異世界から時の魔王も来たようですよ?   作:じおー

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「ーーーこの本によれば、ごく普通の青年・暮合零明。彼にはごく普通に暮らし、ごく普通の家庭を持ち、ごく普通に生涯を終える未来を辿る筈()()()。様々なレジェンドの力を使い〝白き夜の魔王〟・白夜叉と闘う彼だったが、〝魔王〟の強大な力の前には通じなかった。そして彼は次なる力、『仮面ライダージオウ・ディケイドアーマー』で……おっと、これは皆さんにとっては未来の話…でしたね」


『魔王』対〝魔王〟

「ーーー良かろう零明!ならばこの〝白き夜の魔王〟の力、存分にその身で味わうが良い!!」

 

「ああ、望むところだ!」

 

 

ジクウドライバー

 

ジ・オウ

 

 

「な、何か出て来ましたよ!?」

 

「これは……時計かしら?」

 

「腕時計みたい」

 

「………」

 

 

黒ウサギ達が居る位置から少し前に出て変身準備をする。多分大丈夫だとははないとは思うけど、変身の瞬間に俺を一気に包み込むし一応だ。

 

 

「……変身ッ!」

 

 

ライダーターイム!カメーンライダージ・オウ!

 

 

「あら、見た目が変わったわ」

 

「へぇ?ああやってあの姿になってたのか。見た目といい変身方法といい、マジで特撮だな」

 

「……格好いい」

 

「他に注目するところありますよね!? 今一瞬、零明さんの周りの空間が反転してましたよね?!」

 

「な、何じゃそれは!?カッコ良すぎではないか!!」

 

 

黒ウサギと白夜叉の反応は予想通りとして、春日部は予想外だ。この感じなら、仮面ライダーだけじゃなくてプリキュアとかも好きそうだ。

 

 

「待たせたな。じゃあ、先ずはーーー」

 

 

ジカンギレード!ジュウ!

 

 

「ッハ!」

 

 

ドドドドドドッ!

 

 

「ふむ」

 

 

白夜叉に向かって連射するが、扇子を軽く振っただけで全て逸らされてしまう。射撃に難なく対応する白夜叉にも驚いたが、銃弾逸らすとかあの扇子、一体何で作られてるんだ?

 

 

「それは銃だな。私の知ってるものとは些か異なるが、まあこの程度は造作もないの」

 

「銃が駄目なら、次は剣だ」

 

 

ジカンギレード!ケン!

 

 

「おおぉぉぉ………ハァッ!」

 

 

ギャインッ!ギャインッ!

 

 

 

連続して斬りかかるが、これまた平然と扇子で防がれる。あの扇子、変身状態だから腕力とかかなり上がってるはずなのに歪むどころか傷1つ付いてない。

 

 

「ふむふむ、人間にしては中々の膂力だの。そのスーツの能力か?」

 

「ハッ!フッ!まぁ…なっ!」

 

 

電・王

 

カメーンライダー!ジ・オウ!アーマーターイム!ソードフォーム! 電王!

 

 

バックステップで距離を取りながら〝電王ウォッチ〟をはめてベルトを回し、『仮面ライダージオウ・電王アーマー』に変身する。『剣』と言えば『ブレイド』なんだが、

 

 

「ーーー俺、登場ッ!」

 

 

これが言いたかった。一応『()()()()()()()』だし無関係ではないな。

 

 

「おお!別の姿にも変身出来るのか!?」

 

「『登場』って、もう登場してるじゃない」

 

「行くぞ行くぞ行くぞぉぉぉぉぉ……おらぁっ!!」

 

「む?先程より力が上がったの?」

 

 

久遠の冷たいツッコミを聞かなかった事にして『モモタロス』の様に荒々しく白夜叉に斬りかかるが、さっきと同じで扇子で防がれたり避けられる。一発くらい当てたかったが、このまま続けても無駄そうだし『次』に行く事にする。

 

 

カブト

 

カメーンライダー!ジ・オウ!アーマーターイム!Change Beetle! カブト!

 

 

「おぉ、次はカブトムシかの?こんなか弱い美少女相手に力勝負でもする気かの?」

 

「何が『か弱い』だ……っよ!」

 

「ッ!……ニヤッ」

 

 

ギンッ!ギャンッ!

 

 

「なっ?!」

 

「たわけ、驚いておる場合か!」

 

「がっ!ぐぅっ!がはっ!!」

 

 

白夜叉に扇子で殴られ蹴飛ばされて地面を転がる。まさかのクロックアップが通じない!

 

 

「っく、まさかクロックアップが通じないなんてな。流石〝魔王〟、正直甘く見てたよ」

 

「なに、そう悲観するものでもない。下層クラスの〝魔王〟であれば十分通用する速さだ。ついて来れたとしてもほんの一握り程であろう。……まぁ、中層から上は〝魔王〟に限らず〝空間跳躍〟のギフトを持つ者も居るからその限りではないがの」

 

「おいおい、中層でそれだと上層とかヤバ過ぎだろ。ブルッとくるな」

 

「何だ?怖気ついたか?」

 

「まさか。武者震いだよ!」

 

 

ディ・ディ・ディディケイド

 

 

「第2ラウンド……いくぞ?」

 

 

アーマーターイム!カメンライド、ワーオッ!ディッケーイディケーイディッケーイード!

 

ファイナルフォームターイム!カ・カ・カ・カブト!

 

 

『ディケイドウォッチ』と『カブトウォッチ』を使い、『仮面ライダージオウ・ディケイドアーマー・カブトフォーム』に変身する。

本来なら各ライダーの『中間フォーム』になるが、カブトは中間フォームがないから自然と『最強フォーム』である『ハイパーフォーム』となる。

 

 

「……ふむ、さっきのと似ておるの」

 

「さっきのやつの『強化バージョン』ってとこだ。……まぁ、これの場合『強化バージョン』と言うよりはーーー」

 

 

カ・カ・カ・カブト!ファイナルアタックターイムブレイク!

 

 

「ーーー『最強バージョン』だな」

 

 

ーーースンッ……

 

 

ほぼ静止した世界の中でゆっくりと白夜叉に近づく。流石の白夜叉も『ハイパークロックアップ』状態の俺を認識出来ないのか、ピクリともしない。

 

 

「上層はともかく、少なくとも中層では通用しそうだな。まぁ、〝空間跳躍〟と違ってこれはいつ攻撃されたかも分からないしな」

 

「………」

 

「……ライダーキック。………ッハァ!!」

 

 

ドゴンッ!!

 

 

白夜叉をライダーキックで地面に叩きつけた直後、『ハイパークロックアップ』が終了する。観戦している黒ウサギ達は当然、蹴られた白夜叉本人でさえも何が起きたのか分からないだろう。

 

 

「ーーーゴホゴホッ!……零明、お主まさか()()()()()()()()!?」

 

『ッ!?』

 

「まさか。ただ、さっきより速く動いただけだ」

 

 

ただし、ほぼ止まってるに等しい速さでだけど、な。

 

 

「………っく、くくく。……謝罪するぞ零明。正直、ここまでやれるとは思わなんだぞ?」

 

「ッ!?」

 

 

思わず白夜叉から距離を取る。地面に寝そべる白夜叉の雰囲気がガラリと変わったのを感じる。どうやらこれからが本番のようだ。

 

 

「……はは、これが所謂プレッシャーってやつか。結構ズッシリ来るな」

 

「これでも『東側最強の主催者(ホストマスター)』を名乗っているからの。流石にこのままやられっぱなしという訳にはいかぬのでな」

 

 

のそりと起き上がった白夜叉の周りを巨大な炎の蛇がうねり始める。あまりの高熱に離れていても熱気を感じる。

 

 

「……もしかして、『プロミネンス』…か?……そういや、〝白夜〟と〝()()〟の星霊だったけ」

 

「いかにも……とは言え、諸事情で私も()()()()()()()()()のでな。これでも()()()()()だ」

 

「ふーん?だけど温度は変わらないんだろ、それ?」

 

「なーに、ほんの数万度だ。太陽の中でもかなり低い方だぞ?……さて、今からこれをお主に向かって放つ。見事凌いでみせればお主の勝ち、出来なければ負けだ」

 

 

どうやら白夜叉は本気を全然出してなかったみたいだ。まぁそれでも白夜叉は上層クラスらしいから、多分今の状態でも下層クラスの〝魔王〟と同じかそれ以上な筈だろう。

 

 

「ーーー零明さん!」

 

 

振り返ると、黒ウサギをはじめ久遠と春日部の2人が心配そうな表情をしていた。逆廻だけはどこか期待するような視線を俺に向けていた。

 

 

「……ここで勝たなきゃ『漢』じゃねーな。それに……」

 

 

フィニッシュタイム!

 

 

()()()()()()に、平成ライダーが負ける訳がない!」

 

 

ヘイッ!カメーンライダーズ!ヘイッ!セイッ!ヘイッ!セイッ!ヘイッ!セイッ!ヘイッ!セイッ!ヘ・ヘ・ヘイッ!セイッ!ヘイッ!セイッ!ヘイッ!セイッ!ヘイッ!セイッ!……

 

 

『ライドヘイセイバー』に『ディケイドウォッチ』を嵌め、時計の針を逆方向に3回転して構える。これでこっちの準備は完了。後はただ、お互いの一撃をぶつけ合うだけだ。

 

 

「………」

 

「………」

 

「「………はぁっ!!」」

 

 

ディ・ディ・ディ・ディケイド!

 

平成ライダーズアルティメットタイムブレーク!

 

 

迫り来る炎の蛇に向かって横薙ぎに1回、『ライドヘイセイバー』を振るう。半分程消し飛ばしたが、依然炎は向かって来る。

 

返す刀の2回目の横薙ぎで、完全に炎を消し飛ばす。炎の先に立つ白夜叉の顔はどこか満足していた。

 

 

「おおおおぉぉぉぉぉ……!!」

 

「ーーー来るがよいっ!!」

 

「ーーーハァッ!!」

 

 

ドゴォォォォォンッ!!!

 

 

最後の一撃を受けた白夜叉を中心に盛大に爆発が起きる。……ついノリで直撃させてしまったけど白夜叉は無事だろうか?

 

 

「ーーーゲホッ!ゴホッ!……ま、まさか爆発までするとは思わなかったぞ。せっかくの美少女が台無しではないか」

 

 

少しして、巻き上がった土煙が晴れ始め白夜叉の姿が見えてきた。

最後の爆発で身体中所々がススで黒くなっていたり着ている着物がボロボロになっていたり髪が若干チリチリになってはいたが、目立った外傷は見当たらない。

 

 

「いやいやいやいや、何であの爆発でその程度で済んでるんだ?頑丈にも程があるだろ」

 

「ふっふっふ、頑丈さにはそこそこ自信があるからの。……コホン。見事だったぞ零明よ。私の一撃を凌いでみせるどころか打ち破り、逆に私に一撃を入れてみせた。文句なしにお主の勝ちだ」

 

「えーと、ありがとう?」

 

 

色々思うところは有るが、取り敢えず当初の目的だった〝魔王〟の実力ってのをおおよそ知る事が出来たから良しとしよう。……まぁ、明らかに手加減されてたみたいだけど。

 

 

「さて。正規のギフトゲームではないとは言え、私との勝負に勝ったお主には何か賞品を渡そうと思うのだが……まぁそれはあの小僧共とのゲームが終わってからにでもしようかの」

 

 

白夜叉につられて逆廻達の方を見てみると、最初の自信満々な表情どころかこのゲーム盤に来た時以上に真剣な表情をしていた。多分今の俺と白夜叉の戦いを観て、自分達が受ける〝試練〟も生半可なものじゃないと思ってるんだろう。

 

 

「了解。それじゃあ俺は疲れたし、のんびりと観戦でもさせてもらうかな」

 

「うむ、そうすると良い。……今度は()()()本気で手合わせしてみたいものだ」

 

「……ははは、その時はお手柔らかに」

 

 

隣を歩く白夜叉にそう言われた俺は、引きつった笑顔でそう答えながら黒ウサギ達の所に戻った。

 




「かくして、見事〝白き夜の魔王〟に勝利した暮合零明。この結果が、今後の彼の立場を確立するものとなる!……まぁ、どうやら互いに本気ではなかったようですがね」
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