マンガ版GXしか知らない遊戯王プレイヤーが、アニメ版GX世界に跳ばされた話。なお使えるカードはロボトミー縛りの模様   作:黒月天星

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 注意! 独自設定タグがかなり仕事します。

 また、途中視点変更があります。


効果実証と夜の訪問者

 

「今日は付き合ってくれてありがとうな! 茂木」

「いやいや。僕は大したことはしてないよ。頑張ったのはもけもけ達の方だからね。お礼ならそっちに」

「大した事さ。散々デュエルに付き合ってくれたじゃないか。それにもけもけ達も。皆本当にありがとうよ!」

 

 吹雪から借りたペンダントの効果を試す実験も終わり、俺は茂木達に頭を下げていた。

 

 なにせ実験はかなりの時間続いたからな。普通にしている時やデュエル中の効果の違い、出力の大小によってどの程度効き目が違うのか? 時間経過による反動なんかも調べるとなるとどうしても時間が掛かる。今日が休日じゃなかったらとてもできなかった。

 

 さらに言えば実験の仕様上、細かく数値にして測定できる機材の当てもないし、頼りになるのは基本的に俺の体感のみだ。

 

 本来ならそれなりの人員を集めてやる事なんだが、精霊関係に耐性がある者自体限られているし防護服もそう多くない。

 

 おまけに十代や万丈目には出来れば知らせたくない。もうすぐ決戦だってのに、実験で下手に精霊の力を消耗されでもしたら困る。なのでどうしても人手は最低限になる。

 

 実験中何度気分がふわ~ッとなったり、いつの間にか語尾がもけになったか分からない。一度など出力を完全に間違えて、気が付いたら罪善さんの光を浴びながらセイさんに平手打ちを食らって正気に戻されていたなんて事もあった。

 

『まったく。私の加護まで一時的に外して実験をするのだもの。途中またあのだらけ切った状態になるんじゃないかとひやひやしたわ』

「ゴメンって。悪かったよ」

 

 ちなみに場合によってはココロに引っ叩かれていたと聞いて青ざめたのは内緒だ。ココロの城での暴れっぷりは身をもって知っているからな。まだセイさんの方が多分優しい。

 

『あっ!? もう終わったの? レティシアちゃん! そろそろ行くよ~!』

『ちょっと待ってココロお姉ちゃん。じゃあ皆! またね!』

 

 別の部屋でそろそろ終わると察したココロが、レティシアを連れてこっちにやってきた。

 

 実はレティシアとココロは結構仲が良い。相性が良いと言うべきか。

 

 

『ねぇココロお姉ちゃん! お姉ちゃんはセイお姉ちゃんと同じ魔法少女っていう人なんだよね? 良いなぁ。キラキラしててふわふわで、それでいて強くてカッコいいんだもの! それにステッキからピカピカできれいなお星さまを出したりできるんでしょ? すごいなぁ』

『ふふん! そうでしょそうでしょ! 魔法少女は愛と正義を守るすっごい人なんだから! ……レティシアちゃんも色々な魔法が使えるんだってね? ちょっと一緒に練習してみない? 簡単な技だったら教えてあげる』

『良いのっ!? やったぁ!』

 

 

 と、素直に相手を称賛するレティシアをココロもすっかり気に入り、別の部屋で一緒に簡単な魔法(手の平からハートの形の弾を出してお手玉したりとか)を他の精霊達に見せてほっこりさせたりしていた。

 

 ちなみにネクは嫌そうな顔で練習に付き合わされていた。やりたくはないがココロにうっかり悪党認定されたらマズイと踏んだのだろう。そして失敗して光弾を頭にぶつけて叫んでた。

 

「しかし、これならなんとかなりそうだ」

 

 俺はもう一度吹雪から借りたペンダントを見る。

 

 その効果はかなりのもので、体感で言うとディーから貰った物とほぼ同じか僅かに劣るくらい。これに関しては自称“元”神らしいディーのお手製を相手にほぼ同じという効果の高さを評価するべきだろう。

 

 これなら闇のデュエルでもしっかりリアルダメージを軽減してくれる筈だ。それに、実験中に()()()()()()()()()()()()()()()()ことが分かったしな。今すぐ色々出来る効果じゃなかったが、将来的には色々と応用が出来そうだ。

 

「じゃあ茂木。それにもけもけや他の精霊達。今日は本当にありがとうな。セブンスターズの件が粗方片付いたら今度こそお土産をきちんと持ってくるからな! では」

 

 一つ目途は立ったがまだやることは多い。早速次に向かうべくここを立とうとした時、

 

「あっ!? ちょっと待っておくれよ久城君」

「ん? どうした?」

 

 急に茂木に呼び止められた。何か忘れものでもしたかな?

 

「君がやろうとしている事はさっき聞いたよ。だけど、それには手が足らないんじゃないかい?」

「それは……」

 

 正直茂木の言う通りだ。

 

 ここがアニメ版の世界である以上、放っておいても最終的には主人公(十代)が解決するだろう。だが、その過程でどんな被害が出てもおかしくない。それが闇のデュエルだ。マンガで読んだだけではなく、実際に体験することでずいぶんと思い知らされた。

 

 俺の安全が第一なのは今でも変わらないが、俺の友人や学園の奴らも出来れば被害に遭わないのが一番だ。そのために色々と策を練って人を頼ってはいるが、それでもまだ万全とはまるで言えない。それを見透かしたように、

 

 

「ふわぁ~。……僕に、他にまだ何かできる事はあるかい? 例えば……いざという時の()()とかね」

 

 

 大きな欠伸をしながら、いつものように気負いなく茂木は眠たげな眼をしてそう言った。

 

 

 

 

 ◇◆◇◆◇◆

 

 夜。十代達の部屋にて。

 

「『サンダー・ジャイアント』でダイレクトアタックっ! ……にしても、どこ行っちゃったんだろうな? 大徳寺先生」

 

 夕食を終え腹ごなしにテーブルデュエルをする中、十代は同室の二人にそう口にした。

 

「つぅ~っ!? LPが1000切っちゃった!? ……そうだよねぇ。クロノス先生にも聞いてみたけど知らないって言ってたし」

「急な出張らしくて、先生達も詳しくは知らないって話だったんだな。もぐもぐ」

 

 ピンチになりながらも翔は答え、隼人はスナック菓子を摘まみながら補足する。

 

「つまりは手詰まりって訳か。最後のセブンスターズの方もいつ攻めてくるか分からねえし、こっちはいつでも迎え撃てるように準備しておくくらいしか出来ねえんだよな」

「頑張ってねアニキ! 力不足かもだけど、こうして僕もデュエルの相手になるっすよ!」

「それが終わったら今度は俺もやるんだな!」

 

 二人からの友情を感じ取って十代はにっかりと笑い、

 

「ありがとよ二人共! ……じゃあ手札から『融合解除』発動! スパークマンとクレイマンに分離し、スパークマンでとどめだ」

「げえっ!? や~ら~れ~た~っ!?」

 

 それはそれとして、きっちりデュエルには手を抜かずに勝利する十代だった。そんな中、

 

 

 

 コンコンコン。

 

 

 

「んっ!? 珍しいな。こんな夜にお客さんか?」

 

 突然扉から聞こえてきたノック音に、十代は不思議そうな顔をする。

 

「誰だろうね? 僕が出てくるっす! アニキ達は次のデュエルの準備でもしておいて」

「すまないんだな翔。じゃあ十代。今度は俺が相手なんだな。今回のデッキは前から少し改良してみたんだな」

「そりゃあ楽しみだな。ワクワクするな!」

 

 翔が立ち上がって扉に向かう中、十代達は今の場を片付けて次の勝負の支度をする。と言ってもテーブルの上のカードをデッキに戻してシャッフルする程度の事だが。

 

「よ~し! 準備できたぜ!」

「じゃあ早速始めるんだな」

「ああ。行くぜ! デュエ」

「ア、アニキっ!? ちょっと来てっ!?」

 

 デュエルを始めようとした時、翔の焦ったような声が響く。

 

「どうした翔? 誰が来たんだ?」

「良いから早く来てよ!? これはマズいって!?」

 

 翔のただならぬ雰囲気に、十代も扉の方に向かう。そして、その先に待っていたのは、

 

 

 

「一体誰が来て……って!? 何でお前がここに居るんだよ()()()()()!?」

『夜分に失礼する。すまないが少々話があってな、出来れば立ち話ではなく部屋にあげてもらいたいのだが、構わないだろうか?』

 

 

 

 一応セブンスターズ側の審判役。ペストマスクを被った謎の男バランサーが、口をパクパクさせて何も言えない翔と共に所在なく入口に立っていた。

 




 いかがだったでしょうか? 今年最後にしてはちょっと短めです。

 今回は茂木参戦フラグを立てる遊児でした。ただ普通に出したらどうしても周囲に被害が出るので何かしらの対策が必要ですが。
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