Welcome!! to the fog of world...   作:Rat man

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"誰も此処から逃れられない"


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archive 自信を持てないリーダー

 

File 022

 

自分が嫌い。何時からそう思ったのだろう?

 

特別な個性も、賢い思考も、皆を率いる力もない自分に嫌気がさしたのだろうか?

 

小さい頃からそうだった。"物事に対して取り組むのが遅い!"と、毎日親や周りの大人に叱られて

 

同い年の子たちには"ノロマだね(笑)"って馬鹿にされてきた。悔しい思いをしながらも何も言い

 

返せない自分を何とか変えたい。そう一心に思って熱心に勉強や習い事をしてきたんだ。

 

だけど、年月が経っても僕の才能が伸びたことも、運動神経が良くなったこともない。

 

唯一変わったといえば、体が大きく成長した・・・それだけだ。同い年の同級生に馬鹿にされ、

 

部活も皆からハブられ、顧問にすら相手にされず憂鬱な気分で学校生活を送ってきた。楽しい

 

思い出?あるわけがない。何も成長しないまま大人になって、就職活動を始めた。悪戦苦闘

 

しながらも奇跡的に、広告関連の仕事に就職出来たのは本当に嬉しかった。

 

こんな出来そこのない人間を雇ってくれる善良な会社だってね。・・まぁ、その思想も直ぐに

 

崩れ去ったけど。そこの会社は実現不可能な仕事のノルマを、平然と社員に押し付けていき、

 

達成できなければ上司に恫喝される上に、給与も与えないという所謂ブラック企業だったんだ。

 

僕を雇ったのは単なる人手不足。前の社員が鬱になって退職したその埋め合わせ。当然だけど

 

社内の人間関係が悪化していき、その中で一番成績が低い僕は社員の皆に嫌われていた。挙句に

 

社長から変なあだ名をつけられて毎日いじめられていた。

 

"こんな嫌な思いをしてまで仕事をしたいのか?"脳裏にこんな言葉が浮かぶ。

 

ここをやめたところで、他の職に就けるとは思えない。そうやって自分に言い訳を聞かせる。

 

・・・結局、苦難に直面した時に逃げてばかりでいる自分に何時しか嫌気がさしたのだろう。

 

そして、これからの人生も憂鬱な思いをしながらノロノロと、歩んでいくのだろう・・。

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 「・・・さん、・・いさん!、お爺さん!!、しっかりして!!」

 

 突然の事だ。霧が立ち込めるこの森の中で、大きなものが倒れる音がしたかと思えば、

 

 年老いたご老人が態勢を崩したままうつ伏せに倒れこんでいたのだ。いきなりの事で頭が

 

 混乱したが、僕は急いで近づき大声を出しながら身元の安否を確認した。

 

 ???「大丈夫ですか!?僕の声が聞こえますか!?・・・どうやら意識はあるみたいだ。」

 

 最初は既に息絶えてしまったのか?そう嫌な考えが浮かんだが顔を近づけてみると、呼吸音が

 

 しっかりと聞こえてきたので恐らく身体の疲労で倒れこんだのだろう。

 

 ???「・・今は無理に起こさず、安定した態勢で寝かせる必要があるみたいだね。」

 

 すみません。っと一言謝ってからご老人の体をゆっくりと仰向けにして寝る姿勢に直した。

 

 ???「おい、何があった?随分と騒がしいぞ。"ドワイト" 」

 

 騒ぎで駆け付けてたのか、森の奥から声の主である若い青年"ジェイク"の姿が現れた。

 

 ドワイト「あっ、ジェイク。それが大変なんだよ!お爺さんが・・」

 

 ジェイク「爺さん?一体何の・・・!!」

 

 騒ぎの事情を聴きに来たジェイクは、眼鏡をかけたサラリーマン風貌のドワイトの足元に

 

 横わたっている老人を見て一度立ち止まり、少し考え事をしてから改めて口を開いた。

 

 ジェイク「その人の容態は?」

 

 ドワイト「身体に大きな怪我はないよ。疲労による昏睡、暫く休ませれば目を覚ますよ。」

 

 ジェイク「そうか。何時この場所にやってきた?」

 

 ドワイト「ついさっき。君が枯れた枝を探している最中に。」

 

 ジェイク「・・・。この人に見覚えは?」

 

 ドワイト「?? いや、此処で初めて出会ったけど?」

 

 ジェイク「・・そうか。分かった」

 

 幾つかの質問をドワイトに投げかけて、応答が終われば "目を覚ましたら俺を呼べ。"と言った

 

 のち、彼は焚火のそばで静かに寝息をたてて就寝した。

 

 ドワイト「あぁ、寝ちゃった。まぁ仕方ないよね。こんな遅い時間まで起きていたなら。

 

      僕も寝るか、疲れてきちゃったし。・・それに」

 

 "この森で夜が明けることなんてないけどね。"

 

 そう思ってドワイトも就寝に就いた。

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