暇を持て余した神々の遊びに巻き込まれた件について 作:見知らぬ幽霊
大慌てで人里に降り、ハンター試験の応募も済ませ、情報を集め、なんとか試験会場に辿り着いて内心ガックリとする。
原作介入とか聞いてないんだけど!
ハンター試験の合格者は基本的に0〜1人だ。ならば、今回のハンター試験は合格者数も多いし狙うなら今年が良いのでは?と思う人も多いだろう。
だからこそダメなんだと言わせてもらおう。合格者数が多いということは将来有望であるとネテロ会長が直々に判断した為だ。主人公組とヒソカさんとイルミさんがいるからまあそうだよねと思った方々、良いですか?つまり、このハンター試験通常では有り得ない人数の強者がいるってことなのよ??そんな強者共と一緒にやってられっか!!!!って話なんです。お分かり頂けただろうか。
一応念能力者ではあるが、まだまだ発展途上であるし、気を抜けば死ぬだろうと泣く泣く気を引き締めて、私は定食屋に入る。
「いらっしゃい、ご注文は?」
「焼肉定食、弱火でじっくり」
「あいよ!奥の席でお待ちくださーい!」
奥の席に通され、私はふっと息を吐いた。
これが最期の晩餐かもしれないな。いやそれは無理。ダメだと思ったら潔く逃げよう。そう決意して、私は念を垂れ流した状態、つまり一般人にみせようと念を操作する。
食べ終わり、緊張と吐き気と恐怖と諦念でごちゃ混ぜになりながらエレベーターから会場へと足を踏み入れる。因みにステーキは美味しかったです、ご馳走様でした。
「どうぞ」
「ありがとうございます」
プレート番号は394。割と最後の方だしあまり待つことは無いだろうとプレートを鞄に仕舞いながら壁際により、試験が始まるの待つ。
すると、そんな様子を伺いつつ誰かが近付いてきた。
「よお、お前さんハンター試験は初めてかな?」
そう言って人のいい笑顔を浮かべる小太りの中年男性。そう、まさしく新人潰しと呼ばれているトンパさんである。
「……そうですが、そちらは?」
「ああ、そんな警戒すんなって。俺はトンパって言うんだ。もうかれこれ30回以上は落ちてる大ベテランだから、何でも聞いてくれ」
「そうですか。ご丁寧にどうも」
素っ気なくそう返せば、沈黙が続いた。それに気まずそうにしながらも、トンパさんは私に飲み物を差し出してきた。
「ほら、顔は見えないけど声からしてまだ幼いお嬢さんだろ?喉も乾いてると思うし、お近づきの印にこれやるよ」
「何から何までありがとうございます。では、有難く」
そう言って缶ジュースを鞄に仕舞えば、トンパさんは気さくに「気にすんな、じゃあな!」と言ってその場を離れていった。けれども、小さく舌打ちをしたのを私は聞き逃さなかった。
あれが噂の新人潰しか。と内心溜息を吐きながら先程貰った缶ジュースを見てみる。生憎とおじい様の修行で私は毒を普段から摂取しており、下剤等が効かない体質になっている。だからといって無闇矢鱈に飲んで警戒されるのも面倒だし、運の良い新人を装う為にも私はまた缶ジュースを鞄に仕舞った。
♢♢♢
その後、主人公組が到着したり、ヒソカさんのマジックショーがあったり、ヒソカさんの試験官ごっこがあったり等色々あったが、なんとか1次試験は完走した。
生憎と、ヒソカさんに遊ばれる(殺される)のもゴメンだし、だからといって主人公組に関わればヒソカさんに関わる確率も上がるし、ひたすらにいい感じに避けて完走するので精一杯だった。試験内容は問題ないが、ハンター志願者に精神をすり減らされるとんでもない試合だったと木によりかかりながら2次試験が始まるのを待った。
♢♢♢
2次試験も基本的には問題はなかった。豚の丸焼きは難なく終わったし、寿司も問題なく作れたが、残念ながらシャリの握りが硬いと不合格をくらった。
メンチさんは私たちに一流の料理人にでもなって欲しいのだろうか。ひたすらに解せない試験だけれど、運も実力のうちというやつだろう。この後の展開を知っているので余り焦ってはいないが、これで落ちたら落ちたでもう仕方がない事だなと考えていれば、原作通り空からネテロ会長が降ってきた。
その後の展開はもうお察しの通り、卵をゲットして美味しく食べて2次試験も合格した。
♢♢♢
問題は3次試験だった。いや、試験内容は問題があると言う程でもないのだが、私が辿り着いた部屋はひたすら死刑囚を殺す部屋だった。とても胸糞悪い部屋である。
最初に死刑囚の1人が私を殺せば死刑を免れると宣言してたし、もう相手は本気で私を殺す気だったのだろう。まあそれは問題ないのだが、厄介なことにその死刑囚に念能力者がいたのだ。ふざけんな!と思いつつも、一人一人がそんなに強くないので死ぬことは無いだろうと分かってはいたのだが、束でかかってこられると大変めんどくさい。相手の念能力も分からないし、ひたすらにちぎっては投げ、ちぎっては投げを繰り返し、辿り着くまでに私の羽織りには大量の返り血が付着し、仮面も血だらけのボロボロだった。
許さない試験官。いつか胸ぐら掴んでやる試験官。
仮面は替えがあったが羽織りはない為、仕方なく持ってきた水で血を洗い流す。他の試験者が終わるまで乾かそう。それで乾ききらなければ、ゼビル島でも乾かせば問題ないだろう。と羽織りを持ってゴールである広間に行けばもう10人ほど人がいた。早過ぎず遅過ぎずまずまずな順位だなと思いながら水を飲んで広間の隅に座る。
ここまでは問題なかったのだ。しかし、まさかのそこでヒソカさんに声をかけられてしまった。
「ねえ」
「……何でしょうか」
「キミだよね。さっきまで殺気ビンビンに飛ばしてたの」
「私とは限らないと思いますよ」
「そうかな?ボクはキミだって確信があるよ。それに」
ヒソカさんはそこで私の耳元に顔を近づけて小さく口を開いた。
「もう念能力者であることを隠さなくてもいいのかい?」
それに思わずしまった!と目を見開く。先程念能力者との戦いでオーラを調節するのをうっかり忘れていたのだった。嗚呼もう最悪。今更隠すのは無理だし、致し方ないと腹を括る。
けれども普通に返せば相手のペースにハマるだけなので、私はヒソカさんの言葉をただで認めるわけにはいかなかった。
「……ヒソカさん」
「なんだい?」
「セクシャルハラスメントって知ってます?」
「……うん?」
「正直見ず知らずの人にここまで近付かられるのは気持ち悪いですし、同性なら兎も角異性にはやめた方がいいと思います。本当に気色悪いですし、先程から鳥肌凄いんです。では、失礼しますね」
最大級の笑顔でそう言えば、ヒソカさんは少し固まっているようだった。ぺこりと一礼だけして、違う場所へと移動する。
効かないと思うけど、スタンガン取りやすい所に置いておこうかなと溜息を吐いた。
トンパさん30回以上も試験やってていまだに五体満足なの凄いですよね。体力もめちゃめちゃあるし、普通に尊敬してます。
それと感想くださった方ありがとうございます!亀更新になりますが、頑張って続けてみますね!!