お気づきかもしれませんがストックなんて無いです。
かなり、行き当たりばったりで書いておりますのでおかしな所もあるかもしれませんが、そんな時は教えて頂けると幸いです。
聖杯戦争が始まる。
そう告げられ僕はイリヤ、セラにリズと共に冬木へ向かった。
死んでからさほど時間は経っていないはずだが、街並みは大きく変わっている。
それに、少し高台に登れば分かる事だが、10年前の聖杯戦争の際に起きた、いや、起こしてしまった悲劇の中心地は未だ、復興されておらず、枯れた芝が放置されていた。
しかし、遠目に見ただけだが、かつて僕が拠点にしていた武家屋敷は誰かが住んでいるようだ。
それが士郎であったならどれだけ嬉しいことか。
散策もそこそこに、僕とイリヤは冬木のアインツベルン城へ向かう。
切嗣「今回の聖杯戦争のマスターとサーヴァントのクラスは分かっているのかい?」
そう問うとイリヤは少し難しい顔をしながら答えた。
イリヤ「全員では無いけど、少しは分かったわ。」
そう言ってイリヤは3枚の写真を広げた。
イリヤ「まず、マキリ、今は間桐か。間桐慎二がマスターみたい。サーヴァントはライダー。間桐慎二が大声で呼んでたからほぼ間違いないと思っていいと思う。次に遠坂凛。残念だけど、サーヴァントは分からなかった。でも、マスターなのは間違いないはず。令呪も確認できたし。最後にマスターは確認出来なかったけど、キャスター。それに、多分だけど、バーサーカーが一緒にいた。キャスターが何らかの方法で呼び出したんだと思う」
イリヤはそこまで言って僕を見つめた。
その瞳には不安の色がありありと写っている。
切嗣「うん。始まった直後にここまで情報を集められたのは偉いよ。よく出来ました」
そう微笑みながら頭を撫でる。
イリヤからは僕の顔を見ることは出来ないだろうけどね。
でも、頭を撫でられ褒められるだけでイリヤは破顔させ、その端整な唇からは嬉しそうな声が漏れている。
とても、穏やかな時間が流れる。
士郎と話した時にも思ったが、このまま時間が止まってくれればいいのに、そう思わずにはいられなかった。
切嗣 side out
イリヤ see side
アサシンが私の頭を撫でて褒めてくれる。
それだけで私は嬉しくなって口角が上がるのを抑えられない。
でも、少しだけ罪悪感が湧く。
少しだけ嘘をついた。
本当はもう1人、マスター候補を知っている。
私は彼を殺さなければならない。
でも、アサシンはあまり、人の命を奪うことを良しとしない節がある。
だから、嘘をついた。
言ってしまえば、バレてしまえば、多分アサシンは止めるだろうから。
止められる訳にはいかない。
だってこれは復讐だから。
私から父を、切嗣を奪った復讐だから。
私は切嗣と会えなくなったのに、彼は切嗣と暮らしていた。
私は毎晩涙を流しながら宝物のロケットペンダントに入っている写真を眺め、思い出に耽けることしか出来なかったのに。
彼は切嗣に拾われてから切嗣が死ぬまでの数年間、思い出を作り出した。
おかしいじゃない?
私は血の繋がった切嗣の娘。
彼は赤の他人。
私は会えなかったのに赤の他人は一緒に暮らしていた。
不公平じゃない?
だから、私は彼を許さない。許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない。
必ず殺す。でも、あっさりは殺さない。
生きていることを、殺されないことを後悔しながらゆっくりと死んでもらう。
助けて、から殺してとお願いするまで虐め続ける。
そして、最後に殺す。アサシンの手は借りない。
私が、この手で息の根を止める。
だから、それまでに私がアサシンに怒られないようにサーヴァントを呼び出してね?
エミヤシロウ?
数日後
私はエミヤシロウの家の付近に張り込んでいた。
アサシンには城でお留守番してもらっている。
アサシンは心配性だから。
私の大好きなアサシン。
大好きなアサシンに心配はかけられない。
正直に言うと私は聖杯に興味は無い。
私に願いなんてないから。
お爺様は持ち帰れと私に命令したけれど、それを聞く義理はない。
だって、私はアサシンさえいればそれでいいのだから。
それ以外には何も要らない。
聖杯戦争に呼ばれるサーヴァントは皆、聖杯に願いがあると聞いた。
アサシンの願いは聞いたことがないけれど、アサシンにも聖杯への願いがあるはず。
なら、それが私の願いだ。
アサシンの願いは私の願い。
でも、本当はアサシンの願いを叶えてサヨナラ、じゃなく、受肉して、私と永遠に居てもらいたい。
どの道私は長くは生きられない。
その短い人生の中くらい好きな人と共に生きていきたい。
私が死ぬ時はアサシンに殺してもらいたい。
アサシンはそんな頼み聞かないだろう。
でも、私には令呪がある。
令呪を使ってアサシンに殺してもらう。
そうすれば、私はアサシンの中で永遠に生きられる。
私は最後の瞬間までアサシンを見ることが出来る。
アサシンは私を殺すことで私を忘れられなくなる。
それってとても、素敵なことじゃない?
だから私はアサシンに殺してもらいたい。
私を優しく抱いて、撫でてくれるあの手で私を絞め殺して欲しい。
そんなことを考えているとやはり、口角は上がりっぱなしになる。
多分今の私は控えめに言って気持ち悪い笑みを浮かべているだろう。
でも、止められないのだから仕方がない。
アサシンのことを考えるだけで心が暖かくなる。
その暖かさが心地良い。
そんなことを考えていると前から1人の青年が歩いてくる。
イリヤ「・・・ミィツケタ」
エミヤシロウだ。
都合よく1人。
私は静かに近づきすれ違いざまに声を掛ける。
イリヤ「早く呼び出さないと死んじゃうよ?オニィチャン」
そして、エミヤシロウが振り返った時には私の姿は無い。
困惑しているのがよく分かる。
手に取るようにわかる。
でも、私は見つけられない。
それが私とエミヤシロウの覆らない差だから。
これで、最初の目的は達した。
後は、エミヤシロウが呼び出すサーヴァントをアサシンに殺してもらい、アサシンに見つからないようにエミヤシロウを攫う。
それだけで、目的はほぼ達成されている。
後は、エミヤシロウで遊ぶだけだ。
また、口角が上がる。
抑えられない。
いや、抑えなくていい。
だってアサシンは居ないから。
今の私の醜い笑顔はアサシンの目に写してはいけない。
アサシンの瞳が汚れてしまうから。
だから、今くらいはいいじゃない?
この溢れ出る憎悪を抑え込まなくても。
イリヤ side out
another see side
もし仮に、今の彼女の笑みを見た者が居たなら、おそらく、その人物は二度と、人前に現れることは無いだろう。
それもそのはず。
見た目は完全に幼女に近いイリヤが浮かべている笑みはお世辞にも美しいとは言えない。
目は昏く淀み、口角は唇が裂けんばかりに吊り上げられ、どこか危険な雰囲気を醸し出す少女がいれば恐怖に駆られるだろう。
その恐怖はどこまでも根付き、忘れることは無いだろう。
そんな笑みをイリヤは浮かべていた。
はい、キャラ大崩壊ですね。
まぁ、でもこれはこれで美しいと思いませんか?
押し付けるつもりはありませんが、女性が最も輝く瞬間は好きな人を思い浮かべている時の微笑みだと思うんですよね。
まぁ、この作品のイリヤは多少過激ですが。