東方 白狐伝   作:蛸夜鬼の分身

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第三話 すれ違う二つの想い

レミリア「貴方達、これは一体どういう事?」

 

 レミリアはかなり急いで来たのだろう、服は乱れ、息を荒げている。

 

フラン「お姉様、何でここに⋯⋯?」

 

雪「俺が呼んだ。お前にデカい氷塊を投げた時に氷の人形を創って送ったんだ」

 

 そう、今言った様に俺は氷塊と共に氷の人形を創りレミリアの元へと向かわせた。向こうに着いたら適当な物で「フランドールと戦闘中」と伝える様にな。

 

レミリア「ユキ、敬語は⋯⋯いえ、それ以前に何故ここにいるのかしら?」

 

雪「まあ、それは後々説明する。その前にレミリア」

 

レミリア「⋯⋯何かしら」

 

雪「何故お前がフランドールを監禁していたのか今言うべきじゃないか?」

 

レミリア「っ!」

 

 レミリアは俺を睨みつける。フランドールは正気に戻ったのか、俺達の様子を見てオロオロしている。

 

レミリア「それは貴女には関係ないでしょう?」

 

雪「ああそうだな。だがお前はそれで良いのか? お前はそうやって⋯⋯ずっと逃げ続けるのか?」

 

フラン「お姉様、ユキは何を言ってるの?」

 

レミリア「フラン⋯⋯」

 

 ⋯⋯埒が明かないな。レミリアは頑なに本当の想いを言おうとしない。なら、しょうがないな。

 

雪「⋯⋯守る為、だったんだろう? フランドールを人間や周りの環境から」

 

フラン「えっ、どういう、こと?」

 

レミリア「っ!」

 

 レミリアは図星を突かれたのか、苦々しい顔をする。フランドールは思ってもいない言葉だったのか顔をを驚愕の色に染める。

 

雪「フランドールはまだ幼い上に情緒不安定だ。その状態のまま他人と関わり合いをさせればフランドールはその相手を壊してしまうだろう。もしそうなれば⋯⋯フランドールは人間達に討伐対象として見られ、殺されてしまうかもしれない」

 

レミリア「⋯⋯」

 

雪「だからお前はフランを監禁した。今は主として働いているから時間が取れない。だからいつか余裕が出来た時、フランドールに色んな事を少しずつ学ばせる為に」

 

 ⋯⋯と、長年生きてきた中で培った勘や知識を使って導き出した推論を長々と話した訳だが⋯⋯。

 

フラン「⋯⋯お姉様、今の話って本当なの?」

 

レミリア「⋯⋯ええ」

 

フラン「っ⋯⋯!」

 

 フランドールがレミリアに聞くと、レミリアは諦めたのか肯定する。

 

レミリア「フラン、貴女の能力は危険という事は知ってるでしょう?」

 

フラン「うん⋯⋯『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』、でしょ?」

 

『ありとあらゆるものを破壊する程度の能力』がフランドールの能力なのか。なるほど、危険と言うのもおかしくはない。

 

 後から詳しく聞いたが、この能力はあらゆる物体や生物にある一番集中した部分⋯⋯フランが言うに『目』というものを手元に出し、握り潰す事で相手を粉々にするらしい。

 

レミリア「もし貴女を外に出して、狩りの方法も知らずに人間を殺したら⋯⋯雪が言った様に貴女は人間に追われる身になるわ。最悪、殺されてしまうかもしれない。それが怖かったのよ。今は亡きお父様とお母様も」

 

フラン「⋯⋯」

 

レミリア「今更許してほしい、何て言わないわ。私は貴女の数百年の時間を奪った。そして独りぼっちにして、姉なのに貴女が寂しがってるのも知らずにいたわ。もっと真剣に話せば良かったのに⋯⋯ごめんなさい、フラン」

 

 レミリアは話していた途中、涙声になりながらも頭を下げる。

 

 フランは黙っていたが、暫くするとレミリアに近付く。そして⋯⋯

 

フラン「お姉様⋯⋯」

 

レミリア「っ⋯⋯!」

 

 レミリアを優しく抱き締めた。

 

フラン「良かった⋯⋯お姉様に嫌われてなくて」

 

レミリア「フ、フラン⋯⋯?」

 

フラン「私、不安だったの。お姉様に嫌われてるんじゃないかって。私が邪魔だから、ずっと閉じ込めてたんじゃないかって⋯⋯私、要らない子なのかなって⋯⋯」

 

レミリア「っ、そんな事思うわけないじゃない! 貴女は私の唯一の妹なのよ? 要らない子なんて思った事はないわ!」

 

フラン「っ⋯⋯お姉様ぁ⋯⋯!」

 

 フランドールはレミリアの言葉を聞いて安心したのか涙をこぼす。レミリアはそんなフランドールを抱き締め、自分も涙を流した。

 

 ⋯⋯俺は邪魔の様だな。

 

 俺は二人の邪魔にならないように静かに部屋を出る。そして館の近くにある森に入ると

 

雪「っ⋯⋯ゲホッ! ガフッ!」

 

 膝を降り、口から血を吐く。どうやらフランドールとの戦闘は思ってた以上に身体に負担を掛けてたらしく、さっきからずっと我慢していたんだ。

 

雪「⋯⋯昔はこの程度じゃ、血なんて吐かなかったんだがな」

 

 やはり西行妖の封印の影響か。身体に掛かる負担が大きくなっている気がする。

 

雪「⋯⋯まあ良い」

 

 俺は血を拭くと館に戻った。二人はすっかり仲直りしたらしく、泣き疲れたのかフランドールの部屋のベッドで仲良く寝ていた。

 

 その翌日レミリアに呼び出され、言いつけを破りフランドールの部屋に入った事。そして主従の関係でありながら敬語を使わなかった事について叱られた。まあ、フランドールとの関係を戻してくれた事を考慮してこの事は不問になったがな。

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