僕は正義の味方になりたかったんだ   作:ロリッカ

3 / 9
割愛に次ぐ割愛
もはや、ストーリーというより、ほぼ一人語り。
それでもいいと言う神のような方は続きへお願いします。


最愛の人、変えられない物語

あれから数年が経った。

僕の予想通りに、僕の人生は進んだ。

僕はナタリアに師事し、ナタリアと共に戦場を駆けた。

そして、僕はナタリアを殺した。

多分、原作通りなのだろう。

ナタリアはとある魔術師を追って飛行機に乗り込み、暗殺した。

しかし、相手の方が上手だった。

暗殺した魔術師の体内には大量の蜂が寄生しており、その蜂は乗客を襲った。

乗客は全ていつかの日のシャーレイ達のようになり、周りの人を襲い、唯一無事だったナタリアを襲おうとした。

結果としてナタリアは無事だったが、飛行機がこのまま着陸すれば大惨事は免れなかった。

だから、だから僕はランチャーで飛行機を落とした。

何故かは分からないけどその時ナタリアの微笑みが見えたような気がした。

 

その後の僕は様々な戦場を1人で渡り歩き、気がつけば

『魔術師殺し』

そう呼ばれていた。

 

 

 

 

 

 

更に数年が経った。

僕は聖杯戦争と呼ばれる魔術師同士の戦争のため、魔術師の御三家の1つ、アインツベルンに呼ばれ、ホムンクルスである、アイリスフィール・フォン・アインツベルンと結婚し、娘が産まれた。

名前はイリヤスフィール・フォン・アインツベルン。

産まれて、数日の間は僕はイリヤを抱くことすらしなかった。

僕にその資格はないと思っていたし、血に塗れた僕の手でイリヤを抱けば汚してしまうのではないかと危惧しての事だった。

そんな僕にアイリは微笑みながら言ってくれた。

 

 

アイリ「貴方の娘よ?抱いてみて」

 

 

僕はその一言で恐る恐るイリヤを抱いた。

愛らしかった。細かった。軽かった。

でも、なによりも申し訳なかった。

その晩、僕は1人で静かに涙した。

 

 

 

 

 

 

 

聖杯戦争が始まる。

そう告げられたのは雪の降る寒い日だった。

イリヤは8歳になり、成長していた。

アインツベルン当主のアハト翁の用意してくれた騎士王の剣の鞘。

全て遠き理想郷(アヴァロン)

それを触媒に英霊を呼び出す。

詠唱は覚えている。

魔力も十分。問題点は何も無い。

さぁ、始めよう。

僕達の聖杯戦争を。

 

 

 

〜〜第四次聖杯戦争は原作通りなので割愛~~

 

 

 

 

僕は失敗したのだ。

聖杯戦争は僕の勝ちだった。

聖杯は、アイリは僕の手に渡った。

そして、願った。

恒久的な世界平和を。

そして、聖杯が齎したのは破滅だった。

妻を犠牲にして、愛娘の母親を奪って成しえたことが大量殺人だと?

ふざけるな。

聖杯は穢れていた。

あらゆる願いを破滅という形で齎す絶望の願望器だったのだ。

僕の望んだ恒久的な世界平和を破滅という形にすると。

それは、人類の滅亡だった。

これも原作通りなのか?

やはり僕は誰も助けられないのか?

認められない、認めたくない。

誰か、誰か生きている人は!?

 

 

切嗣「誰かぁ!生きているなら返事をしてくれ!」

 

 

それは僕の、『衛宮切嗣』の叫びだった。

原作の衛宮切嗣がとうしたかは知らない。

でも、少なくとも今を生きる『衛宮切嗣』は生きている人を探した。

 

暫く声を上げ続け、歩き回った。

漸く見つけた。

1人の少年が生きていた。

ただそれだけの事実がたまらなく嬉しい。

 

 

 

 

 

 

 

数日後、僕はアインツベルン城の前に居た。

娘であるイリヤを連れていきたかった。

しかし、もちろん聖杯を持ち帰れなかった僕にアハト翁はイリヤを渡すようなことはしなかった。

だから、僕はせめて、イリヤが城から出た時に見つけてくれるようにペンダントを木の枝に掛けた。

冬木でアイリにプレゼントし、アイリがイリヤに渡してくれと僕に頼んだ品だ。

直接渡すことは出来なかったが、きっと、見つけてくれるだろう。

また来よう。

何度でも迎えに来よう。

何度追い返されようと。

 

 

 

 

病院に僕は居た。

あの時唯一僕が助けることが出来た少年を1目見るためだ。

病室に着くと少年はすこし、虚ろ気な眼差しで僕を見つめた。

 

 

切嗣「君は施設に行くのと、よくわからないオジサンと暮らすの、どっちがいい?」

 

 

少年「・・・・・・・・・オジサン」

 

 

切嗣「そうか。君の名前は?」

 

 

少年「士郎」

 

 

切嗣「じゃあ、今日から君は衛宮士郎だね。ほら、準備を始めよう。オジサンも手伝うからね」

 

 

少年が僕に着いてくると言ったのは少し予想外だったが、問題は無い。

僕は少年の荷をまとめ、少年を連れて冬木の家に帰った。

 

 

切嗣「オジサンはね、実は魔法使いなんだ」

 

 

少しでも、少年が1人で生きていけるように僕は魔術を教えようと思う。

僕は恐らくそう長くはないだろうから。

僕が死ぬ前にイリヤも冬木に連れてきて、士郎も、1人で生きていけるようにしなくてはならない。

やることは山のようにある。

達成出来るかどうかは分からない。

だけど、やらなきゃ何も始まらないから。

僕は士郎を一人前の魔術師に育ててみせる。

ナタリアが僕にしてくれたことを士郎にもしてあげる。

血なまぐさいことはさせないけれど、それが、僕が殺してしまったナタリアへの恩返しにもなるかもしれないから。

 

 

 




切嗣が主人公の第四次聖杯戦争をまさかの割愛。
何故かと言うと、思考回路って環境とかに左右されると思うんですよね。
しかも、切嗣は『衛宮切嗣』を誤解しており、なおかつほぼ覚えていないという。
なら、やることってそう変わんないんじゃと考えた結果、割愛。しぶしぶですけどね。
勘のいい皆様、いや、勘が良くなくてもわかると思うんですけど、本作の『衛宮切嗣』が主人公なのは第五次聖杯戦争です。
まぁ、気長にお待ちください。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。