【完結】がっこうぐらし!RTA/卒業生チャート+α   作:兼六園

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・難易度/ノーマル
・キャラクリ/自由
・周回武器/使用可
・ゲームハード/フルダイブVR

前日譚↓
https://syosetu.org/novel/239068/


【Any%】バンディット50人斬りRTA【WR】
漸ノ篇


 はーいよーいスタート(棒読み)。素描(そびょう)より素猫(すねこ)がいいRTAはーじまーるよー。

 

 前作『まちカドまぞく/陽夏木ミカン攻略RTA』と『がっこうぐらし!RTA/卒業生チャート』を読んで高評価をぶちこんでくださったクソホモの皆さん、どうもこんちはーす(GO)

 

 今回は宣言通りフルダイブVR版がっこうぐらし! にて追加された敵対NPC『バンディット』を50人殺害するまでをAny%で走ります。

 

 えっ、学園生活部? 聖イシドロス大学? ランダルコーポレーション? 

 ……なんのこったよ(すっとぼけ)

 これは悪人ぶっころ──ぶっ天誅RTAなので……全員生存レギュはもう走ってるので……。

 

 というかこれ普通にプレイしててもPC版より全員生存目指すのムズいんすよ。下手なゲームより上等なAI積んでるせいで、そこらの恋愛ゲームより難しくなってるってそれ一番言われてるから。

 

 

 ──ともあれ、計測区間はキャラクリを終わらせ『はじめる』を押した瞬間からバンディット殺害数が50に到達した瞬間まで。

 RTAの内容の都合上、バンディットが現れ始める5日目からスタートさせていただきます。なーぜーか先駆者が居ないので、ルールは自由に決めさせてもらいます。どうせ追走者おらんし(煽り)

 

 ので、今回はPC版とデータを同期させて周回武器を使用します。卑怯とは言うまいな。

 んだらばキャラメイク開始。キャラの人物から背景の描写までわりと事細かに設定できるあたり最近のゲームは進んでますよねぇ。

 

 名前、出自、家族関係、友人関係、性格から思考回路まで細かく設定。アバターは何時も通りに黒髪長髪美少女の『男ってこういうの好きでしょデッキ』を使用させてもらいまして…………

 

 最後に周回武器の項目からアイテムを二つチョイスして……ヨシ!(RTA猫)

 

 

 名前は【古木(ふるき) 紫陽花(あじさい)】ちゃん。年齢は15歳の高1で、武人の家系の孫娘ですね。祖母は自分の姉がライバル視していた別の武家の人と結婚して出ていった事を気にしているらしいです。

 ははは、いやまさか、産後すぐに夫を薙刀でボコボコにして息子の命名権を奪取したパワフルママなんて居るわけ……ないない。ははは。

 

 ──お前(の家族関係)重いんだよ! 

 

 どっかで見たことあるような設定ですが、これは前に完走したRTAのデータが入ってるソフトと同期させてるから、どうせなのでセルフコラボさせちまおうという魂胆があるんですね。

 ネタバレしますと、古木くんこと【大上(おおかみ) 御形(ごぎょう)】くんは大学生なので、高校編を舞台とした今回は登場しません。

 仮にVR版を大学編まで進めた場合は、NPCとして登場する可能性はあります。

 

 前作主人公が先輩(ダブルミーニング)として登場するなんて……うわぁ、これはデビルメイクライですね間違いない。

 

 

 それでは早速始めましょう。

 周回武器はゲーム開始と同時にインベントリに収納されているので装備時に説明します。

 

 ……このRTA始める前に別ゲーで知り合いを裏切り爆破されるのを尻目にログアウトしてきたのでほとぼりが冷めるまで暇だからこっちを起動したとかそういうわけではないです。

 

 ……はーいよーいスタート(早口)

 

 

 

 

 

 ──ローディングが終わり、視界が晴れて現実世界とそう代わりない、しかして荒れ果てて血の臭いが充満する住宅街に紫陽花ちゃんこと私が現れました。早速とインベントリから、高難易度クリア報酬の周回武器を取り出しましょう。

 

 一つは【妖刀・血狂(ちぐるい)】という日本刀で、黒をベースにしつつ血のような濃い赤色が葉脈のように広がっている鞘に納められています。

 これは装備するだけで強力な筋力バフがプレイヤーに付与されるようになっており、その効果は鞘から抜かずとも反映されます。

 

 二つ目は【狐憑きの面】といい、そのまんま狐のお面です。こちらも装備すると、人間の限界を超えた持久力(このゲームにおいてはスタミナと素早さを兼ねている)を与えてくれます。

 

 妖刀くん共々フレーバーテキストの時点で性格に悪影響を及ぼすナニカがありますが、RTA中に困ることはないので続行します。

 バンディットを50人地獄に叩き落とせさえすればいいので、最終的に死のうが感染しようが紫陽花ちゃんのその後の人生がどうなろうが関係ないからね、しょうがないね。

 

 今回の私は(なるべく)非情に徹します。

 

 前回の二つのRTAでは主人公のキャラと原作ヒロインに絆されてのガバをやらかしましたので、今の私に精神的動揺によるミスはないと思っていただこう(ガバらないとは言ってない)

 

 

 ──では行動開始。最速でインベントリを操作して妖刀とお面を装備。完全に視界が塞がるタイプの装備品なのに何故か前が見えることに関して私はなにも言いません。

 

 腰に刀が納まり、僅かな重さで重心が傾きますが、それを補って余りある凄まじいパワーを感じます。なんというか強化外骨格を纏っているような絶妙な違和感ですけど。

 

 ちなみに今の紫陽花ちゃんの見た目は黒髪ロングヘアーで顔に狐の面を付けて腰に刀を吊るした黒いセーラー服少女です。高1でこちらに引っ越してきて転校する筈だったのに事件が始まってしまい……という設定ですね。

 

 

 ……話も程々に、さっさとバンディットをぶち殺しに行きましょう。やつらの他にも敵が増える辺り難易度が向上していますが、バンディットの存在は設定でオンオフ切り替え可能なので難しく感じたら設定を弄ってしまえば良いかと。

 

 狐憑きの面による持久力バフと妖刀の筋力バフを利用した超高機動をお見せします。

 体が引っ張られるような感覚と共に住宅街のブロック塀に跳び、屋根の上へと跳躍。

 

 御形くんがスキルを習得しないと出来ない動きが素でやれるという時点でヤバさが分かるかと思います。そこから更に次々屋根へと飛び回り、チャート通りにバンディットが根城としているコンビニに向かいましょう。

 

 50人殺害という途方もない数字故に、固まって行動している連中を狙わなければなりません。自らの手で始末しないとカウントされませんが、まあ抜け道はあります。

 

 ともあれダンッダンッダンッと瓦を踏み砕いて一息で跳躍。やがて見えてきたコンビニを目安に軌道を修正してからアスファルトに着地。

 鞘を左手で握──ろうとして、気配を感じ取り曲がり角のブロック塀に顔(お面)を向ける。そこには見づらいですが、原作ヒロインことくるみ姉貴の姿がありました。

 

 ──そう、VR版の学園生活部って、高校スタートで合流してない場合は自由に外に出て物資の回収を行おうとするんですよね。しかもメインキャラのAIは主人公である操作キャラが関わっていない時のランダム性が強く、試走の時はここ以外で出会ったことが数回あります。

 

 彼女らとは高校スタート以外のキャラで始めた際に外で出くわし、なんやかんやと話をして学校に向かうことになるのが大体の展開なのですが……50人斬りRTAはゲーム開始時点の5日目だけで終わるので会話するだけロスとなります。

 

 いえーいピースピース、と適当に意識を向けてから、改めてコンビニへといざ鎌倉。

 

 自動ドアのガラスは割れ、食品や飲み物は好き放題に盗み出されている。入口を見張っていたのだろう武装した男が紫陽花ちゃんを見て近付いて来ますが、その顔は不審者を見るそれでした。

 

 なんで?(殺意)……なんでやろなぁ(狐面黒髪黒セーラー服武装少女並感)

 

 まあこれから死に行く竿役に興味はありません。即座に抜刀し、小柄なのを利用した下半身への一閃を叩き込みます。

 妖刀・血狂はフレーバーテキストと設定の時点で『刃こぼれせず決して折れない』とされているため、多少無茶な振り方をしても問題ありません。御刀かなんか?(とじみこ並感)

 

 ……はい、膝を両断されて倒れたバンディットくんは、一拍置いて叫び声を挙げます。

 さあ叫べ、そして中に居る他の三人──通称KBSトリオを呼ぶのだ。呼んだら楽にしてあげるからもっと声を張りなさい傷口抉るぞ。

 

 ──ヨシ!(妖刀猫)

 

 やんややんやとコンビニの奥──スタッフルーム? から現れたKBSトリオことバンディットB.C.Dも叩っ斬りましょう。

 店内に入りながら片手間で妖刀を薙ぎバンディットAくんをゆっくり饅頭に加工しつつ、ボウガンを構えるバンディットDくんに警戒を向けながらBとCを見ます。──戦闘開始。

 

 金属バットとバールを振り回す二人を盾にボウガン持ちに撃たせないようにしながら、妖刀の峰と刃を使ってそれぞれを捌きます。

 お面によりアホみたいな量のスタミナを獲得している紫陽花ちゃんこと私は、基本的にスタミナ切れになることはありません。

 

 ですがやつらを除くNPCにも設定されているスタミナはいずれ切れます。

 ほら早速金属バットを振り回し疲れてバンディットBくんが動きを止めました。

 目の前で隙を晒したら命取りってそれ幕末江戸で言われてるから。スパーンと妖刀を振って、逆袈裟に刃を通して斬り裂きます。

 

 真横で仲間が斬られた事で動きを止めたバンディットCくんも返す刀で斜めに斬り、まだ息があるので喉を一突き。

 これで三人、順調ですね。あとはパパパッとバンディットDくんを切り捨てて、終わり! いいよ、こいよ! 胸に射掛けて胸に! 

 

 ──ズンズンと迫る私に撃ってきますが、結局あらぬ方向に矢が飛んで行き、バンディットDくんは刀の錆となりました。

 

 コンビニに入ってくるや否や仲間三人を一瞬で斬った狐面の女の子(無言で刀を振り回してくる)に襲われるとかいう悪夢以外のなにものでもない光景は、んまぁそう……同情はしますよ。

 

 

 開始数分で早くも殺害数が4/50となりましたね。幸先良いですが呆気なく死ぬバンディットくん達も情けないですねぇ。君らエロ同人じゃ竿役でしょうがなにくたばってんの(犯人)

 

 まあいいか……。コンビニを根城にしてるバンディットくんたちは大していい物は持っていないので、じゃけんさっさと次の住処(すみか)を襲撃しましょうね~。まるでゴブリン退治みたいだぁ。

 

 コンビニから出る前に血を払って納刀しようとしますが、血狂くんの刀身にはバンディットくんたちの穢れた血が付着していません。

 実は彼らがマグルじゃない可能性が微粒子レベルで存在していますが、単純に血狂くんが血液を吸い取っただけです。この刀もしかして……普通の日本刀じゃない……!? 

 

 ──はい。次行きましょう。コンビニを出てまた屋根に登り…………あれ、まぁだくるみ姉貴がこっちを見てますね。|0M0)(ダディナヤザァン)かな? 

 

 動かないということは私の行動を観察していたということでしょう。折角なのでちょっと脅かして紫陽花(わたし)の邪魔をしないように忠告しておきますか。ひょいひょいと住宅の屋根に跳び、遠回りをしてくるみ姉貴の真横に着地しましょう。

 

 ──おコンバンハァ!! 

 

 お前さっき私が殺戮してたときチラチラ見てただルルォオ!? 我が声に答えよ? 

 

 

 ……って、なんでここにりーさんが!?(くぅ疲)てっきりくるみ姉貴の単独行動だと思っていましたが、この見間違えようもない茶髪巨乳は紛れもなくりーさんですね。

 

 ……コンビニから出て来て屋根に跳んで消えた狐面の女が突然真横に着地してきては誰だってビビるでしょうが、シャベルを振りかぶるのはやめよ。片腕で防いでずいっと顔を近づけます。

 

 ──あ、ブチャラティごっこしようとしたけどお面のせいで『この味は嘘をついてる味だぜ!』が出来ませんね。ゴン、と狐面がくるみ姉貴の頬にぶつかるだけで終わりました。

 

 そんなわけでプレイヤーと原作キャラがかち合った事で会話イベントが発生。会話は選択肢が現れてその中からを選ぶのですが、主人公(プレイヤー)こと紫陽花(わたし)のキャラ設定、今までの言動・行動によって内容が変わります。

 

 基本的に選択肢は『肯定的意見』『否定的意見』『無視』に分かれ、そこから更にキャラとの好感度によって気を遣った嘘をついたり逆に質問したりと分岐して行きます。

 

 ですが、厄介な部分として、操作キャラは武器なんかの装備で性格が変わるんですよね。言うなればドラクエ3の装飾品みたいに。

 

 例えば軍人キャラが銃を持っている状態ならここでくるみ姉貴と会話をしても『守ってあげなければ……』と使命感に燃えるでしょう。しかし、単なる学生が銃を持っていたとしたら、気弱だったとしてもほぼ確実に調子に乗りますよね。そういうものなんですよ人間ってのは。

 

 であるならば、明らかになんかヤバそうな妖刀とお面を装備している紫陽花ちゃんはどんな性格になりどう思われるか……なのですが。

 

 ──まず妖刀の補正で正義感が歪になり、お面の補正で倫理観が破綻します。

 とどのつまり、今の紫陽花ちゃんは『悪人を殺す事に罪悪感を抱かないどころかそれを自分の正義であると確信している』んですね。

 

 そんな奴がまともに会話なんて出来るわけないので、今現在、目の前に浮かんだウィンドウには思いっきり周回武器の悪影響が表れた選択肢が提示されております。

 

『お前なんなんだよ……(ドン引き)』というくるみ姉貴の質問には『自己紹介をする』と答えておき、続いて『……人を殺したのか』という質問には──そうですね、肯定しておきましょう。

 

 否定してもどうせこの後確認されてしまいます。そうすると肯定したとき以上に大幅に好感度が下がり、次会ったときに敵対する可能性があるんですね(一敗)。

 くるみ姉貴と敵対したときに言われる『知恵があるだけあいつらより厄介だよ』は正論過ぎて反論できないのでNG

 

 ──自分より年下の女の子がこんなことをしてる事に関して胸を痛めたのかりーさんに『学校に来ないか』と誘われますが、悪人退治に忙しいので断っておきます。

 どうせバンディットをぶち殺して回る過程でヒロイン達の好感度は地に落ちるし、関わるだけタイムロスなので会話も程々にしましょう。

 

 人助けという形でバンディットを殺害すれば多少は好感度が上がりますが、このゲームのNPCのAIはかなり優秀なため、『プレイヤーがなんの躊躇もなくバンディットを殺害する行動』を『主人公は殺人に躊躇いの無い人物』と捉えるんですよね。助けてくれた事は嬉しくても、普通は誰であれドン引きします。

 

 という事で次の拠点の襲撃に行かなくてはならないため会話を切り上げましょう。

 一瞬お面をずらして素顔を見せ、アイウィル撤収! ジュワッ!(ウルトラマン)

 

 ブロック塀を足場に屋根に飛び、軽く手を振ってから先を急ぎます。ファンサービスを忘れないRTA走者(エンターテイナー)の鑑がこの野郎……(自画自賛)

 ちなみに顔を見せたのは単なるサービスです。お面の奥に美少女の顔があるんだから見れたらラッキーでしょ。嬉しいだルルォ~?(MUR)

 

 

 屋根を飛んで2分、そんなわけでバンディットが(たむろ)しているアパートにやって来たのだ。

 上下に三部屋×三部屋の計六部屋に一人ずつ住んでおり、この時間帯は上と下それぞれの一部屋に三人ずつが集まっております。

 

 そこでブロック塀をぶん殴って一つひっぺがし、上の真ん中の窓に思いっきり投擲して、割れた窓に突入してアンブッシュをキメます。当然ですがこいつらはここの住人ではなく、誰も使っていないからと勝手に部屋を私物化している連中なので、遠慮無く倒してしまいましょう。

 

 真っ先に正気に戻ったバンディットAが振りかぶった斧の柄の部分を腕で受け止め、筋力バフで強化された蹴りを膝に叩き込んで逆関節にしてやります。そしてもぎ取った斧を、運悪く投げたコンクリートブロックに直撃してもんどり打ってるバンディットBに全力で投擲。

 

 ──ゲッタートマホォォォォォク!! 

 

 ……うわぁ、まるでトマトに包丁を突き刺した時の状態みたいだぁ(オブラート)

 

 逆関節ACと化したバンディットくんは動けないので放っておき、寝ていたらしく今ようやく起きたバンディットCくんの顎を蹴り飛ばしてスタンさせます。どったんばったん大騒ぎしてると下の連中が上がってくるのでここからは迅速に。

 

 落ちているブロックでバンディットCくんを撲殺し、バンディットAくんは後ろに回り込んで首を押さえ込み──ゴキッと捻ります。これでバンディット殺害数は7/50

 下の連中も片付ければ、part1にして達成度20%の好調な滑り出しとなるでしょう。

 

 ……んだらば下の連中が来る前に手早く物色しましょう。二階真ん中の元の住人は……んにゃぴ、結構やべー奴だったようで、違法スレスレどころかガッツリアウトな物を仕舞い込んでいます。

 

 押し入れを開けて底の板をひっぺがすと、中からは大量のベアリングボールとどこから仕入れたのかわからん袋詰めされた火薬、何故か完成している時限発火装置が現れました。更にキッチンには圧力鍋、あっふーん……(察し)

 

 しかも押し入れの上を開けた先に繋がっている屋根裏にもボウガンと矢が置かれており、仮に生きていたら有用な戦力になることがわかります。まあ性格に難がありそうなので嫌ですけど。

 

 そいだばベアリングボールと火薬、発火装置、圧力鍋をインベントリに仕舞って玄関から外に出ます。ちょうど上がってきていたバンディットD.E.Fと鉢合わせました。──戦闘開始。

 

 二階の廊下という狭い空間では刀を振るのは不利なのではとお思いでしょうが、それはモーションが決まっている古いゲームの話で、フルダイブVRという特性上武器の振り方は自由なんです。

 

 つまり振り下ろされた金属バットを逆手に持った妖刀の柄頭で弾くことも出来るわけです。そのまま妖刀を足元に突き刺してバンディットDくんの膝を貫き、片手でインベントリ操作をして一個だけベアリングボールを取り出しましょう。

 

 足を切断しながら片手間でベアリ……なげーよ、以下パチンコ玉を指で弾いて後ろのバンディットEくんの顔面にぶち当てて怯ませます。

 バンディットDくんのバットを奪い取りながらざくりと心臓を刺し、バンディットFくんにバットを投げつけて防御させましょう。

 

 そして牙突っぽいモーションで飛び込み、胸に妖刀を突き刺して床に倒れさせます。

 先輩、"隙"ッス!先輩(悪人であり盗人とはいえ人を殺すという罪を)犯して良いっすか! 

 

 玉を当てられたバンディットEくんは怯みから回復して、凄惨な現場を見るや『俺たちが悪いことしたのかよ……』とかほざいてますが、逆に聞くけど一回でも良いことをしたんですかね。

 

 君らは物を盗み他人の部屋を勝手に使い、表現が規制されてるだけで盗み聞いた会話から察するに戦えない女子供に竿役(直球)してるじゃん。罰として芸術になれ、ライナーお前なら出来る。

 

 じゃあ取り敢えず今から初手ジャッジで9をキメるゲムヲの真似をするから、バンディットEくんはそれを食らってバーストした桃玉の真似をしてね。じゃあ行くよ~。じゃーんけーんぽんっ

 

 ──音にして『ドゴォ!!』或いは『ぐしゃあ!!』でしょうか。

 

 18禁とはいえ四肢欠損なんかは規制されているので原型を留めてはいますが、本来なら壁にトマトを叩き付けた的なサムシングになってるだろうバンディットEくんは、全力で蹴り飛ばされた結果二階廊下からぶっ飛んで行きブロック塀を粉砕して瓦礫の山に埋まっています。

 

 かろうじて見える下半身はピクリとも動かず、バンディット殺害数が10/50となっているので、んまぁそう……今のところはチャート通りですね。そんなわけで今partはここまで。

 

 次回、圧力鍋爆弾。お楽しみに。

 

 

 

 

 ──────────────────────

【妖刀・血狂(ちぐるい)】

 ・使い手の肉体の限界を取り払い、人知を越えた力を与える刀。その刀身は決して折れず曲がらず毀れず、鞘に広がる葉脈のようなひび割れはまるで血管にも見え、夜な夜な脈打っては刀が浴びた血を啜っているのだとか。更にはその刀を振るう度、使い手の心は歪んで行く。故にこそ、人はその刀を【妖刀】と呼び、返り血を浴びながら狂って行くからこそ、【血狂】と名付けた。

 ──────────────────────

 

 

 

 

 ──恵飛須沢胡桃がコンビニの近くに隠れるようにして観察していたのは、大人の男が屯しており近付くに近付けないからだった。

 

「……ったく、ここにもああいうの(バンディット)が居やがる」

 

 コンビニだけでなく、薬局やスーパーにもちらほらと存在が確認される連中。生きる屍とはまた違った厄介な存在である。

 

「どうする? 居なくなるのを待つ?」

「いや、あいつらあそこを拠点にしてるんだろうよ。迂回して違うルートを探ろう」

 

 背後から声を掛けられ、一度振り返りそちらを見る。同学年にして学校の数少ない生き残り──若狭悠里に言い返し、それから視線をコンビニに戻した瞬間、くるみは信じられないものを見た。

 

「……なんだありゃ」

「どうしたの、くるみ」

「いや、なんか、顔にお面付けた子供が屋根から跳んできてコンビニの前に着地した」

「今なんて?」

 

 あたしが聞きてえよ……と呟き、こっそりと住宅街の一角、ブロック塀から顔を覗かせて件の子供──少女を見やる。腰には刀を提げ、顔には狐を模した形のお面を付けている、おおよそ普通とは遠くかけ離れた風体であった。

 

 そして、ふと、少女は最初から知っていたかのようにくるみの方に顔を向けてきた。

 

「っ──!?」

 

 数秒くるみをじっと見たあと、少女は指を二本立てた手を向けてくる。それからコンビニの中に入ったあと、男の悲鳴が辺りに響いた。

 

 あらかじめ辺りの殲滅を済ませているために()()()が近付いてくることはないだろうが、それはそれとして、何人もの悲鳴が耳に届いてはさしものくるみや悠里も顔をしかめる。

 

「あいつ……まさかコンビニの連中と戦ってるのか……? しかもあの指は……」

 

 指を二本。ピースサイン。或いは──二人? 

 

「──バレてる、のか。それにしたって……あいつ、敵か味方か以前に()()()なのか?」

 

 そんな呟きを最後に、ピタリと店内の悲鳴や破壊音が消えた。割れたガラスを踏み砕きながら中から出てきた少女は、再度くるみたちを一瞥してから軽やかに屋根へと跳躍する。居なくなったか、と。くるみがそう思った次の瞬間。

 

「ばあ」

 

 真横から声が聞こえた。

 

「くる──」

「──っおお!?」

 

 反射的に握っていたシャベルを振りかぶったくるみを誰が責められるだろうか。

 しかし、思い切り振り抜かれたシャベルをぱしっと片手で受け止めた少女は、お面を付けた顔をくるみに近付ける。ぶに、とお面の口の辺りがくるみの頬に押し当てられ、微妙な空気が流れた。

 

「な、なんなんだよ、お前」

「なに、とは?」

「……貴女は誰なの?」

 

 お面の奥から聞こえてきたのは、ころりと鈴を転がしたような幼くも儚い(やわら)な声。

 シャベルを押さえている手が右手であり、鞘が腰の左側にある以上、即座に抜刀することは出来ないが大の大人を相手に無傷な時点で警戒は最大レベルに上昇する。手を出せないでいた悠里がおずおずと問いかけ、一拍置いて声を出した。

 

「……古木、紫陽花」

「紫陽花、か。一応言っておくと、あたしはくるみ。こっちが悠里だ」

「よろしくね、ええと、紫陽花……ちゃん?」

「んー、んー。うん」

 

 するりとシャベルから手を離しながらくるみと距離を置く少女──紫陽花。

 指で腰の鞘に収まった刀の柄をなぞりながら控えめに肯定するが、二人の視線は葉脈のように広がっている鞘のひび割れに向かっていた。

 

 ぎしりとシャベルの柄を握りながら、くるみは悠里とアイコンタクトを交わして、それから紫陽花に単刀直入に質問するべく口を開く。

 

「紫陽花、お前、コンビニに居た連中を……っ、殺したのか……?」

「…………? うん。そんなの当たり前」

「────」

「物を盗み、他者を傷付ける奴なんだから、死ぬのは因果応報。誰もやらない──やれないなら、私が代わりにやればいい。違う?」

「────」

 

 なにをそんな当然の事を? 

 

 まるでそう言いたいかのように首を傾げる紫陽花を前に、くるみと悠里は絶句した。

 声から察するに暗い感情は無く、それこそ、善意で行っているきらいすらある。紫陽花は、静かに、淡々と──いびつに狂っている。

 

「…………ねえ、紫陽花ちゃん」

 

 しかして、そんな少女を放っておけないのは、()()()()()()()()()(さが)故か。

 

「もし良かったら、私たちと一緒に来ない?」

「え、やだ」

「──!?」

「即答されてんじゃん」

 

 柔らかく微笑んだ顔のまま、即答で否定されたショックから固まる悠里。それを見て若干呆れたような顔を見せつつ、曲げた指でコツコツと刀の柄を叩いている紫陽花に向き直る。

 

「個人的に学校に招くのは反対だけどさ、参考までに何が嫌なのか聞いても良いか?」

「やることがある。急いでる私には、仲良しごっこをしている暇は無い」

「仲良しごっこねぇ」

 

 そう見えんのか、と独りごち、くるみは紫陽花の次の言葉を待つ。

 

「私は悪人を斬らないといけない。悪人を殺さないといけない。それが、私の正義」

 

 でも──そう続けて、お面の奥のくぐもった声はほんの僅かに震える。

 

「私の行いは、善ではない」

 

 断言し、紫陽花はおもむろにお面の位置をずらす。その奥から覗く瞳は、一切の光を反射しない程に濁り、ギョロリと動かして二人を見る。

 お面の位置を戻した紫陽花は、それからタンッとブロック塀から電柱、民家の屋根へと軽やかに動いて跳躍し、ひらりと手を振った。

 

「全部終わって、それでも私が生きていたらその時は────また、お話ししよ」

 

 屋根から屋根に、瓦を踏み砕いて力強く跳んで行く。そんな紫陽花の最後の言葉は、不思議と、消え入りそうな程にか細かった。

 

「……ねえ、くるみ」

「『やっぱり意地でも連れていこう』だろ」

「──!」

「分かってるよ。ほっとけないよな、あんなに危なっかしいとさ。あいつ年下だろうし」

 

 シャベルを担ぎ直して、悠里をちらりと見る。そして、面倒なことになりそうだという確信にも似た直感から、深くため息をついた。

 

「めぐねえとゆきにも相談しないとなあ。紫陽花がすっ飛んでった先、方角的にあたしらの目的地でもあるショッピングモールだろ?」

「……案外、すぐに再会できそうね」

 

 悠里はげんなりした顔のくるみを見て、紫陽花が駆けていった屋根を見上げて小さく笑う。年下だからか、どことなく猫のような雰囲気をしているからか、紫陽花を放っておけないのだ。

 

 それはまるで、狂気染みた執着。静かに狂っているのは、なにも──紫陽花だけではない。




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