RE:LyricalxHunter   作:ティファールは邪道

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9話:対話と交差

地面に叩き付けた瞬間、金棒の突起が弾けるように外れ、そこから茶色……っというより金色のクリームのようなものを撒き散らす……

 

「!?」

 

それを至近距離から受けたフェイトは、怯んでしまう…

 

ーなにこれ……?甘っ!?

 

かかったものが口の中に入ってしまい、その甘さに驚き混乱するフェイト……

 

「幸福の成金(ブロンズフォンドゥ)…簡単にいえばチョコレートフォンドゥのブロンズチョコバージョン……ホワイトチョコレートをキャラメリゼしたことにより金色、またはキャラメル色に変化したそれは、ビスケットのような香ばしさとキャラメルのような深いコク、ほんのりとした塩気が特徴……」

 

そして……

そう言いながら金棒を担ぎ直す新……

 

「俺の発……この場合は能力か?……それによって再現されたそれはな、そのブロンズチョコレートだけでなく金の性質もあわせ持つ…つまり体に着いた状態で固まればチョコの重石のようなものになるんだ……しかももう一度溶かすまでには金属としての融点を要するから、解かして抜け出すことも難しくなる……」

 

それを聞いてハッ!と何かに気付くフェイト……

先ほどのフォトンランサーを思い出したのである……

それと同時に、急に重い荷物を持ってしまったように体をよろけてしまう……

 

「おまえ、さっきの動きや服装からみてスピード主体だろ?……それも中距離から攻撃しながら撹乱して接近、攻撃するって感じのオールラウンド」

 

そういうヤツ程、紙一重で躱してカウンターを取ろうとするんだよねぇ…っとにこりと笑う…

 

それを見て、重くなってしまった手足とバルディッシュを構えるフェイト……

 

「前に会った時の事も踏まえて、事情、聞かせて貰うよ?」

 

そう言いながら、フェイトに近寄る新だった……

……金棒担いでいるせいで、敵にしか見えない…

 

______________

 

 

~なのは視点~

 

「……なのは、彼……ホントに何者なの……?」

 

私の隣で、フェレットの姿をしたユーノ君が、私にそう問いかける……

 

女の子と戦おうとするあー君を助けようとした私の目にはいったのは、いつの間にかあー君のそばでふよふよ浮いているカボチャから金棒を取り出し、それを振るって女の子と対持する彼と、ちょっと薄い茶色のような色をした泥のようなモノを被った女の子……

 

女の子は、急に体をよろけて、倒れないように踏ん張っているようにも見える……

 

まるで、重い荷物を持ったような……?

 

「えっと……なのはのお友だち、なんだけど……」

 

私もあんな金棒を振り回すあー君をみたことがないから訳もわからず混乱していた……

 

おまけに、さっき説明を聞いたけど、良くわからなかった……

 

幸福の成金(ブロンズフォンドゥ)?

チョコレートで金?

魔法のことを教えてくれたユーノ君でもよく分からないらしい……

 

「……おまえ、スピード主体だろ?」

 

チョコレートの重石で自由を奪われたフェイトちゃんに、あー君がにこにこと笑いながら近づいていくのが見える……

 

金棒を担ぎながら近付くそのさまは、まるで……

 

「(昔のヤンキーみたいで恐いよ、あー君!?)」

 

思わず叫んでしまいそうになってしまう……

解説してくれるのはありがたいけど、それ逃げ道なくしてるようにしか見えないよ!?

 

「前に会った時の事も踏めて、事情、聞かせて貰うよ?」

 

じりじりと女の子ににじり寄るあー君……

あー君の解説通りなら、チョコの重みでうまく動けないだろう女の子は、杖……っていう斧(鎌?)を必死に構え直しているけど、心なしかちょっと怯えているように見える……

 

「もう心折れそうになってるよ、あー君!?」

 

「なのは、詳しい話は後で聞こう!!早く封印を!!」

 

さすがに可愛そうと思った私は、そう叫び、ユーノ君の言葉にハッ!!とした

 

こうなったら、早く封印してあー君を止めなきゃ!!

 

~なのは視点終わり~

 

______________

 

「さて……で?何をしようとしたの、子猫?……子猫でいいか、うん……子猫に何しようとしたの?」

 

金棒でトントンと肩を軽く叩きながら問い掛ける新……

その一方で、フェイトはプルプルと肩を振るわせながら構えを解かずにいる……

 

いや、この場合は解けずにいる、が正しいだろうか?

 

自身の目の前に、金棒を持った同年代とはいえ男……

しかも、自身の武器である早さを一時的に奪った相手でもある……

 

警戒しない方がおかしい…

 

「う~ん……警戒されてるな……」

 

自覚があるのか、困ったような顔でそう呟く新……

 

「じゃあ、質問を変えるか…」

 

そう言いながら金棒を下ろし、話し掛ける

 

「この前渡した落とし物と関係がある?」

 

ーあるかないかで答えて良いよ?

 

金棒を下ろしたことが良かったのか、少し警戒をおとして、頷くフェイト……

 

「ふむ……猫が大きくなったのはあれが原因?もしかして同じようなものが複数ある?」

 

その問いに、フェイトは少し答えづらそうにするが……

 

[My answer to that question is Yes.]

 

「バ、バルディッシュっ!?」

 

フェイトの持つデバイスが代わりに答えてくれた……

 

が、

 

「……えっと、ごめん……俺英語苦手なんだけど、Yesで良いんだよね?今の問いは……?」

 

そう申し訳なさそうに返す新……

リスニングって難しいよね……

 

「あ、はい……」

 

それに対して、同意するフェイト……

ふむふむ…っとそれを聞いて何か思案する新……

 

更に質問しようとした時だった

 

ーきゃぁぁあっ!?

 

「っ!?」

 

なのはの叫び声に、驚きそちらに目を向ける…

そこでは、オレンジ色の狼に封印したのであろうジュエルシードを奪われていた……

 

「しまった!?」

 

「なのは!?」

 

ユーノの臍を噛む声と、なのはを心配する新の声が重なる…

 

みると、なのはの方に怪我はなくジュエルシードを奪われただけのようだった……

 

「フェイト、今のうちに逃げるよ!!」

 

「ア、アルフ!?でも重石が……!!」

 

「任せな!!」

 

いつの間にかフェイトの元にジュエルシードを奪ったオオカミがおり、重石が着いたままのフェイトを背中にのせて走り出す……

 

なのはの方に意識が行っていたのと、重石を含めたフェイトをのせてなお速く走れるオオカミに追い付けないと悟った新は、なのはの無事を確認することを優先するのだった……

 

________________

 

 

「大丈夫…?なのは重くない?」

 

「いや、全然……寧ろ軽すぎない?ちゃんとご飯食べてる?」

 

数分後……頭に子猫、肩にユーノを載せたなのはをおぶって、新はすずかたちの元に向かっていた……

 

先ほどの戦いで、なのはに怪我はなかったのだが、靴がダメになってしまったのである……

 

「えっと……事情、聞いた方がいい?」

 

「えっと……それは……」

 

背負っているなのはに、事情を聞いて良いか聞く新……

それに対して答えたのは……

 

「その件に関しては僕に説明させてください」

 

なのはの肩に載ったユーノだ

 

「そう言えば、ユーノ君喋るんだな?」

 

今気付いたかのように話す新に、「自己紹介せずに申し訳ありません」、っと謝罪しながら事情を説明する

 

自身がスクライア一族という遺跡発掘を主な生業としている一族のものであるということ

 

その発掘時に、ジュエルシードとロストロギア…こちらの世界でいうオーパーツのような存在が見つかったこと

 

それを然るべき組織に預けようとした際に散らばってしまい、この世界に落ちたこと…

 

それらの回収を行ってる途中で力尽き、なのはに助けられたこと

 

その縁でなのはに協力して貰ってること……

 

それを聞いた新は、「だから最近隠し事してるように見える」って言われたのか……

 

っと、納得する(振り)をする新……

 

「じゃあ、さっきの女の子とオオカミもスクライア一族なの?ジュエルシードを欲しがった。ってことは……」

 

「いや、違うと思うよ」

 

その問いには新が否定する

 

「もしそうだったら、ユーノ君が知ってるはずだよ?……ユーノ君、さっきの女の子とオオカミは君の知り合い?」

 

「いえ、初対面です…会ったことのないスクライア一族、っていう可能性もないかと」

 

ーこっちの方に来てるスクライア一族は僕だけなので

 

「ふむ……」

 

その言葉に顎に手をやりながら考える新……

そのとき、ふと思い付いたのかなのはが話し掛ける

 

「でも、あー君も魔法使えるなんてビックリしたよ……?ブロンズフォンドゥ……だっけ?あれがあー君の魔法なの?」

 

その問いに、ユーノが思い出したかのように堰を切ったように話し掛ける

 

「!?そうだ、それ!!気になってたんですけど新さん!」

 

「あ、新で良いよ?」

 

「えっと、じゃあ……新、あの力って一体?」

 

ーあれ、魔法じゃないですよね……?

 

「へ?」っと、なのはのキョトンとした声を聞きながら、新は答える

 

「あぁ……あれ?念、っていうそっちでいう魔法とは違う、オーラを用いた能力だよ」

 

そう返した新の言葉に、

 

「……えぇ~っ!?」

 

なのはは驚きの声を上げるのであった……

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