしょう。それに、この様子だと彼は少しとはいえ、貴女に心を開いてるようだから」
「…明久。お前はどうしたい」
八雲紫の言葉に驚きつつも、私は明久に尋ねる
「僕は…妹紅さんがいいなら」
「…ハァ、わかった。その役目、引き受ける」
「そう、それはありがたいわ」
八雲紫は、胡散臭い笑顔を張り付けたままそう返事をする
「だが、あんたに聞いておきたいことがある。悪いけど明久、少し外に出ておいてくれないか?私はこいつと二人で話しがしたい」
「うん、わかった」
そう言うと、明久は外に出た
「それで、彼を外に出してまで話したいというのは何かしら?」
「簡単なことだ。明久についていろいろ聞いておこうと思ってな。あんたがわざわざ幻想郷に連れてきたんだ。明久には何かあるのか?」
私は、明久について聞きたかったことを聞いた
「そうね…貴女は彼の保護者になるわけだし、教えておきましょう。彼は家族も親戚もいない、今では孤独な存在で、孤独に耐えることができずに消えることを願った。だからここに連れてきた。というわけよ」
八雲紫はそんな返事をする。だが、私が聞きたいことはそんなことじゃない
「それは何となくわかってた。だが、聞きたいのはそんなことじゃない。その程度の理由で幻想郷に連れてくるなら、今頃幻想郷は外来人だらけだ。明久に宿る力…何か強大なものなのか?」
「…伊達に長生きしてないってわけね。そう、彼に宿る霊力は、かなりのものよ。それこそ、博麗の巫女にも匹敵するんじゃないかというくらいには」
『博麗の巫女』幻想郷における人間と妖怪のバランス、そして幻想郷の存在の軸である『博麗大結界』を代々制御している存在だ
そして、そう意味も含めて幻想郷で最強の存在でもある
明久は、霊力だけでいうとその博麗の巫女に匹敵するというのか…
「つまり、もしそんな存在が自殺なんてしたらもったいないから連れてきた。そんな感じか?」
「まぁ、大体はそんなところね。それに、彼の人間性もなかなかのものよ。彼は他人を惹きつける何かがある。だから、そんな存在が自殺なんてしてしまう前にそれを留めるために幻想郷に連れてきた…」
なるほどな…まぁ、大体は予想通りだ
「それと、貴女にもう一つ教えておくわ。彼が幻想郷に来たことによって、彼に眠っていた能力が覚醒した。そうね…いうならば、『学習能力を強化する程度の能力』かしら」
「学習能力を強化…ねぇ」
「つまり、彼の才能を生かすも殺すも、保護者を請け負った貴女次第よ
それと、頼んだのは私だから、お金くらいの支援はするわ。彼のこと、頼んだわよ」
そう告げると、八雲紫は穴を閉じ、その場から消えた
明久の能力を生かすも殺すも私次第、ねぇ。頑張るか…
「明久ー、もう戻っていいぞー」
「もう話は終わったの?」
「終わった。じゃあ、明久の保護者になるわけだし、改めて自己紹介をしよう
私は藤原妹紅。とある理由で不老不死になってしまった人間だよ。よろしくね」
「藤原?不老不死?…どこかで聞いたことがあるような…」
うっ、鋭い。これも能力のおかげなのかな?
「あっ!藤原不比等?蓬莱の薬…かぐや姫?」
「いやー、これだけのヒントでよくそこまでたどり着いたね。明久、今何歳だ?」
「うーんと、12歳!」
うん、12歳にしては思考回路が尋常じゃない
「ま、隠してたわけじゃないけど、バレたなら仕方がない!明久の予想通り、私は藤原不比等の娘だ
ちなみに、かぐや姫もこの幻想郷に居るから、そのうち紹介するよ」
いつ紹介するかはわからないけど!アイツに明久を紹介なんてまだするものか
「そうなんだね!」
「とりあえず、今日はそこそこ時間も遅いし、今日はご飯を食べて寝よう!幻想郷について詳しく説明するのは明日!」
「わかった!」
これが私、藤原妹紅と、幻想郷の外から連れてこられた人間、吉井明久が出合った日の物語…
誤字脱字ありましたら、報告お願いします
次回は一応のキャラ設定と補足、この作品の世界線(というか、自己解釈の部分など)の予定です