マンガ版GXしか知らない遊戯王プレイヤーが、アニメ版GX世界に跳ばされた話。なお使えるカードはロボトミー縛りの模様   作:黒月天星

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 なんと、marie9632さんがこの作品の二次創作(原作からしたら三次創作)を書いてくださいました! 題名は『【アニメ版GX】三鳥+αにドン引きする決闘者たちの反応集【幻想体】』です。

 作中世界の外伝ゲームとしてロボトミーコーポレーションが発売されたというシチュエーションで、幻想体とは何か知った上で改めて当時の遊児の掲示板回を見ていこうという趣旨ですね。

 純粋に拙作の反応集として見ても、ややロボトミー寄りで見ている方も楽しめる作品です。是非興味を持たれた方はご一読ください。




 注意! 今回も独自設定タグが仕事します。


十代対デイビット その三 土星の衝撃

 

「なんだいなんだい? 威勢の良い事を言っていた割にはそれだけか?」

 

 さて。闘志を漲らせてカードを引いた十代だったが、デイビットの言うようにそのまま魔法・罠ゾーンにセットしただけで壁になるモンスターも居ない。

 

 不安そうに十代を見守る翔を横目に、俺は静かにこのデュエルを見守る。

 

「ミーのターン。ドローっ!」

 

 

 

 デイビット LP3200 手札1 モンスター サターン 魔法・罠 なし

 十代 LP2800 手札0 モンスター なし 魔法・罠 伏せ1 スカイスクレイパー

 

 

 

「何を伏せたか知らないが、そんなモノこのカードで吹き飛ばしてやるヨ。魔法カード発動! 『大嵐』」

「そんなっ!? これじゃアニキのフィールドががら空きにっ!?」

 

 大嵐によりまずスカイスクレイパーが崩壊していき、瓦礫と砂埃で場が隠れる中続けてもう一枚のカードの破壊音が聞こえてくる。

 

「ハハハハハ! これで勝負は決まったな。後はサターンで直接レッドボーイに攻げ」

 

 クリクリ~っ!

 

「……何?」

 

 ハネクリボー DEF200

 

「まだ勝負は終わらないぜ。大嵐にチェーンし、俺はこの伏せカードを発動していた。速攻魔法『クリボーを呼ぶ笛』。これでデッキからハネクリボーを特殊召喚したのさ!」

 

 そう。これまで幾度も十代のピンチを救ってきた相棒。そして、漫画版でも特別な意味を持つ精霊のカード。砂埃が晴れた後に現れたハネクリボーを見てデイビットは動きを止め、

 

 

「……ふん。これはまた、何ともファンシーなモンスターだな」

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「まあ大嵐を上手く躱した所までは良いがここまでだな。バトルフェイズ。サターンでそのちびモンスターを攻撃。そのままターンエンドだ」

 

 主人の号令に従い、サターンはその剛腕でハネクリボーを殴り飛ばし破壊する。

 

「サンキュー。ハネクリボー。来てくれて助かったぜ」

 

 クリクリ~!

 

 十代は半透明の状態の自身の相棒を労いながら「俺のターンっ!」と再びドローする。

 

 手札0の状態。引いたカードがサターンをなんとか出来ないカードであればその時点で敗北確定というギリギリの状態でありながら、十代の動きに一切の淀みはない。

 

「俺は魔法カード『潜入! スパイ・ヒーロー』を発動。デッキからカードをランダムに二枚墓地に送り、相手の墓地の魔法カードを一枚選んでターンの終わりまで手札に加える。俺が選ぶのはアンタの墓地の強欲な壺だ! そのまま発動して二枚ドローっ!」

「やれやれ。足掻くねぇ」

「そりゃ足掻くだろ? まだ負けてねぇんだもん」

 

 圧倒的余裕からにやにやと笑うデイビットに対し、十代は何を言うんだとばかりに不思議な顔をしながら手を進める。

 

「魔法カード『ミラクル・フュージョン』! 今スパイ・ヒーローの効果で墓地に送られたバブルマンとクレイマンを除外して、E・HEROマッドボールマンを融合召喚扱いで守備表示で特殊召喚っ!」

 

 E・HEROマッドボールマン DEF3000

 

「本当はスカイスクレイパーが残っていればサターンを倒せたんだけどな。破壊されちまったから仕方ない」

 

 マッドボールマンの攻撃力は1900。スカイスクレイパーが残っていれば、効果でサターンの攻撃力を上回っていた。まあたらればだが。

 

「これで俺はターンエンド。どうだ転入生? 守備力3000はそう簡単に突破出来ないぜ」

「いやいや。思ったよりやるねぇ。がけっぷちの状況からこれは正に奇跡。でもさぁ……サターンの力はそんな程度じゃ止められないんだよ。ミーのターンっ!」

 

 デイビットはドローしたカードをちらりと見て、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「何だ? 何で自分からカードを捨てて」

「今説明してやるよ。サターンの効果発動っ! モードチェェンジィっ!」

 

 ガシュっ! ガゴンっ!

 

 サターンが拳同士をぶつける仕草をすると、そのボディがみるみる内に変形していく。

 

 両肩からはミサイルの覗くポットがせり上がり、胸部が開閉して巨大砲塔が展開。脚部からはそれまで滞空する為に使用していたジェットの一部が角度を変え、それぞれがマッドボールマンに狙いを定めている。

 

「うおおおっ!? カッコイイっ!」

「フハハハハ! どうだ! これこそサターンの真の姿。手札一枚と1000LPをコストに、このターン攻撃力を1000アップする!」

 

 デイビット LP3200→2200

 

 サターン ATK2800→3800

 

 マズいっ!? デイビットの奴、()()()()()()()()()()()()()無理やりゴリ押す気かっ!? まあ十代と翔は目をキラキラさせて魅入っているし、俺もアレはカッコイイと思うが。やはり重武装のロボはロマンだ。

 

「バトル! サターンよ。泥団子野郎を消し飛ばせっ! 『エンド・オブ・コスモス』っ!」

 

 全弾発射(フルバースト)。正にそうとしか言えない怒涛の連撃。飛び交う拳。ミサイルの雨。そして全てを消し飛ばす極太のビーム。

 

 それに襲い掛かられてはマッドボールマンも耐えられず、攻撃が止んだ後には塵一つ残っていなかった。

 

「ああ……またアニキの場が空っぽに」

「ターンエンド。頼みの綱の壁モンスターはまた居なくなった。さっきのような奇跡は流石に二度は続かない。降参するなら今だヨ」

 

 サターン ATK3800→2800

 

 攻撃力こそ戻ったが、そのプラネットシリーズの一角に相応しい威容は未だ健在。

 

 並のデュエリストなら、最初にサターンが出た時点で戦意を失う。

 

 強いデュエリストなら、一度の逆転からの再逆転でこれ以上は無理だと心が折れる。

 

 だから、十代はそのどちらでもなく、

 

「いいや。LPがまだ残っている限り、希望(デッキ)が残っている限り、降参なんてしないぜ。ドローっ!」

 

 絶対に、諦めないデュエリストなんだろう。

 

 

 

 

 デイビット LP2200 手札0 モンスター サターン 魔法・罠 なし

 十代 LP2800 手札2 モンスター なし 魔法・罠 なし

 

 

 

 

「速攻魔法『異次元からの埋葬』を発動! 除外されている自分か相手のカードを三枚まで選んで墓地に戻す。戻すのは俺がさっき除外したバブルマンとクレイマンだ」

「それがどうした? 手札に墓地から蘇生するカードでもあるのか?」

「良いや。デッキに戻すカードさ。俺は手札から魔法カード『ホープ・オブ・フィフス』を発動! これは墓地のE・HEROを五枚選んでデッキに戻し、その後二枚ドローするカード。俺は墓地のワイルドマン、ワイルドジャギーマン、マッドボールマン、バブルマン、クレイマンをデッキに戻す」

 

 しゅぱぱと墓地よりカードが飛び出し、十代のデッキに入ってオートシャッフルされていく。相変わらずこの演出はどうなっているのか分からない。

 

「まだ粘るか。でもそれだけやった割にはただの二枚ドローで終わりかレッドボーイ?」

「驚くのはこれからさ。ホープ・オブ・フィフスのもう一つの効果。それは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、二枚じゃなく三枚ドローになるんだぜ!」

 

 ぎりぎり。正にぎりぎりの土壇場で、十代は一気に手札を補充する。

 

 その一枚一枚は大した物ではないかもしれない。僅かな力でしかないかもしれない。だが、

 

「……っしゃあっ! 来たぜ。俺は魔法カード『融合回収』を発動! 墓地のエッジマンと融合を手札に加え、そのまま融合発動! 手札のエッジマンとスパークマンを融合させて」

 

 流れるように手が繋がり、十代の場に新たなHEROが現れる。それこそ、

 

「融合召喚。来いっ! E・HEROプラズマヴァイスマン」

 

 プラズマヴァイスマン ATK2800

 

 それは黄金の甲冑を纏った雷鳴の戦士。甲冑の上から電気が強い光と共に迸り、土星の巨人と対峙する。……というかプラズマヴァイスマンって攻撃力2600じゃなかったか? ()()()()()()()()

 

 だがこれにはデイビットも驚きを隠せない。

 

「言ったろ? 希望が残ってるって。諦めずに全力を尽くせば、デッキは必ず応えてくれるんだぜ」

「まさかあの状況からサターンと張り合えるモンスターを呼び出すなんてネ。恐れ入ったよ。……それで? そこのHEROとサターンの攻撃力は同じ。だが次のターン、また手札とLPをコストにすればサターンはモードチェンジでパワーアップする。今の内に相討ちにでもするかい?」

「いいや。プラズマヴァイスマンにはとっておきの効果がある。それは」

 

 その瞬間、十代が何をする気か察して俺は一瞬制止の声を上げそうになり……そのまま口をつぐんだ。

 

 これが闇のデュエルとかならまだしも、普通のデュエルならこれ以上は野暮という物だ。それが例え十代の勝ちに繋がらないとしても。

 

「手札を一枚捨てる事で、相手の場の攻撃表示のモンスター一体を破壊する。俺は最後の手札を捨て、プラズマヴァイスマンっ! サターンを破壊しろっ!」

 

 プラズマヴァイスマンが両手を翳すと、バリバリと音を立てて凄まじい放電がサターンを襲う。機械の巨躯があちこちショートし、数秒後サターンは瞳から光を失い沈黙した。

 

「やったぁっ! サターンをやっつけたぞ! 後は直接攻撃をすればアニキの勝ちだ!」

 

 パチパチパチ。

 

「お見事。まさかサターンが二度も倒されるとはね。少々悔しいが、ここは素直に認めようじゃないか」

 

 翔が歓声を上げる中、デイビットはどこか苦笑しながら拍手する。一見するとそれは悔しさを堪えながらも勝者を称えるものだが……そうではない。

 

「だからこそ残念。詰めが甘かったな」

 

 ギギッ。ギギギギッ。

 

 錆び付いたような金属音に、十代はハッとして倒したはずのサターンを見る。そこには、崩壊が始まりながらも内側から光を放ち始める土星の巨人の姿があった。

 

「サターンの最後の効果。それは相手の効果で破壊され墓地に送られた時、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()っ!」

「げっ!?」

「戦闘で相討ちに持ち込まなかったのが裏目に出たなぁっ! 最後は景気良く皆で吹き飛ぼうじゃないカ! サターン。『ダブルインパクト』っ! ハハハハハっ!」

 

 デイビットの高笑いと共に、サターンの起こす大爆発の衝撃が両者を包み込んだ。

 

 

 

 十代 LP2800→0

 デイビット LP2200→0

 

 

 

 十代対デイビット 両者LP0によりドロー。

 




 という訳で十代とデイビットの対決は引き分けとなりました。

 ただラストシーンに関しては、もし十代がサターンの効果を知っていた場合、アニメ版のプラズマヴァイスマン(ATK2800)でサターンと相討ちさせて塩試合にもつれ込んでいました。流石にそれは見栄えがアレなのでここで終わりになりましたが。




 この話までで面白いとか良かったとか思ってくれる読者様。評価を保留されている読者様。

 ブックマーク、評価、感想は作家のエネルギー源です。ここぞとばかりに投入していただけるともうやる気がモリモリ湧いてきますので何卒、何卒よろしく!
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