マンガ版GXしか知らない遊戯王プレイヤーが、アニメ版GX世界に跳ばされた話。なお使えるカードはロボトミー縛りの模様 作:黒月天星
「えっ!? あと三日以内に準備を終えてセブンスターズとして戦いを開始しろ? 本当にそんなお達しが来たんですか!?」
「そうなのにゃ」
居残り掃除も終わり、学園の一室に集まる俺と大徳寺先生。それと通信機越しだがタイタン。そこに大徳寺先生からもたらされたのはいきなりの時間制限だった。
「ちょっと待ってくださいよ。これまでは時間制限なんてなかった筈です。なんでまた急に?」
『そうだ。それに三日後とはいささか急すぎる』
俺とタイタンも急に言われてはいそうですかとは頷けない。
それに表向きはともかく、三幻魔の復活の為にデュエリストのエナジーが必要な以上、時間がかかる事自体は向こうも都合が良い筈だ。しかし大徳寺先生も困ったような顔で返す。
「私に言われても困るのにゃ。それに久城君の方にも原因があるのにゃ。久城君はこれまでバランサーとして、セブンスターズ達の補佐や鍵の守り手達との戦いの調整を頑張ってきましたにゃ」
まあスパイとしては考え物だが、一度請け負った仕事はきっちりやる主義だからな。自分でもかなり頑張ったと思う。それが何か?
「
確かに言われてみれば、ダークネスから始まってもう数ヶ月は経っている。この調子では決着が全て着くまでどれだけかかる事か。
「つまりは時間をかけ過ぎだと?」
「そういう事なのにゃ。理事長個人は時間がかかるのは望む所でも、学園側としてはあんまり長すぎると色々問題があるのにゃ。セブンスターズとの戦いの事をどこからか嗅ぎつけてくる外部の人間を追い払ったりとか」
「……って事は、これって理事長からのお達しじゃなくて」
「うん。
『双方の陣営のトップから働かされるとは……雇われの身の辛い所よ』
なんだよそっちかよっ!? 言いたい事は分かる。ただでさえ今の時点でややこしい状況なのに、外部から別の勢力が来たらそれこそめちゃくちゃだもんな。タイタンも不憫さを感じ取ったのか少しだけ優しい口調だ。
しかし戦いに直接参加しない他の先生方は何をしているのかと思っていたが、案外そういった方面の対処だったのかもしれない。実力が無いと対処しづらい案件だろうしな。
ただ事情は分かったけど、まだタイタンをどう上手い事穏便に辞めさせるか案が出てないんだよな。
「ちなみに二人共。昨日の件だけど何か思いついたか?」
「流石に一日じゃ出てこないのにゃ」
『私も同じくだ』
ダメか。ちなみに俺は……一応さっき十代達と話している時に思い付きはしたんだ。ただかなり荒業だし正直穏便とは言いづらい。だから時間をかけて他の手を考えるつもりだったんだが、
「ちなみに大徳寺先生。三日後までに進捗が無かった場合は?」
「確証はないけれど……どう考えてもあまり良い結果にはならないだろうにゃ」
『その校長から理事長に連絡が行くとして、それでも動かなければペナルティ。最悪契約不履行と見なされるかもしれんな』
しらばっくれて時間稼ぎもなしと。こりゃ八方塞がりだな。……仕方ない。最終手段だな。
「タイタン。……諦めてまた闇の世界行こうか。ちなみに炭酸は飲める方?」
そう聞いた時のタイタンの顔は、仮面越しでも分かるほどに引き攣っていた。
◇◆◇◆◇◆◇◆
それから三日後。
(マンマ・ミーア。どうしてこんな事になったノ~ネ)
暗い夜の森の中を歩く鍵の守り手達こと十代・万丈目・明日香・クロノス教諭・大徳寺先生(それと翔や隼人)。その中でクロノス教諭は内心愚痴っていた。
セブンスターズからの挑戦状が届いたのは今日の朝の事。鮫島校長経由で知らされたのは、今日の夜八時に特待生寮にて待つというシンプルな内容。
しかし、クロノス教諭からすればどうしても見過ごせない事が一つだけあった。
(よりにもよって差出人があのタイタンだなン~テ。これは絶対あの事を追求しに来たノ~ネ)
そう。セブンスターズとして挑戦してきたのがタイタンだというのが大問題だった。
タイタンと言えば、以前クロノス教諭が十代を退学に追い込むために雇った自称闇のデュエリストである。教師が生徒を退学させようと企む時点でとんでもない話だが、話はそれだけで終わっていなかった。
なんとこのクロノス教諭。タイタンへの報酬(依頼人の給料三か月分)を未払いなのだ。おまけにタイタンが以前特待生寮で落とした領収書をネコババする始末。
十代に勝っていないので報酬は払わないと抗弁する事も出来るが、そもそも自分が依頼人だとバラされるのは非常にマズイ。
そんな訳でダラダラと冷や汗を垂らしながら、クロノス教諭はこの事態を打破すべく脳細胞をフル回転させる。こうなったら途中ではぐれたフリでもして、こっそり先に行って一人でタイタンと話を付けるか。そんな事を考えていた。
だが、
コツコツコツっ!
「アウチッ!? な、何事でス~ノ!? イタタタ!」
何故ならここは暗く深い森の中。人を見定め、罪を量り、罰を与える鳥達の棲む場所。
森を巡回していた罰鳥が反応し、
「むっ!? 罰鳥だと!?」
「そう言えばコイツこの森で見回りをしてたんだった。……ハネクリボー。近くに大鳥や審判鳥が居ないか警戒してくれ」
幻想体の事を知っている十代と万丈目はとっさに周りの確認。むやみやたらに人を襲う事は無いと判断しているが、遊児が近くに居ない以上うっかり怒らせでもしたら宥める者が居ない。
なので少し警戒したのだが、どうやらここに居るのは罰鳥のみのようですぐ警戒を緩める。罰鳥だけならこっちからちょっかいをかけなければ比較的安全だ。そして肝心の罰鳥だが、
「うわぁ! 白くて小っちゃくて可愛いっすね! だけどどっかで見たような気が」
「おいでおいで! ……あ~んもぅ。どうしてか私の方には寄ってくれないわ」
「俺の所にもなんだな。羨ましいんだなクロノス先生」
「そんな事言ってないで早く何とかしてほしいノ~ネっ! イタタ頭だけは止めテ~ノ!?」
コツコツコツ!
微笑ましいものを見るような顔で呼びかける翔や明日香達には目もくれず、罰鳥はひたすらにクロノス教諭の頭部を突き続けていた。ただ多少なれど手加減はしているようで、赤くはなっていても血が出るまではいっていない。
しかしそれでも痛いものは痛い。クロノス教諭は何とか振り払おうと腕を振り回すのだが、罰鳥はひらりひらりと躱していく。
「ノォォォっ!?」
これはたまらないとばかりに一人駆け出すクロノス教諭。だが罰鳥はクロノス教諭の頭上をとってパタパタと猛追。あっけにとられた他の面子を置いて熾烈なデッドヒート開始である。
「あっ!? ちょっとクロノス先生っ!?」
「あ~あ。クロノス先生あんなにはしゃいじゃって。私と一緒に引率するという話はどうなったのにゃまったく」
「そんな事言ってる場合じゃないですよ大徳寺先生! 早く追わないと」
「分かってますのにゃ!」
慌ててクロノス教諭の後を追う鍵の守り手達。そして、森を抜けて特待生寮に辿り着いた所で目にしたのは、
「……その意気や良し。分かった。私の相手はお前だ。クロノス・デ・メディチよ」
「かかってくるノ~ネこの自称闇のデュエリストっ! 決して闇は光を凌駕出来ないと教えてやるノ~ネ!」
『両者やる気十分で大変結構。では二人共、奥へどうぞ』
バチバチに闘志を滾らせるクロノス教諭と仮面の白い巨漢。そして二人を導くように手で寮の入り口を指し示すバランサーと、パタパタと未だクロノス教諭の頭上を舞う罰鳥の姿だった。
ある意味で相性が良いクロノス先生と罰鳥です。罰鳥からすれば突きやすくて突くべき相手だという意味で。
ちなみに罰鳥は大徳寺先生にも反応していますが、遊児に言い含められているので一時的に対象から除外しています。……あくまで一時的にですが。
学園祭にて遊児が着るべきコスプレのモチーフは?
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やはり基本にして王道。罪善さん
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二丁拳銃に喪服。溢れる厨二心。葬儀さん
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やはりモフモフが一番。テディ
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メカメカしいSFチック。ヘルパー
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貴方をいつも護ります。セイさん
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人形アンドオカルティズム。ネク