拳銃を構えた女性はスカイアイに気づかれることなく接近していた。
「貴女たちの所属は?」
「我々は001統合戦闘航空団。私は管制官のスカイアイだ。君は?」
「私は国連空軍リッジバックス隊二番機のTACネームEDGEです」
「エッジ? お前ナガセか!?」
「! なぜ私の名を?」
「俺はアンタレスだ。マーティネズ・セキュリティー社のアンタレス。覚えてないのか? お前の一番機の」
「記憶にありませんね。アンタレスといえば、あのゴールデンアクス計画阻止の?」
「おうよ! このエンブレム見たらわかるだろ?」
ナガセはアンタレスの左腕につけられた部隊章を確認する。赤蠍のエンブレムは確かにアンタレス隊のものだ。
「その発言に嘘はなさそうですね。信じましょう」
「あー、よかった。心臓が縮むかと思ったぜ」
「見ているこちらがヒヤヒヤしたぞ」
「いや、後頭部に拳銃押し当てられた俺の方がヒヤヒヤしたから」
13がどやしつける。彼女もかつて占領地で出会ったハーモニカの少年に銃を向けられており、あの時の記憶が少し蘇った。あの時は照準が逸れて腕を掠らせただけで済んだのだった。
「まあいい。一応仲間だと分かったんだろう? ならとりあえず我々の基地に来るといい」
「感謝します」
PJ、チョッパーを連れてナガセは空母を降りる。その先にはブレイズとガルム隊の二人が待っていた。
「チョッパー、ナガセ!」
「よおブービー! えらく可愛らしくなったじゃねえか!」
感極まったブレイズとチョッパーが抱擁しあうが、ナガセはその輪に入らない。
「ナガセ?」
「貴女も私を知ってるのですね」
「知ってるも何もナガセは私たちラーズグリーズ隊の二番機じゃないですか」
「ラーズグリーズ?」
やはりこのナガセは自分たちの知るナガセではないのだろう。メビウスやスカイアイによれば旅客機の副操縦士で、nemoとレナによればテロ組織ウロボロスの構成員、ブレイズとチョッパーはオーシア空軍のウォードッグ隊及びラーズグリーズ隊の二番機。スカーフェイスは自らの三番機だと言い、ビショップは航空自衛隊員であり、まだマーティネズ・セキュリティー社に入社していなかった頃のナガセ。自分が知っているのは元航空自衛隊員でアンタレス隊の二番機にいたことだ。ユージア、オーシア、ISAF、ウロボロス、マーティネズ・セキュリティー社、航空自衛隊。どうやら彼女は世界や時系列を無視して存在しているのかもしれない。
一方、PJとガルム隊の二人も再会を祝っていた。
「サイファー、ピクシー! 久しぶりっす!」
「久しぶりだな。小僧」
「............」
こちらは少し静かに。だが、この直後に大騒ぎと化す。PJがサイファーの胸を揉みしだいたのだ。
「これ本物っすよね? 大きさといい弾力といい、......完璧っす!」
「............っ!!」
「のはあっ!?」
真っ赤になったサイファーがPJに渾身の右ストレートをぶちかました。大きく宙を舞ったPJは後ろで話していたチョッパーとブレイズに直撃。そこでよろめいた二人がメビウスとビショップに、さらにグリフィスとアンタレス、ナガセとタリズマンへとドミノ倒し式に全員が倒れて行く。
「いってえ!!」
「な!?」
「むぎゃ!?」
「小僧、お前、相棒になにしてやがる?」
「ご、誤解っすよピクシー!?」
「とりあえず表出ろ」
「うぎゃあ!? 助けてくれー......」
ピクシーがPJを連れて出て行く。その後、帰ってきたピクシーは血の匂いがした。
そろそろスレイマニサイドのお話も書きたいなあ。けど多分また遅くなる......