【完結】がっこうぐらし!RTA/卒業生チャート+α 作:兼六園
楽しい時間が終わる大学編はーじまーるよー。
前回はランダルコーポレーション本社に向かう話をしたところで終わりましたね。今回からは単行本8巻、不穏な大学編も後半戦にやって参りました……と、同時にイベント発生。
……さっそくですが残念なお知らせです。
武闘派の眼鏡こと高上くんが、感染していたことが判明しました。
CDプレーヤーで誘導して窓からコンテナで囲った通称『墓』に蹴り落として、終わり! いやあなんで感染してたんやろなあ(すっとぼけ)
眼鏡くんは身体検査もしたし自殺をするような奴でもないしおまけに仲間が殺すわけもない。
と来れば……そう、犯人は穏健派、或いは部外者の古木くんたちに決まってるね!
…………??????
・眼鏡くんは身体検査をしてた←わかる
・自殺をするような奴ではない←わかる
・だから穏健派が殺ったに違いない←!?
そこから一気にわからない! となっている視聴者のホモも居ることでしょう。
安心してください、私もわかりません。リーダーさぁ……疲れてんだよ(ライナー)
──と言いたい所さんですが、そもそもの問題として、武闘派は緊急避難マニュアルを読んでいないので、この一件がウイルス由来のパンデミックであることを一切知りません。
今まで相手にしてきたのは既にゾンビ化した感染者だけでした。だから、空気感染を疑うことが出来なかったんですね(メガトン大学)
一方その頃、穏健派では明日の遠征に備えての荷造りをしておりました。
武闘派が雑魚狩りピエロよろしくそろそろ狩るか……♡しているのも露知らず、まるできらら作品のようなほのぼのさを見せています。*1
と、荷造りついでに物資の整頓をしている大学組に家計簿を付けろと迫るりーさんとめぐねえの形をした妖怪をよそに、古木くんと椎子姉貴はやることがないのでぼけーっと座っていました。
……いや、だって、ねえ? みんなでわちゃわちゃしてたって邪魔なだけでしょう?
つまり私は悪くない。刀身を磨く待機モーションの古木くんとるーちゃんが居るから煙草を吸えない椎子姉貴、太郎丸を膝に伸せていじり回してるスミコ……我ら役立たず三銃士!*2
とか言いつつも、本来であれば、ここで高校組が自堕落同好会もといサークルノートを発見し、その段階でようやくスミコの情報が明かされるイベントが挟まります。
しかし最終回以外で登場しないうえ、普段着がゴスロリで酒豪で酔うと六甲おろしを歌いだすやつとしかわからないので、『そいつもしかしてヤバいのでは?』としか思えないんですよね。
実際はまあまあ愉快な奴なので問題ありません。おまけにそこそこ戦力になる。では無駄話は終わらせて、翌日の遠征準備完了の記念パーティを始めるまで倍速しましょう。
──先んじて武闘派を潰しておくべきでは? とお思いのホモも居るでしょうが、武闘派の方で感染者が出たことやこれから戦いが起こることは神の視点の我々しか知り得ません。
そんなときに武闘派を皆殺しにしたところで、殺人鬼の称号を得るだけですからね。
だからこそ、向こうからトラブルを起こしてもらう必要があったんですね。
貴様見ているな!(DIO)と画面を窓の外の奥でこちらを監視しているシノウ姉貴に向けつつ、なぜか鼻眼鏡を掛けている比嘉子から炭酸ジュースを注いでもらいます。
ついでに古木くんの横で一口飲んで何かを訝しむくるみ姉貴に注視してフラグを建てて、時間経過でイベントを進めます。
それからるーちゃんや圭たちからお土産を期待されますが……どうしましょう、精々パンデミックの解決策しか持って帰れないんですよ。*3
ジョークを挟んでから席を移動。みーくんの右隣に移動すると、反対の左側に座っていた
比嘉子もリセも、壊れ物の修理や読書に没頭して食事を忘れてしまうのだとか。
不満げにこちらにジト目を向けてくるリセを見ながら今回はここまで……と言いたい所さんですが、もうちっとだけ続くんじゃ。
……一方その頃(2回目)、パーティも終わった辺りで、武闘派の方ではこちらの行動の報告が行われております。古木くんたちが明日ランダル本社に向かうという状況と眼鏡くんの感染のタイミングが悪い意味で噛み合ってしまい、完全に我々が犯人だと思い込まれていました。
当然ですが我々が眼鏡くんを感染させた証拠は無いし、逆に我々が犯人だとする証拠は向こうにはありません。しかしロジハラで責めたら逆ギレからの戦闘開始となるので、このタイミングで対話をするのは不可能だと考えましょう。
全員の居場所を報告したシノウ姉貴に†私は選ばれた†の人が敵討ち出来るのに嬉しくないのかと問いますが、シノウ姉貴はどこか疑念の表情を浮かべています。
あれーおかしいね何か疑ってそうな顔だね~、といったところで改めて今回はここまで。
次回、武闘派全滅RTA開始をお楽しみに。
──夜も更けてきた時間。穏健派のテリトリーの廊下を歩く古木と椎子、美紀は、窓に体を預けて口許に煙をくゆらせる晶を見かけた。
「──あ。……内緒ね?」
「別に気にしないわよ。私も吸いに来たの」
「俺は念のための付き添いだ」
「私は……そこでばったり偶然」
煙草の箱とライターを掲げる椎子、腰に刀を吊るした和装の古木、背後の廊下を指差す美紀。その三人を見て、晶は苦笑をこぼす。
「……もうずっと前にやめたんだけどさ、たまーに吸いたくなるの」
「それって、美味しいんですか?」
「うーん……いや、美味しくはないかな。健康にも良くないし」
「言われてるぞ」
「うるさい」
晶と美紀の隣で吸っていた椎子は、遠回しの小言に手の甲で叩くことで文句を言う。
べち、と無抵抗で額を叩かれた古木は、椎子が半ばまで燃え尽きた煙草を携帯灰皿に入れる様子を見ながらも、視線を武闘派の縄張りである反対の校舎に向ける。
「──まだ向こうも起きているのか」
「あ、ほんとだ。消灯時間厳しいのに……なにかあったのかな?」
「……アキさんは、向こうに居たんですよね」
「うん、そうだけど」
古木の呟きに反応した晶に、おもむろに美紀が声をかける。質問があるのだろうと察した古木と椎子はそれとなく口をつぐんだ。
「どう、でした?」
「どうって?」
「私たち、向こうの人をよく知らないんです。そりゃ、ボウガンで射たれたり追いかけられたりで、印象は良くないですけど……もしかしたら、出会い方が悪かったのかなって」
『そんな事があったの?』とでも言いたげな、眉を潜めた表情の椎子の視線に、古木は小さく頷いて肯定する。晶は美紀の言葉に、うーんと唸るように呟いてから返した。
「……気を許さない方がいいかもね」
「怖い人……なんですか?」
「誰も彼もがって訳じゃないけど、アヤカって奴が居てさ。ああ、君は会ってないか。古木は見たでしょ? 『女帝』って感じのやつ」
「ああ、あの斜に構えたような小娘か」
「小娘て」
いや同年代でしょ、とツッコミを入れる晶は、煙草をしまいながら続ける。
「あいつ、いっつもつまらなそうな顔しててさ、近くに居ると息が詰まるっていうか……でも嫌いになれなくて、なんかしてやんなきゃって気になるの。まあでも、同じほっとけないならトーコの方がマシだわ。ほんとに」
「アキさんは、その……アヤカさんが苦手で、こっちに来たんですか?」
「あー、ううん。ちょっと違う。……あいつがさ、笑ったのを見たの。うちらの、お墓が見えるところで──くすって、笑ったんだ」
その時のことを思い出してか、晶の煙草と灰皿を握る手に力が入る。
「……アタシの見間違いかもしれない。何か理由があったのかもしれない。でも、あんなのを見たら、一緒に居られないよ」
「────」
「ごめん、変な話しちゃったね」
「ああ、いえ、参考になります」
晶にそう言うと、美紀は続けて問う。
「不安じゃなかったですか?」
「……不安、って?」
「ずっと一緒だった人から離れるのって、怖くないのかなって」
「そうね~、確かに怖くて、しばらくはやっぱり戻るべきかって考えた」
「じゃあ、どうしてここに」
美紀の踏み込んだ問いかけに、晶は、どこか哀愁の漂う表情で言葉を返した。
「一緒に居ると、ダメになると思ったわけ。アヤカは本当にヤバかったけど、武闘派にもいいやつは居たわ。でもあれ以上あそこにいたら、お互いにダメになるって思って……まあ、アタシもあいつらも、そういうもんなのよ」
そう言い切った晶の笑みに、美紀はそうですか、と口にする。複雑な人間関係があるのだな、と脳裏で独りごちて──唐突な古木の低い声に背筋を跳ねさせるように驚いた。
「誰だ」
「っ、古木さん?」
「御形、どうしたの」
「……いや、誰か居たのだが……気配がおかしくてな。冷たい、嫌な感覚だ」
刀に手を置いて腰を下げた、即座に抜刀できる姿勢の古木は、そう言いながら構えを解く。振り返った瞬間に僅かに見えた長い黒髪の持ち主は、一人しか居ないだろう。
「……少し、見回りをしてくる」
「──、これから遠征だってときに、無駄に疲れないでちょうだい。すぐ戻るのよ」
「わかっている」
「……あんた達も、早く部屋に戻りなさい」
「……青襲さん、何かあったんですか?」
「どうかしら。ただ──こういうときの私達の嫌な予感ほど……的中するのよね」
椎子の言葉と、古木の行動。
その二つを目の当たりにして、美紀の胸にはなんともいえない感覚が渦巻いている。
──隔離された空間で発生した感染者という爆弾。それによる武闘派との衝突。
こうして──誰もが想定できなかっただろう、今までで最も長い夜が始まった。
次→1月27日00時00分(予定)