Welcome!! to the fog of world... 作:Rat man
ジェイクは先程出くわした殺人ロボット"Freddy"の追跡を撒くために、取り敢えず廊下を突っ
走って撒けそうな場所を探しながら逃走することにした。あらゆる部屋を通過しながら窓を飛び
越えたりパレットを倒して何とか隠れる隙を作ろうとした。だが、あろうことかFreddyは素手で
窓枠やパレットを粉砕しながら勢いを止めずに追跡を続けている。決して視界に捉えた逃走者を
逃がさないようにする為に。
ジェイク「(障害物を気にせず破壊して追いかけまわすなんて無茶苦茶じゃねーか!しかも徐々に
俺との距離が縮んでいる状況だ。メグのようにそう長く走れるわけでもないし、いずれ
にしろ捕まるのは時間の問題だ。・・・兎に角、奴の隙をつかなきゃならない。どうす
ればいい?考えろ、考えるんだ!)」
手段がないかあれこれ模索していく内にFreddyとの距離が僅かとなった。その差約1メートルで
あり、いつ捕縛されてもおかしくない状況に陥った。もう駄目かとジェイクが諦めようとした時、
目の前にパレットが一枚壁に横たわっているのが見えた。これ幸いと思い、立てかけてあるパレッ
トを殺人ロボットに向けて叩き付けるように倒していく。目の前まで接近されたこともあり、避け
る暇がなかったので見事に直撃した。さらに打ち所が悪かったのか、一時的にだが動きを止める事
に成功する。最大の好機であると思ったジェイクはFreddyが怯んでいる隙に残りある体力を振り
絞って、警備員室まで直進した。
ジェイク「はぁ・・はぁ・・ふぅ。(取り敢えず奴の視界から外れる事には成功した。だが完全に
追跡から撒けたとは思えない。奴の執拗な追跡能力は侮れん。今のうちに隠れる所を探
さないと・・・)」
何処か隠れる場所がないか懸命に探したり考えたりしたが中々いい場所が見つからない。こんな
ことに時間を掛けてはいずれ見つかって再び逃走する羽目になる。そうなったら今度は逃げ切れる
保証がないので必死に考える。すると、ある考えがジェイクの脳裏によぎった。それは皆が警備員
室に集合して情報交換をした時である。
・・・・・・・・・・・・・・・
ドワイト「そういえばさ」
ジェイク「何だ?」
ドワイト「あの兎型の機械人形の他に別の機械人形がいるんだよね。少なくとも2~3体この儀式場
に徘徊しててさ。兎型だけじゃなく彼らと対峙した時の対策も必要だよね」
メグ「そうよ。私はあの狐型の機械人形に襲われて変な被り物を装着されたし。二度とあんな経験
するのは御免よ。というか第一、あいつらどっから湧いてきたっていうのよ?」
ジェイク「・・・分からねぇな。今までの儀式は殺人鬼一人で襲撃してきたんだが、今回は複数体
で襲ってきているからな。こんな経験は初めてだ。一体どうすればいいのか・・・」
ヘンリー「・・・一応、心当たりはある」
ドワイト・メグ・ジェイク「??」
ヘンリー「他の機械人形の出現条件とそれらの対策についてだ。まぁ、私の憶測にすぎないがな」
ジェイク「憶測でもいい。奴らと対抗するための手段は多くあった方が良いからな」
ヘンリー「そうか・・分かった。説明は手短に済まそう。無駄な時間は取れないからな。まず彼ら
の出現条件だが恐らく"発電機の修理完了に合わせて動作を開始する"のだと思う。覚え
ているか?ドワイト、ジェイク。私たち三人が海賊の入り江で発電機の修理を終えた時
に開かれたカーテンステージの出来事を」
ドワイト「えぇっと、確かそうですね。ですがあのステージの中には木箱しかなかったじゃないで
すか。他に変わったところは特になかったはずです」
ヘンリー「うむ、そうだ。私も一度はそう思った。だが、ステージの中をよく観察するとある不審
な点が見つかったんだよ」
ジェイク「何が見つかったんだ?」
ヘンリー「あの木箱を設置する面積とステージ全体の床面積の差が広いんだよ。少なくとももう一
つ何かしらのものが置けた状態だ。それに付近には不自然な位置で電線コードが落ちて
いたのさ。そのコードの元をたどってみたら、修理した発電機と繋がっていた。」
ジェイク「・・・つまり?」
ヘンリー「あのカーテンの中には木箱だけではなく、停止している機械人形が設置されていたって
事だ。此処にいたのは恐らくMangleだろう。我々が発電機を修理し終えた瞬間、電力
が供給されて行動を開始したのさ」
ドワイト「・・そんな。この儀式から脱出するために発電機を直しているのに、それがかえって僕
たちの首を絞め上げる結果に・・・」
メグ「脱出に近づくほど脱出難易度を自ら上げるなんて、とんだクソゲーね。嫌になるわ」
ジェイク「・・・今三台の発電機が直ったから機械人形が合わせて三体追加されたって事か。それ
にあと二台の発電機を直す必要があるから、通電した頃には五体に増えてあの兎型と合
わせれば合計六体。・・・普通の立ち回りで脱出するのは不可能だな」
メグ「それにヘンリーが言うには、襲撃してくる他に私達の居場所を知らせる奴もいるんでしょ。
そいつらに見つからず、あの兎野郎の襲撃を回避してかつ発電機を修理しろって?無理に決
まっているでしょ!どうすんのよ!?」
ヘンリー「メグ、声を荒げずに落ち着きなさい。その為の対策があると言っただろう」
メグ「あ、そうよ!・・・で?いったいどうすれば奴らの襲撃を躱せるのよ?」
ヘンリー「そうだな。まずは見つかる前に隠れられる場所を予め見つけておいて接近してきたらそ
こに隠れてやり過ごす事だ。幸い、彼らが接近する際に発する金属音がはっきり聞こえ
てくるから危機の察知はしやすい。取り敢えず此方の姿さえ見えなければあっさり去っ
てくれる。まぁ、中には去る振りをして獲物が出てきた瞬間狙い打つ輩もいるがな」
メグ「・・・そん時はどうすればいいの?」
ヘンリー「逃げれるチャンスがあれば、ひたすら全力疾走で追跡を撒くか諦めて捕まるしかない
な。次に此方の居場所をばらしてくる機械人形Balloon Boyについてだ。彼は対象者
を見つけ出した瞬間甲高い笑い声を発するから、それを聞いたら兎に角距離を離す事
だな。一定の範囲を超えれば探知される心配はない」
ジェイク「成程な。だが爺さん、幾ら隠れることに徹してもいずれは見つかるんだろ?他の皆も見
つからずに発電機を修理できるとは思えないんだ。数が増えるほど鉢合わせる頻度が多
くなるからな。そういう時はどうすればいい?」
ヘンリー「そうだな。誰かが囮役として複数の機械人形を引き連れている間に、全力で発電機の修
理を進めるっていうのがある」
ドワイト「う・・、でもその作戦は」
ジェイク「そうだ。これはリスクが高すぎる。奴らを引き連れても、兎の機械人形が修理している
人を執拗に襲撃する回数が増えるだけだ。特に複数の発電機が近くに設置されていた
ら、もうそこから離れなくても容易に監視が出来る。修理妨害を幾らでも出来るから比
較的安全な修理は不可能だ」
メグ「第一、囮役の人をみんなで追いかけること自体あり得ないじゃない。あいつら、頭よさそう
だから追うふりをして、のこのこ修理に戻ってきた人を刈り取る気よ」
ヘンリー「・・・それじゃあ残された手段は、兎の機械人形を別の場所に引き連れて他の機械人形
達を欺きながら修理するしかないな。もし、兎の方が発電機方向に向かったならば修理
している人が次の囮役をかって、先程囮をしていた人が修理をして発電機を直しきる。
兎は私たち全員を追跡するのは不可能だから数の暴力で押し切ればいい」
ジェイク「強引に・・・どうやって他の機械人形を欺くんだ?そんなことが出来るのか?」
ヘンリー「方法がある」
そう言ってヘンリーは警備員室に設置されているデスクの元に歩み、その上に置かれているモノ
を取り上げる。それは何かとドワイトに聞かれて彼は答える。
ヘンリー「これは"FreddyMask"というFreddyの頭部を着ぐるみにしたものだ。丁度私とメグが
取り付けられている被り物から内部部品を全て取り出した状態、と言えば分かりやすい
かな?こいつを被っている間、殆どの機械人形は被っている人間をFreddyと誤認して
見逃されるようにする代物だ。こいつを被りながら発電機の修理をしてもらう」
ジェイク「どういう仕組みで見逃されるんだ?被るだけで仲間と認識されるって途端にあいつらポ
ンコツになってんじゃねーか」
ヘンリー「・・それは後で説明しよう。兎に角、これからの行動は発電機を修理する時に細心の注
意を払い、金属音が接近したなら急いでマスクを被ってやり過ごし、兎の機械人形に見
つかったら全力で追跡から逃れるようにする。これらを心掛けるように」
ドワイト「分かりました」
メグ「OK」
ジェイク「了解」
・・・・・・・・・・・・・
ジェイク「(そうだ!マスクだ!確かデスクの上にある筈だ・・)」
Freddyの追跡から逃れるために考えを模索している最中、浮かんだ案が作戦会議の時に見せら
れたFreddyMaskを被ってやり過ごす事である。ジェイクは一直線にデスクに向かい、置かれてい
るマスクを乱暴に掴んで頭から被り、デスク下に潜り込んでいった。荒く吐いている息を整えよう
と深呼吸していると、大きな金属音が警備員室まで響き渡ってきた。
ジェイク「(・・奴が来たか!)」
気配を気付かれないよう身を縮こませて息を殺しているジェイクをよそに、Freddyは先程逃が
した獲物を見つけるために血走った眼球で警備員室を隈なく散策し始めた。ダクト内・積まれてい
るブラウン管テレビの裏側・廊下の死角となる場所、・・・いずれもその場所には隠れていなかっ
た。残されている隠れ場所はと辺りを見渡すと、ぽつんと置かれているデスクに視界が入った。
Freddyはゆっくりデスクに向かって歩きだし、到着するとデスクの下を勢いよく覗き込んだ。
ジェイク「(・・っう!!)」
彼の心拍が一気に跳ね上がり恐怖と緊張が頭の中で支配されてきた。身一つ動かせない状態の
ジェイクをFreddyは食い気味に覗き込んだ。
"・・・ウゥ・・・ウゥ・・・ッフゥ・・・"
駄々洩れるFreddyの荒息を肌で感じ取るジェイクは、恐怖の絶頂に立っていた。バレているの
ではないか?仲間と誤認しているのか?血走った眼球から視線を外せずそう考えていること数十秒
が経過した。その時、不意にFreddyがこちらを覗き込むのを止めて顔を上げる動作をした後、ま
たゆっくりと歩く動作を始めて警備員室を立ち去っていった。立ち去った後、ジェイクは慎重にデ
スクから這い出して辺りを見渡していく。
ジェイク「(助かった?本当に俺を仲間として認識したのか?・・・あぁ、助かったんだ。)」
永遠と言えるような恐怖の時間は一時的ではあるが終わりを迎えた。一か八か掛けた勝負に勝利
し安堵する彼であった。だが、儀式はまだ終わっていない。この先どうなるかは彼らの行動次第で
大きく左右されることになる。そういった意味では今は安堵するべき状況ではないと感じたジェイ
クは最後の発電機を直す為に急いで行動することにした。
FreddyMask
Springtrapが儀式内に参戦した時のみ出現するモノ。儀式内に徘徊している殆どの機械人形を欺くことが出来る効果を持つ。ただし、一部の機械人形には被っても効果がない場合がある。また、既に見つかった状態で被っても効果がない。