夜廻 振り返ってはならない夜の道   作:はるばーど

3 / 16
前回のクイズの答えは『ベルーガ』です。


夏が近付いてきましたね。これで本格的にホラーを楽しめる時期になっていくでしょう。ちなみに投稿者は今、『影廊』にハマっています(投稿しろよ)


では本編に参りましょう。


三章 宵の口

あれから私はこともさんの家に上がらせてもらい、彼女の部屋にて待機しています。そして、今のところ行方が分からなくなっている彼女のお姉さんを散策するかどうかを決めるのを待っているような状況です。

 

 

・・・しかし、先程からテーブルに置いてある魚の塩焼きが気になってしまいます。良く考えてみると私、朝起きてから何も食べていませんでした。すると、胃の中がキュルキュルと小さな音をたてました。しかも、それをお手洗いから戻ってきたこともさんに聞かれてしまいました。顔が徐々に熱くなるのを感じる。あぁ・・・恥ずかしいです。ですが、こともさんは心配そうな顔をして、

 

 

「お腹空いたの?ルキアお姉ちゃん。」

 

 

と聞かれてしまいました。

 

 

「クッ・・・?ま、まぁ少し・・・だけ。」

 

 

しかし、さらにお腹が鳴ってしまい、焦って言葉が出てこない。ですが、あたふたしている内にこともさんがテーブルからお皿ごと魚料理を持ってきてくれました。そして、お皿を私に差し出す。

 

 

「私の食べていいよ。ルキアお姉ちゃん、ずっと何も食べていないみたいだから。」

 

 

・・・どこまでこの幼女は私のことを読んでくるのでしょうか・・・。私は黙ったまま、魚料理が乗ったお皿を箸と一緒に受け取る。

 

 

「ですが・・・こともさん、貴方はよろしいのでしょうか?貴方こそお腹が空いているのでは・・・。」

 

 

「ううん、いいの。もう、お姉ちゃんを探すことに決めたから。だからルキアお姉ちゃん、それ食べて元気出して。」

 

 

なんて優しいのでしょうか、この子は。こんな影に近い見た目をしている私にこんなにも優しくしてくれるとは。私は魚を頬張りながら、考えていた。食べ方がかなり下品になっているのでしょうが、そのようなことは気にしていられないほど私は食べるのに夢中になっていた。

 

 

気が付かない内に、私は左目から少量の涙をながしていました。ほんの数量ですが。暖かい空間が久し振りにやってきたような気がします。・・・ご飯を食べているだけなのに、このような気持ちに陥るとは・・・。情けない話ですね、これからこともさんを守ろうというときなのに、先に私が挫けてしまいそうです。

 

 

しかし、弱音を吐いている場合ではありませんね。急いで、間食させて夜の町へと旅立ちましょう。早くしないとお姉さんの体力が尽きてしまうかもしれません。元はといえば、私は彼女のおかげでこともさんという小さな友達と巡り会えたのです。ちゃんと恩は返さなければなりません。

 

 

私は涙を片手で拭い、おそらく鯖である塩焼きを食べることに集中した。

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

さて、鯖もいただいたところですので、そろそろ行きましょう。玄関に向かうと、こともさんが既に靴を履いて待っていた。

 

 

「申し訳ありません、遅くなりました。」

 

 

「じゃ、行こ。」

 

 

私は使い古された紺色のスニーカーを履き、彼女とともに家の玄関を潜る。しかし・・・お姉さんを探すとはいえ、まずは何処から捜索すればいいのでしょうか・・・。昼に警察に頼るなんて選択肢はありません。昼まで待っていたら、彼女の命が危ないです。私達が自力で見つけ出すしかありません。

 

 

「ルキアお姉ちゃん、こっちから行こ。」

 

 

そう言ってこともさんは、右側の方角を指差す。そんな雑な方法でいいのか疑問に思うところもありますがここは彼女の意見に賛同しましょう。探す当てもないのが現状ですので。

 

 

私達は再び夜の町を歩き始めた。目線から自販機や木々の隣が通り過ぎていく姿はまるで時の流れを表しているようです。そして、私達は自販機の隣に掲示板が立てられているのを見つけました。もしかしたら、何か情報があるかもしれない。こともさんは所々、漢字が読めないようですので、代わりに私が読むことにしました。

 

 

掲示板にはこのような内容の貼り紙が貼られていた。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

イヌの鳴き声による、騒音被害が多発しております。

 

ペットは飼い主が責任を持ってしつけをしましょう。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

読み上げるとこともさんの表情が暗くなる。そういえば、今彼女はお姉さんだけでなく、飼い犬も行方不明なんでしたっけ・・・。不味いです、読み上げただけですが完全に皮肉のような言い方になってしまいました。しかし、こともさんは懐中電灯を再び進行方向に向け、私の手を引きながら歩き出す。

 

 

「・・・ごめんなさい、こともさん。」

 

 

少し小さめの声で私は彼女に謝罪をする。彼女は何も言いませんでしたが、大丈夫と言っているように顔をこちらに一瞬だけ向けました。許して貰えたと思いたいです。

 

 

T時路を右折し、しばらく進むと少し開けた道路に出ました。ここにも影達が屯しています。襲われないように避けて通りましょう。そう思っていたその時、右側に青い犬のような影が学校方面に走っていく姿が見えた。あれが探している犬でしょうか・・・?

 

「ポロ・・・?待って!お家に帰ろう!」

 

 

すると、彼女は犬を追いかけて走り出してしまいました。

 

 

「そんな迂闊に飛び出しては影達の思う壺です!」

 

 

彼女を追うため、私も走り出した。小さい体ですが、こともさんはかなり速いスピードで走り、距離を微妙に離されてしまいます。しかし、体力がないのも事実なので、立ち止まっている彼女に追い付くことができました。

 

 

彼女に追い付き、肩に手を置いた瞬間、再び犬の姿が確認できました。しかし、先程同様に猛スピードで走り去ってしまう。また、彼女が追いかけてしまいそうになっていましたので、私はこともさんを拾い上げて、お姫様抱っこをして私が代わりに追いかける。

 

 

道路には、首がサイレンのように輝きながら回転している影が大量に佇んでいて、進めそうにありませんので、歩道の壁沿いを歩きましたが、突然壁から腕が生えてきて腕や胸、太もも部分を触られてしまった。体全体が一瞬ゾクッと鳥肌が立つのを感じる。

 

 

普通の人間だったら、腕をへし折ってやるところですが、この腕達も助けを求める怨霊なのでしょう。私は今の行いに、目をつぶることにして犬の向かった階段を駆け上がる。

 

 

階段を上がった先にあったのは校門でした。そう、この町にある唯一の小学校。中学校もあるようなのですが、何処にあるのかは私には分かりません。ちなみに私の通っている高校は電車を使わないと行くことの出来ない位置にあります。

 

 

しかし、動かしてみても校門はびくともしません。力強くない私はこの手の問題はお手上げなので、私はこともさんを下ろし、小さめな体を生かしてもらい、学校の中の様子を伺ってもらいました。すると、私も目視できる距離に犬が通り過ぎていくのを確認しました。

 

 

「ま、待って!」

 

 

こともさんの犬を呼ぶ声が学校の中の闇に吸い込まれていく。あの犬、この門をどうやってくぐり抜けたのでしょうか・・・。身長が180cm近くある私ですが、背伸びしないと届かないくらい校門はかなり高めです。

 

 

猫でも飛び越えるのは難しいでしょうし、犬がこじ開けて施錠したとも思えません。体が透けているか、ベールゼブフォ並みの巨大カエルでもない限り、この門を越えることは不可能のはずです。もうその時点でこの世のものではないのでしょうか・・・?

 

 

そして、私は今見掛けた犬の姿が少し異なっているように思えました。なんというか・・・頭部が普通の犬に比べて、少し大きかったような・・・?見間違いでしょうか。気のせいである事を祈ります。

 

 

私はポロという犬をみたことがないのでどのような姿をしているのかは知りません。なので、どれがポロなのか判断するのは、こともさんに任せるしかありません。・・・少々不安ですが。

 

 

「ルキアお姉ちゃん・・・どうやって中に入ろう?」

 

 

「何処か抜け道かないか探してみましょう。少なくとも、今の時点ではこの門を通ることはできません。」

 

 

「うん・・・分かった・・・。」

 

 

ひとまず、私達は今来た道のりを引き返し、学校への侵入経路を捜索することにしました。

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

 

途中、目玉から大口になる影やマンホールから腕が出て来て、足を捕まれるなど多少ハプニングがありましたが私達は巨大なダンボールで出来た基地のような場所にやってきた。ソファーや小さめのテーブルも設置されているので、小学生の溜まり場ということで間違いないでしょう。

 

 

小学生の溜まり場ならば、何か学校への情報があるかもしれません。少し進むと小さな一匹の三毛猫と掲示板が確認できました。何故、ここにだけ猫が・・・?しかも一匹だけ。三毛猫は私達を見つけると一目散に秘密基地の奥へと逃げ出しました。奥には何やら大きな鈴が置いてありました。

 

 

こともさんが三毛猫を追いかけて、鈴の付近へと近寄ります。すると、三毛猫から白い靄が立ち込め、頭部だけの巨大な『化け猫』が出現しました。目玉が360度回転し、耳がつんざくような鳴き声を上げてこともさんに食らいつこうとしました。

 

 

「ひっ」

 

 

私は全速力で走って立ち往生していることもさんを抱き抱え、秘密基地から逃げ出しました。化け猫は凄まじい速度で此方を追い掛けてきます。このままでは追い付かれる。私は試しに、影に効果が見られた小石を猫に向かって投げつける。しかし、効果はなし。

 

 

「ルキアお姉ちゃん、あれ。」

 

 

震えていることもさんが基地の奥を指差しながら、私に話し掛けてきた。指が指す方にはあの巨大な鈴がありました。もしかして、あれを守っているのでしょうか?

 

 

一か八か、私は基地の方へ旋回し、鈴に目掛けて走り出す。そして、無事に鈴に触れることに成功した。すると、気配が消えました。振り替えるともう、化け猫の姿はありません。

 

 

ふむ・・・この町には影やよまわりさんだけでなく、あのような妖怪もいるのでしょうか。ますます興味が湧いてきます。全てが終わったら彼らについてもっと調べてみましょう。・・・無事に帰ることが出来るかは甚だ疑問ですが。

 

 

しかし・・・この鈴、余りにも大きすぎやしませんか・・・。どちらかというと、神社に掛けてある本坪鈴に近いですよこの鈴。しかし、こともさんはこの鈴を持ち帰りたいと言うので、私が持つことにしました。余りにも大きいので抱えることにしましたが、一歩進む度に大きな音がなってしまうので、掲示板の情報を閲覧した後、一旦家に引き返すことにしました。

 

 

近くあった掲示板にはこう記されていました。文字は落書きのような少し曲がった字面でした。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

がっこうのプールのそばのおじぞうさん。

 

 

そのちかくにある、せのひくい きのしたに

 

 

ぬけあながかくれてる。

 

 

とおったあとは、はっぱであなをかくすこと!

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

・・・これはこれは。やはり、所詮は子供。しっかりと侵入経路を記録してありましたか。しかし、これは良い情報を仕入れました。一旦、家に戻ってその背の低い木と地蔵とやらを探してみましょう。

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

 

・・・疲れました。本坪鈴を女一人のみで、運搬させるのはかなり骨が折れました。しばらく、重いものは運びたくなくなりました。日頃から運動をしていない証拠ですね。体力や筋力を向上させれば、少しは叔父にも対抗できるようになるでしょうか。

 

 

大きな目玉の影と思いきや、大口を開けて食べようとしてくる影などを避けながら進んでいくと、何やら学校近くの行き止まりに辿り着きました。

 

 

ここには確かに、背の低い木と地蔵が設置されていました。こともさんはお地蔵さんに10円玉をお供えし、抜け道の探索を開始した。

 

 

「・・・あっ!こんなとこに抜け穴がある!」

 

 

どうやら、彼女は無事に学校へ通ずる穴を見つけたようです。どうやら草影にまみれて青いフェンスに穴が空いていたようです。

 

 

こともさんは穴を通り抜け、学校へと侵入することに成功しました。・・・ですが、穴は小学生用の大きさになっていました。

 

 

これでは中に入ることができませんね・・・。どうしたものでしょうか。

 

 

辺りを見渡してみると、林が生い茂っている中でフェンスが途切れている部分を見つけました。しかし、中は植物が鬱蒼と生い茂っており、棘の道が広がっていました。とても普通には通れるような道には見えません。

 

 

・・・しかし、フェンスを越えるにはここを通らなければなりません。こともさんを一人にしてしまっては心配です。あの子、何をするか分かりませんので。

 

 

私は覚悟を決め、林の中を突き進む。懐中電灯はこともさんが持っているため、灯りがない林の中は外より暗く見えた。当然、足元も見えず、辛うじて外灯の光に照らされていた棘道も見えません。

 

 

「うっ・・・。」

 

 

草を掻き分けて進んでいくと左足に激痛が走った。どうやら棘道に片足を突っ込み、棘が無数に絡みついてしまったようで、皮が切り裂かれる感触がする。痛い。ですが、気が付いたら既にフェンスを越えていました。もう少し歩けば、こともさんと合流できるでしょう。

 

 

「後、もう少し・・・。」

 

 

私は独り言を呟きながら、棘道を進んでいく。そして、無事に棘道を抜けてこともさんと合流しました。こともさんは心配そうに私の脚部を見詰めていました。自分の左脚を見ると、棘によって切り裂かれ、所々から血が滲んでいる。

 

 

「先を急ぎましょう、こともさん。早くしないとポロさんが行ってしまいます。」

 

 

「で、でも・・・。ルキアお姉ちゃん、足から血が・・・。」

 

 

「私に構うことはありません。大丈夫です。ただの切り傷ですよ。」

 

 

私がそう言うとこともさんは、一瞬心配そうに振り返りましたが、言われた通りに先へ進む。

 

 

しかし、今の出来事で敵は暗闇や影達だけではないことが分かりました。今では、自然もが私達の邪魔をする。人間以上に恐ろしいものは案外沢山いるものですね・・・。さて、考え込んでいる場合ではありません。こともさんを追い掛けましょう。

 

 

私は虐待されたときの為に持参していた、携帯用の包帯を怪我した左足に巻き、応急措置をする。大丈夫、こんな切り傷、いつもに比べたらなんでもありません。私はズキズキと痛む左脚をなんとか動かし、こともさんを追い掛けた。

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△▼

 

 

 

しばらく進むと、こともさんが何かを見詰めながら立ち尽くしていました。おそらく、何か手掛かりのようなものでも見つけたのでしょう。私は彼女に近寄ろうとすると何か動物がすぐ隣の草むらから飛び出してきた。

 

 

「ワンッ!!!!」

 

 

それは全身が青白く染まっている巨大な犬だった。・・・いえ、おっさん?

 

 

なんとも言えない顔をしており、それはまさしく人間の男性のそれであった。人面犬は私達を強く吠えたてて追い払おうとしている。すると、人面犬はこともさんが見つけた何かを咥えて、何処かへと持ち去ってしまった。

 

 

「あっ!待って!それはお姉ちゃんの・・・!」

 

 

「こともさん、どうしたのですか?あの人面犬が持っていったものは一体・・・。」

 

 

「ルキアお姉ちゃん、あれお姉ちゃんの靴なの・・・。どうしよう、盗られちゃった・・・。」

 

 

成る程、そういうことでしたか。残念ながらポロではなかったようですが、姉の持ち物を見つけたようですね。ということは少女はここに来た可能性が高いでしょう。なんとしてもあの犬から取り返さなくては。

 

 

「・・・待っててください。私がなんとかします。」

 

 

しかし、こともさんは私のズボンのを掴んだまま離そうとしません。

 

 

「やだ、私もいく。お姉ちゃん、怪我してるのに一人で行くなんて無茶だよ。」

 

 

確かにその通りです。今、私は左足が自由に動かすことができません。あの人面犬を誘き寄せることに成功しても、この足では逃げ切れる気がしません。勝算は極めて低いでしょう。

 

 

「・・・ありがとうございます。では行きましょうか。まずはあの犬を誘き出す方法を探さないと。」

 

 

「・・・うん。」

 

 

再び彼女は、私のズボンの裾をぎゅっと握りしめた。足が震えている。しかし、姉の為になら恐怖をも乗り越えようとするその姿、立派です。なら私もそんな友達の為にも協力しましょう。

 

 

 

△▼△▼△▼△▼△▼△

 

 

 

あれから私達は人面犬から靴を取り返す為に、学校中を探索しました。夜の小学校は、外の風景とは違った不気味さが漂っており、外には見ることがないような新種の影達が沢山いました。

 

 

特に校庭を探索しているときに出会った、二宮 金次郎の像には大変驚かされた。よく学校で、丑三つ時か朝方に動き出すだの散々噂されていましたが、私は馬鹿馬鹿しい戯言と思っていましま。しか、いざ目の前にすると何も言えなくなってしまいます。

 

 

噂は必ずしも嘘とは限らないのですね・・・。彼はずっと本を読んでいて、私達には目もくれませんでした。本物の二宮 金次郎さんもこのように働きながらずっと勉強し続けていたのでしょうか・・・。

 

 

それと鶏小屋にも行きましたし、焼却炉も探索しました。小屋の中には何故か一羽だけ、首がない個体がいましたが、この夜では別に珍しい事でもないので無視しました。

 

 

何故か焼却炉にはプールの鍵が落ちていたので、それを使ってプールも一応探索してみたら、丁度良い骨の玩具が見つかりました。私達はこれを持って人面犬が陣取る広場に向かい、今その広場の入り口付近にいます。

 

 

「・・・いくよ、ルキアお姉ちゃん。」

 

 

「私はいつでも。」

 

 

入り口付近には都合良く、勉強机が置いてあったので、こともさんが骨を置いて犬を誘き寄せられないかと作戦を実行している所です。

 

 

「ワンッ!!!!」

 

 

こともさんが骨を置いた瞬間、人面犬が広場から飛び出してきて私達を威嚇しました。私はこともさんを連れ、少し距離を開けます。しかし、人面犬は近くある骨に気付いたようで素早くそれを奪い、私達に目もくれずに靴を置いて、去ってきました。

 

 

作戦成功ですね。私達は急いで少女の靴を回収した。靴は触れた感じまだ生暖かったのですがお姉さんのものなのか、はたまた人面犬のものなのかははっきりしませんでした。

 

 

こともさんが心なしか落ち込んだ雰囲気になった。しかし、姉がいたことは間違いありません。希望を持ってもいいはずです。そう思った私はこともさんに慰めの言葉をかける。

 

 

「気を落とさないで下さい、こともさん。大丈夫です、靴があったということはここに居たことは間違いないでしょう。次がありますよ。」

 

 

「う、うん。」

 

 

こうして私達は学校を探索しましたが、結局どちらにも出会うことはできませんでした。次はどうしたものでしょうか・・・。田んぼ地帯の方へ行ってみましょうか。

 

 

私達は早速、学校を出て田んぼの方へ向かう。しかし、ルキアの脚から滴る血によって、何者かに追跡されていることを・・・まだ彼女は知らない。

 

 




どもども、はるばーどです。次回は田んぼの幽霊編なのでよろしくお願いいたします。あ、今回の話化け猫の方がメインになっているのは内緒で。


問題 世界一の大きさを誇るエイ『マンタ』。では、これの正式名は何でしょうか?

答えは次回の前半乗せます。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。