赤蠍と人狼と空飛ぶ少女   作:雪見雪乃

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マーティネズ・セキュリティー社所属M42飛行中隊

ブリタニア 501統合戦闘航空団基地

 

デスクの上の写真付き資料をミーナはため息をつきながら見つめていた。これ以上問題は起こってほしくなかったが、摩訶不思議な現象はまだ続いていた。

最初に気付いたのは夜間哨戒に出ていたサーニャだ。滑走路が異様なレベルで長くなっていたのだ。おそらく1500mはあるだろう。そして明け方に突如現れたやたらと設備の整った巨大な航空機用格納庫。これがアンタレスが漏らしていた「神」とやらの力なのだろうか。

 

「そして扶桑から派遣されてくるこの4機、ね」

 

おそらく一番巨大な格納庫はこの輸送機のような機体を入れるのだろう。他の格納庫も大きいが、一つだけが極めて大きかった。

そして最大の問題は昨日が到着予定の筈だったのに、未だに到着せず、予備機体とオラーシャ、扶桑、ブリタニアの言葉で書かれたコンテナと、10人の整備員が扶桑から二式大艇に乗せられて先に届けられていた。どうやらやることもないらしく、手持ち無沙汰そうにしていたのでコンテナの中にある予備機体を組み立てさせた。出来上がった機体はオラーシャではなくソビエト連邦のYak-9、扶桑ではなく大日本帝国の五式戦闘機という試験機体、リベリオンではなく、アメリカ合衆国のP-51。五式戦闘機はカールスラントのFw-190をモデルとしているらしく、確かに扶桑機とは何かが違っていた。スペックなどは機密と言われて教えてもらえなかったが、おそらくゼロと同じか、それ以上だろう。

 

「それにしても、何をしているのかしら?」

 

そう呟いたその時、普通なら絶対に聞くことのない轟音が聞こえてきた。

 

3機の巨大なジェット戦闘機が綺麗にタッチダウンする。隊長機と思われる先頭の機体はアンタレスのストライカーユニットによく似た形状をしている。もう2機の機体はとてもよく似た形をしているが、よく見ればすこしちがう。アンタレスの乗っていた機体やスレイマニの乗っていたイカのような機体とも違う、鋭角的なフォルムをしている。

トーイングカーを格納庫から引っ張り出してきた整備員たちが素早く主脚に連結し、各々の格納庫へと牽引していく。一分の迷いもない動きだ。

そして、最後の1機が着陸する。50mはあるだろうか。とても巨大で垂直尾翼の手前に黒と白の円盤状のものがついていてくるくると回っている。空気抵抗の影響を受けそうだが、大丈夫なのだろうかと思いたくなるほど大きいが、あれはレーダーなのだという。

広い滑走路があの機体が来ただけで狭く感じる。大型ネウロイ一体分くらいはありそうだ。滑走路をタキシングしたところでぞろぞろと乗員が出てくる。33人の大所帯だ。整備員の一人が全員いることを確認し、還暦手前の男に報告する。

 

「全員揃いました」

「ご苦労。あー、当基地の司令官は?」

「私です」

「私はフレドリック・バーフォード。扶桑皇国から正式に派遣されてきたマーティネズ・セキュリティー社M42飛行中隊司令官だ。これが任命書になる。そして、こいつらが」

「M42飛行中隊第3飛行小隊のアルタイル1だ。TACネームはシャドウ。よろしくな」

「同じくアルタイル1の後席担当、フォレストです。よろしくお願いします」

「アルタイル2のスノウだよ!よろしくね!」

「アルタイル3、フェアリよ。よろしく」

パイロットの4人はまだ20代だろうか。やけに若く感じられるが、雰囲気は戦い慣れした戦士そのものだ。男性のシャドウとバーフォードはともかく、子供っぽい見た目のスノウとヤマトナデシコと形容できそうなフォレスト、妖精というよりサキュバス、といった雰囲気のフェアリは女性だが、見た目からもわかるようにズボンがこの世界のものではなく、ウィッチではないらしい。

 

「ストライクウィッチーズにようこそ、私は司令官のミーナです。アルタイル隊のみなさん。歓迎します」

 

バーフォードがため息をついている。その隣でスノウがシャドウになにかコソコソはなしている。

 

(やったね、シャドウ。女の子だらけ! しかもパンツ見放題だよ!)

(お前は脱がないのか?)

(シャドウのバカ! もう!)

(あら? 私は別に脱いでもいいわよ? 別に減るものでもないし)

(どうしてフェアリもフォレストも女としての自覚がないの!?)

 

話が進まない。いじられたスノウが涙目になるころを見計らって、話を進める。

 

「とにかく、これからあなたたちは私たちと同様の生活をしていただきます。お客としては扱いませんが、よろしいですね?」

「「「「「了解」」」」」

 

傭兵と聞いていたが、敬礼する姿は様になっていた。おそらく以前は正規軍にいたのだろう。とりあえず今日は休んでもらうことにして、明日から色々とやってもらうことになるだろう。




アルタイル隊はSu-47、T-50、F-22を使います。電子戦機が欲しいなー、と思い、E/A-18Gを使おうと思ったのですが、なんとなくロマンを求めて、どこかで見た資料を簡単にパクってSu-47を複座にしてみました。どうですかね?
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