僕とテストと幻想郷-幻想郷での話-   作:あんこ入りチョコ

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登場、普通の魔法使い!

明久side

 

 

初めて人間の里に行ってから一ヵ月ほどが経ち、僕は迷いの竹林で迷うこともなくなってきて妹紅から最終試験的な感じで一人で人間の里におつかいに行ってこいとのことだった(六時までに帰ってきたら今後一人で自由に人間の里に行ってきていいと言われた)

 

「うん、何とかなったね。これなら一人でも大丈夫そうだ」

 

この一か月でだいぶ慣れたのか、意外と簡単に竹林を抜け出せた

ちなみに、現在は一時頃で人間の里を五時頃に出ると時間に間に合う計算だ

 

「さてと、まずは慧音さんのところに行くんだっけ」

 

妹紅に課せられたおつかいは二つ、まず慧音さんに会いに行くこと(これは信用していないわけではないが本当に一人で大丈夫だったかの証言にするため)、もう一つは一週間分の食材を買いに行くことだ

それさえ果たせば、空いた時間は何をしてもいいらしい

 

とりあえず僕は寺子屋に向かった

妹紅曰く今日は寺子屋が休みらしいし、とりあえずは行ってみよう

 

「慧音さん、いますか?」

 

「うん?誰かと思ったら明久じゃないか。妹紅はどうしたんだい?」

 

慧音さんはすぐに出てきて、僕が一人だったことに疑問を持ったようだ

もしかして妹紅、何も話してない?

 

「実は…」

 

僕は慧音さんに妹紅から言われたことを伝える

 

「なるほど、ここまで来れてるということは、一つ目の課題はクリアということかな?」

 

「だと思います」

 

「そうだ君は今、妹紅に修行をつけてもらっているんだったね。今、私の元教え子が人間の里に来ているみたいでね、稽古をつけるように聞いてみようか?少しは役に立つと思うんだが…」

 

「邪魔するぜ!」

 

「おや?噂をすれば…」

 

慧音さんの予想通り、誰かがやってきたようだ

 

「久しぶりだな、魔理沙。そっちから訪ねてくるとは珍しいね。ちょうどよかったお前を探しに行こうとしていたところだったんだ」

 

「私を探しに?ところで、そっちの奴は誰だ?」

 

「彼は吉井明久君だ。訳ありで私の知り合いのところに住んでいてね、魔理沙に彼の稽古をたまにはつけてもらおうかと思ってね」

 

「ほぉ?私と同じくらいの人間か、珍しいな。私は霧雨魔理沙。普通の魔法使いだぜ!」

 

慧音さんが紹介しようとしていたらしい人だったみたいだ

…普通の魔法使いって、なんだ?

 

「初めまして、吉井明久です。よろしくお願いします」

 

「明久か。見たところ私と同じくらいだが、何歳だ?」

 

「12歳です」

 

「おぉ、私と同い年じゃないか!だったら、そんな堅苦しい話し方じゃなくて、もっと気軽に話してくれ!」

 

どうやら彼女は、なかなかフレンドリーな性格のようだ

 

「そう?だったら、改めてよろしく、魔理沙!」

 

「おう!…で、私に稽古を、だっけ?」

 

「ああ。私の知り合いの戦い方はどちらかと妖術寄りで、魔理沙に魔法での戦い方も教わるといいだろうと思ってね。彼は人間だが、魔法の知識を得るのも悪くないかと思ってね」

 

どうやら妹紅の妖術と違い、魔理沙は魔法で戦うらしく、魔理沙に魔法を教わる。それが慧音の狙いだったようだ

 

「まぁ、私でよかったら構わないが、明久の時間は大丈夫か?」

 

「うーん…今日は六時までに帰らないといけないから、五時にはここを出たくて、それで買い物もあるから…」

 

「買い物は私が代わりにしておこう。明久は魔理沙と一緒に行ってくるといい。ここに五時までに帰ってくると問題ないだろう」

 

慧音さんから意外な提案があった。確かに、その方法だったら少し長く時間が取れるだろう

 

「決まりだな!明久、行くぞ!」

 

「えっ、ちょっ、うわぁ!」

 

魔理沙は僕の手を取り、持っていた箒にまたがって空へと飛び上がった

 

「まずは魔法の森に住んでいる私の知り合いに明久を紹介して、私の家で魔法を教えてやるぜ!五時までには人間の里まで送ってやるから、安心しな!」

 

そう言って最初にたどり着いたのは、人間の里を出て少ししたところにある森の入り口にあるお店だっただった

 

「香霖ー!邪魔するぜー!」

 

寺子屋で初めて会った時のように大声をあげながらお店に入っていく魔理沙についていく

 

「まったく…そんなに大声で叫ばなくても聞こえてるよ。魔理沙、今日は何の用だい?

…って、見慣れない顔を連れてきたね」

 

お店の奥から出てきたのは眼鏡をかけた白髪の男性だった

 

「こいつは吉井明久、人間の里に行ったら慧音先生に稽古をつけてやってくれ!って言われて連れてきたんだ。私の家に行くからついでに香霖とアリスにも紹介しとこうと思ってな」

 

「魔理沙が彼に稽古ねぇ…まぁいいか。僕は森近霖之助、ここ香霖堂の店主をやっているよ。よろしく」

 

「吉井明久です、よろしくお願いします!」

 

どうやら森近霖之助さんというらしい。魔理沙が香霖って呼んでたけど、お店の名前をあだ名にしてるのかな?

 

「魔理沙が連れてきた割には行儀のいい子だね。魔理沙の影響で悪い子にならないか心配だ…」

 

「失礼な!そんなことしたら私が慧音先生に怒られるからそんなことには私がさせない!」

 

「彼女は怒ると怖いからね。ところで、突然なんでそんなことを言われたんだ?」

 

「なんか、明久は慧音先生の友人にお世話になってて、その人が妖術使いだから私が魔法を教えてやれって。私もよくわからん」

 

不思議がる霖之助さんに、魔理沙は慧音さんに言われたことを軽く説明した

 

「突然そんなことを頼まれるなんて、どう考えたって訳ありじゃないか…」

 

「うーん…慧音さんが魔理沙を紹介してくれたわけだし、一応説明しておくと僕、いわゆる外来人ってやつで…」

 

そういえば、慧音さんは魔理沙に僕のことを詳しく説明してなかったと思い、そう言った

 

「外の世界だって?それは完全に訳ありじゃないか…」

 

「それで、どうして修行を?まずは元の世界に帰ろうとするだろ?」

 

二人ともそれに疑問に思ったのか、そんな質問をしてくる

 

「ちょっと訳があって元の世界には帰りたくなくて…そしたら、一緒に住んでる人が『それなら戦い方を学ばないとここに居ると死ぬ』ってことで…」

 

「それで今に至るというわけか」

 

「なるほどなー任せろ!魔法の知識は私がばっちりつけてやるぜ!」

 

魔理沙は改めて僕に了解の返事をくれた

 

「僕に手伝えることはあまりないが、ここは見ての通りいろんなものを取り扱ってる道具屋だ。幻想郷では珍しい物も入荷してるからたまに見に来るといいよ」

 

「ありがとうございます!」

 

「香霖、邪魔したな!」

 

「お邪魔しました」

 

そう言って、僕たちはお店の外に出た

 

「さて、もう少し飛ぶから私の後ろに乗れ!」

 

魔理沙はそう言って箒の後ろに乗るよう言ってくる

 

「それが…さっきは言う暇がなかったんだけど、飛ぶ方法はわかってて…」

 

「何?」

 

僕は人間の里を飛び立つ前に言えなかったことを魔理沙に伝えると、不思議そうな返事をした

 

「僕が一緒に住んでる人が『人は飛び方を理解すれば意外と飛べるものだ』って言いながら飛び方を伝授されて…」

 

そう、僕は妹紅に空の飛び方を教えてもらったのだ。力の使い方とか、そういうのの加減で飛ぶことができるらしい

 

「そうだったのか!じゃあ、私の後ろをついて来い!」

 

流石幻想郷、魔理沙は特に戸惑うことなく、空へと飛び立つ

僕は慌てて後ろをついていった

 

森の奥の方へ飛んでいくと、白い洋館が見えてきて、魔理沙はそこへ降りていった

 

「アリスー、いるかー?」

 

「何よ大声出して…って、人間?」

 

洋館の入り口で魔理沙が叫ぶと、中から金髪の女性が出てきた

 

「人間の里に行ったら慧音先生にこいつの稽古を任されてな、今から家に行くところだったからついでに香霖とアリスに紹介しに来たんだ」

 

「吉井明久です。よろしくお願いします」

 

「魔理沙が魔法の教師をねぇ…私はアリス・マーガトロイド。ここに住んでいる魔法使いよ

よろしくね、明久」

 

アリスさんは魔法使いだそうだ。さっきの霖之助さんもどこかで見たことがあると思ったけど、阿求に見せてもらった幻想郷縁起にそんな名前が出てきた気がする

 

「とりあえず今日は明久を紹介しに来たんだ!私たちはそろそろ行くぜ、じゃあな!」

 

「あ、待ってよ!失礼しました!」

 

魔理沙はアリスさんにそう告げるとすぐに飛んで行ってしまった。僕は慌てて後を追う

 

「…彼って普通の人間よね?なんで飛んでるのかしら…」

 

アリスさんが何かつぶやいてた気がするけど、気のせいだろ

 

 

数分後

 

 

「ついたぜ!ここが私の家だ」

 

魔理沙の後を追ってたどり着いたのは、霧雨魔法店と書かれた看板の置いてある家だった

 

「ここが魔理沙の家…お邪魔します」

 

「それで、魔法を教えるんだったな。本を取ってくるから少し待っててほしいぜ」

 

魔理沙はそう言うと、奥の部屋へと入っていった

 

妹紅の家でも思ったが、周りに家があまりないから修行するには便利そうだ

 

「待たせたな、とりあえず初心者用の魔導書を持ってきたから、今日はこれを使って説明していくぜ」

 

こうして、魔理沙による魔法の授業が始まった

 

 

数時間後

 

 

「さて、そろそろ時間だな。今日はここまでだ!そろそろ慧音先生のところに戻った方がいいだろう」

 

「えっ、もうそんな時間?」

 

どうやら夢中になってる間にかなり時間が経過していたようだ

 

「それにしても、明久は吸収が早いな。これだったら、魔法使いくらいなら簡単になれるんじゃないか?」

 

「そう?でも、僕は人間を辞めるつもりは無いから、なるとしても魔理沙みたいに人間にとどまれるくらいかなー」

 

僕はまだ、人間を辞めるつもりは無い

 

「なるべくその方がいいぜ。さぁ、人間の里に戻るか!」

 

「うん!」

 

こうして、僕と魔理沙は人間の里に向かった

 

 

数分後

 

 

「二人とも、戻ってきたか。時間通りだな」

 

僕と魔理沙が寺子屋に降りると、慧音さんが外で待っていた

 

「慧音先生に怒られるのは勘弁だからな!それにしても、明久の吸収速度はとんでもなかったぜ。初心者用の魔導書の説明はほとんど終わっちまった」

 

「さすがは明久だな。魔理沙に頼んで正解だったよ

明久、これが頼まれていたものだ。そろそろ帰るといい」

 

「あ、ありがとうございます。慧音さん

魔理沙も、今日はありがとう。今日は楽しかったよ!」

 

慧音さんから荷物を受け取り、改めて二人に礼を言う

 

「私も楽しかったぜ!また遊ぼうな!」

 

「わかったよ!じゃあね!

慧音さんもまた今度!」

 

「ああ。また来なさい」

 

そう言って、僕は寺子屋を出た

 

 

数分後

 

 

僕は迷いの森に入り、妹紅に家にたどり着いた

 

「おかえり。時間も六時、間に合ったみたいだし、今度から修行のない日は人間の里に自由に言っていいよ」

 

「ありがとう!それでね、今日はこんなことがあったんだ!」

 

僕は妹紅に今日あったことをいろいろと話した

 

「魔法を習った、ねぇ。これで魔法の知識もある程度ついたってわけだ」

 

「うん!簡単な魔法だけど…」

 

「ま、明久には明久に合う戦い方があるはずだし、じっくりとその戦い方に磨きをかけるんだ。幻想郷にはまだまだいろんな奴がいるはずだからな」

 

「わかった!」

 

「じゃ、そろそろ飯にするか!」

 

 

そんなささやかな日常だけど、僕はこの日常が嫌いじゃない

外の世界ではもう得ることのできない日常…そんなことを心の奥底で考えながら時間は過ぎていくのだった




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