マンガ版GXしか知らない遊戯王プレイヤーが、アニメ版GX世界に跳ばされた話。なお使えるカードはロボトミー縛りの模様   作:黒月天星

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 注意! 今回は少々キャラ崩壊があります。


 タイタンの声は某ドラ〇ンボールの緑のセミ型人造人間をご参考ください。


きれいなタイタンとコスプレ構想

「セブンスターズを穏便に辞める方法?」

 

 俺の言葉に通信機に映る大徳寺先生が怪訝な顔をする。

 

「どうしたのにゃ突然? もしかしてバランサーとして働くのが嫌になったかにゃ? ……君はこれまでよくやってくれた。辞めたいというのであれば私から止めるような事は一切無いよ。理事長が何か言ってくるかもしれないが、君の功績を考えれば処罰という事もまずない。あったとしても私が必ず止めてみせる。安心してくれ」

『いや。そういう事じゃなくてですね』

 

 何か察したのか、普段の飄々とした言葉遣いをアムナエルとしてのものに切り替える大徳寺先生。

 

 勿論俺も辞めれるならそれに越したことは無いが、大徳寺先生の代理として立っている以上まだ辞める訳にもいかない。それに本題は別にある。

 

『少し説明しづらいというか……厄介な状況というか。とにかく一目見てもらえば分かると思います』

 

 俺は通信機の画面を俺の後ろの方に向ける。そこに在るのは、

 

 

「人生とは素晴らしいっ! 見よっ! 世界はこんなにも美しく光り輝いているっ!」

『それは単にアンタが輝いているから周りもそう見えるだけだよタイタン』

 

 

 罪善さんの光を受け、すっかり身と心とついでに服まで真っ白になったタイタンの姿だった。

 

 

 

 

「つまり……その罪善に罪を告白して光を浴びた事で、タイタンが浄化されてしまったと」

『どうやらそのようです』

 

 連絡を受けてやってきた大徳寺先生(アムナエルバージョン)に事の次第を説明する。

 

「うむ。この通り闇の欠片すらない正に完()なるパァフェクトな存在になってしまったのだ」

 

 今やすっかりきれいなタイタンとなってしまった仮面の巨漢は、やや巻き舌気味にそんなことを言ってポーズを決めている。ちょっと性格まで変わっている気がするけどその渋いボイスで巻き舌は止めてぇっ!

 

 ちなみに大徳寺先生が来るまでに色々質問してみたのだが、タイタンの記憶の一部に欠落が見られた。先ほど罪善さんに告白した辺りが妙に穴ぼこになっていて、大まかな事は覚えていても細かな内容を思い出せないとか。

 

 これが罪善さんに“罪”を食べられたという事らしい。タイタン曰くよく覚えていないがやけにスッキリしているとか。人の罪ごと記憶をホイホイ勝手に食べるのはマズいと思うんだがな。

 

 あと今はまた身を隠しているディーが『これも洗礼の一種かな? まさか天敵と同じ事が出来るなんてね。……斎王君ともある意味相性が良いかも』とかブツクサ言っていた。これと同じ事が出来る天敵って物騒だな。あと斎王ってどちら様?

 

「しかし、まさかそのカードの精霊にここまでの力があるとは。……くれぐれもだがバランサーよ」

『分かっています。強制権はありませんが、罪善さんにこれからは勝手に人の罪を食べないようよく言い聞かせて納得してくれました』

 

 大徳寺先生の懸念はもっともだ。まさか罪善さんがするとは思えないが、知らない間にきれいな誰かを量産されてはたまらないからな。……まあ光る頭蓋骨の前で罪を告白する人はそういないと思うが。

 

 ちなみに罪善さんもやり過ぎたと思ったのか、さっきから輝きが落ちてシュンとなっている。

 

「そこでなのだがアムナエルよ。今や善なる私としては、これまでの悪行を悔い改め償いたいと思っている。具体的に言うと、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。力を貸してくれないか」

「……成程。これは確かに厄介な状況だ」

 

 微妙にアレな態度だが、少なくとも償いたいという気持ちは本物らしく真摯に頭を下げるタイタン。だが先生はその言葉に少し考え込む。

 

 俺個人としては、経緯はあれだがタイタンが善人になったのは喜ばしいし、自首して罪を償いたいというのも納得がいく。しかし、

 

『どう考えても理事長が黙っているとは思えないんですよね』

 

 あの理事長である。人に闇のデュエルを強制したり、性格捻じれてるくせして権力やら財力を持っている傍迷惑な御方である。下手に辞めるなんて言ったら何をやらかすか。

 

「そもそも契約不履行と見なされた瞬間どうなるか……タイタン。確か君が契約した時闇の世界に居たという話だったな」

「ああ。そこで鍵の守り手達を打ち倒すと誓うのなら助けてやると持ち掛けられた。私もこの世界から出られるならと承諾し、この仮面を渡されその力で脱出することが出来たのだ」

 

 やっぱりその仮面が毎度お馴染み理事長特製闇のアイテムか。光を浴びてタイタンの服まで真っ白になったというのに、仮面はまるで変わっていないからそうじゃないかと思った。

 

『では下手に契約不履行となったら、最悪またタイタンは闇の世界に逆戻り』

「何っ!? 嫌だ。もうあんな所には二度と戻りたくないぞっ!?」

 

 きれいなタイタンでも……いや、きれいだからこそより闇の世界に懲りているのだろう。自身をかき抱くように震えている。大分ヒドイ目に遭ったらしい。

 

 さて。どうしたものか。

 

 

 

 

 その後も男三人でうんうん考え続けたのだが結局妙案は浮かばず、夜明け前に集まったのにもうすっかり日が昇る。なのでひとまず解散して各自考えてみようという流れになった。現実逃避とも言う。

 

 なにぶんタイタンはともかく、俺も大徳寺先生も割と迫っている学園祭の準備もあって忙しい。レッド寮ではコスプレデュエル大会をやるらしいが、そもそもコスプレったって何をすれば良いのやら。

 

『やっぱりいつもの格好が良いんじゃないかな? 久城君には丁度着慣れている衣装があるし』

「バカ言うな。バランサーの格好で出たら鍵の守り手と一触即発になるだろうが。どう誤魔化せと?」

 

 部屋に戻って授業の準備をしながら、ディーとそんな馬鹿なやり取りをして気を落ち着ける。

 

 タイタンの事を忘れた訳ではないが、今はこれといった事が思いつかないのも事実だ。こういう時は一つの事ばかり考えているよりも、時々他の事も考えていると突然妙案が浮かんだりするからな。

 

「ここはやはり寮の倉庫から先輩達が使っていた衣装を引っ張り出してくるか。翔が言うには古いカードの衣装ならそれなりにあるらしいし。エルフの剣士とか」

『ダメダメ。そんなありきたりなのは面白くないからね。やるからにはもっと僕が楽し……ゴホンゴホン。あ~……君にあった品じゃないと。オーダーメイドって奴だよ』

 

 俺普通の品で良いんだけどな。ちょっと安っぽい衣装で皆とバカ騒ぎするって何か青春っぽいじゃん。だけどディーはお気に召さないらしい。

 

『いくつか衣装の候補も見繕って来たんだ。君さえ良ければすぐにでも作成に取り掛かれるから、軽く目を通してみてよ!』

「目を通すってもうすぐ授業に……ってこれ!? ()()()()()()()()()()()衣装じゃないか!?」

 

 ふわりと出現した紙の束にちらりと目を通すと、一枚一枚にそれぞれラフ画のような形で衣装が描かれていた。どれもよく幻想体の特徴が出たものばかりだ。

 

 少々派手で機能性に乏しそうな面もあるが、そこはコスプレだから許されるのだろう。……あと何か横に剣や銃といった武器までセットで描いてあるんだが。これ本物じゃないよな?

 

『わぁっ! 見せて見せて!』

 

 レティシアを筆頭に、何体かの幻想体達が精霊化して紙束に殺到する。自分がモチーフになったものがあるとすれば、それは興味を持って当然だろう。

 

『……おい。私をモチーフにしたらしき物まであるぞ。私は幻想体ではないのだが』

『良いじゃないか! ついでだよついで!』

『そうだよネクちゃん。これで仲間外れじゃないよ!』

 

 自分をモチーフにした衣装を見つけ不思議そうな顔をするネクだが、レティシアは喜ばしいとばかりにいつにもましてニコニコしている。

 

 それを見てネクも少しだけ。ほんの少しだけつられて微笑んだように見えた。

 

「確かにこれは少し面白そうだな。……一部明らかに変なのも混じってるが。何だよこのフリッフリの奴!? 明らかに憎しみの女王の格好だろっ!? 俺がこんなの着たら在学中ずっとネタにされるだろうがっ!

『え~面白いよ絶対! もう大爆笑間違いなし。一発で人気出るよ! まあ落ち着いてジュースでも飲みながら考えようよ』

 

 絶対着ないかんなと憎しみの女王衣装の紙は突っ返し、代わりにディーが差しだしてきた缶ジュースを受け取る。……ってまた蓋が空いた奴じゃないか!?

 

「毎度毎度……前異世界に行った時はうっかり飲んでしまったけどな。しっかりチェックしてるから蓋が空いた奴を飲んで眠らされたりしないっての!」

『流石にもう引っかからないか。残念』

 

 ディーも引っかかれば儲けもの程度にしか思っていなかったのか、言葉で言うほど残念そうな素振りも見せずに自分でぐびぐびとジュースを呷る。いやだからそれ飲んだら攫われる奴。

 

『最近じゃ癖になっちゃってね。この飲んだ直後の微炭酸の爽快感と、その後にやってくる気持ちいい睡魔がまた何とも……ぐぅ~』

 

 話している最中に眠ってしまい落っこちるディーを、突如空間を裂いてやって来た漁船とエビ頭の漁師が引っ掴んで攫って行く。

 

 しっかし不思議な船だ。ディーが言うには本来、ウェルチアースはジュースを飲んで眠った人を攫って船で働かせる幻想体らしいが、本当にどこに居ても出現するらしい。

 

 俺自身は覚えていないが、俺が飲まされた異世界にまで突入出来たとか。別の世界にまで干渉できるなんて地味に凄い能力なんだよなぁ。……待てよ!?

 

 今何か一瞬閃いた気がする。一体なんだろうかと思考を手繰り、

 

 コンコンコン!

 

「遊児! 起きてるか? そろそろ学園に行く時間だぜ!」

「……ああ。ちょっと待ってくれ。今行く」

 

 扉をノックする音と共に、外から迎えに来てくれたらしい十代の声がする。今何か思いついたような気がするが、まずは学生の本分たる授業に行かないとな。

 




 すみません。ちょっとだけ中の人ネタを使ってしまいました。だってあんな良い声を使わないなんてもったいないじゃないですか!

 今回急遽アンケートを実施いたします。皆様気軽にご意見を頂ければ幸いです。




 それと拙作『遅刻勇者は異世界を行く 俺の特典が貯金箱なんだけどどうしろと?』もよろしく。

学園祭にて遊児が着るべきコスプレのモチーフは?

  • やはり基本にして王道。罪善さん
  • 二丁拳銃に喪服。溢れる厨二心。葬儀さん
  • やはりモフモフが一番。テディ
  • メカメカしいSFチック。ヘルパー
  • 貴方をいつも護ります。セイさん
  • 人形アンドオカルティズム。ネク
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