【完結】がっこうぐらし!RTA/卒業生チャート+α   作:兼六園

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二時限目 昼

 バラン……原作ブレイクで来い……! な大学編はーじまーるよー。

 

 前回は図書館のヌシことリセと交流したところで終わりましたね。今回は武闘派メンバーとお話をするところから再開です。

 

 図書館から出て大学に戻ると、トーコから武闘派と話をするから着いてきてほしいと頼まれるので、とりあえず了承しましょう。

 

 構内の一部を武闘派と穏健派の共有スペースにしているらしく、そこで外からやってきた我々の事で話し合いをするとかなんとか。

 そこで当事者連れてこよう! ってなるのは……その……ルールで禁止スよね。

 

 そんなわけで会議室に到着。喧嘩の時間だ、コラァ! ……とはせずに普通に開けます。すると、中には三人の武闘派が待っていました。

 

 頬杖ついてる偉そうなのが頭護 貴人(たかひと)、武闘派でリーダーやってるだけあってかろうじて理知的ですが、どこか驕りを感じます。

 

 その横に座っている神経質そうなのが神持 朱夏(あやか)、パンデミック初期のときに生き残れたことで、自分こそが特別な存在であると思い込んでいる精神異常者です。ちなみにこんなんでも巡ヶ丘の卒業生なんですよね。*1

 

 最後にお茶を淹れているのが右原 篠生(しのう)、武闘派最高戦力にして恐らく最も古木くんといい勝負が出来るヒロインです。

 

 

 そんなこんなで話し合いが始まります。タカヒトとアヤカは我々高校組の情報と物資を穏健派が独占していることに苦言を呈していますが、初手のコミュニケーションでボウガンで射たれた時点でもう決裂してるようなもんですからね。

 

 むしろ正当防衛でボウガンの眼鏡くん含めて皆殺しにされなかっただけありがたいと思って欲しいくらいです。口だけが達者なトーシロばかりでよく生き残れたもんですな。全くお笑いだ、椎子姉貴が見たら笑うことでしょう。

 

『新しい発見物は分け合う約束だ』じゃねえよピアス千切るぞ。情報ならどうだとか言われても、その情報を知ったら君ら内ゲバ始めるだろ。騙されんぞ(ジョージィ)

 

 情報で人を殺せるとはいつぞやに世紀末VRゲーで王朝を築き上げた鉛筆野郎のセリフ。

 おいそれと緊急避難マニュアルの内容については教えられないので、無いものは無いときっぱり断りましょう。

 

 敵対的な態度を取り過ぎるとシノウ辺りとも敵対してしまいますが、このくらいなら平気です。むしろ既に椎子姉貴が手元に居るので、さっさとランダル編に入るためにも空気感染イベントを早めたいまであります。

 

 なぜならランダル編開始の条件は大学編での武闘派の全滅とシノウの謀反が起きた翌日以降だからです。悪いけどこれ、実況プレイなのよね。

 

 そんなわけで話は終わり。茶をしばいてから部屋を出ましょう。そういえばアヤカとは恐らく同期だろう古木くんとの間に、とくに反応とかはありませんでしたね。

 

 古木くんは知らないか忘れてる、アヤカは……今になって中二病患ってるから興味がないか、こちらも古木くんを覚えてないかですね。

 …………まあいっか! いざ敵対したときの後顧の憂いは無いに限るよなぁ!?*2

 

 

 

 んだらばアイウィル撤収。その後はみんなを集めて、『やつら』に関する作戦会議を始めます。やることが……やることが多い……! 

 みんなが集まるなかで、一度部屋に戻って椎子姉貴を連れてきましょう。突然の新メンバーに『?』となってる人が多いですね。

 

 俺が鎧の巨人で……っていうのはもういいか。適当に椎子姉貴の紹介をして、さっさと本題に入りましょう。タバコを吸おうとするな。

 るーちゃんが居るでしょうが! と注意すると、すげぇデカい舌打ちをされました。

 

 それでは高校組、穏健派、スミコ、椎子姉貴、古木くんのリセを除いたフルメンバーで会議を開始。コピーしたマニュアルを読んで、椎子姉貴も色々と考えています。

 

 生物兵器ということで、ウイルスが原因ならばやはりランダルコーポレーションに行く必要が出てくるのですが、それはそれとしてあれはウイルスが原因なのかとも意見が出ています。

 

 まあそりゃ、死人が動いているなら『待ってれば腐るでしょ!』と思ってたのに、なんか普通に活動し続けてたらそうなりますよね。これはのちのち『おたより』で考察されていましたが、生物兵器Ωは実は死なない人間を作る実験の産物だったんじゃないかと言われていました。

 

 というのも、『やつら』って代謝してないんですよ。バイオのTウイルス産ゾンビは代謝が高くて体がどんどん腐って行くから肉を求め、それを乗り越えてリッカーなんかに変異するんですが、やつらは逆に代謝が停止しています。

 

 代謝しない=腐らない、だけど活動は続いているという矛盾がやつらの身に起きているんですね。それがまだ人間のくるみ姉貴の体で起こったらどうなるかはランダル編をお楽しみに。

 

 などといったところで今回はここまで。幼馴染の参戦で更に複雑となった古木くん包囲網……めぐねえの明日はどっちだ!? また次回!*3

 

 

 

 

 

 ──個室にほぼぎゅうぎゅう詰めとなった状態で、最後に見慣れぬ女性を連れてきた古木に()()が驚愕しているのをよそに、桐子が代表して古木へと質問を飛ばした。

 

「えーっと、狼? そちらさんはどなた?」

「ああ、昨日の夜中に理学棟から連れてきたんだ。椎子、皆さんに挨拶しろ」

親か。……青襲よ。青襲椎子」

「あー……幼馴染だっけ」

「そんなところだ」

「────!!?」

 

 十人以上が集まって狭い個室の端で、当然のように古木の肩に体を寄せて密着している椎子に、反対側に座る慈は誰に気付かれるでもなく驚愕と嫉妬を混ぜたえげつない形相をしている。

 

「……あれ、理学棟って封鎖されてなかった? もしかしてずっとあの中に居たの!?」

「ええ、もう既に封鎖されているなら、誰も中を確認しようなんて思わないでしょう?」

「うわ~、灯台もと暗しってやつ」

 

 晶の言葉に返す椎子はそのままの流れで自然と懐からタバコを取り出し、口に咥えて火を点そうとして──すっ、と口許のそれを古木に没収される。眉を潜めて抗議の視線を向けるが、無言で手のひらを差し出されて、逡巡した椎子は舌打ちをしながらも箱とライターを手渡した。

 

「椎子、子供の前だ」

「──チッ」

 

 

 

 ──手元のマニュアルをコピーしてクリップで纏めた冊子を、頬杖を突きながら片手でぺらぺらと捲る椎子の隣で、話が終わりまばらに何人かが部屋を出て行く光景を見ている古木が、ホワイトボードの絵を見ながらポツリと呟いた。

 

「……悪の組織、か」

「なに?」

「この一連の騒動は悪の組織が作った生物兵器が原因で、そんな連中を退治すれば世界は平和になる。──()()()()()()()()んだがな」

「──まあ、そうね」

 

 ゆきの描いた『悪そうな組織の人物像』を見て、古木は冊子を閉じた椎子と向き合う。

 

「この世に『悪人』は居ても、『悪役』なんか居ない。それでも()()()()()のだろう。誰しもが、恨み辛みをぶつけていい相手が欲しいんだ」

「それが私たちにとってはランダルコーポレーションだった、って言いたいの?」

「……どうだろうな。仮にそうだったとしても、恐らく元凶は真っ先に死んでいる可能性の方が高い。恨み損にならなければいいが」

 

 机の傍らに置いてあった没収したタバコとライターを椎子に返すと、不意に数十分前にした武闘派との()()()()()を思い返しながら、古木は刀の柄に手を置いて重苦しくため息をつく。

 

「────邪魔だな」

「……なにが?」

「──いや、くだんの本拠地に向かうにしても、『やつら』が邪魔だと思っただけだ」

 

 それにしても──と続けて、古木はおもむろに椎子に顔を近づけ小声で続ける。

 

「てっきり、この場でくるみの感染についての言及をするものとばかり思っていた」

「馬鹿ね。どうして私が、貴方の不利益になるような話題をしないといけないのよ」

「……そうか。それは、助かる」

 

 ここで大学内に感染者が混じっていることを明かせば、穏健派と高校組が心優しい連中ばかりとはいえ余計な不和を生むかもしれない。そうなることを、椎子はきちんと理解していた。

 

「どちらにせよ、ここも連中の避難所であるなら、なにか食料以外の設備や道具が見つかるかもしれん。その辺りは、比嘉子なんかの方が得意だ。任せてみよう」

「適材適所ね。私の方も、『かれら』とあの後輩(かんせんしゃ)について調べてみるわ」

「ああ。頼む」

 

 ──早いところ武闘派をどうにかしなければな……と古木が思考しているのを、椎子が見抜くことはなかったのだが、それは余談である。

 

 

 

 

 

 ──桐子の個室にノックの音が響き、一拍遅れてくるみが中に入ってきた。桐子にタメ口を許されてフランクに接するくるみは、対戦ゲームをしていた彼女の言葉に目を見開く。

 

「実は、さっきの会議の前に武闘派たちと狼連れて話してきたんだけどさ」

「えっ……!? ……武闘派、生きてる?」

「生きてる生きてる」

 

 ──(あいつ)、どういう人だと思われてるんだ……? とは口に出さなかった桐子は、まあ確かに、と納得したように改めて口を開く。

 

「狼にさあ、武闘派との話を終わらせて会議室から出たあとにこう言ったんだよね」

 

 

『武闘派に知り合いは居たの?』

『……いいや、居なかった』

『そっか。残念だったね……』

 

 

「って言ってたのよ」

「……それで?」

「いや、こっからが問題」

 

 数時間前にした会話と、古木の顔を思い出して、手元のコントローラーをカチャカチャと弄りながらも冷や汗を垂らして桐子は続けた。

 

『残念では無い。むしろ良かったくらいだ』

『へ? なんで?』

『──()()()は、無いに越したことはない』

『────』

 

 

 画面の奥のキャラクターが負けたことを気にする余裕もなく、くるみは古木の言葉の意味を、否応なしに理解してしまう。

 

「いやあ、おっかねぇ~って思ったね。『あ、この人いざとなったら殺る気だな』って」

「いや、いや……古木さんはそこまでは…………するわあの人。古木さんなら絶対やる」

 

 感染した時にも間に合わなければ自分を斬ると判断し、雨の日にはやつらを斬り捨てながら嗤っていた古木ならやりかねない。

 

「まあ……君らを守りたい一心なんだろうけどねぇ。その枠に幼馴染さんまで混ざったら、そりゃあもう必死になるさ」

「……ああ、そうか」

 

 得心が行ったくるみは、コントローラーを握り直すと、再戦を選択する。

 

「無くす筈だった命だ、無駄にするかよ」

「え?」

「なんでもねー」

 

 自分もまた、コンテニューをしたようなものだと、皮肉気味に苦笑をこぼしていた。

*1
ついでに言うと特別感に浸るために武闘派メンバーを何人か裏で殺してるので、壊滅した原因の4割くらいを担ってたりする

*2
ぶち殺す気満々で草

*3
これ恋愛ゲームじゃないんだわ




次→12月9日00時00分(予定)
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