無惨様に殺されたくないのでハードモード通り越して鬼モードですが必死に運命を回避します   作:経済人

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町の事を調べてたらどんでもないことになりました。

 

 

 

 

またあそこに戻るのかな?いや、例えば戻ったとしても私は何度でもあの場を切り抜けて見せる。

 

さぁ!!来い!

 

なんて、意識を取り戻し思いながら目を開けるとそこはいつものあの悪夢ではなく私の館の前でした。

 

 

「ど、どういうこと‥‥」

 

復活地点が変わった?いや、この能力がそんな都合の良いもののはずがない。この死に戻りはあの悪夢を長く生き残れば残るほど過去へと戻るもの。

 

つまり、本来死ぬべきあの悪夢をしのぎ、長らく普通に暮らしていた期間があったためあの悪夢の場面より更に過去へと飛ばされたのであろう。

 

「てか、もしかして丁度私はこの辺りに来てたんだ」

 

 

つまり、無惨様は無造作に放り出したのでなくちゃんと元いた所に帰してくれてた?

 

ごめんなさい無惨様!!?(※2話)

 

 

 

 

さて、どうにか戻って?来たのですがここはあの召集からどれくらい前の話なのでしょうか?

 

幸い無惨様に解放されてここに来た日の日付はあのとき盗賊達に聞いているのであとは今がいつなのかさえ分ければ予想はできます。

 

そして、私が無惨様に呼ばれるその日こそが運命の日、私の命もそうですが志保さんの家が襲われる日のはずです。

 

 

ふと頭に不安が過る。無惨様のパワハラから生き残れるのかもそうだが、果たしてどこまで未来を変えられるのか。私は自分も顔をパァン!と叩くと気合いを入れて館へと入る。

 

やることは沢山ある。

 

 

 

 

「4日目ですか‥‥。いつになればその時はくるのでしょうか?」

 

改築が進む館の奥、私の書斎と決めた部屋で私はこれまでの作業の記録と今分かっている情報を整理する為にまとめていた。

「まずは館の改築は進行中‥‥土傀儡達に単純作業は任せてるから後で"最後の仕上げ"をしないとね。」

 

館の改築と平行して実はここから少し離れた岩山に秘密の牢獄とダミーの砦を作っている。

 

牢獄は食料の保管が目的で、砦は牢獄の警備兼ここの目眩ましです。

 

 

あの日、どういう訳かここの町に柱が表れていました。彼らが出てくると言うことは何か鬼絡みの事件や情報があったからに違いないです。

 

すると最有力なのは私ですよね。一応は十二鬼月ですしね。けれども転生してから私はあまり目立つ事をしていませんでした。なのに柱がいた。つまりは、私が理由でない可能性も否定はできません。

 

 

なので、私は唯一心当たりのある犯罪者の誘拐を初めました。もしこれが原因で私が突き止められるのであれば私のダミーの砦に鬼狩りか柱がやって来るはずです。まずはそれで様子見です。

 

 

町中にすでに虫やトカゲの形をした傀儡達が怪しい人影がないかを探っています。もしこのまま見当たらなければ直接町に行ってみたいと思っています。

 

 

「‥‥それにしても、あの盗賊達がいない。この町のならず者ってわけではないのでしょうか?」

 

 

 

 

 

 

日が暮れて夜になった辺りに私は町へと降りて行きました。顔はなるべく隠し、手には質素な器がいくつか入った篭を持っています。

 

 

少し前まで、正確には死ぬ前まではたまに来ていた道なのでこの夜の賑わいが少しだけ懐かしく思えます。

 

屋台が多く出ている所を彷徨いていると少し先の屋台からガッシャーンと大きな音が鳴り響きます。

 

 

「お客さん!大丈夫かい!?」

 

「お、おう‥すまないオヤジ、皿を割っちまった‥‥」

 

「それは気にしないが‥‥困ったな‥‥器がねぇと商売にならん。丁度今切らしてるしよ‥‥」

 

お?思った通りです。

 

「あの‥‥よければこちらを‥‥」

 

「うん?何だねぇちゃん?皿売りか?」

 

「はい、よろしければこちらの価格で‥‥」

 

私は指で価格を表示した。確か志保さんから聞いた相場よりかなり安くしたつもりですがどうでしょうか?

 

 

「おおっ!!そんなもんでいいんか?ならその篭の全部貰うぞ!」

 

「まいど~♪」

 

私は屋台の店主からお代を貰った。

 

 

「この辺りの屋台はお酒も出しているので酔ったお客様がたまに割るって聞きましたけど本当ですのね?」

 

この話も志保さんから聞いたのです。だから小遣い稼ぎ兼町の人との会話の糸口にと思ったのですが成功ですね。

 

 

「ああ、そうなんだよな。特に今日なんてうちが全部おじゃんでよ!だから助かったぞ」

 

店主のオヤジは私と話ながらも手を動かしている。

 

「今日だけでお店のお皿が全部?よくあることですか?」

 

「うんにゃ!こんなのそうそうねぇぞ。今日は何か変なのが数人来てよ、ソイツら、食ってる途中に誰かに呼ばれてよ慌てて行くんで落としやがったんだ。」

 

「ふーん?その変な人達ってどう変だったの?」

 

「刀を引っ提げてよ、黒い装束で背に滅って字を入れてる奴らだった。ありゃ政府の何かか?」

 

「さ、さあ?何者でしょうねその人たちは?」

 

間違いない。鬼狩り‥‥鬼殺隊の隊士だと思う。あれ?店主の話からするとあの柱の男ではなく普通の隊士、それも小隊規模の可能性がある。

 

「ほれ、あがれよ」

 

「え?熱っ!?」

 

店主のオヤジが私に熱々の蕎麦が入った器を渡してきました。

 

「ねぇちゃんのおかげで今日はまだ稼げるからよ。食ってくれよ」

 

「はぁ‥‥いただきます」

 

蕎麦は悪くなかった。ただ、鬼なので食べても空腹が満たされないのと予想外の事態に味を感じられなかったので空気を啜るようでした。

 

 

持ってきた物が全部売れたのでもう帰ることにした。オヤジにお礼を言って帰路につくと意識を傀儡達に向けてみた。

 

 

鬼狩り達の姿を確認することができた。そこそこの人数がいるみたいですね。そう言えば前にも志保さんを襲っていた鬼がいましたが、あれの為と言うわけではないですよね?

 

 

「私がここに来る前のこの町に‥‥一体何があったの?調べることが増えたかもです‥‥」

 

 

 

館のある町外れへと向かっている最中でした。館周辺を警備している傀儡からの何者かの集団がこの近くを進んでいることが分かりました。あれは‥‥鬼狩りの小隊?

 

 

まさか私の館へと向かっているのではと危機を感じましたが、どうやら違うみたいです。何やら大きなモノを運んでいるみたいです。何だろう?大きな布を被せられていて分からない。

 

う~ん、誰だろう?まぁ誰でも関わらない方がいい気がしますけど‥‥

 

 

運んでいるものとか気になりますし、万が一私の館が発見されても困りますので‥‥

 

 

「警備兵‥‥かかれ。」

 

私が呟くと小隊から少し離れた場所の地面が盛り上がり、やがて人の形となって現れた。それが何体も表れ、小隊を遠くから徐々に囲んでいく。

 

 

「一人は必ず殺さないでね。そう言えば‥‥情報伝達用の烏もいるかもだから‥‥」

 

私は袖から粘土を取り出した。その粘土に血鬼術を使うと粘土はたちまち夜鷹へと姿を変えていった。

 

「この辺りの烏は全て根絶やしにして」

 

それだけ言うと夜鷹は音もなく飛び去っていく。

 

 

「はぁ‥‥本当はこんなことやらなくていいならしたくないなぁ」

 

 

 

「や、やめっ‥ぐおっ!」

 

 

私が着いた頃には決着はついていました。鬼狩りの小隊は壊滅。警備の傀儡兵によってほとんど殺されており、どうにか息がある者もトドメを刺されていた。

 

「ひぃひぁああ!」

 

丁度最後の人が殺られようとしていました。

 

「あっ!こら!一人は必ず生かしてねって言ったでしょうが!!止めて!止めて!」

 

「‥‥‥」

 

警備兵は静かに動きを止めてこちらを向く。感情のない土人形なのに何か哀愁が漂うのは気のせいだろうか?

 

 

「な、何者だお前らは!なぜ、俺たちを襲う!」

 

「‥‥ごめんなさい、知っていることに答えてください。そうすれば苦しむことはないです」

 

「お、お前‥まさか‥‥誰に雇われた!!誰の差し金だ!」

 

「雇われた?差し金?何を言ってるの?」

 

「惚けるな!なら何故こんなことを!野盗ごときがこれほどの戦力を揃えられるはずが‥‥」

 

「ええっと‥‥理由なら‥」

 

私は顔を隠していた覆いを外しました。

 

 

「あなた方が鬼狩りで、私が鬼だから‥‥では理由になりませんか?」

 

「な、なん、だと‥‥」

 

何をこんなに驚いているかなこの人は‥‥

 

 

「や、やはりあの情報は正しかったのか‥‥お前!どこの奴らと手を組んでいるんだ!」

 

「はぁ?雇われたの次は手を組んだ?あの!言いたいことがさっぱり分からないのですが?それに聞きたいのはこっちの方で‥‥」

 

「惚けるな!お前ら鬼とこの町のどこかの商会が手を結んで何か企んでいるんだろ!!うぐっ‥‥」

 

 

ああっ!そんな怪我で叫ぶから!

 

いや、そんなことよりも、えっ?なにそれ、どういうことですか?鬼が人間と手を組んでいるってこと?

 

なるほど‥‥それで柱が‥‥

 

 

 

「本当はもっと聞きたいのですが、これ以上人が苦しむ様は見たくないです‥‥やって」

 

「‥‥‥」

 

バシッ!ビシャ

 

 

この町‥‥たまたまなのかは知りませんけど何やら思ってた以上に何かありそうですね。これは本気で調べないとね。まぁその前に‥

 

 

「死体を回収して館へ!あっ!隊服は捨てないで集めておいてね~」

 

「‥‥‥」ぺこり

 

傀儡達は了解と合図すると一斉に動きはじめました。

 

 

「さてと、あとはこの人達が運んでいたこれですが?」

 

 

まぁ‥‥何となくと言いますか、気配でもう中身はわかりますがね。しかし、だとしたら厄介なモノを運んでくれたなと恨みたくなりますね。その人達はもう死んでますけど‥‥

 

 

「‥‥はぁ。開けて見ますか。」

 

 

 

 

 

 

 

どうして、こうなったのだろう。あの日からずっと思い続けている問です。

 

 

ことの発端は村で体の異常を起こした人が出たことが始まりでした。一人ではなく複数人同じ様に苦しむ人が出たことから病ではないかと思っていました。

 

村には医者はおらず原因不明のまま彼らを介抱していた時です。ある男が突然介抱していた女性を噛み殺したのです。それからあっという間に、村は人を襲う者と襲われる者に別れる地獄の様な有り様になりました。

 

程なくして私も謎の苦しみに襲われ体の変化を感じとりました。体が熱く、そしてとてつもない飢餓感に苛まれました。

 

 

私も他の人同様に人を襲いたくて、食べたくて堪りませんでした。しかし、それ以上にそれを行うことが恐くて私は飢餓を押さえながらひたすら誰かが誰かを殺す惨状を隠れて聞いていました。

 

そんな地獄に彼らはまるで見計らったかのようにやって来ました。警察とも兵隊とも似つかない武装した集団でした。彼らは村人を斬殺していきました。

 

 

辛うじて生き残ったのは私のように抵抗しなかったわずかな生き残りだけでした。

 

「隊長!生き残りはこれだけです!」

 

「生き残りだ?馬鹿者!コイツらはもう手遅れではないか!」

 

「は、はい。それにしても、ここまで大規模な鬼化が起きるとは‥‥」

 

「うむ、この辺りに奴が何か隠しているとの情報で来て見ればこの様だ。」

 

「では、この村は‥‥我々から目を反らす為の?」

 

「だろうな、そしてそのせいでここに助けに来るか判断が遅くなってしまったとは‥‥不甲斐ない」

 

「それで?この生き‥鬼どもはどうしますか?」

 

「醜い鬼とは言え、元は無実の村人達だ。そのまま殺すのは忍びない。せめて、意味のある死を‥‥人の為に、我らの為に役に立って死んだ方が良いだろう」

 

「はっ!では山送りにします!」

 

 

 

男達の話を私は黙って聞いていた。そしてそのまま手足を鎖に繋がれて檻に閉じ込められても私は黙っていました。

 

 

状況が整理出来ずにいました。どうしてこうなったと問続けました。いや、本当に聞きたかったのはそうではありませんね。本当はどうして助けてくれなかったと男達に聞きたかったのかもしれません。

 

 

何か理由を知っていた。近くにいたにも関わらず来てくれず結果村人は誰も助からなかった。何もしなかった私が言えた道理ではありません。ですがなぜすぐに来てくれなかったのか?

 

そして、何故私達がこんなに目に会わなければいけないのですか?私は何も知らないし何もしていない。おそらく生き残った他の人もそうです。

 

それなのに私達は鬼と言われこの様に捕まり、意味のある死などと言われて彼らにいいように使われようとしている。

 

何故です?何故私達が罪人のような扱いを?どうして私達を助けてくれないの?せめて、どうしてあの場で殺してくれなかったのです?

 

何も分からない不明や恐怖、そして男達からの理不尽な死の宣告で私の中は怒りで一杯でした。

 

でも、もう‥いいです。このまま生きたってもう何もないですし、どうせ考えたって無駄に終わるだろうから。疲労や飢餓でろくな思考もできなくなってきました。

 

 

光の無い暗い闇の中、鎖に繋がれ考える事や意識を放棄していた私は外の異変に気付いた。

 

金属音や悲鳴、まるで戦っているかのような‥‥

 

 

しばらくして音が止むと今度はこの檻の回りの壁に何か音がする。外から開けようとしているのだろうか?

 

 

誰が、何の為に?

 

ああ、目的地についたから処刑通告?

 

半分は怯え、もう半分は諦めた心で虚ろに目を開いた。

 

 

 

 

壁が壊され、気付くと檻までもが破壊されていた。そしてじっと私を見つめるのは着物姿の綺麗な女性。

 

 

その人からは私と同じ雰囲気を感じました。そして、その目は悲しんでいるような怒っているような気がしました。

 

 

「もう‥‥大丈夫だよ‥‥」

 

彼女はそっと私を抱き締めてくれました。そこからの私の記憶はありませんでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「気を失ったかな?それにしても、鬼だからってこんな少女を鎖までして拘束するなんて何て酷い人達なの?」

 

私は少女の手足の拘束を取ると彼女を優しく抱き抱えました。少し悩みましたが私はそのまま彼女を連れて館へと帰りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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