グランブルーファンタジー 十二の獣と十二の戦士 作:謎のコーラX
「―――いかん、眠っていたのか」
ヘリオスは玉座で目を覚ます、眼前には幾人もの人が列をなしている。
「ヘリオス陛下!」
「ヘリオス様!」
「星神皇帝様!」
そう、今の彼の役職はエルステ帝国、正式名称、エルステ星帝国の皇帝、ヘリオス、星神とは自らに宿った原初獣、覇空戦争以前の星の獣を宿していることから、星神皇帝と名乗っている。
「わかった、わかったから、手早く終わらせるぞ」
数時間後、ヘリオスは様々な仕事を終わらせ、太陽が必ず当たる玉座でため息をついていた。
「ふぅ、やはり仕事というのは慣れないな」
「陛下、ガンダルヴァ中将がお話がしたいと」
「・・・はぁぁぁ、いい、入らせろ、ドア壊されてはたまらん」
兵士からそれを聞くと、更に大きなため息を吐き、兵士にそう言うと、扉を開かせる、そしてすぐに大柄なドラフが鞘から剣を抜いて、駆け出した。
「おらァァァ!」
そのまま剣を上段に構え、剣を振り下ろす。
「はぁ、ガンダルヴァ中将、貴男は本当に力というものが好きだな」
その一撃はヘリオスの指2本で軽く摘んで止められる。
「・・・は、はははは!、やはりお前との力の差が測りかねないな!皇帝ヘリオス!」
「が、ガンダルヴァ中将、陛下にそのような」
「あぁん!?」
「ひっ!」
ガンダルヴァは兵士を人睨みすると、兵士は腰を抜かし、玉座の間から出ていった。
「ガンダルヴァ中将、あまりうちの兵士を怖がらせないでくれ、戦いならいくらでも付き合ってやる、不意打ちでもなんでもな」
「・・・は、お前と一度でも戦いと呼べるものができた試しはないがな」
「なら研鑽を積むのだな」
「あぁ、そうさせてもらうぜ、じゃあな」
ガンダルヴァは剣を鞘に収め、玉座の間から出ていった。
「最初の頃はかなり突っかかってきたのに、成長したのか、はたまた諦めてるのか」
『トウゼンであろう、貴様に勝てるやつなどそうおるまいて』
ヘリオスの内から声が響く、ヘリオスはその声に返答する。
「そうだなタロス、だが俺に勝てるやつがいることが問題だろう、常に成長しようとしてるのが証拠だろう」
『ワレのチカラがあってもフマンとはな、異国の武術も取り入れて、ホントウにストイックなヤツよ』
「まぁね、さて、入ってこい」
ヘリオスがそう言うと、扉を開き、兵士と、鎖で縛られたポンメルンが入ってきた。ポンメルンの顔色は青く、汗もかなり流れ出ている
「話は既に聞いてる、ポンメルン、ポンメルン・ヴェットナー大尉、貴男は青の少女に対して非道な実験を行い、逃げた青の少女を捕まえる過程で原住民の少年をヒドラで殺害した、と、うちの専属の傭兵から聞いてるのだがね」
「へ、陛下、そのことについてですが」
「おい!、勝手に」
兵士が剣を抜こうとするのをヘリオスは手で制する。
「よい、ポンメルン大尉、詳しく聞かせてもらおうか」
ポンメルンの話からすると、フリーシアに呼ばれた後のことがかなり曖昧なこと、自分が魔晶の制作に関わったこと、手厚い保護を任命していた青の少女に虐待じみたことなど、ポンメルンは大粒の涙を流しながら、語った。
「うう、私はなんということを・・うう」
「なるほどね、まぁだいたい予想した通りかな」
「予想、とは?」
「言葉の通りさ、フリーシアに関しては前々から泳がせてはいたが、さすがに証拠を揃いすぎているからね、マショウとか、改竄された資料とか、ね、そろそろ終わってる頃かな」
「たっだいまー!、ヘリオス陛下!」
扉が再び開き、快活な声の青髪のエルーンの男と、鋭い目つきの赤髪のドラフの女、そして黒い鎧を着た騎士がエルーンの女、ヘリオスは知っている、フリーシアが、ボロボロな姿でポンメルンと同じく鎖で拘束されて現れる。
「おいドランク!、ヘリオス陛下に対してその態度はなんだ!」
「あ痛てて!、ゴメンよスツルム殿」
ドランクと呼ばれた青髪のエルーンがスツルムと呼ばれたドラフの剣につつかれる、黒い鎧の騎士は、兜を取ると、フリーシアを引っ張って、ヘリオスの前で跪く。
「ヘリオス陛下、無事フリーシアを捕縛しました」
「頑張ったねアポロニア、後で休みと褒美を用意しておこう、後ろの専属の傭兵にもね」
「くっ・・・」
フリーシアはヘリオスを殺意を込めた視線で睨んだ。
「おぉ、怖いね、ポンメルンの拘束は解いていいよ、さて、フリーシア・フォン・ビスマルク、我が帝国が王国だった頃からの古い付き合いの家系の者だったね、何故このようなことを」
「エルステは貴様の物ではない!、偽物の皇帝め!」
フリーシアはヘリオスを言葉を遮り、怒鳴った、アポロニアはフリーシアの頭を床に叩きつける。
「貴様、立場というものがわかってないらしいな」
「事実を言ったまでよ!、あの玉座に君臨していいのはエルステ王家のみだ!、何処ぞの星の民ではない!、それも獣と混じったものなどを皇帝などと!」
「ほう、これ以上陛下を侮辱するなら、ここで殺してやろう」
アポロニアは腰の銃に指をかける。
「いい、アポロニア、全て事実、いや、少し違うところがあるかな、うん、フリーシア以外は部屋からでてくれ」
その言葉に、アポロニアは目を見開き、動揺する。
「陛下!、それは危険です!」
「なんだ?、お前は俺が負けるとか思ってるのかな、なに、内緒の話さ、聞かれたくないからね、ほら、出ていった出ていった」
「・・・わかり、ました、行くぞ」
アポロニア スツルム ドランク、そして拘束を解かれたポンメルン、兵士達は部屋から出ていった、残ったのはヘリオスとフリーシアだけだ。フリーシアは以前変わらず睨んでいる。
「・・・さて、何から話そうかな」
「貴様、何を考えている」
「ん?、まぁとりあえず」
ヘリオスは軽く腕を振ると、フリーシアを拘束していた鎖が切れる。
「まぁ楽にしておいて、まず一つ目に、俺は星の民ではない、まぁそこに関しては誰でもお前は許せないから関係ないとして、ほい」
ヘリオスは四角い箱のような物を懐から取り出す、それは複雑に変形していき、中心部から光が出てくる。それは人の形を成していく、いわゆるホログラムだ
「・・・この映像を見ているのは、フリーシア、きみであるのだろうね」
「え、エルステ国王!?」
「ヘリオスとフリーシア、きみ以外が聞いてないことを願うよ、では、話すとしよう―――」
――30分ほど経つと、ホログラムは消え、箱も砂になった。
「――まぁ、そんな感じだ、これでも俺が憎いかな」
「・・・何故、最初から話さなかったんですか、このようなことを」
「そうだね、お前が小さな時に話す内容ではないし、普通に話すにしても・・・まぁぶっちゃけちゃうとデウス・・・なんだったかな、そいつとの戦闘で破損してしまってね、やっと完成したと思ったらその時にはフリーシアが暗躍してるって聞いたわけ」
「・・・さようですか」
「それで、どうする?」
フリーシアは数分黙り、思案し、平服した。
「エルステ国王とヴィオラ様の命なのです、このフリーシア、忠義を尽くしましょう、ですが」
「わかってる、何時でも暗殺でもしてくるといい、まぁとりあえず、メフォラシュに追放する、そのくらいはしないとな」
「は!」
――その夜、ヘリオスの寝室にて。
「あー・・・つっかれたわぁ、はぁ・・・それにしても」
ヘリオスはベッドの上で、ある資料を見る、そこには殺された、そして青の少女によって蘇生し、星の獣を呼び出した少女について書かれていた。
「ジータ・・・ね、あの男の娘か、ふふ、これはまた面白くなってきたなぁ」
資料をベッド横に置くと、ヘリオスは眠りについた。明日のことを考えながら。