東方 白狐伝   作:蛸夜鬼の分身

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最終話 吸血鬼狩り

~襲撃軍隊長 side~

 

 何故だ、何故だ何故だ何故だ!!

 

 目の前にある趣味の悪い真紅の館。我々はその館に住まう裏切り者のスカーレット家を壊滅させる為に十二分な戦力でここにやって来た。

 

 相手は小さな子供。門番やら魔女やらが住み始めたらしいが、それでもこの二百人を相手にしてスカーレット家が勝てる筈もない。

 

 だから、今目の前で流れている光景は⋯⋯こんな事は有り得てはならない事だ。

 

吸血鬼A「ギャアアアア!」

 

吸血鬼B「ウワァアアアア!」

 

雪「さあどうした。俺を倒さねば人形は止まらないし、この館に入る事も出来ないぞ」

 

 数十数百という同胞が、たった一人である白銀の狐に蹂躙されるなど。

 

 戦力は十分の筈で、白狐の隙を突いて館に向かう者もいる。相手はたった一人。狐の隙を突いて館に侵入し、スカーレット家を殺せば作戦は成功する筈なのだ。

 

 だが何故か館の塀を越えようとした者は半透明な矢によって射貫かれ、射貫かれた同胞は半透明な人形によって銀のナイフでトドメを刺されるのだ。

 

雪「卑怯だなんて言うんじゃないぞ。数の利で攻めてくるなら俺もそれで返すだけだ」

 

 狐は目にも止まらぬ動きで同胞の攻撃を避け、そしてパチンと音が聞こえると同時に時が飛んだかの様に仲間の首が銀のナイフで切り裂かれている。

 

隊長「っ~~!! 貴様ら、あの人形を壊せ! そして中に侵入するのだ!」

 

吸血鬼「出来ません! この人形、異様に硬くう゛ぅ゛⋯⋯?」

 

 そう叫んだ吸血鬼の首が切り裂かれ、銀の効果で再生も出来ずに血を吹き出す

 

隊長「クソがっ! こんな化け物がいるなど聞いてないぞ!」

 

雪「悪かったな、化け物で」

 

隊長「なっ⋯⋯がはっ!」

 

 私が悪態を吐いた瞬間、いつの間にか背後にいた狐が首を掻き切っていた。生暖かい、私の首から流れる液体の感触を感じながら私は意識を落としていった⋯⋯。

 

 

~雪 side~

 

 

雪「さてと⋯⋯」

 

 先程から叫び散らしていた吸血鬼を殺した俺は再び吸血鬼の軍勢の中を走り回り、時を凍らせて首を掻き切っていく。

 

 館内部に入ろうとする者は俺が大量生産して館の庭に配置していた氷弓兵により撃ち落とされ、銀のナイフを持たせた氷人形に殺させる。以前はこんな方法など思い付かなかったが今は違う。目には目を、数には数を、だ。

 

 それにこの吸血鬼共、連携も取れずお互いを邪魔している。一人一人の力が強くても、周りと連携が取れなければ意味がない。

 

雪「フッ⋯⋯!」

 

 四方から襲い掛かる吸血鬼共を殴り、蹴り、投げ飛ばし、そして隙が出来た者から銀のナイフで殺していく。逃げようとする者は氷柱で動きを止めて氷人形に処理させる。

 

 情けは無い。短い間だったが、俺の家族同然のレミリア達を殺しに掛かっているんだ。殺されても文句は言えないだろう。

 

 そして吸血鬼の数が少なくなった頃、紅魔館が光り輝く。次に気付いた時には、元から無かったかの様に紅魔館の姿が消えていた。

 

雪「⋯⋯守り切ったか」

 

 俺は氷人形達を消し、残った吸血鬼共を殲滅する。吸血鬼共は既に戦意を喪失しており、ただ逃げ回っていただけだった。

 

 そして最後の吸血鬼を殺すと俺はナイフの血を拭き取る。

 

雪「さて、次は⋯⋯」

 

 俺はズボンのポケットに入れていた赤いリボンを取り出す。これは紫に渡された幻想郷にある紫の家に飛べるリボンだ。たしか使い方はリボンを持ってゆっくりと降ろす、と言っていたか。

 

 コイツら吸血鬼のリーダーは幻想郷を襲い支配しようと企んでいるらしい。早く行った方が良いだろう。

 

雪「⋯⋯思った通りの海外旅行は出来なかったが、まあ良かったか」

 

 俺はそう呟くとリボンを降ろす。すると紫のものと同じ様なスキマが開く。そこに足を踏み入れるとスキマは閉じ、もう元の場所には戻れなくなった。

 

雪「待ってろよ、紫」

 

 俺はスキマの道を走る。その先にある幻想郷に向かって。

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