俺は『オーバーロード 』の世界では俗に言う転生者だった。前世では西暦1986年生まれで、割と要領の良いタイプの人間だったお陰か、何でもそつなくこなし程よい善行もして来た。
だがしかし前世では43歳と割と早くに癌で人生の幕を閉じることとなり。気が付くと宇宙の様な空間に居た…
目の前には野球ボールの様な眩い球体が現れると、俺に転生しないかと話し掛けられトントン拍子に転生する事が決まった。
転生特典として俺はある能力を授かる…
ユグドラシル(YGGDRASIL)
西暦2126年に日本のメーカーが発売したDMMORPG。
種族は数百種を揃え、職業は二千を超えつつも自由に取得可能、個人の技量を持って自由にカスタマイズできる外装、北欧神話を下敷きにした九つの広大なマップなど、同種のゲームと比較しても圧倒的な自由度の高さを持ち、国内最高峰といえる爆発的な人気を博した。
俺が丁度23歳の時発売が開始し、中流階級の家庭に生まれた俺はかなり恵まれた環境化でユグドラシルを始める事が出来たのだ。
アバター名【カルナ】
性別:両性
種族:精霊
※見た目はfateのカルナで髪が長い細身の女性だが鎧全てが金色は恥ずかしいと思いドス黒い赤の鎧を身に纏っている。
戦闘スタイルは槍を主武装に近距離を主にし、魔力は100年以上前のアニメfateの様に特殊な魔法以外は【施しの英雄】に因んで回復系か支援を少々と言うガッツリ系肉弾戦特化ビルドにした。
当時の俺は『オーバーロード 』が始まる事を見越して、貯金をしたり槍捌きを磨く為に自室で棒を使ってトレーニングを行って過ごして居たりした。
実際にユグドラシルが予約開始すると、予約特典目的も含め徹夜で販売元のホームページ更新を待った…
ユグドラシルで俺はいくつかの目的を元に我武者羅にゲームを行っていた。始めの3年はキャラのレベリングを主にし、4年目には『アインズ・ウール・ゴウン』の立ち上げにも参加した。
気付けばDQNギルドの『遊撃核兵器』などと言う二つ名で呼ばれ、アインズ・ウール・ゴウンではたっち・みーさんと俺は戦闘面でかなり重宝された。
遂に12年のユグドラシルが終わりまで1ヶ月となり、街中ではアイテムや武具が安売りされて居る為、俺は手当たり次第に買い漁り課金で無限拡張した『無限の背嚢』に詰め込んだ。
現実では現金にてユグドラシルの世界級アイテムがオークションされて居るので、それらを全盛期だった時は考えられない格安で買い集めもした。
自キャラの設定文は、転移後に優位になる様に隅々までタブラさんを超える程設定して居る。
「後…5分だな」
モモンガさんは玉座で最後を迎える様だが、俺は9階層の自室で最後を迎えていた。自室を課金で改造してるのは恐らくナザリックでは俺だけだろうな…
おおよそ、一般家庭の一軒家分の広さが42名のギルドメンバーには宛てがわれて居るのだが、俺の部屋は特殊な設定がされたもう一室が併設されている。
その部屋にはギルドメンバーも入室出来ず、転移不可の設定に現代科学のあらゆる物がファンタジー要素で無理矢理再現され、3Dプリンターによるアイテムコピー機(ユグドラシル時代は只の設定文)や現代知識の詰まったパソコン、42個のワールドアイテム保管庫…
そこにはギルドメンバーが知らない精霊が漂い、不思議な空間が存在しており、主人である俺のみが転移可能な別空間設定してある。
10…
9…
8…
3…
2…
1…
0…
「初めまして、新たな生よ」
俺は爆発的に感じる自分と言う強者の存在感を噛み締めて居ると、急にメッセージが飛んで来た。当然誰か何て確認するまでも無くモモンガさんだ…
『カルナさん⁉︎ 居ますか?」
『ええ…自室です』
『いっ今から行って良いですか?』
『分かりました…5分後にお願いします』
俺はこの部屋からギルドに預けて大丈夫そうな世界級アイテム1つを手に持ち、完全装備で居室に移動した。
居室兼寝室の部屋は和と洋が両立させたモダンな部屋にしてあり、俺は8畳程の年中桜が見える内庭がある畳に座って待っていた。ノックが聞こえたのでメイドに目配せをすると、扉を開きモモンガさんを案内させた。
「こちらにカルナ様がおられます」
「ご苦労…カルナさんと大事な話をするからお前は下がって良い」
「畏まりました」
「カルナさん⁉︎異常事態ですよ。NPC達には表情があるしアルベドに脈が存在するんですよ⁉︎」
「まあ落ち着いて下さい。私も薄々気付いてますよ…自分自身の存在感だったり、一応両性設定なのでCカップしか無いですが触っても垢バンされないですから」
「カルナさんが居てくれただけ凄く安心ですが、ゲームの世界に入ってしまったか我々ナザリックがどこかに転移させられたか…一応セバスに周囲1キロをプレアデス1名を随伴させて探らせてます」
「流石モモンガさんは動きが速いですね。私自身はまだアイテムストレージの確認と所持品確認だけでした」
「えっ⁉︎ストレージが出せるんですか?」
「ええ…コンソールが出せませんから、イメージして探る様にするだけでストレージの内容や取り出しが出来るみたいですね」
「…うおっ⁉︎本当ですね。あっこれから6階層でスキルなどの確認とかした後、1時間後に階層守護者達を集めて一応彼等が我々に反意が無いかの確認をしようかと思ってます」
「では私もお付き合いしましょう」
「それで…さっきから気になってたんですがそれって」
「そうですね。終了という事で街中のユーザー露天にて格安で売られてた
俺はこれで歴史を変えたかも知れないが、結果的に八欲王と呼ばれるプレイヤーはどちらにしても自滅するだろうと読み、ナザリックのユグドラシル金貨の消費を減らす為、シャルティアの精神支配を回避する事にした。
「すっ凄いですね⁉︎流石カルナさん」
「後これをモモンガさんに差し上げます」
俺はストレージからある指輪を取り出しモモンガさんに手渡す。【人化の指輪】読んで字の如く、人間に外装データが変わり飲食可能・睡眠欲・性欲など人間が当たり前に持ち得る物が得られる指輪だ。
デメリットは種族レベルが人間種には無い為、アンデットであるモモンガは種族レベルがLv40あるので装着時はLv60程のステータスになるのだ。
「これ⁉︎貰って良いんですか?」
「ええ。私は元々食事は出来ますし、しようと思えば子孫を残す事も可能ですが、モモンガさんは折角ですから一緒に食事が出来たらと思いまして」
本音はアルベドの嫉妬が怖い為、是非頑張って欲しいからだがそんな事は伝えられる訳も無いので建前を一応述べておく。モモンガさんの目がキラキラしてる気がするが気付かないふりをする。
「あっそうだ。そろそろ闘技場に向かいましょうか」
「そうですね」
我々はリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを使い6階層まで転移する。ナザリック地下大墳墓の外には綺麗な夜空があるのだろうがここの夜空も充分綺麗だ。
モモンガさんが先導する様に前を歩いて居ると、貴賓席の上からアウラが飛び降りこちらに向かって来ている。アニメ同様マーレがモタモタしている姿を見ると本編通りでホッとする。
「ブイッ⁉︎」
アウラは到着すると、腰に手を当てピースサインをこちらに見せるがその様子が子供らしく可愛いな。
「ようこそ私達の守護する階層へ!モモンガ様カルナ様」
「壮健で何よりだアウラ…ところでマーレはどうした?」
「えっ?あれ…マーーーレーーー早くしないとモモンガ様達がお待ちだよ。早く飛び降りて来なさいよ」
「そっそんな事言っても…すっ凄く高いよぉーー」
「仕方ないなぁ。モモンガ様カルナ様少しお待ち下さい」
アウラはダッシュで貴賓席に飛び乗り、マーレを後ろから蹴落としたのだ…リアルでこの光景を見ると、6階相当の高さ故に殺人行為であるような行いだ。
「おっお待たせしましたモモンガ様カルナ様」
「気にするなマーレ」
「それで、モモンガ様達は本日はどの様なご用件でしょうか?」
ここではアニメと同じ展開になり、俺自身は少し離れたところで魔力放出と言う俺にしか無い能力の確認を行った。ここで転生特典を思い出し一応《認識阻害》の魔法を展開してから確認してみた。
【王の財宝】(ゲート・オブ・バビロン)
※魂にこの能力があると言われ、ユグドラシルでは使えなかったが今は使える事を神に確認済みだ。
取り出したのは当然だが【ヴァサビィ・シャクティ】カルナの主武装である日輪を模した槍だ。取り出した瞬間やばいと直ぐに悟ったのだが、既にモモンガさんがこちらを向いて《認識阻害》など無意味な程の武器の存在感…
「え⁉︎カルナさんっ何ですかその装備は?」
「あーそうですね。私のバックストーリーとして、設定になぞらえて1世紀前のfateのキャラが持ってた武器が出るか試しました…神具ですね…」
『マジですか⁉︎あっヤバ…アルベドの設定が』
俺は何とか誤魔化したが、この上真名解放なんてしたらとんでも装備だな。実際このキャラの設定文はかなりチートな文にしているが、自分自身の存在感が神性を過分に秘めて居る事から設定通りになって居るのだろう。
『アルベドがどうかしたのですか?』
『いやーその…タブラさんがアルベドの設定文で最後にビッチ何て書いてたから、最後だしと思って「モモンガを愛してる」と…まっ魔が差したんです⁉︎』
『別に責めてませんよ。アルベドは元々、タブラさんがモモンガさんの好みベースで再現したNPCですし、タブラさんもきっとそれもまた有りだと言いそうです』
モモンガさんはグダグダ言うので、改変した責任で必ずアルベドの気持ちを蔑ろにしない事を了承させると、程なくして階層守護者達が揃い始めた。
俺は終始目を閉じて【ヴァサビィ・シャクティ】を装備したまま《伝言》でモモンガさんをサポートして忠誠の儀と我々への想いを聞いてやり過ごした。
ナザリックの周囲は草原だった事も無事報告を受け、今後の展開をモモンガさんと話し合う事にした。近日中にカルナ村が襲われるが、エンリの両親を助けるべきか凄く悩む…
エンリの両親を助けると、エンリを中心でカルネ村の指揮して行く事に支障をきたすかも知れない、だが俺のカルマ値は善寄りの中立だからだろうか助けたいとも思う。
一応人では無いから命のやり取りは可能だろうが、善悪の基準がカルマ値で大きく揺れる様だ。結局俺は微精霊Lv1を100体召喚し、既に夜中だが網目の様な探索を微精霊にさせる事を、モモンガさんに報告したのだ。
話し合いで決めた行動指針として、ナザリックの安全を一番に情報収集を急ぎ行う事になった。現状では危険度が分からない為外出しての探索は避けたいとモモンガさんは言う…俺としてはストーリーのあらすじが分かるが、口に出来ない為頷く事しか出来ず微精霊での情報収集を有無を言わせない正論で押し切った。
後、忘れてはいけないと思いモモンガさんと解散した後に、アルベドを自室に呼び出しモモンガさんは必ず気持ちに応えてくれるからと言う事と、人化の指輪の件プラス露骨なアピールよりもタイミングを見て強引に押し切る提案をした。
その時のアルベドは真剣に話を聞き、俺が応援して居る事が余程嬉しかったのか泣きながら感謝された。これでアルベドが俺に対してヤキモチで睨み付けたり危険な行為は無くなるだろう。
モモンガさんとの話し合いののち、自室の秘密の部屋で3Dプリンターが実際に使えるか【低級回復薬】をコピーしてみると、素材が無いのに100個製造してしまった。
素材のコピー・武器のコピーなどをして《上級魔道具鑑定》で確認してみたが間違いなく同一の効果や性能だった。ひたすら消耗品をコピーして居ると、1時間程経った頃カルネ村付近らしき燃える村が発見されたので、マップを書きその他の村と襲撃者の場所を特定させた。
襲撃者はカルネ村から約5キロの位置で、襲撃のタイミングは恐らく早朝だと踏んでモモンガさんにはフルプレートの格好での村救出をお願いし、既に《中級精霊作製》を使いLv50の風精霊を5対カルネ村に配置済み。
周囲の村で亡くなって居る人々の遺体は、モモンガさんに伝え可能な限り回収させて貰ったが、本当に酷い状態で10歳程の女児ですら乱暴を働かれており、生存状態で回収の上報いを受けさせるとモモンガさんには伝えて居る。
カルネ村を襲撃開始と同時に救い、我々の有り難みだけは与えて死者を出さない方向で村を懐柔して情報を得る方針だ。
ー翌朝ー
薄暗い時間帯に襲撃者達は移動を開始した様で、アニメ同様に2部隊に分かれて騎士風の集団が先行して居る。我々は昨晩の内に作製した行商風馬車で村に近付いており、村に騎士が付く頃には村の中央に行商の馬車を中心に村人が集まって居る状況を作り出し、行商の護衛隊が村を救うシナリオだ。
到着すると流石農業中心の村だと思う程に、村人が活動開始していたので馬に水を与える為と言う理由ついでに行商を行う。物価不明の上に情報不足だから俺が上手に話しを盛る事にする。
「すみませんこの様な早朝に」
「いえいえ。この様な何も無い村ですがゆっくりして下さい」
「ありがとうございます。もし宜しければ、お礼も兼ねて村の皆様にいくつかお譲りしますので集まって頂けたらと思います。お題はこの近辺の情報を頂けたら結構ですので」
「えっ!その様な事で良いのですか?」
「我々も遠くから来た為、情報が無く商売は情報が有って始めて成り立つものでしょう」
「では、遠慮無く皆を読んで参ります」
「はい」
『カルナ様、襲撃者が10分以内に到着予定です』
『分かりました』
我々は村人を中心に配置した状態で、護衛隊をモモンガさんを中心にして(アルベドはモモンガさんの側)騎馬が侵入してくる場所に、セバスとプレアデスのソリュシャン(見た目を男性に偽装)とナーベラルを東、俺は1人で西に配置してトブの大森林にはアウラとマーレが潜んで居る。
村人達と話しをしながら、商品の肉類や錬金術で作った農機具を手渡し、自宅に誰も居ない状態を確認して居ると遂に蹄の踏み鳴らす音が近付いて来る。
「なっ何でしょうか?」
「村長…一応我々の護衛隊が居ますから村人達は馬車の付近に固まって下さい」
「わっ分かりました!」
『襲撃者達は、昨日確認した通り最大で《魔法詠唱者》Lv24で残りはLv10以下ですから皆さん手加減お願いします。楽勝過ぎると悪目立ちして情報収集の妨げになります』
『『『はっ!』』』
「おい⁉︎どう言う事だ…何故行商人がこんな場所に居る。構わん⁉︎見られたからには全員殺せ」
ここから演技は本当に大変だった…
炎の壁で見えなくして、鎧数点以外は死体も残っていない風に見せて腕や足などを1人1部ずつ残させて《強制転移》でナザリックの地上でデミウルゴスとシャルティアが居る場所に送った。
隊長と呼ばれたベリュースと言う男との会話を村人に聞かせる様にわざと追い詰め、スレイン法国の六色聖典であり漆黒聖典特殊工作部隊所属で、王国戦士長のガゼフ・ストロノーフを誘き出す作戦だとドンドン喋ってくれたので、3回続けて質問していないのに全て話して命乞いをするが、敢えて炎に包ませ「ぎゃぁぁぁ」などと言わせて転移させた。
当然だが村人からはかなり感謝をされたが、未だ不安の為我々も直ぐには立ち退かず皆が安全だと判断してから村を離れると言い、村人達を安心させて行く。
本当はこの後の展開を知って居る為、ガゼフが駆けている後方のスレイン法国部隊を数名以外全員を暗殺系スキル持ちでお持ち帰りし終わって居る。
2名の死体とボロボロだけど法国部隊の法衣を証拠に村に届けさせ、ガゼフに説明するつもりでいる。疑われたら俺がガゼフ模擬戦をすれば済むだろうし無理矢理こじ付ける算段だ。