「さて、アイザワ。これはどういうことだ?」
羅輯はアイザワを問い詰める。
「どうもこうもない。本局の奴らがお前を潰そうとしてるんだ」
羅輯は棍棒で殴られたかのようだった。
あいつらは恩知らずどころか、仇で返そうとしている!
「君にも何ともできないのか?」
「何ともできないから、この手に出たんだ。こういう方法だったら、お前の独壇場だろ」
アイザワの言う通りだった。羅輯の最大の武器は欺瞞だった。
特に会議であったらそれは最大の攻撃力を発揮する。
「・・・敵は誰だ?」
「八神はやての一派だ。元六課だな」
あの奇跡の部隊の六課の元メンバーたちが敵に回る。
普通の局員だったら自殺ものだろう。
しかし、羅輯は違った。
「上等だ。あの狸に目にもの見せてやる」
「その調子だ。・・・ところで、ここどこなんだ?」
アイザワは羅種に呼び出されて、この知らないアパートにやってきたのだ。
「おや、中将。お客様ですか」
出てきたのは緑髪でオッドアイの少女だった。
「羅輯、この非常時に何やってんだ」
アイザワは激怒した。この目の前の邪知暴虐な司令官を殴らねばと。
「安心してください。まだ手は出されてませんよ」
それでも、アイザワは激怒した。
目の前の司令官はかなりの女性経験があり、トヨタロウもベルカの女性と結婚している。
数少なくなった同期の中で、アイザワだけが彼女いない歴=年齢だった。
まあ、目の前の司令官はある意味、ずっと独身だが。
「まあ落ち着いてくれ。この一件が落着したら、ぼくもお前の彼女探し手伝ってやるから」
「余計なお世話だ!」
その時、インターホンの音が鳴り響く。
トヨタロウと、彼の妻であるエリスが来たのだ。
エリスは聖王教会の騎士であるが、地上本部に協力的だった。
「さて、みんな揃ったところで、作戦会議を始めますか」
さて、こうして羅輯一派が公聴会対策をしていたころ、
八神はやてたちもまた、公聴会に向けて対策を練り始めていた。
かつての六課メンバーたちは無限書庫で会議をしていた。
「今回の公聴会のテーマは現司令官の正当性や。あのペテン師が怠け者だったら、話は簡単やったんやけどな」
八神はやては頭を抱えた。批判すべき点がないのだ。
羅輯によって再開発地区問題は日に日に改善されている。
治安もレジアス時代よりも高水準だった。
さらに言えば、上層部の腐敗もない。
なにしろ、全てが羅輯のワンマンであるから、上層部自体がいないのだ。
「ちょっと待てよ、はやて。上層部がいないってのは・・・」
ヴィータがある点に気づいた。それは羅輯の統治下の唯一の欠点だった。
「・・・独裁やな」
フェイトが手を上げる。
「はやてちゃん!さっそくミッド政府に訴えようよ!あのクズの処刑を!」
これに関してはヴィータも強く同意した。
「賛成だ!はやて、さっそく行動に・・・」
シグナムはそれに対してため息をついた。
「無駄だ。ミッド政府そのものが羅輯の支配下にある」
「軍事独裁政権とかいかにも羅輯さんが考え付きそうな、最悪のやり方なの」
その時、エリオとキャロが手を上げる。
「あの・・・羅輯司令官の家を発見したんですが・・・」
二人が差し出した写真には豪邸が写っていた。
「さらに、これ公費で建てたらしいんですが、これ武器になりますかね?」
フェイトはそれを聞いて喜んだ!
「グッジョブだよ、二人とも!これであのクズを血祭りに上げれるよ!」
はやても微笑んだ。
「ようやった。これで方向性は決まりや。あのペテン師の私欲の証拠を探すんや」
この会議で大体の方向性は決まり、本局は本格的に羅輯の粗探しを開始した。
司令官時代だけでなく、教導官時代も含め、羅輯の汚点探しが開始された。
粗探しが行われた一週間は後に大汚点週間と呼ばれる。
この危機紀元4日目の会議で公聴会が残酷なものになることが決定したのだ。
公聴会は一か月後。