異世界から時の魔王も来たようですよ?   作:じおー

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「ーーーこの本によれば、ごく普通の青年・暮合(くれあい)零明(れいめい)。彼にはごく普通に暮らし、ごく普通の家庭を持ち、ごく普通に生涯を終える未来を辿る筈()()()。だが彼は自称『神』を名乗る謎の存在の気まぐれでライトノベル、『問題児たちが異世界から来るそうですよ?』の物語の舞台となる世界、〝箱庭〟へと旅立つ事となる。自称『神』を名乗る謎の存在から授けられた〝恩恵(ギフト)〟、〝ジオウ〟を手にした彼は異世界へと旅立って早々、『トリトニスの大滝』の近辺に住む水神の眷属である蛇神と戦い勝利するわ……おっと、先まで読みすぎました」


第1章【NO!? ウサギは呼んでません!?】
大蛇と魔王と金髪と


 

「---ぅ…うん……」

 

 

目を開けると、澄み切った青空と生い茂った木が見える。顔だけ動かして周りを見る。どうやら、どこか森みたいな所で寝っ転がっているみたいだ。

 

 

「……あー、やっぱりさっきの夢じゃなかったのな」

 

 

今自分がおかれているこの状況と身体の中にこの『力』を感じる事から、どうやら俺は本当に異世界に来てしまったようだ。

 

 

「色々考える事は多いけど、とりあえず先ずは起き上がるか」

 

 

地面から起き上がって身体全体を軽く伸ばしたりしてみる。とりあえずどこも痛めてないっぽい。

 

 

「……さて。確か森で迷った時は川を探して川沿いに歩けばいいんだっけな?」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

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ーーーー

 

 

『…………』

 

「……うそん」

 

 

川を探して森を彷徨う事約1時間後、俺は馬鹿でかい大蛇に睨まれていた。

ことの始まりはそう、なんとか川を見つけた俺は川の水で喉を潤した後、童心に帰って休憩がてら水切りを始めた。すると、投げた石の1つがどうやら川辺で寝ていたこの蛇に当たったらしく現在に至るわけだ。

 

 

『……答えよ人間、如何なる理由があってこの私に石を投げつけた?』

 

「うぉっ!?へ、蛇が喋った!?」

 

『ふん。()()()()()であり()()・この私が人間の言葉を介する事など造作もない。……今一度訊くぞ人間。何故私に石を投げつけた?』

 

 

『水神の眷属』に『蛇神』。どうやらこの世界には元いた世界と違い()()()()()()()がまだ存在する世界のようだ。

 

 

「えーと、すいません。この川で水切りをしていたんですけど、偶々その内の1つがあなたに当たってしまったみたいです」

 

『……ほう?故意ではなく、偶然とな?』

 

「あ、はい」

 

『……わかった。人間、お前の言葉を信じよう』

 

「っほ。ありがとうござ『だが』?」

 

『強力なギフトを持つ多くの幻獣が住むここに、たった1人で来るようなお前には少し興味がある。人間、お前の〝力〟を試させてもらうぞ!』

 

「おわっ?!」

 

 

そう言い終わるや否、俺に勢い良く向かってくる蛇神の突進を転がって慌てて避ける。川辺で下が小石ばかりだから普通に痛い。

 

 

「〜〜〜ッ!異世界最初に戦うのが蛇神とか冗談じゃねー!」

 

『ジクウドライバー』

 

『ジ・オウ』

 

「……変身ッ!」

 

『ライダータイム!カメーンライダージ・オウ!』

 

 

自称神に貰った特典で『ジクウドライバー』と『ジオウ』の『ライダーウォッチ』を具現化し、『仮面ライダージオウ』に変身する。この特典を貰った時に変身出来るとは解っていたけど、やっぱり憧れの『仮面ライダー』に変身出来たのはめちゃくちゃ嬉しかった。

 

 

『姿が変わった? それがお前のギフトか』

 

「あぁ。当然、ただ見た目が変わっただけじゃないぞ?」

 

『ジカンギレード!ジュウ!』

 

「はぁッ!」

 

『っく!』

 

 

ジカンギレードをジュウモードにし、蛇神に向かって引き金を引く。身体が大きい分狙いは簡単だ。

 

 

『ふんッ!』

 

「っふ!」

 

 

銃撃を受けながらも尻尾で攻撃してくる蛇神の一撃を躱しながら銃撃を続ける。巨体な分、そこまで大きなダメージは与えられないようだ。

 

 

「これならどうだ?!」

 

『タイムチャージ! 5…4…3…2…1…ゼロタイム!!スレスレ撃ち!!』

 

 

ドドドドドドッ!

 

 

『ぐぁあっ!?』

 

 

ジュウモードの必殺技、『スレスレ撃ち』をまともに受けた蛇神が川の中に勢い良く倒れこむ。ライドウォッチなしでもかなりの威力だ。

 

 

『中々やるではないか人間!次は我が一撃、受けてみるがいい!!』

 

 

直ぐに川から起き上がった蛇神の雄叫びに応えるように、川の水が竜巻の様に巻き上がり3本の水柱となって蛇神の周りに現れた。川の水がかなり減ってるし、かなりの水量だ。

 

 

「いやいや、そんなの普通に受けたら死ぬから!」

 

『フォーゼ』

 

『カメーンライダー!ジ・オウ!アーマーターイム!3・2・1フォーゼ!』

 

 

ジオウのままでは少し心配だった為、ビルくらいの隕石も余裕で貫通する『仮面ライダージオウ・フォーゼアーマー』に変身する。貫通力特化のこれならあの水量相手でもいける筈だ。

 

「宇宙に…行くーっ!かーらーの〜」

 

『フィニッシュタイム!フォーゼ!』

 

『リミットターイムブレイク!』

 

「ロケットきりもみキーック!!」

 

『なッ?!ぐあぁぁぁぁぁぁっ!!』

 

 

1本にまとまった巨大な水柱と一緒にそのまま蛇神の巨体を貫く……と危ないので直ぐ真横を通り抜ける。余波で川に叩けつけられてるけど多分大丈夫だろう。

 

 

「ふぃー」

 

『……み、見事だ人間。私の一撃を防ぐどころか、それ以上のものを見せてもらった。あのまま受けていたら、正直危なかった』

 

 

フォーゼアーマーを解除してただのジオウに戻ると、川の中から若干ボロボロになった蛇神が起き上がってきた。無事?で何よりだ。

 

 

「えーと、とりあえず満足して貰えたって事で良いのか?」

 

『あぁ、これ程までに強い人間と出会ったのは久し振りだ。……人間、名は何という?』

 

「零明。暮合(くれあい)零明(れいめい)だ」

 

『零明。水神の眷属であるこの私、『白雪(しらゆき)』に〝力〟で勝利したお前にこのギフトを授けよう。受け取るが良い』

 

 

俺と蛇神、白雪の間にそこそこ大きな木の苗が現れた。ぱっと見、ただの木の苗にしか見えないが『神』を冠する存在からのギフトだ。それなりのものなんだろう。

 

 

『〝水樹の苗〟だ。〝水龍の瞳〟には劣るが、それなりに大きい()()()()()()なら余裕で賄える程の水源となるぞ』

 

()()()()()()?……なあ、白雪さん。その()()()()()()ってのはいったいーーーっ!?」

 

『ぬぅっ!?』

 

 

俺と蛇神から十数m程離れた場所に空から()()が落ちて来た。余りの衝撃に砂煙が上がって乱入者の正体が分からない。

 

 

「ーーーおいおい、何だか面白そうな事してるな?俺も混ぜてくれよ」

 

『……何者だ?』

 

「ん、俺か?俺はーーーー」

 

「……学生?」

 

 

砂煙がはれたそこには、金髪頭にヘッドフォンを首にかけた学ラン姿の少年が両手をポケットに入れて立っていた。

 

 

「おう。通りすがりの男子高校生だ、覚えとけ」

 




「かくして、暮合零明は蛇神、白雪から〝水樹の苗〟を得た。彼の異世界での旅はまだ始まったばかり。しかし、次の戦いは直ぐにおとずれた」
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