東方 白狐伝   作:蛸夜鬼の分身

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最終話 人妖大戦・終

妖怪「キシャアアアアア!」

 

雪「ハァッ! くっ、次ぃ!」

 

 妖怪共と戦闘を始めてから十分程度が経過した。本当なら飛んでも良い時間なんだが⋯⋯何か問題でも発生したか?

 

雪「ハァッ、ハァッ⋯⋯させるか!」

 

 俺は壁をよじ登ろうとした妖怪に向けて氷柱を飛ばす。妖怪共は俺を襲うものと壁を登ろうとするもので別れていた。大量の妖怪を捌きながら壁を登ろうとする奴を落とすのはかなり神経を削って行く。

 

雪「アァアアアアア!」

 

 だが俺は止まらない。妖怪共を殴り、蹴りつけ、投げ飛ばす。時には氷柱を落とし、狐火で燃やし、死んでしまった兵士の光線銃を使って敵を倒していく。

 

 しかし敵は幾万の妖怪。いくら人間ではないと言えど、俺も疲弊していく。数の暴力によって身体に少しずつ、だが確実に傷が増えていった。

 

 しかし、そんな戦いに突然として終止符が打たれた。何故ならば、轟音を立ててロケットが飛び立ったのだから。

 

 妖怪共は空の彼方へと飛び去っていくロケットを見て呆然としている。俺はその場にドサリと座り込んだ。

 

雪「残念だったな、獲物が逃げていって」

 

 そう言うと妖怪共は俺を殺気を込めて睨み付ける。

 

雪「悪いが、もう俺は戦うつもりはない。それに⋯⋯」

 

 今、ロケットから何かが投下された。ロケットを見ていた妖怪共はそれを視界に入れた瞬間我先にと逃げ去った。

 

雪「どの道お前らはここで死ぬ」

 

 妖怪共は落とされた物を見ると逃げ出していく。恐らく本能的に感じ取ったんだろう。『アレは危険だ』と。

 

 落とされた物の正体は軍が秘密裏に開発していた核弾頭だ。小型だが、都市とその周辺を消し飛ばす威力はある。

 

雪「⋯⋯」

 

 俺はその場から動かない。いや、身体中に刻まれた傷と多大な疲労のせいで動けない、の方が正しいか?

 

雪「⋯⋯怖いな」

 

 ポツリとそんな言葉が零れた。妖怪と戦うのは怖くない。こんな馬鹿げた数じゃなければ負けないからだ。だが死ぬのは怖い。死んでしまえばそこで終わりなのだから。

 

雪「⋯⋯最後に、悪足掻きでもするか?」

 

 俺は自分の身体を巨大な氷の球体で覆った。

 

 一度永琳に頼んで俺の氷がどのくらい硬いのかを調べて貰った時に、溶かすのなら千万近くの熱を、壊すのなら数トン近くの圧力を与えなければ壊せないとの事だ。もう氷ではなくて冷たい強硬度の物質で良いんじゃないか?

 

 まあ、この氷なら核弾頭はなんとか耐えられる。そして俺の体温を冷却して極限まで下げた。理由は俺の身体を冬眠状態にする為だ。

 

 つまり俺が行っているのは、自力で冷凍睡眠をやろうとしているんだ。

 

 これは危険な賭けだ。もしかしたら二度と起きないかもしれない。あくまで冬眠なのでもしかしたら寝てる間に死ぬかもしれない。だが、生き延びる可能性があるのならやらねばならない。

 

雪「(また、いつかアイツらと⋯⋯)」

 

 もしも永琳達と出会えたならば、戦いのない所で過ごしていきたい。そう思ったところで俺は抗えない眠気に襲われ、そのまま意識を失った。




 はいどーも、作者の蛸夜鬼です。これにて本日6/21の投稿は以上となります。取り敢えずなろうの方に追い付くまでは毎週一章分投稿しようと思っていますのでどうぞお楽しみに。

 それでは今回はこの辺で。また今度、お会いしましょう!
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