ギアもどきでノイズ倒したら、不良娘に懐かれたのだが 作:翔星/とあ
それではどうぞ!
気づけば、厄介ことだらけなんだが
俺たちは避難所を目指していたが、色々あったからかとっくに避難指示は解除されており、ちらほらと人が戻っていた。ノイズを倒してから時間が経ったから不思議ではないが……
「参ったな、これじゃあ情報を集めるのは難しいぞ」
「確かに……これじゃあ話を聞くところじゃない」
知っている人をここから探すのは骨が折れるしな……あっ!ならあそこに行けば、少し響には辛いと思うが。
「響、この中から火事を見た人を探すのは二手に分かれても現実的に考えて不可能だと思う」
「うん…私もそう思うけど、ならどうするの?」
「響の家の近くで話を聞いてみようと思う、少なからずここより知ってる人は居るだろうし」
「そっか…なら、それで行こう」
響はなんともないように言うが、大丈夫なのか?。自宅が火事にしかも放火された現場に行くのは辛いと思うが…
「平気なのか?自宅が燃えたところに行くことになるけど」
「平気ではないけど…和也がいるし、それにそっちの方が色々分かると思うから」
なんか、すっげぇ信頼されてね?うーん、家族の無事も分からなくて頼れるのが俺だけだから?まあ、響みたいに可愛い子に慕われてるのは嬉しいが。というかそんな風に言われるとちょっとこそばゆいな。
「?どうしたの、顔赤くなってるけど…もしかして体調が良くないんじゃ」
「え!あ、いやなんでもないよ、ちょっと暑かっただけだから」
「そう…ならいいけど」
どうやら顔に出ていたみたいで、それを響が不思議に思ったみたいだ。
「もしかしたら周りに響を探してー」
「おいおい、なんでまだくたばってないんだよ、この人殺しはよぉ」
「っ……嘘……なんでここに……」
「……!響、もしかしてこいつらが?」
いきなり絡んできた人達を見た瞬間響の表情が明らかに動揺しておりその中に怯えも混じっていた。もしかしてと思い聞いてみたら、響が頷いた、どうやらこいつらが響の家に放火した連中らしいが…どうして、さっき響を突き飛ばした奴らといるんだ?
「弟がノイズの集団に囮にする為に突き飛ばしたって言ってたが、まーた生き残ったのかよ」
「そうだそうだ!家族を見捨てて生き残って恥ずかしくー」
「おいっ!余計なこと言うな、あれがバレたらまずい」
放火した連中の一人がさっき響を突き飛ばした奴の兄か。兄弟はよくそっくりと言うが、全くその通りだな悪い意味で。響の家に放火したことや弟が響を殺そうとしたことも、全く悪いと思ってないし隠す気もないなこれ。その証拠に響を見つけて睨んでいるしさっきの言葉からしてなんか後ろめたいことやったのは確定だ。これは響が怯えて逃げるわけだ、こいつらどう考えてもイカれてる普通の奴なら関わらないようにするだろうな、今も見て見ぬ振りだし。それより響に何かしないか不安だな。とりあえず適当に相手して追っ払おう、そうしないと気が済まなそうだし。
「響、下がってろ」
「でも…和也が」
「大丈夫、こんな奴ら大したことないさ」
「おいっ!聞いてんのかよ、人殺し!」
「落ち着けよ、こんな人がいるところであまり騒ぐな迷惑だろ」
「あぁ?なんなんだよてめぇは、なんでそいつといる」
「俺はこの子がノイズに襲われそうだから助けて、避難所に向かってたんだ。なんか問題あるのか?」
「ちっ余計なことをしやがって、そいつがあのライブで生き残ったのを知っててやってんのかよ」
今後は弟が言ってくるが、この兄弟、グループのリーダー格のようだ。周りはそれに合わせて文句を言うだけだ。正直、かなり鬱陶しいし言うことも胸糞悪いからイライラするが、大人の対応を取らないとな不本意ながら。
「ああ知ってる、だがそれがどうした?」
「なら分かるだろうが!そいつは人殺しだろうが!」
「どうしてだ?」
「はぁー?」
「だから、理由だよ理由、分かるか?」
コイツらがもしかしたらなんか理由があるかもしれないし、一応聞いとかないと。まあ、あんなことする時点で既におかしいが。
「話聞いてんのかよ、アレを生き残ったんなら人殺しだろうが!生き残りは全員、人を殺して生き残ったって皆言ってるのを知らねえのかよ!」
「皆って?そいつは証拠を持って言ったのか?もしニュースで言ってるやつのことなら、アレは一握りくらいが故意でやっていて大半が事故だ。大体、響が故意でやってる証拠にならないし」
「そんなの関係無いわよ!なんで将来有望な彼より、なんの取り柄もないそいつが生き残ったのよ!あんたが彼の代わりに死ねば良かったのに!」
「大体それがなんなんだよ!それによーそいつは俺たちが必死で納めてる税金を貰ってんだろ?補償金とかでよぉ、なんでちょっとノイズに会って怪我したくらいで俺たちの税金取ってんだよ。完全に無駄だろうが」
「はぁ〜…」
「なんだよ、その溜息は。文句あるなら言ってみろや!」
コイツらマジでむちゃくちゃ過ぎる。大体響が代わりに死ねば良かった?そいつがどんなご立派な奴か知らないが、ふざけたこと言いやがって、相手するのも面倒臭いがこういう輩って相手しなくて離れても付いてくるしな、ちょっと響に悪いが耐えてもらわないと。
「何が、代わりに死ねば良かっただ。ノイズからすれば、そいつと響はどっちも殺す対象でたまたまそいつが先だった話だ。そいつは可哀想だし悲しいことだが、響のせいではない、その鬱憤を響に当たるな。金云々もアンタらのような奴らがいるから必要になるんだよ」
「んだよ!さっきから聞いてりゃ、俺たちが悪いみたいに言いやがって!」
「そうだろ、どんな事情があっても人を死なせようとした時点でお前の弟は犯罪者だ。お前らが言う根拠のないものじゃなく、マジの方で」
「うるせーんだよてめぇ!コイツらみたいな邪魔しかならないゴミなんてどうなったていいだろが!寧ろ俺らがコイツらの家を燃やして綺麗にしたり、弟がコイツでノイズを減らそうとしたのだから、感謝しろや!」
「言ったな、自分らが響の家を燃やしたって」
「はっ?……っ!」
やっとボロを出したな、今更コイツは自分の発言に気付いたが、もう遅い。
「響がお前らが放火したとこや俺が響をノイズに突き飛ばした現場を見ている、今の発言も加わればほぼ犯人確定だ。これらを俺らが警察に出せば、調べてくれるだろうな、そうなればお前らは犯罪者の仲間入りだ」
「は、はっ!今の言葉を言ったて、お前らが言ってるだけだって言われるだけー」
「言っとくが、今までの会話全部録音している。当然さっきのお前の言葉もな」
「なっ……!」
そう、普通に対応してもしつこく絡まれるが、少し相手してコイツらすぐに激昂するから少し挑発すればボロを出すと思い、試してみれば案の定だ。あまりにも、簡単に言ったがなちょっとビックリだが。因みに録音は響に確認してすぐにしたから抜けはない。
「コレを然るべき場所に出さたくなかったら、もう俺たちに関わるな。次俺や響達に手を出したら、コレでお前らを徹底的に潰す二度目は無い。響行こう、あまりコイツらと居たくないだろ」
「う、うん分かった」
響を連れ、その場を立ち去ろうとしたが。どうやら若干やり過ぎたらしくて
「てめぇら……下手に出てりゃ、調子に乗りやがってぇぇぇ!」
ヤケになったのか、本気でキレたのか凄まじい形相で殴りかかろうとするが。そもそもそっちが勝手に絡んで自滅しただけだ、挑発はしたがそもそもあんなことした自分のせいで俺のせいではない。まあ正直、俺自身もう限界が来ていたのもあって
「いい加減にしろよ、このクズ野郎が」
『っ!!』
逆ギレして襲ってこようとしたのを、割と本気で凄んで言うと。叫んだわけでもないのに、このやり取りの中で一番周りに響いたように感じた。俺の言葉と一緒に周りの音が消えたように静かになり、襲い掛かった奴は腰を抜かしてるし、取り巻きの連中もめちゃくちゃ怯えてる上、全く怒りを向けてない響でさえ息を飲んでいた。えーと、あれ?確かに割と本気でキレていたが、言葉だけであんなに怯えるか?まさか、ノイズと戦った経験が活きたのか。とにかく、今のうちにこの場を離れよう。
「今の内だ、行くぞ響」
「えっ……あ!うんそうだね和也」
一瞬反応が遅れたが、直ぐに気を取り直して、俺たちはその場を離れた。ある程度離れた所で響が
「和也ごめん」
「へっ?いきなりどうしたんだ、響?」
「だって…私のせいで和也に迷惑をかけてしまって……」
「あーそんなことか」
「そんなことって……」
響が謝っていたが、そもそも絡んできたのはアイツらだし、響のせいではない。それに……
「それを言うなら俺も謝んないといけない所があるし、そもそも響が悪いところがない」
「いや、でも和也は私を庇って……!」
「俺が上手く対応出来れば、もっと穏便に済んだかもしれないし。俺自身、大分キレて響を怯えさせたし、喧嘩腰になってしまった。だからごめん、俺のせいで響を怖い目に合わせて」
「それこそ、気にしなくていい…和也が私の為に怒ってくれたし、私は守ってくれて嬉しかった」
「なら、もうお互い気にしないようにしよう。響も俺も謝らなくていいって言ったんだし」
「うん……分かった」
そうして、お互い様ということにして。響の家に着いたが……
「何もないな」
「うん、そうだね……」
規制線が貼ってあるから、調べられているが周りに人がいない。時間もかなり遅いし、今日は切り上げた方がいいだろう。
「なあ、そういえば響は今日寝るとことかどうするつもりなんだ?」
「あっ……どうしよう」
「まあ、そりゃあそうか。うーんどうしたものか」
「ねぇ……携帯鳴ってるけど」
「えっ?あ、本当だ。ありがとう、響」
ポケットに入れてた、携帯が鳴っているのに気付かなくていた。見ると今日泊まろうと予約したネカフェからだった
「はい、もしもし……えっ!はい、はい分かりました。はい、それじゃあ」
「どうしたの?」
「泊まろうとしたとこが、突然空調が壊れて直す為に閉めるから、行けなくなって…どうしよう」
まさか、自分も宿に困るとは。宿泊のアプリで無料で一泊いけたような…まだあるかな?
「どうしよう…野宿するしかないのかな…」
「いやいや、響が野宿するのはかなり危険だ。響の家が放火されたのは響を殺そうとしたからだ、アイツらみたいな奴らが寝首を掻くようなことをする奴がいるかもしれない。それに、響みたいな可愛い子を襲おうとする変質者がいるかもしれないからオススメは出来ない」
「か、可愛っ…!いきなり何言って……!」
「ちょうど無料で一泊出来るクーポンが二つあったからそれで……?どうした響、顔真っ赤だけど」
俺が野宿させる危険を言い宿の案を言ってると、何故か響の顔が耳まで真っ赤になっていた。なんか変なこと言ったけ?
「……っ!知らない、自分で考えれば!」
「えっ?ちょっ、ちょっと待って響!置いてくなよ〜!」
「……和也のバカ……」
聞いてみると何故か響が怒って先に行こうとしてしまった。なんか呟いていたが離れて聞こえなかったし、これ以上余計に怒らせたくないから触れないが……まあ、色々あったが近くのビジネスホテルで部屋を借りた、もちろん別々の部屋でだ。流石に今日会った男と相部屋は懐いてくれたとは言え、響からすると嫌だろうしな。響も承諾してくれて、チェックインした。
「さて……どうしたものか……」
部屋に着いて、思わず呟く。なんせ色々考えないといけないことが、一気に増えた。
「あのアルカノイズ、一体誰が……」
まずあのアルカノイズだ、恐らくアレは光明結社ではない。彼らなら錬金術師なんて沢山いる、自分たちでテストも出来るだろう、つまり。
「結社とは違う錬金術師の集団……」
謎の第三勢力。今後は彼らにも気を付けないといけない、最も情報が少なくてどうすればいいかわからないけど。
「とにかく、錬金術師に注意しないと。あと、アレどうしたものか……」
今、俺はフィーネを警戒して二課とは接触をしたくないが、しないといけない状態になってる二つの理由で。一つ目は響の融合症例だ、ゲームのこの世界の前日談ではシンフォギアを使ってなくても、ノイズに人間と認識されないくらい進行していた、アレを原作の三期くらいと仮定しても早めの対処が必要だ。だが、そうなるとなんらかの組織の力がいる、神獣鏡をレーヴァテインでコピーすればいけるかもしれないが、聖遺物レベルのものだと実際に見てある程度の理解が無いと再現出来ない上、六、七割が限界だと言うのもある。だから今俺は二課と接触を避けたいが、しなければならない状態になっている。それに……
「やっぱり、消えてる。響の家の火災の情報が」
ノイズの被害にも火災はないと書かれていて、さっきあったSNSの火災の投稿も消されている。当然、ニュースの類にも何もない。ここまでの情報規制を行ったとなると、響の家族が生きていて保護したのは二課だろう。あのOTONA達のことだ、恐らく放火の可能性を考えて自分達で対応してても不思議じゃない、それにここまでの情報規制は彼らぐらいじゃないと難しいだろう。もちろん最悪の場合もあるかもしれないが……とにかく響の家族の情報も二課にあるだろう、つまり二課との接触はほぼ決定的になった。
「はぁ〜色々ありすぎだろ……」
正直なところ、厄介ことだらけでかなり面倒臭いが……
「響があそこまで信頼してくれるのを、裏切るのはな…」
もちろんそんな気は毛頭ない、実はシンフォギアで響推しの俺がそんな真似をする気なんて全くない。一応言っておくが、助けたのもそういう下心も無かった訳もないが、あの時の響を見ているとそんなことよりも放ってはおけない思いで思わず助けていた。その後も、なんだか危なっかしくてついお節介を焼いてしまった。後悔はないしそれにあそこまで可愛い子に懐かれるのも嬉しいのは事実だし、多分自惚れではないと思う。それに響は少しだが笑ってくれた、響には笑っていて欲しいしその手伝いをしたい、出来ればもっと笑顔を見たい……って!
「これじゃあ、まるで響のことを好きみたいじゃねぇか!」
いや、確かにどちらかと言うと好きだが、それは親愛とかの意味でだし。いや、前世云々を除いても可愛いけど、流石にあれくらいで惚れたらチョロすぎるよ俺。
「うん、あんな可愛い子に懐かれて舞い上がってるだけだ。色々あったし早く寝よう」
うんきっとそうだ、だから妙にドキドキしてるのもそれのせいだ。そう思って俺は眠りに着いた……
ーーーーーーーーー
響side
一方響は部屋のベットで寝転がって、今日のことを振り返っていた。
「暖かったな……」
思わず呟くその言葉に驚きはしたが、不思議とその言葉はよく胸に染みた。
(和也には、本当に感謝しても仕切れないなぁ…)
ノイズから助けてくれただけでなく、自分が求めていたものに気付かせてくれた。その後も家族の無事が分からなくて頼る先もない自分の面倒を見てくれた。自分を責める人から守ってくれて、自分は悪くないと言ってくれた。そんな彼に対して彼女は礼をどれだけ言っても足りないくらい感謝していた。同時に彼女は彼を信頼していた、人との繋がりを求めてると分かっていても、今までのことからすぐに信用はあまりできない彼女だが、どういうわけか彼を信じたくなった。
(案外、私って追い詰められていたんだ)
自分が限界で最後に誰か信じたい、そんな藁にもすがる思いがきっかけだったと、今ならそう思えた。だが、今彼を信頼する気持ちは心の底からの物だと言い切れる。彼が自分にしてくれたことは本心からのことがよく分かった、彼女は人の悪意に晒されたからかなんとくなくそういう嘘は分かった、だからそういった類の裏切りには合わなかった。
(でも、なんで和也は私を助けてくれるんだろう?)
彼が自分を助けてくれるし、そこに嫌なものはない。だが、どうして見ず知らずの自分をここまで助けてくれるのか分からなかった。
(それに和也が着けていたアレって……)
彼女があのライブで見たツヴァイウィングの二人が着けていたものによく似ていた。歌を歌ってなかったりなど違いはあるがノイズを倒せて見た目もあそこまで似ているとなると、恐らく近い物であると分かる。
(明日、聞いてみよう)
そう思い、寝ようとするがなかなか寝付けない。ついつい今日のことを思い出してしまう。
(あの時の和也、カッコ良かったな……)
放火した連中に絡まれた時、自分を守ろうとして率先して前に出た彼の姿は彼女の目にはとてもカッコよく見えた。最後はあまりの迫力に言葉が出ず、呆然としていたが。
(?なんでだろ、胸がすごい熱いそれにドキドキする)
彼女自身、自分の気持ちが分からなかった。今日のことで疲れたからと思い眠りに着いた……
彼女が、この気持ちに気付くのはまだまだ先の話……
さてさて、どうなっていくのやら
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