地の文だらけで読みにくい、面白くないと思われるかもしれませんが、読んでくれると嬉しいです。
自分の意識が浮上する。
いや、それはおかしいだろう?
僕は死んだはず、いや、死んだのだ。
士郎に全てを託して、アイリや、ナタリア、シャーレイ達に迎えられ僕は死んだのだ。
死者は蘇らない。
それは太古の時代から覆らない真実だった。
訳も分からず狼狽えていた時だった。
女性「貴方は聖杯戦争に呼ばれました」
突然目の前に女性が現れ、その容姿に僕はさらに狼狽えた。
何故ならば、その女性は僕の妻、アイリスフィール・フォン・アインツベルンそのものだったからだ。
似ているなどではない。
僕の妻だったんだ。
見間違えようも無いだろう。
そなことを考えていた時だった。
僕の頭の中に様々な情報が流れてこんできた。
更に、先程アイリ?が言った聖杯戦争。
それが真実味を帯びてきた。
アイリ?「第五次聖杯戦争です。貴方のクラスはアサシン。宝具は起源弾。聖杯戦争開始まで時間はあります。マスターとの結束を高めるもよし、マスターを殺し、別のマスターに仕えるもよし、マスターを連れて逃げるもよし、お好きになさってください」
アイリ?がそう捲し立てる。
そして僕が何かを言う前に僕の意識は更に浮上していった。
僕は混乱していた。
それはそうだろう?死んだと思ったら目が覚めるし、アイリが居るし、聖杯戦争に僕がサーヴァントとして参加することになるなんて普通思わないだろう。
それに聖杯は僕が破壊させたはず。
まさか、破壊しきれなかったのか?
騎士王の宝具に令呪を重ねがけした上で?
更に先程流れ込んできた情報によると第四次聖杯戦争からさほど時間は経っていない。
思考が纏まらない。
故に混乱していた。
だから、気付かなかった。
いや、気づけなかった。
アイリ?が、聖杯がとても歪な笑みを浮かべていたことに。
目を開く。
目の前にいたのは今にも倒れてしまいそうなほど疲労している白髪の少女。
膝に手を当て屈んでいるから顔は見えない。
恐らく、彼女がマスターだろう。
未だ理解しきれていない頭ではあるがサーヴァントとして呼ばれた以上その責務は全うしなければ。
切嗣「サーヴァント、アサシン。君がマスターかな?お嬢さん?」
僕がそう言うと目の前の少女は勢いよく顔を上げた。
その表情には驚愕。
そして顔を見て僕も驚いた。
少女「私はイリヤスフィール・フォン・アインツベルン。貴方のマスターよ」
そう、僕のマスターは僕の娘、イリヤだったのだ。
あの後、僕は気が付かなかったが、イリヤの傍にはアハト翁が居て、僕がアサシンであることに対してイリヤに唾を飛ばし激怒していた。
どうやら、アインツベルンはバーサーカーを呼びたかったようだ。
バーサーカーは契約しているだけで魔力を大量に持っていくからバーサーカーのマスターはそれが原因で死ぬ場合もある。
だから、僕がアサシンでイリヤのサーヴァントになれて良かったと僕は思っていたが、イリヤはそうは思わなかったようで常に霊体化しておけと命令された。
そんな日々が続いていたが、ある日、イリヤはアハト翁によって城の外に放り出された。
アハト翁曰く、サーヴァントと信頼関係が結べるまで帰ってくるな。
ということらしい。
それだけで僕はアハト翁へ殺意を抱いたがソレを実行する訳にはいかない。
僕は何も出来ないまま吹雪の中をふらつきながら城に向かって歩くイリヤを見ることしか出来なかった。
暫く霊体化したままイリヤについて行くと、震えるイリヤの前に獣が現れた。
五匹の狼だった。
飢えているのか涎を垂らしながらイリヤを見つめる。
そして、先頭にいた狼が飛びかかると他の四匹も続く。
イリヤは必死に魔術で抵抗するが狼の速度に翻弄され思うように撃退出来ないでいた。
イリヤは娘だが僕はどうすればいいか分からなかった。
普通なら助けなければいけないだろう。
それくらいは分かっている。
しかし、いざ助けたとしてイリヤに拒絶されてしまえば僕は恐らく戦えなくなる。
それでも、体は勝手に動くようでサブマシンガンを右手に握っていた。
照準は・・・合っていない。
イリヤ「・・・助けて!アサシン!」
イリヤが涙を浮かべ、虚空に向かって叫んだ時、僕の右手は狼に照準を合わせ、引き金を引いていた。
数秒で狼は息絶えた。
イリヤは恐怖からか滂沱の涙を流しながらしゃくりあげていた。
切嗣「遅くなってすまない。もう大丈夫だ。安心するといい」
イリヤの頭を撫でながら抱き抱える。
それだけで少しは安心してくれたのかイリヤは僕の首に腕を回して感触を確かめるように擦り寄る。
防具が当たって痛いだろうにそれすらも安心する為の材料と言わんばかりに擦り寄る。
イリヤ「・・・・・・・・・ごめんなさい。冷たくしてごめんなさい。霊体化させたままでごめんなさい。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・助けてくれてありがとう」
小さな、ともすれば聴き逃してしまいそうなほどに小さな声で謝罪と、それから感謝の言葉を述べた。
切嗣「どういたしまして」
出来るだけ優しく、頭を撫でながら声を掛ける。
イリヤは娘だ。
しつこいようだが実の娘だ。
でも、彼女を救うのは僕には出来ない。
僕は正義の味方ではなく、ただの暗殺者だ。
イリヤを守るのは僕の役目。
それが終わって、イリヤを救うのは士郎に頼めるだろうか?
無理なら仕方ないが、出来れば2人には兄妹として、育って欲しいと思うのはエゴだろうか?
そんなことは誰にも分からないだろう。
それこそ、神様だって。
イリヤを抱き抱えたままアインツベルン城へ入る。
アハト翁は満足そうに頷き、イリヤに声も掛けず去っていった。
だから僕はアインツベルンのメイドである、ホムンクルスのリズとセラを呼び、イリヤを暖めるように頼み、イリヤを下ろす。
その時、イリヤがなかなか首に回した腕を解いてくれず一悶着あったが、まぁ、どうでもいいだろう。
重要なのはこれからだ。
聖杯戦争はまだ始まってもいない。
場所は10年前と同じ冬木。
もしかしたら、成長した士郎を見ることも叶うかもしれない。
それはそれとして、僕はイリヤを救うことが出来なかった。
生きているうちには叶わなかった。
でも、今なら、これからならば、救うことは出来ずとも、護ることは出来る。
ならば、護り抜こう。
それが、少しでも、自己満足だろうと、罪滅ぼしになるのなら、イリヤに傷はつけさせない。
それが、イリヤの父として、そして、サーヴァントとしての責務だから。
批判でもいいので感想お待ちしています。
その批判の内容によっては取り入れ、より良くしようと思っていますので是非よろしくお願いします。