けいおん 恋の物語   作:ロックpm

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8話

刻々と時間が過ぎて、文化祭まで残り1日となってしまった。

けいおん部はライブに向けて毎日練習をしている。

もちろん秀真のお見舞いもしている。

だがまだ秀真は目覚めない。

けいおん部のみんなの不安は強くなっていく。

 

 

 

 

 

 

けいおん部の部室では、重い空気が漂っている。

 

「あれから2週間経ちましたけど、まだ目を覚ましませんね。」

 

「うん………」

 

「あいつは絶対に目を覚ますさ…明日ライブだぞ?あいつのためにも成功させるぞ!!」

 

律の発言にみんな納得したようだ。

 

「そうね!ライブ頑張らないとね」

 

「練習するか?」

 

澪の発言にみんな渋る。

秀真のことが心配で、練習に集中できないのだ。

 

「ごめんなさい。今日は病院に行きます。」

 

「あずにゃん……」

 

「今日は休みにするか。明日に向けて、休んどけよー!」

 

この意見にみんな賛成した。

 

 

 

 

 

 

 

私は秀真君のいる病院の階段を上がっている。

最初はこの階段もキツかったけど、何回も登るうちに慣れてしまった。

秀真君…本当に目を覚ますのかな?

このまま死んじゃうとかないよね?

などと不安になってくる。

 

病室に着いたので、ドアを軽くノックして入る。

 

「秀真君いる?」

 

もちろん返事はなく、秀真は病室のベッドで眠っている。

 

「明日ライブなんだよ?文化祭ライブ!見に来てよね……

ぐすっ…お願い…ぐすっ……目を覚ましてよ!!」

 

涙が止まらない。本当に辛い…私ここまで秀真に依存していたのかな…

本当に脆いなーわたし

 

「じゃあ。また来るね…あ、これお見舞いの品だからね。」

 

私の部屋に置いていた、猫のぬいぐるみを秀真君の枕の横に置いて病室を出ていく。

 

 

 

 

 

 

今日は文化祭当日!!

 

校門には、華麗な飾りがあり、その奥に出店がいっぱいある。

教室も飾り付けがされており、各クラスで出し物もしている。

楽しそうな雰囲気だ。

 

そんな中けいおん部は部室で最後の音合わせをしている。

 

「よし、完璧だな!!」

 

「そうだな!」

 

「はい。気持ちよかったです。」

 

「休憩もかねて、ケーキ食べましょ?」

 

「わーいケーキだー」

 

唯がものすごいスピードで席に座る。

みんなも笑いながら席に座る。

このけいおん部の代名詞のティータイムだ。

 

ガチャンとドアが開く。

 

「さわちゃんだー!」

けいおん部の顧問の山中さわ子が入ってくる。

 

「けいおん部の調子を見に来たけど…大丈夫そうね。」

 

「さわちゃんもケーキ食べようぜー」

 

「もちろん食べるわよ!」

 

さわ子は席に着いてケーキを取る

 

「あと1時間後にライブ始まるからね。」

 

「あ、あの秀真君は……?」

 

梓が震えながら聞く。

 

「佐藤君はまだ………」

 

さっきまでワイワイしていたけいおん部に再び重たい空気が流れる。

 

「…大丈夫よ。絶対起きるから…みんなはライブに集中しなさい!!!

佐藤君もそっちの方が喜ぶわよ?」

 

さわ子が顧問らしく、みんなに言う。

 

「…さわちゃん。………たまにはいいこと言うじゃん!!」

 

「たまにはってなによ!!」

 

笑いが起きる。重い空気が無くなった。

 

「体育館にライブの準備してらっしゃい!!」

 

 

 

 

 

 

 

「よいしょっと。これで最後かな?」

 

ライブに必要な機材を運んでいる。

とても重かった……

 

「あと10分でけいおん部の番よ。

頑張りなさい!!」

 

和ちゃんが、励ましをくれる。

 

「よし頑張るぞー!!」

 

「では部長のりっちゃんから一言を!!」

 

「え?……えーっと……が、頑張るぞ〜」

 

………空気が凍った。

 

「え?…それだけ?」

 

「……それだけです…」

 

律が小声で言う。

みんな呆れている。

そうだ。みんな頭の中、秀真君のことばかりだったけど、先輩達、最後のライブだ…

 

「けいおん部の番よ、準備して!」

 

和の言葉にみんな「「はい!!」」と返事をする。

 

秀真君…見ててね…

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ。みんな乗ってるかー!!」

 

唯が盛り上げている。

観客も「うぉぉ」って盛り上がってきてる。

 

「次は最後の曲です。ちゃんと聞いてね!」

 

「「U&I」」

 

キーボードもドラムもギターもベースも絶好調だ。

観客も盛り上がる。これは間違いなく、成功する。

そうみんな確信した。とてもいいライブになる!!

 

『キミがそばにいるだーけで』

 

(秀真君のそばにいたい)

 

『いつも勇気もらってた』

 

(私、秀真君がいない生活がこうなるとは思わなかった…)

 

『いつまででも一緒にいたい』

 

(私……秀真君とずっと一緒にいたい…)

 

『この気持ちを伝えたいよ』

 

(好き……秀真君のことが好き…伝えたいこの気持ちを…)

 

『雨の日にも晴れの日も、君はそばにいてくれた』

 

(これから…ずっとそばにいてよ!!!)

 

『目を閉じれば君の笑顔輝いている』

 

秀真君の笑顔が浮かんだ。

 

パチパチパチパチパチパチ

大きな拍手が鳴った。

 

「みんなーありがとうございましたーー!!」

 

けいおん部のライブが終わった……

 

「よっしゃー成功したぜ!」

 

律先輩が大喜びしている…

いやみんな大喜びしている。

いいライブだった…

みんな私の顔を見てくる。

 

「え?…どうしたの?」

 

「……あずにゃん泣いてるよ?」

 

「え?」

 

私の目から涙が出ている。止まらない。

なんでこんなに……ライブ大成功したのに…なんでこんなに涙が出るの…?

 

「ごめんなさい…ライブ成功したのに…泣いちゃって…」

 

とその時だ

 

ドアがバーンと思いっきり開いた。

 

「はぁはぁはぁ」

 

そこには、息切れしているさわ子先生が居た。

 

「さ、さわちゃん?」

 

「どうしたんだ?」

 

「佐藤君が……目を覚ましたのよ!!」

 

………………

 

「「「「えっーーーーーー!!!?」」」」

 

「あ、あずにゃん…」

 

「わ、わたし行きます!!」

 

梓が体育館から出る。

 

「りっちゃん、むぎちゃん、澪ちゃん…わ、私たちはどうする?」

 

「秀真のことは、梓に任せて、私たちは祝いの品でも買いに行くか」

 

「うん、それがいいと思うわ」

 

澪の意見にみんな賛成だ。

 

「よーし買いに行くぞ」

 

 

 

 

 

 

「はぁはぁはぁ」

 

梓は走る。無心になり、ただひたすら走っている。

良かった……目を覚まして良かったよ…

 

病院に着く。看護師さんに通して貰って、病室に向かう。

 

「はぁはぁはぁ……」

 

ドアを開ける。

 

そこにはベッドで横になっていて、窓を見ている秀真君がいた。

秀真君は驚いた顔をしながら、こっちを見ている。

そんな顔も愛らしくて、咄嗟に抱きついてしまった。

 

「おぉぉ?急に抱きつくなんて、どうしたんだよ?」

 

久しぶりに聞いた声……安心する。

 

「しゅ、しゅうまくん」

 

「お、おい。なんで泣いてるんだよ?」

 

秀真がオロオロと困っている。

 

「悲しかった…。秀真君がいなくなって、悲しかったの!!!」

 

「…ごめんな……って秀真君!!?名前で呼んでたっけ!!?」

 

「細かいことはどうでもいいの」

 

あと一歩よ…私頑張れ…

 

「あ、あのね秀真君…伝えたいことがあるの…」

 

秀真は首を傾げる。

 

「伝えたいこと?」

 

「秀真君の事が、好きです…どうしようもないくらい好きです。

今回の件で気づきました。秀真君がいないと私………

付き合ってください!!」

 

言ったぞ。言い切ったぞ。あとは返事を待つだけ…顔がこんなにも熱くなるなんて。

 

「………へ?えぇぇぇ??」

 

秀真はとてつもなく驚いている。

無理もない。この前までは罵倒しまくってたから…

 

「その…実は俺も…好きだったんだ…」

 

へ?

 

「え?えぇぇぇぇぇ!!!」

 

「な、なんだよ……」

 

秀真君は赤面している。恥ずかしかったのだろう。

ふふっ可愛いな

 

「その俺からも…つ、付き合ってください!!」

 

「はい!!!」

 

こうして2人は恋人になった。

 

「その…私…寂しかったの…」

 

「うん…」

 

「これからも一緒にいてね…私、今回の件で秀真君に依存してることがわかったの…」

 

「もちろん、離れたりしないよ…」

 

優しく秀真君に頭を撫でられる。

気持ちいい……

 

「おめでとう!!!2人ともーー!!」

 

ドアからけいおん部のみんなが入ってきた。

 

「いやーあずにゃんが私より先に大人の階段登るなんてね」

 

みんなニヤニヤしている。

 

「えー!!先輩達…見てたんですか!?」

 

「おう!バッチリ見てたぜ!」

 

律がドヤ顔する。

 

「祝いにケーキ持ってきたの」

 

紬がケーキを出す

 

「みんなで食べようか!」

 

澪がケーキを机に並べる。

 

「み、みなさん…心配かけてすみませんでした…」

 

「本当だぞ?みんな心配したんだからな!!」

 

「そうよ…目が覚めて良かった…」

 

「どれくらいで退院できそうなんだ?」

 

「今、手足に力が入らなくて、しばらくリハビリしないといけないから…どれくらいだろうな…わかんないや」

 

「そ、そうか…頑張れよ!」

 

「おうよ」

 

澪と秀真君が楽しく会話している。

 

「むーー」

 

「おやおや…あずにゃん嫉妬してますな〜りっちゃん」

 

「してますね〜唯さん」

 

ニヤニヤしながら、唯先輩と律先輩が言ってくる。

 

「俺、手が動かないからケーキ食べれないや」

 

「大丈夫よ〜梓ちゃんが食べさせてくれるわ」

 

「ちょ…むぎ先輩!!」

 

「よし、梓…来い!!」

 

「あ、梓…」

 

「まぁ梓が名前呼びだから…こっちも名前呼びに変えたんだよ…」

 

やばいニヤける。嬉しい…

 

「梓も、君付けやめて呼び捨てでいいんだぞ!」

 

「うん…しゅ、秀真…」

 

「いやーー青春ですなー」

 

「私たち忘れないでよ!」

 

はぁ…さっきからみんなニヤニヤしすぎでしょ…

私はケーキをフォークで取る。

 

「あ、あーん………」

 

「へ?……これ恥ずかしいな……」

 

「は、早く食べてください!!このへ、ヘタレ!」

 

秀真は、顔を赤くしながらケーキを食べる。

やっと戻ってきたんだ…日常が………

嬉しくて涙が出てきた。

 

「お、おいどうしたんだ??」

 

「ぐすっ…う、嬉し泣きです…目が覚めて良かったよ…」

 

「私たちは、お邪魔のようだな」

 

「そうね」

 

「じゃーね、しゅうくん、あずにゃん」

 

「時々、お見舞いに来るからな!」

 

澪の言葉を筆頭にみんなで外に出る。

 

「梓…ごめんな…」

 

「本当に心配かけて…じっとしてて。」

 

「へ?」

 

その時、梓が秀真にキスをする。

 

「……んちゅ…ぷはぁ」

 

「あ、ああああああああずさぁぁ??」

 

秀真がとてつもなくテンパっている。

やっぱり可愛いな

こんな顔の秀真を見れるのが私だけって思うと、嬉しくなる。

 

「秀真大大大好き!!!!」

 

「……ああ俺もだ!!まぁ俺の方が好きだけどな!」

 

「むむむ。私の方が好きだし!」

 

 

 

この恋人はこれからどうなるのか……

日常が変わり始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ふぅやっとここまでかけました……
こっからは2人が恋人となった話を書いていきます!
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