僕は正義の味方になりたかったんだ   作:ロリッカ

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女性の想いに重いは禁句。
よく言ったものですね。
それ程愛されるのは嬉しいことだと私は思いますが、皆様はどうでしょう?
束縛されるのは嫌だと言う方の方が多いでしょうが、私は束縛されたいですねぇ…。
では、どうぞ。


娘の想い、深淵

イリヤ see side

 

 

 

私は捨てられたのだ。

そう、お爺様から言われた。

そんなはずは無い。

そう思いたかった。

でも、切嗣もお母様もいつまで経っても迎えには来てくれなかった。

本当に捨てられた。

そう思うのにそれ程時間はかからなかった。

何故、どうして、そう考えるより先に私の心を満たしたのは黒い感情だった。

とめどなく溢れるその感情に名前があったとしたら、それはきっと、憎悪・・・と、そう呼ぶのだろう。

だからこそ、ソレを見つけた時は抑えが効かなくなった。

切嗣に肩車をしてもらい、胡桃の芽を探した城の庭。

そこをなんとなく散歩していたある日。

枯れかけた木の枝、それ自体はよくある。

しかし目を引いたのはそれではなくキレイなペンダント。

手に取ると、それがロケットペンダントだと分かった。

ちょっとした好奇心から開いてしまった。

その時点では誰の物か分からないのに。

ペンダントの中には一枚の写真。

切嗣と、お母様と私。

3人で写った家族写真。

お母様は笑顔で私を抱いて、私も笑顔で、切嗣は少し照れくさそうに顔を背けてはいるがそれでも、私とお母様を慈しむような瞳で見ていて。

気がつけば、視界は滲んで、自分が泣いていることにも気が付かず、ただただ、その写真を見つめ続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

数日経って、私は気がついた。

私は捨てられた訳では無いのでは?

捨てられていたならこのペンダントを私に届けるかのように木の枝に引っ掛けるようなことをするだろうか?

確かにするかもしれない。

でも、その時の私はそう思わなかった。

切嗣は私を捨てていない。

切嗣は私を嫌っていない。

その事が溢れ出した憎悪を別の感情に変えてゆく。

元が憎悪のせいなのかソレはやけに粘着質で、ドロドロしていて、お世辞にも綺麗とは言えない色だった。

でも、私にはその感情の色がとても、鮮やかに、綺麗に見えた。

私はその感情に、「愛」・・・と、そう名付けた。

 

 

 

 

 

 

 

暫くの間、私は切嗣について調べた。

過去の事、お母様との事、聖杯戦争との事。

そして、衛宮士郎のこと。

ズルい。

私は切嗣と過ごせないのに、衛宮士郎は一緒に過ごしてる。

ズルい。

私はアインツベルンなのに、衛宮士郎は衛宮。

ズルい。ズルい。ズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルいズルい。

 

 

 

 

 

イリヤ「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ズルい」

 

 

 

そうだよね?ズルいよね?

だって、私は家族。

娘。血の繋がった娘。

衛宮士郎は違う。

家族かもしれないけど、血は繋がっていない。

違う!

家族じゃない!切嗣の家族は私だけ。

そう、私だけでいい。

私以外は必要無い。

切嗣のそばに居るのは私だけでいい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

聖杯戦争が始まる。

お爺様から伝えられ、サーヴァントを呼び出す儀式を始めた。

触媒はヘラクレスの剣の破片。

バーサーカーを呼び出すつもりみたいだ。

私は拾って以来、常に着け続けているペンダントを握りしめ、詠唱を行う。

 

 

でも、呼び出されたのはバーサーカーでは無くアサシンだった。

お爺様はかなり憤慨していたけれど、私は不思議と暖かい気持ちになった。

雰囲気が、声が、態度が似ていた。

切嗣に。

そう自覚すれば、あとは早かった。

霊体化してもらったけれど、アサシンに常に見守られていると思うと安心する。

切嗣に似てるからだと思う。

もう、私の中ではアサシン=切嗣みたいになっている。

別人だと思うけれどそうなっている。

だから、私を守ってね?アサシン(切嗣)?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今、私の目の前ではアサシンが私を守るために戦っている。

私に傷つけさせまいと2本のナイフで応戦している。

その気持ちがとてつもなく気持ちいい。

笑みが零れそうになる。

アサシンが私の為だけに、動いてくれることが。

私を守るためだけにナイフを振り、引き金を引くことが、嬉しい。

相手のサーヴァントは強いんだろうけど、アサシンみたいな戦い方をする人との戦闘に慣れてないのか、後手後手に回っている。

正直、痛いのは嫌だ。

でも、アサシンが心配してくれるなら、別にいいかなとも思う。

どうせ、最後は変わらないのだから。

アサシンの手によって殺される。

最後までアサシンの熱を感じ、アサシンの手で逝きたい。

私の最期に見るものがアサシン。

愛する人。

それって、とても素敵なことだと思う。

聖杯戦争なんてどうでもいい。

私とアサシンの関係ない所で勝手に殺しあってくれていい。

私とアサシンは私達だけで、完成されているのだから。

そこにほかの異物は必要無い。

 

 

 

イリヤ「・・・フフッ」

 

私の零した小さな笑い声は誰にも聞かれることなく虚空に吸い込まれて行った。

 

 

 

 




FGOしてるんですけど、アルトリアキャスターめっちゃ可愛くないですか?
ボイスがめっちゃ可愛いので、モチベ上がって久しぶりに連続ログインしてます。
福袋とか、引きましたか?
私はイヴァン雷帝でした。
メイドオルタ欲しかった・・・・・・・・・。
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