refrain regretシリーズ   作:りづ

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二話

 

 

 

 

 

とりあえず連絡だけはしておくか、と、サジーから少し距離をとってロンに連絡を入れておく。

 

【サジッタと今から本屋へ向かう。鉢合わせないように気をつけろ。会っても喧嘩なんてするなよ】

 

 

携帯をポケットに戻そうとすると微かな振動がある。向こうも丁度みていたのかすぐに返事が来たようで、そこには「子供扱いするな」とだけ書かれていた。

 

 

 

子供扱いするなというなら子供っぽさをみせるんじゃない。とあきれてみるが、当の本人が目の前にいるわけではない。「はあ」とため息をついて、そのままポケットの中に片付けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええと。失礼。ドナルド・ウィーズリー?」

「ロナウド・ウィーズリーだ。」

「失礼。噛みました。」

 

 

 

にっこりと、サジーは謝罪をする。それに対し、「わざとだ!」と文句をいうロンに、あきれ以外のため息が出てこない。この件何度目だ。もうサジーがロンの名前を覚える気がないのなんてわかっているだろう。適当にあしらえばいいのに、毎回毎回ご丁寧に怒るからサジーが付け上がるんだろう。

 

 

 

 

「ええと。ゴン・フィズさん?そんなに大量の本を買われるなんてたいへん勉強熱心でいらっしゃるのですね。尊敬します。兄上の手を煩わせないと宿題ができない人間とは大違いでいらっしゃる。」

「ロン・ウィーズリーだ。かすりもしてないぞ。記憶力の悪いやつには到底学校の勉強にはついてこれないだろうね。あぁ、僕が教えてやろうか?そのかわいそうなおつむに」

 

 

 

 

 

面倒くさい。うるさい。もうこの場から離れてもいいかな。逃げようかな。別にここに僕が居る必要はないんじゃないかな。よし、無意味な空間で無意味な時間をすごす必要はない。さっさと出て、外で待とう。そう決めて出入り口へ向かう。するt出入り口のドアのそばにハリーがいた。

 

 

 

 

「久しぶりだね。ドラコ」

「うわ。あぁ。ひさしぶりだなハリー」

 

 

 

 

とても、とてもとても笑顔のハリーがそこにいました。

 

 

 

 

「いつから?」

「ずっといたよ。君が気づいたらどうしてやろうか思案していたところ」

「普通に声かければいいだろう。」

 

 

 

 

それじゃ面白くないじゃん。そういって微笑むハリーがこわい。冤罪だ!やしきしもべ妖精については冤罪だ!僕にはどうしようもなかったんだ!隠れ穴から屋敷に戻った次の日にロンから手紙が届いた。ハリーをマグルのあの家に迎えにいったから今は隠れ穴にいるんだと。「迎えにいった」というところに少しの恐怖を感じながら読み進めるとそこには「ご愁傷様」としかいいようのない方法と、ハリーの状況が書かれていた。

それを受け取った僕はすぐさまハリーに手紙を送った。友人らしい色々のことと、この休み中の進捗状況について、そしてドビーのことなどなど。自分でも気持ち悪い分量の手紙になっていたことに気づいていたが、そのまま送った。

そしてハリーから返ってきた手紙は「おぼえておけよ」の一言のみだったのだ。ハリーに会うのが楽しみではない理由の一つがそれだった。

 

 

 

 

「色々と誤解がある。手紙でも伝えただろう

「君の言ったとおり、ドビーにも再三伝えておいた。

「日記についても

 

 

 

「ストップ」

 

 

自分の無実を証明しようと言葉を紡ぐドラコにハリーは待ったをかけた。流れるようにマフリアートをかけ「重要なことはこのあと話そう。時間ある?」と。なければつくればいいだけだ。「Yes」とだけ答えると、その術は解かれる。いやいや未成年だろ。ナチュラルに魔法使うなよ。抜け技使うなよ。僕もときどきするけど。

 

 

 

 

「ドラコ。僕が『おぼえておけよ』と言った理由について、君が誤解をしていることはわかりました。」

「なぜ敬語なんだ。そして違うのか。」

「えぇ。違います」

「だから…!」

「きみは僕に『happyBirthday』も言えないのか。」

 

 

 

先ほど以上の満面の笑みで、

 

 

 

 

「僕はね、夏休み。あのダーズリーの家に帰ってから何もかもを隠されたんだ。階段下の物置にね。ヘドウィグもだよ。辛かったし悲しかったなー。でも、僕は頑張れる気がしてたんだ。なぜなら、君からの手紙がくると思っていたからね。」

「いや、ロンが…」

「僕は君に『住所』を教えた。どうせ手紙は毎日僕が確認するんだ。ロンたちには『住所』は教えてない」

 

 

 

 

なるほど、なぜ帰り道に僕に住所を伝えたのかわかった。正直あのときなぜ住所を僕を教えるのかわからず、あのメモはローブの中に入ったままだ。って言われなければわかるわけないだろう!僕は純血で、あの家で育ってるんだ。あたりまえのようにマグルの方法が思いつくなと思うな!

 

 

 

 

「前の君。マグル式で手紙のやり取りを、普通にしてたよね。やり方がわからなかったとは言わせないよ」

 

 

 

 

これは、反論したほうが馬鹿をみるやつだ。素直に謝る方がいい…でも、これ僕が謝る案件か?不必要な謝罪は、必要な時もあるとは知っているが、なんだかここで謝罪するのは癪だ。というより、実は今脳内が忙しい。この一年間とキャラクター違うじゃないか。猫かぶるのやめたのか。という叫びと、僕からバースデーカードが届かなくて怒っているのか?という嬉しさもある。目の前のハリーにどっちの対応でいけばいいかわからないのだ。

 

 

 

なんの反論もしない僕の様子をみて、ハリーは、笑顔のまま僕の隣に来て腕をからませる。

「お願い事、ひとつ聞いて。ね」「ずるいな!」

 

 

あはは。とハリーが笑う。「君意外とアルに弱かったよね!スコーピウスと一緒にあいつのことも甘やかしてた!これは今後も使おうっと」それは結構。くそう。悔しい。

 

 

 

「そういえば、僕、すでにギロルデイ済み。相変わらずの男だったよ」

「ギロルデイ済って…まぁ何があったのかがわかる明確な表現…だな」

「そう。だから僕とても疲れています。さっさと次に行きませんか?」

「あぁ、ちょっと待ってくれ。」

 

 

 

 

そういえば、とサジーを目で探すといまだロンと一緒にいる姿を見かける。そばには妹御のジネブラ・ウィーズリーも一緒にいた。「見た目は可愛いのに」と昔サジーがつぶやいたのを思い出し,同学年同士仲良くしろよ。と、微笑む。すると、サジーと目が合い、こちらにやってくるのがわかった。

 

 

 

とりあえず、顔合わせはしておくか。「このこは僕の弟のサジッタ・エイブリー。訳合ってファミリーネームは違うがな」

サジーに「友人のハリーポッターだ。」と伝えると、彼は恭しく頭をさげ自己紹介をした。

 

 

 

 

「初めまして。ハリー・ポッター様。お会いできて光栄です。僕はサジッタ・エイブリーといいます。以後お見知りおきを」

「僕の名前に『様』はつかないよ。ハリーってよんでくれるかな」

「はい。では、私のことは気軽に、サジーとお呼び下さい。兄様しか私のことはサジーと呼ばないのでそうしていただけるとうれしいです。」

「オーケイわかった。サジー。よろしく」

 

 

そういってハリーは握手を求める。サジーも「ありがとうございます」と満面の笑みでその手を取った。それから、また寮のことや学校生活について二人は簡単に話を交わす。

 

 

 

「そういえばサジーもロンと仲がいいの?ドラコとロンが仲いいから君の仲がいいんだろうね」

 

 

 

 

サジーからきつい睨みが僕に飛んでくる。珍しい、感情を顕にするなんて。つまり、わざとか。

 

 

 

「ハリー。失礼ですが、ロンというのがどなたを指すのか私にはわかりかねます。もしかしてですが、あなたも兄様と同じでウィーズリーと仲が良いので?」

「……ロン・ウィーズリーのことかな?仲がいいよ」

 

 

 

サジーは心底困ったような様子でハリーをみるが、ハリーはいつもどおりの表情で返す。

 

 

 

「そうですか。ハリーも兄様と同じで奇特な感覚な持ち主でいらっしゃるのですね。僕から言わせればあのようなものとお付き合いなさるのは一度考えられたほうがよろしいかと。友人というものは子供が考える以上に価値があり、意味があるのです。あのようなものと一緒になると、ご自身のご価値が下がります。付き合う友人はよく考えられたほうがいい。」

 

 

 

 

どっかで聞いたことがあるような内容のサジーの言葉に僕は胸を痛めつけられる。ハリーが何を考えているのか分かる気がする。やめろ。黒歴史をリアルタイムでみせつけるのはやめてくれサジッタ!

ハリーがなにかを言う前に、と自分が先に返事をする。

 

 

 

 

「サジー。それは遠まわしにこの兄のことも非難し、貶しているのか。」

「……」

「サジッタ。僕は何度も言ってる。ロンは僕の友人だ。「友人によって価値が下がる」というのなら、おまえがロンのことを馬鹿にするたび、それは僕のことを馬鹿にしているのと同義だ。」

 

 

 

一瞬目をそらし暗い顔をするが、すぐに顔をあげて笑顔になる。

 

 

 

「いいえ。兄様。そのように勘違いをさせてしまったこと、深くお詫びいたします。あのようなものご友人をされるなんていう「慈善活動」は不必要ではないかと思っているだけです。どんな人にも手を差し伸べられる兄様は素敵ですが、そのようなことをなされなくても十分に兄様は価値のある人物です。」

「慈善?」

「えぇ。」

 

 

 

 

そうでしょう。とサジッタは首をかしげる。

こわい。僕はこうではなかった。前の僕は正直、父が絶対でヒーローで純血主義で、差別や偏見にまみれた考えをもっていた。いいわけだが、そういう環境だったのだ。あの戦いが終わったあと、色々と考えさせられたし、アストリアとも何度もそういった話をした。自分が間違っていたとは正直いいたくないが「偏っていた」ことにはきづき、スコーピウスはそうならないように「柔軟」に二人でそだてたのだ。サジッタも考えが固まらないよう、以前の僕のようにならないよう何度も何度も考えが固まらないよう「声かけ」や「話」をしてきたのだ。それでもこうなのか。それは彼の性質なのかそれとも……。

 

 

 

 

「もういい。僕はこのままハリーとお話をしてかえる。お前は、買ったものをもって父上たちのところへ戻れ。今すぐにだ。」

「……わかりました」

 

 

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「サイコパスかな……!!!!!!?」

 

 

 

二人でカフェにはいり、コーヒーとカフェラテを注文する。ちなみにここはダイアゴン横丁から出て目の前にあるマグルの店だ。漏れ鍋までロンやハーマイオニーたちと一緒に戻ったのだが、僕とハリーはそのまま裏からでてマグルの街にでたのだ。道中ハーマイオニーが「あなたの弟っておもしろいのねぇ」と言っていて耳を疑った。たぶんそれ僕の弟じゃない。ハリーと僕は一言も会話を交わさなかった。

席に着き、お互いに無言で検知不可呪文と防音呪文をかける。最後に万が一の場合の耳塞ぎの呪文。そうして準備が終わった瞬間のハリーの叫びだった。

 

 

 

「君の弟サイコパスかな!?

「否定はしない」

「性格、前の君のまんまだって?安心していいよ君!気にすることはない!ましだったよきみは!可愛げがあった!」

「それは、喜んでいいのか疑問だな。そしてサジッタ可愛いだろう」

「見た目はね!みためは、スネイプ先生の幼い頃みたいな可愛さだったね!?君に似た顔でね!君のその美しいブロンドときれいなアイスグレーの瞳とはまた違ったね!漆黒の美しさがそこにあった。あったさ。けどなんだあの子!」

「正直僕にもなぜあぁなったのか検討つかないんだ」

「そう……ちょっとドラコじっとしてて!」

 

 

そう叫ばれて、つい身をこわばらせる。目の前のハリーは「はあああああ」と眉間に皺をよせながら僕の顔を見つめていた。

 

 

 

 

「よし、落ち着いた」

「なぜだ!?」

 

 

 

 

君の弟のことはもういい。「君よりは賢そうでサイコパスで扱いにくそうなのはよくわかった」「またも失礼だな?」「ああごめん以前の当時の君よりって意味だ。きみは扱いやすかった。今思えば」「もう、何も言うまい。」

 

 

 

 

それからは、この会わない期間にお互いにあったことを近況報告していた。ハリーの家にきたしもべ妖精は「ビビ」と名乗ったらしい。あぁやはりそれはエイブリー家のしもべ妖精である。そうとなれば、やはりあの日記はエイブリー家にあり、それを耳にしたビビがハリーに危険が及ばぬようにと警告をしにきた。ということだろうか。

そうだとして、そうだとしても。先ほどの書店にはあれから父上もエイブリー家と当主。アルフィ・エイブリーも現れなかった。つまり「リドルの日記」イベントは発生しなかったとうことである。

 

 

 

 

「うーん。まぁエイブリー家からどこか誰かの手にはわたっているには違いないだろうね」

「そうだな。今回はジニーではない誰かが入手してしまっているということか」

 

 

 

めんどくさい。ハリーため息を盛大にため息をつく。

 

 

 

「ぶっちゃけリドルの日記って優先度低くない?」

「いやいや低くないだろう。分霊箱で破壊は必須だ。バジリスクの毒も採取できれば色々と便利だろうし。というよりバジリスクの被害は避けるべきだ」

「ちっ」

「舌打ちをするな舌打ちを」

 

 

 

 

あんなに可愛かったハリーはどこに行ったのやら。ホグワーツに行けばひと目もあるし、素直でかわいいハリーに戻るのかなと淡い期待を持つ。いや、素直でかわいいハリーも正直あのハリーだと思うと気持ち悪いのだがな!しかし!そういうときは「これはアルバス」と心の中で唱えるだけでなんか全てが解決する気がする!

 

 

 

ガッツポーズを机の下で構えると、ハリーがジト目でこちらを見ていた。

 

 

 

「ねぇドラコ。僕といるときにナチュラルに閉心術使うのやめない?」

「ああ、すまん。もうこれは癖だ。って勝手に開心術使うな」

「あぁ、ごめん。もうこれは癖」

「閉心術以上にやっかいな癖だな!」

 

 

 

 

じっと二人で顔を見合わせたかとおもうとお互いに吹き出す。一年間知らなかったせいでできなかった会話がこんなにも楽しい。充実している。だから、僕は人生をやり直しに来たんだ。うだうだ悩まずにこの関係性を楽しんでいればいいのだ。

 

 

 

 

 

 

「そういえば、ハリー。僕の父上が君にあいたがっている。」

「僕に?」

「ああ。母上も楽しみにしていてな、クリスマス休暇には僕の家に来るといい」

「何も起きなければね」

「何を隠している」

「何も。何があったかなぁと記憶を掘り起こしている。」

 

 

 

そういいながら、彼はカフェラテに大量の砂糖を追加している。だから、そういうのやめろ。

 

 

 

「そういえば、父上がハリーに対して寛容な気がする。」

「スリザリンだから?」

「それはあるかもしれないが、君は僕たちにとっては半純血だし、ヴォルデモートを表向き倒した子で死喰人の敵みたいなもんだろう」

「あぁ。だからだろう」

「そりゃ、父上は服従の呪文をかけられたとかいって、どっちつかずの態度だったが」

「僕がグリフィンドールに組み分けられるまで、死喰人たちの間でなんて言われていたか、君が知らない訳無いだろう」

 

 

 

あぁ、合点がいった。そういえばそうだった。「闇の魔法使い」「第二のヴォルデモート」と噂されていたんだった。それが、グリフィンドールに組み分けられて、ウィーズリーとマグルと仲良くなり、ダンブルドア陣営に入っていったから、「ヴォルデモート」の敵になったんだ。「死ぬべきときに死ぬことができるように」

 

 

 

「まぁつまり僕がスリザリンになったってことはそういうこと!あいつらにとってはね!」

「そして、父上は以前ヴォルデモートにしたように、今度は君に取り入って世界を別の角度から手に入れようとしているのか」

「言い切れないけど」

 

 

 

うーん。まぁなんにせよ。僕がドラコのご家族と仲良くすることに問題はないから、今度遊びに行かせてよ。と、「屋敷によばないほうがいいかもしれない」という僕の考えを汲み取ったかのような発言に「かなわないな」と思う反面「悔しさ」を感じる。

 

 

 

 

「あ、あと僕の誕生日のお願いの話!『マンドレイク回復薬』の制作をお願いいたします!」

「ふむ」

「あのとき、マンドレイクが手に入らなくてずっと石化してたからさ。作っとけばいいじゃんって、できるだろ?」

「誰にものを言っているんだ。余裕だ。」

「さっすがドラコー!」

「というより、もう作ってある」

 

 

 

ニヤリと、つい笑みがこぼれる。「どうだ」

ハリーは一瞬目をぱちくりさせたあと、「最高だよ!」とハイタッチを求めてきた。

やられてばっかの自分じゃ、悔しいばかりだからな。せめて得意分野では優位にたたせてくれ。

 

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